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「ニューヨークダウ、2日-4日で累計1083ドル高、5日は1063ドル安」

「ナスダック指数、2日-4日で累計630P高、5日は647P安」

「10年債利回り、3.1%まで上昇」

「FOMC結果発表、6月の利上げ幅は0.5%にとどまる?」

「"3月の株高、4月の株安"、5日の米国株下落を呼ぶ」

 

 

 

東京株式市場は3連休でした。その間の米国株の動きを以下に記載します。

 

 

           NYダウ          ナスダック総合指数

2日   33,061.50ドル(+84.29ドル)    12,536.017P(+201.377P)

3日   33,128.79ドル(+67.29ドル)    12,563.757P(+27.740P)

4日   34,061.06ドル(+932.27ドル)    12,964.856P(+401.099P)

5日   32,997.97ドル(-1,063.09ドル)  12,317.691P(-647.165P)

 

 

米国株は、2日~4日の間に上昇しました。特にFOMCの結果発表、パウエル議長の記者会見が行われた4日には大幅高となりました。そして、昨日5日には一転して大幅安となりました。2日~4日の累計上昇幅を、5日に帳消しにした形です。

 

 

米国時間4日のFOMCにおいて、0.5%の利上げ実施が発表されました。量的金融引き締め政策の詳細も発表されました。6月1日から毎月475億ドル(米国債300億ドル、不動産担保証券175億ドル)のバランスシート縮小に進みます。3カ月後には950億ドル(米国債600億ドル、不動産担保証券350億ドル)に引き上げます。

 

 

マーケットは、金融政策の引き締め強化を意識して動いてきました。織り込みが進んでいたので、金融引き締めに関する情報公開は、4日においては新たな悪材料には作用しませんでした。

 

 

パウエル議長が6月のFOMCにおいて、0.75%の利上げの可能性は少なく、0.5%にとどまるとの考え方を示唆したことも、4日の株価急騰につながったと考えられます。

 

 

FOMCの結果が発表されて、株価が上昇する構図は、前回3月のFOMCの結果公表時にも見られています。3月16日のFOMC結果公表を受けた株価の動きを以下に記載します。

 

 

                                     NYダウ          ナスダック総合指数

3月16日    34,063.10ドル(+518.76ドル)   13,436.553P(+487.932P)

3月17日    34,480.76ドル(+417.66ドル)   13,614.781P(+178.228P)

3月18日    34,754.93ドル(+274.17ドル)   13,893.837P(+279.056P)

 

 

上記のように、3月はFOMCの結果を受けて米国株価は上昇しています。しかし、米国株は、4月に入ってからかなり大きく下げました。FOMCの結果発表を確認して3月の株価は上昇したけれども、4月に入ってからは、その後の金融引き締め強化路線継続が予想される中で、経済が悪影響を受けるとの警戒感から株価は下落しました。

 

 

今回も、結果発表を受けて、4日の株価は上昇しました。しかし、3月から4月にかけての動きを参考にすると、「結果発表で当面の材料出尽くし」によって買い戻される場面は長くは続きません。

 

 

インフレ抑制を目的とした利上げ加速によって企業収益が悪くなる懸念が高まれば、基本的に株価が下がることは避けられないのです。5日の米国市場では、金融引き締め強化による経済の悪化、あるいは「6月の利上げ幅が0.5%でインフレを抑制できるのか」との警戒感が働いたと考えます。

 

 

今後の株価についても、金融引き締め路線の中で、経済・企業業績の魅力がどのくらい対抗できるのか、そこが株価を見る上での焦点になることは変わりません。

 

 

来週11日に発表される、米国の4月消費者物価指数の発表がひとまずの焦点でしょう。昨年2021年4月の米国消費者物価指数は、前年同月比4.2%の大幅な上昇となりました。1年前の物価が上昇しているので、今年4月の消費者物価指数の前年同月比の伸び率は鈍る可能性が指摘されます。

 

 

これまでは「市場予想を上回る物価指標上昇の確認→市場予想を上回る金融引き締め強化」の流れが続いてきました。これが、物価上昇値が予想を下回り、金融引き締めについての考え方もマイルドな状況に変わる場面が来るのか、大きな注目点でしょう。

 

 

つまり、これまでは「利上げ幅が従来の0.25%から0.5%に拡大する」といった展開をマーケットは消化してきました。しかし、これが「利上げ幅は場合によっては0.75%が予想されてきたが、どうやら0.5%にとどまりそうだ」との方向性に市場マインドが変わってくるのか、ここが焦点です。

 

 

市場予想と比べて、インフレ状況が抑制されるデータが明らかになり、市場予想と比べて利上げピッチがマイルドになり、経済や企業業績が金融引き締めによって悪化しないとの自信が高まってくると、株価は上昇します。言い換えれば、そのような展開に自信を持つことのできる根拠は乏しいのが現状です。

 

 

事実として、米国10年債利回りが5日には3.1%台まで上昇していることを直視します。金融引き締め加速を受けて、金利が上昇している、これが事実です。

 

 

 

 

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