「ニューヨークダウ安く、ナスダック総合指数は高い」
「決算発表のJPモルガン、6%下落」
「米国12月小売売上高、前月比-1.9%、前年同月比+16.9%」
「ミシガン大学1月消費者センチメント指数は低下」
前週の金曜日、14日の米国株は、ニューヨークダウが下げる一方で、ナスダック総合指数は高くなりました。ニューヨークダウの下落率は0.5%、ナスダック総合指数は、上昇率が0.5%でした。
金融株と消費関連株の下落が、ニューヨークダウの軟調な動きに繋がりました。ニューヨークダウ採用銘柄における下落率トップは、決算を発表したJPモルガンです。JPモルガンの株価は約6%の下落率となりました。下落率2位は、住宅関連資材等の販売チェーンであるホームデポ、3位がアメリカン・エクスプレス、4位がゴールドマンです。
決算発表のJPモルガンが下げて、小売売上高の数値を見て、消費関連株が下げるとの構図です。
JPモルガンの決算数字を以下に示します。
10-12月期
純利益 103億ドル(前期比-11%、前年同期比-14%)
10-12月期における減益決算を受けて、株価は下がったようです。ダイモンCEOのコメントの主旨を以下に記載します。
「オミクロンの逆風が吹いているが、景気は非常に好調を維持している。変異種、インフレ、サプライチェーンのボトルネックはあるが、与信は引き続き健全であり、米国の経済成長は、引き続き楽観的な見方をする。企業心理は明るく、消費者は雇用と賃金の恩恵を受けている。かつてないほどのM&A活動や商業銀行業務が好調であった」
JPモルガンでは、2022年の基本的な金利収入について500億ドルと、2021年との比較で約12%の増加を予想しています。今年は基本的に増収です。そして、2022年の「非金利費用」は770億ドルと8.6%ほど増えるとしています。2022年は収益も経費も増える見通しです。
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14日に発表された米国の12月小売売上高は6268億ドルとなり、前月比1,9%の減少となりました。「前月比1.9%減少」を受けて、ホームデポやアメリカン・エクスプレスなどの株価下落につながったと見られます。
しかし、12月小売売上高は前年同月比では「+16.9%」です。消費者物価指数の7%の伸びを考慮しても、売上高の前年同月比の伸び率は極めて高いと考えられます。現状のデータは、引き続き米国消費の強さを示していると考えるのが自然でしょう。項目別の売上高状況を記載します。
前月比 前年同月比
全体 -1.9% +16.9%
自動車・部品 -0.4% +10.2%
家具 -5.5% +11.1%
建材 +0.9% +12.5%
家電 -2.9% +14.6%
衣料品 -3.1% +29.5%
無店舗販売 −8.7% +10.7%
食料品 -0.5% +8.4%
ガソリンステーション -0.7% +41.0%
外食 -0.8% +41.3%
ホリデー商戦の前倒しによって、11月の売上高が増えて、その結果、11月との対比で12月の売上高が「前月比減少」となった構図です。基本的には、消費動向の高い水準を示すデータでしょう。
14日にミシガン大学から発表された消費者センチメント指数1月速報値も以下に掲載します。
消費者センチメント指数(1月速報値、前月比)
総合指数 68.6(-1.8)
現状指数 73.2(-1.0)
期待指数 65.9(-2.4)
特に期待指数が落ちています。オミクロン型の感染者拡大とインフレ動向を警戒して、消費心理は低いままです。インフレを警戒しているために、現預金の価値に対する信頼性が薄れ、それが、現金をモノに買える動き=消費行動につながっている面もあります。
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