「16日のナスダック指数は1.2%下落」
「売り込み銘柄の買い戻し一巡」
「ビットコイン価格も下落」
「NY連新製造業景況指数、5月は大きな落ち込み」
「4月の中国経済統計、大きな落ち込み」
16日の米国株は、ニューヨークダウがごく小幅の上昇となる一方で、ナスダック指数は1.2%の下落率となりました。
ナスダック市場において「高値から数分の1になった銘柄」が12日から13日にかけて大幅高になったと、このコーナーで紹介しました。それらが16日には軒並み反落です。新興電気自動車メーカーのリヴィアンが約7%の急反落、仮想通貨運営のコインベース(COIN)も9%の下落です。当面のショートカバー一巡を示す現象です。
ビットコインの価格は、12日安値26350ドルに対して31300ドル台まで上昇しましたが、米国時間午後5時現在では30000ドルを割ってきました。短期的には、ビットコインの価格とナスダック市場の動きとの連関性が強いように見えます。
ニューヨーク連銀は16日、5月の製造業景況調査を発表しました。以下に示します。
5月NY連銀製造業景況調査(前月比)
現状
景気指数 -11.6(-36.2)
新規受注 -8.8(-33.9)
出荷 -15.4(-49.9)
極めて大きな落ち込みとなりました。5月に受注が「上がっている」と答えた企業の割合は24.9%(4月43.3%)と、「下がっている」と答えた33.7%(4月18.2%)を下回りました。米国製造業の受注状況が落ちています。中国のロックダウンが影響を与えている面があると考えられます。
16日の日本時間午前中に中国の4月主要経済指標が発表されました。小売売上高が前年同月比で11.1%減少、工業生産高は2.9%減少しています。ロックダウンの影響が色濃く表れています。
中国の自動車生産高について、以下に示します。
中国の自動車生産台数(カッコ内は前年同月比)
2021年
1-2月 385万5000台(+89.9%)
3月 251万7000台(+69.8%)
4月 227万3000台(+6.8%)
5月 209万6000台(-4.0%)
6月 203万8000台(-13.1%)
7月 185万3000台(-15.8%)
8月 173万4000台(-19.1%)
9月 218万6000台(-13.7%)
10月 234万4000台(-8.3%)
11月 267万3000台(-7.1%)
12月 296万6000台(+3.4%)
2022年
1-2月 426万6000台(+11.1%)
3月 238万7000台(-4.9%)
4月 128万2000台(-43%)
4月の自動車生産水準が落ちていることがわかります。以下には、電気自動車を軸とする新エネルギー車の生産状況を示します。
中国の新エネルギー車生産台数(前年同月比)
2021年
1-2月 31万7000台(4.9倍)
3月 23万3000台(4.1倍)
4月 22万9000台(3.6倍)
5月 23万7000台(3,3倍)
6月 27万3000台(3.0倍)
7月 28万9000台(2.9倍)
8月 33万台 (2.5倍)
9月 36万2000台(2.4倍)
10月 40万8000台(2.2倍)
11月 47万7000台(2.1倍)
12月 52万3000台(2.1倍)
2022年
1-2月 80万9000台(2.5倍)
3月 51万8000台(2.2倍)
4月 33万台 (+42%)
前年同月との比較では4割増えています。しかし、従来の2倍増ペースと比べれば、勢いは落ちています。電気自動車生産が鈍化しています。