「22日の米国株は小幅安」
「原油価格が大幅安」
「債券利回りは急低下」
「エネルギー関連株が安い」
「景気動向を警戒」
22日の米国株は小幅安となりました。下落率は、ニューヨークダウ、ナスダック指数とも0.1%台となりました。
原油価格が下落しました。前の日に110ドル台だったニューヨーク原油先物価格は一時、101ドル台まで下げました。6月上旬の原油先物価格は123ドル台もありましたので、短期間で大幅な下げを記録しています。
債券利回りは低下しました。10年債利回りは、3.12%台まで低下しました。1週間ほど前には3.5%に近付いていた水準ですので、こちらも短期間で大幅な低下です。
原油価格下落、金利低下は、景気の先行きに対する弱気な見方を反映しています。株式市場では、エネルギー関連株、景気敏感株の下げが目立ちました。一方で、消費関連株は高くなっています。
ニューヨークダウ採用銘柄における下落率上位銘柄は、ダウ、キャタピラー、シェブロン、ナイキ、ハネウエルでした。一方で、上昇率上位は、ユナイテッドヘルス、ジョンソンアンドジョンソン、P&G、マクドナルド、メルクでした。
金融引き締め加速が景気動向に与える影響が強く意識されています。。
前日21日に全米不動産協会が5月の中古住宅販売件数を発表しました。年率換算で541万件です。前月比で3.4%減少、前年同月比では8.6%の減少となりました。前年同月と比較した減少は、昨年8月から10か月連続です。
販売価格は上昇が続いています。以下に示します。前年同月比では3月+14.6%、4月+14.3%、5月+14.8%です。これを時系列的に示すと、面白い傾向が見えます。
中古住宅販売価格(中央値)の推移
2020年9月~(単位 ドル)
9月 355100
10月 355700
11月 358200
12月 358800
1月 354300
2月 363700
3月 379300
4月 395500
5月 407600
季節調整をしていない中央値は、昨年の9月から今年1月まで35万ドル台で推移してきました。それが、今年の3月からは前月比での価格上昇が目立ってきています。前月比では、上昇に拍車が掛かっているように見えます。業者による、転売を目的とした投機的な買いが活発になっているように見えます。
これだけ住宅価格が上昇すると、株式市場は「高過ぎて買えない。住宅販売は今後、急速に落ちる」と考えます。そうした観測が景気全般に対する警戒感につながり、原油価格の大幅安、債券利回り急低下につながったと考えられます。