「FOMC、予想通りの0.75%利上げ」
「今年末の政策金利は上限3.5%」
「年後半4回のFOMCで累計1.75%の利上げへ」
「来年の利上げ幅は0.25%~0.5%」
「来年のインフレ率は2.6%~2.7%」
15日の米国株は上昇しました。FOMCの結果、0.75%の利上げが実施されました。前日のシカゴマーカンタイル取引所の「FEDウォッチ」では、0.75%の利上げの可能性は99%とされていました。事前予想で織り込みが進んでいたことから、0.75%の利上げが想定内の出来事と捉えられ、株価は上昇しました。
今回のFOMCでは、メンバーの金利見通しが公表されています。以下に示します。
FOMCメンバー18人の予想
2022年末の政策金利
3.00%~3.25% 5人
3.25%~3.50% 8人
3.50%~3.75% 4人
3.75%~4.00% 1人
今年末のFFレートについては、「3.25%~3.50%のレンジ」が最多数派となりました。6月の利上げにとって、FFレートは「1.50%~1.75%」となりました。最多数派の予想値通りになるのなら、下半期における7月、9月、10月、12月の4回の会合において、累計1.75%の利上げ幅が行われる計算となります。
つまり、今後の利上げは、7月0.5%、9月0.5%、10月0.5%、12月0.25%―――といったペースで進むことになります。あるいは7月0.75%、9月0.5%、10月0.25%、12月0.25%になるのかもしれません。
今年の下半期について、大幅な利上げが連続するとの金融政策が、具体的に明らかになりました。
そして、来年=2023年末のメンバーの予想金利水準も見てみましょう。
2023年末の政策金利
2.75%~3.00% 1人
3.25%~3.50% 1人
3.50%~3.75% 7人
3.75%~4.00% 4人
4.00%~4.25% 4人
4.25%~4.50% 1人
こちらの最多数派は「3.50%~3.75%」です。中央値では「3.75%~4.00%」になります。今年に大幅な利上げを連続して行った結果、来年の利上げ幅は、累計でも0.25%~0.50%の留まるとの考え方が示されました。来年は利上げ一服の年になります。
来年の利上げが一服するとの根拠は、メンバーのインフレ率の見通しに起因しています。以下に示します。
FOMCメンバーのPCEインフレ率の予想(カッコ内は3月予想)
2022年 2023年
総合 5.2(4.3) 2.6(2.7)
コア 4.3(4.1) 2.7(2.6)
2023年のインフレ率は、総合で2.6%、コアで2.7%と、今年と比べて落ち着くとの見方が取られています。インフレ率が落ち着いてくるので、来年の利上げは限定的になると考えられています。