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「4月28日の米国株は大幅安」

「4月29日の米国株は大幅安」

「メタ(FB)効果で大幅上昇、アマゾン影響で大幅下落」

「アマゾン、ネット販売拡大にブレーキ」

「アマゾン、1日で時価総額31兆円の消失」

「体験型レジャーシフトの証左」

 

 

 

 

4月28日に東京株式市場の取引が終了した後の米国株の動きを確認しましょう。米国株は28日木曜日に大幅上昇しました。そして、29日金曜日には大幅下落となりました。以下に示します。

 

 

           ニューヨークダウ          ナスダック総合指数

28日  33,916.39ドル(+614.46ドル)   12,871.528P(+382.595P)

29日  32,977.21ドル(-939.18ドル)    12,334.640P(-536.888P)

 

 

27日のメタ(フェイスブック)の決算後にメタの株価が時間外で大幅上昇しました。メタの株価大幅上昇が、メタと同様にここまで大幅に下げてきた銘柄全般の買い戻しにつながり、28日の米国株は大幅上昇となりました。

 

 

そして、28日引け後にはアマゾンが決算を発表しました。今度はアマゾンが大幅安となり、そのアマゾンの急落が他のIT銘柄に対する売り物加速につながり、29日の米国株は大幅安となりました。

 

 

アマゾンが28日発表した決算概要を以下に示します。

 

アマゾンの1-3月期

売上高          1164億ドル(+7.3%)

うちモノの売上高      564億ドル(-1.8%)

うちサービスの売上高    599億ドル(+17.5%)

 

営業利益           36億ドル(-58%)

 

 

最終損益は、出資している電気自動車メーカーの株価下落に伴う損失の計上で赤字となりました。

 

 

一時的な特殊損失による最終赤字よりも、売上高の伸びが極めて低かったことがショックをもたらしたと考えます。サービス事業は上記のように高い伸びを見せていますが、モノの売上高、ネット販売事業の伸びが止まっています。

 

 

アマゾンの株価は、29日に2485ドル(-406ドル、-14%)となりました。1兆7100億ドルほどあった時価総額が1日で1兆4700億ドルになった計算です。1日における時価総額消失額は約2400億ドル、日本円にして31兆円になります。

 

 

アマゾンは、4-6月期の売上高について1160億ドル~1210億ドルとの見通しを公表しました。前年同期に対して3%~7%の増収です。営業損益については、10億ドルの赤字~30億ドルの黒字とのレンジを公表しました。

 

 

売上が急成長していて、投資の負担で利益面が悪化している場合、赤字企業が高いPERを維持することはあり得ます。しかし、売上高の伸びにブレーキがかかってきたことで、高PERを許容する理由の1つが消失してしまい、売り物が膨らむ結果となりました。

 

 

細かいデータも見てみましょう。アマゾンのオンライン販売、リアル店舗販売(スーパーの売上高)、そして「輸送コスト」について、四半期毎の推移を以下に記載します。(単位 100万ドル)


           2021                        2022

           1Q        2Q    3Q      4Q    1Q

オンライン販売高  $ 52,901  $ 53,157  $ 49,942  $ 66,075  $ 51,129

店舗販売高     $ 3,920   $ 4,198    $ 4,269      $ 4,688     $ 4,591

輸送コスト              $ 17,162   $ 17,747    $ 18,108    $ 23,656     $ 19,560

 

 

 

前年の1-3月期との比較では、オンライン販売高が減少する一方で、リアル店舗の販売は増加しています。輸送費は当然増えていて、前年同期と比べて14%ほど増加しています。経費の増加が利益面を圧迫しているのは事実でしょうが、本質的な問題はネット販売高の勢いが落ちたことにあります。

 

 

ネット販売の伸び鈍化については、世界の人々の巣籠消費の特需が一巡したことの反映と捉えられます。ネットフリックスの有料会員数の減少、アマゾンのネット販売増加のブレーキ、この2つの事象は、世界の人々が巣籠を抜け出して、体験型レジャーを再び楽しみ始めていることの証左と言えます。

 

 

 

 

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