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「ナスダック総合指数、3.3%の下落率」

「金利上昇受けグロース株が下げる」

「12月FOMC議事録、利上げ時期早まる意識」

「FRBのバランスシートの縮小早期化も考慮」

 

 

 

5日の米国株は下げました。下落率は、ニューヨークダウが約1%、ナスダック総合指数は3.3%です。

 

 

12月に開催されたFOMCの議事録が公開されました。金利の引き上げ時期が予想よりも早くなること、FRBのバランスシートの縮小についても、時期が早くなる可能性が意識される内容となりました。

 

 

米国10年債利回りは一時、1.71%まで上昇しました。昨年末は1.51%台でしたので、今年に入ってからの3日間で約0.2%上昇しています。今年に入ってから、債券を売却する動きが加速しています。

 

 

米国2年債利回りも、0.06%ほど上昇して、0.82%前後で取引されています。こちらも3日間で0.09%ほど上昇しています。1月5日については、特に2年債利回りの上昇が鋭角的になりました。金融政策における利上げ時期が早くなることを織り込む動きです。

 

 

FRBのバランスシートの縮小の時期が早まることが意識され、株価は下げました。特に高いPER水準に買われているグロース株の下げが大きくなり、ナスダック総合指数が高い下落率となりました。

 

 

世の中に供給されている資金量が少なくなることが意識されると、何かを買う資金自体が少なくなってしまうので、債券も株式も、両方とも下げるという事態が発生します。株式を買う資金自体が少なくなると、株式市場におけるPER、特に高めのPERに買われてきた銘柄のPERが低下する発想になります。

 

 

米国を代表するグロース株、MAGFAT(マイクロソフト、アップル、グーグル、フェイスブック、アマゾン、テスラ)6銘柄は全て安くなりました。下落率は、テスラが5%台、グーグル(アルファベット)は4%台、マイクロソフトとフェイスブックは3%台でした。

 

 

民間調査機関のADPが発表した、12月の非農業雇用者の増加数は80万7000人となりました。5月以来の高い水準です。以下に示します。(単位、1000人)

 

 

5月     882

6月     741

7月     322

8月     310

9月     526

10月    563

11月    505

12月    807

 

 

 

米国におけるコロナウイルスの感染者数の急増を見ると、今後の雇用改善状況については、楽観的になることは難しいかもしれません。しかし、時給の上昇によって雇用者が増えて、労働需給が緩和されてくると、インフレの動向も落ち着いてくることが予想されます。

 

 

「景気面に強い数字が発表されると、金融引き締め政策が加速する」との警戒感が株式市場にネガティブに働く時期があります。実際に、5日の米国市場では、雇用についての前向きな見方が、利上げ時期の早期化を正当化するとの発想が前面に出たと考えられます。

 

 

しかし、インフレ動向を考える視点からは「雇用が強くなれば、人員不足が解消されて、例えばドライバー不足を背景にした物流費の上昇に歯止めがかかる。インフレ抑制によって金融引き締め路線も緩やかになる」との考え方もできます。また、「景気が強いので、企業業績の拡大が金利上昇を吸収する」との発想もできます。

 

 

今年は、金融引き締めの環境下において、企業の価値をどのように評価して適切な株価を探っていくことが大切な一年になります。

 

 

 

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