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「26日の米国株は大幅安」

「グロース株下落、資源株も続落」

「マイクロソフト、グーグルが決算発表」
「マイクロソフト、4-6月期売上高ガイダンス強く、時間外取引で上昇」
「グーグル(アルファベット)の予想PER20倍割れを買わないのか?」

「ファナック、前期営業利益未達、受注は高水準続く」

「オムロン、設備投資関連需要は強い」

 

 

 

 

26日の米国株は下げました。下落率は、ニューヨークダウが2.3%、ナスダック総合指数は3.9%でした。ナスダック指数の4%近い下落率が示すように、大きく下げました。

 

 

26日のナスダック総合指数は、約80P安で始まり、終値が514P安でこの日の安値でした。つまり、始値がほぼ高値で終値が安値です。だんだんと取引時間中に下げ幅を広げていった動きとなります。ニューヨークダウもほぼ同様の動きです。

 

 

米国10年債利回りは、前の日よりも0.1%Pほど低い2.72%まで低下する場面がありました。「金融引き締め強化によって景気が悪くなることを警戒して、債券が買われ、株式が売られる」のパターンです。

 

 

ナスダック市場で主力のグロース株が総じて下落したほか、資源・エネルギー関連株も下げています。フリーポートマクモラン、シェブロン、BHP、リオティント、ヴァーレ、ペトロブラスなどが下げる展開が続いています。

 

 

物価高に伴う消費動向への警戒感も強く、ナイキの下落率は5.8%になりました。ナイキの株価はこの1週間で12%ほど下げています。

 

 

敢えて、反転の兆候を探すとするならば、採用全銘柄が下げたニューヨークダウ構成銘柄で、最も下落率が低かったのが、原油生産のシェブロンでした。そして、エクソンモービル(XOM)は小幅高で引けました。これらエネルギー関連株の一角に下げ止まり感が見られることは、注目すべき兆候と言えるかもしれません。もっとも、これは「単に原油価格が上昇したことに反応したに過ぎない」のかもしれません。

 

 

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米国株式市場の通常取引終了後、マイクロソフトとグーグル(アルファベット)が1-3月期の決算を発表しました。金融引き締め強化の中で、代表グロース株を買えるのかどうか、業績面と株価面を判断して行動する上で、重要な内容となります。

 

 

マイクロソフトの1-3月期決算内容です。(カッコ内、前年同期比)

 

売上高   494億ドル(+18%)

営業利益  204億ドル(+19%)

1株利益  2.22ドル(+14%)

 

 

部門別営業利益です。

 

Productivity and Business Processes   71億ドル(+19%)

Intelligent Cloud             82億ドル(+28%)

More Personal Computing         48億ドル(+6%)

 

 

営業利益2割増ペースが確認されました。現状の予想1株利益10ドル超の水準で、利益の中期的拡大の確率の高い企業の株価はいくらが妥当か、という命題に世界の投資家が取り組みます。マイクロソフトの26日の株価は前日比で3.7%下落して270ドルでした。時間外取引では、日本時間の午前6時40分、小幅高となっています。

 
その後、マイクロソフトは4-6月期の売上高見通しを530億ドル前後と発表しました。4-6月期の売上高ガイダンスが強かったため、マイクロソフトの株価は午前8時段階では4.5%の上昇に転じています。

 

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グーグルことアルファベットが26日発表した1-3月期決算です。

 

 

売上高      680億ドル(+23%)

営業利益     200億ドル(+22%)

1株利益     24.62ドル(-6%)

 

 

グーグルも、営業利益ベースで2割を超える増益ペースが確認されました。しかし、営業外収益の特殊事情によって、最終利益・1株利益は前年同期を下回りました。同社株は通常取引で3%下げ、時間外取引でも5%ほど下げています。(日本時間午前6時48分)。

 

 

グーグルの株価水準は、時間外取引で2250ドル程度まで下げてきました。1株利益は現状で年間換算100ドル超。それが2割超の増益ペースを維持すると考えるならば、PER面ではいよいよ20倍を切る水準まで低下します。FFレート2.5%時代でも、グーグルの株価水準が魅力的に映る段階に入るか、そこが米国株式市場のカギになります。

 

 

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日本では、ファナック(6954)が26日、2022年3月期決算を発表しました。

 

 

ファナックの営業利益

2022年3月期   1832億円(計画比-32億円)

2023年営業利益  1973億円(前期比+140億円)

 

 

 

2022年3月期の営業利益が32億円下振れ。新年度は140億円増やす見通しです。しかし、前期の下振れ分を考慮すると、新年度の利益水準を物足りないと感じる投資家も存在するでしょう。株主はもっと上の水準を期待していた、新年度の利益水準が物足りない、それがここまでの日本企業の決算動向です。

1-3月期の動向をもう少し詳細にします。

 

 

ファナックの1-3月期実績(前年同期比)

売上高    1928億円(+9.5%)

売上原価   1180億円(+13.3%)

営業利益    433億円(-8.4%)

 

 

売上高は増えている。しかし、売上原価はもっと増えている。そのため、営業利益は前年同期比で減益。売上原価の増加(材料費の上昇)が営業利益未達の理由になります。

 

 

一方で、ファナックの1-3月期受注は落ちていません。

 

受注高 2253億円(前年同期比+8.7%、前期比+4.4%)

うち中国 703億円(前年同期比-2.6%、前期比+23%)

うち米州 518億円(前年同期比+29%、前期比+12%)

 

 

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日東電工(6988)も26日に決算を発表しました。

 

 

日東電工(6988)の営業利益

2022年3月期   1322億円(計画比-7億円)

2023年3月期  1400億円(前期比+77億円)

(前提為替レート1ドル112円(前年は111.8円)

 

 

かなり、前提為替レートを円高の水準において、予想利益を抑制しているように見えます。

 

 

新年度のセグメント動向も記載しましょう。

 

日東電工の今年度セグメント別営業利益予想

インダストリアル     410億円(+4%)

オプトエレクトロニクス  980億円(+1%)

ヒューマンライフ     120億円(2倍)

 

 

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そして、オムロンの決算です。

 

 

オムロン(6645)の2023年3月期計画

売上高  8500億円(+11.4%)

営業利益  930億円(+4.1%)

 

 

オムロンは、工場内で使われる各種制御機器を供給しています。2022年3月期の業績は、計画を確保しました。新年度の見通しは2ケタの増収、そして4%の増益。やはり、原価率は高めになって、売上高の伸びに比べて、営業利益の伸びが鈍くなります。しかし、需要は強い。売上高12%成長なのだから、設備投資関連の需要は強いのです。

 

 

オムロンは中国の特殊状況をリスクとして織り込んでいます。決算説明資料には「上海のロックダウンによる主力工場の稼働停止影響などを、業績変動リスクとして、計画に売上100億円、営業利益40億円を計画に織り込んだ。」と記載してあります。

 

 

ファナックの受注やオムロンの決算内容を考慮すると、設備投資の需要は落ちていないとの考え方ができます。

 

 

 

 

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