「ナスダック指数1.4%上昇」
「10年債利回りは低下」
「パウエル発言、新たなグロース株売り材料にはならず」
「"7月QT開始"織り込み進む」
「安川電機、9-11月期受注増加」
11日の米国株は上げました。上昇率は、ニューヨークダウが0.5%、ナスダック総合指数が1.4%となりました。
米国10年債利回りは0.03%Pほど低下して1.74%となりました。7日、10日と取引時間中に1.8%台に上昇する場面を見せましたが、11日には1.8%台にはなりませんでした。
11日の市場では、株高・債券高(利回り低下)となりました。特にナスダック総合指数の上昇率が高くなりました。グロース株の代表であるMAGFAT(マイクロソフト、アップル、グーグル、フェイスブック、アマゾン、テスラ)6銘柄は全て高くなりました。
半導体関連株も上げました。AMD、NVDA、TSMC、ASML、AMATなどの半導体関連株が上げました。
米国時間5日に12月のFOMC議事要旨が公開されました。金融引き締め路線が市場予想以上に強固になったとの考え方から、マーケットでは「グロース株売り、債券売り」が進みました。しかし、11日には、その逆の動きとなりました。
パウエルFRB議長が11日、上院で金融政策について話しました。内容が、ここまでの予想の範囲内に収まったことで、「グロース株の買い戻し、債券の買い戻し」につながったと考えられます。
現段階のマーケットにおける金融政策の見方としては、
◎ 3月にテーパリング終了
◎ 3月のテーパリング終了とともに1度目の利上げを実施
◎ 3月、6月、9月、12月と4回の利上げを実施
◎ 7月にバランスシートの縮小(QT=クオンティテイティブ・タイトニング)を開始
このあたりの織り込みを進めたようです。テーパリングは「量的金融緩和の規模縮小」を示します。QTは「量的金融引き締め」になります。テーパリングは、拡大のピッチは鈍っているけれども、FRBによる市場への資金供給の増加が続いている状態です。その状態が3月に終わり、7月からはQT=「市場から資金が回収される状態」に変わる、そのあたりまでをマーケットは急速に織り込んでいると捉えられます。
ここまでの金融引き締めシナリオの織り込みが意識されると、新たに織り込む要素が少なくなってきます。今後、1月のFOMC、3月のFOMC等で一段の金融引き締め路線の織り込みの必要性が出てくるか、市場は意識することになります。しかし、様々なシナリオを織り込むと、市場に耐性がついてきますので、市場が反応しにくくなってくる可能性も出てきます。
また、一段の織り込みを進めた結果、株価が暴落する事態となれば、そもそも金融引き締め自体が現実化しなくなることもあり得ます。
今後、さらなる金融引き締めの材料を織り込むとすれば、「QTのペース」あたりになります。現状で、FRBの総資産8兆8152億ドル(1月5日現在)です。日本円換算では、約1000兆円です。この総資産が、どの程度のペースで減少するのか、マーケットの関心を呼びそうです。
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安川電機(6506)が11日、11月締めの第3四半期決算を発表しました。9-11月期の連結受注高は1430億円となりました。四半期ベースの受注推移を以下に記載します。(単位、億円)
2020年度
3-5 947
6-8 868
9-11 987
12-2 1155
2021年度
3-5 1391
6-8 1377
9-11 1430
6-8月期に前四半期比で減少した受注高が、今回発表された9-11月期では再び増加しました。EV製造や省力化投資に関する需要の強さが確認されました。