9月28日の株式市場を前に。 [鎌田伸一記者編]

2021/09/28(火) 06:43 S.K コメント (2)

 

 

「27日の米国株は小動き」

「米国10年債利回り、1.5%台」

「原油価格は75ドル超」

「エネルギー株、金融株が上昇」

「ドル円111円台」

「今後、6回のFOMCでテーパリング終了?」

 

 

 

週明けとなる27日の米国株は、ニューヨークダウが0.2%の上昇率となる一方で、ナスダック総合指数は0.5%の下落率となりました。

 

 

小型株の値動きを示すラッセル2000は、前日比1.46%の上昇率で、2281Pとなりました。ラッセル2000の高値は、3月15日の2360.17Pです。リード役よりも、高値まで距離のある株式が買われた構図となります。

 

 

ニューヨークダウ採用銘柄の上昇率上位を見ると、1位が化学メーカーのダウ、2位がJPモルガン(金融)、3位がシェブロン(エネルギー)、4位がゴールドマン(金融)、5位がキャタピラー(建設機械)となりました。景気が良くなって金利が上昇する時に買われる対象が、上昇率上位に並んでいます。

 

 

米国10年債の利回りは、一時1.51%台まで上昇しました。1.5%乗せは、6月29日以来、約3カ月ぶりのことです。原油価格は75ドル台に乗せました。こちらは、7月半ば以来の出来事です。金利上昇、原油価格上昇を受けて、米国株式市場では、金融株、エネルギー株が上昇しました。ドル円相場は111円台に上昇しました。

 

 

この欄でも書いていますが(9月24日付参照)、9月FOMCの結果、金利の引き上げ時期が前倒しとなりました。マーケットは、その事実を反映して動いています。

 

 

今年の米国GDPと失業率の見通しが、従来よりも悪化するにもかかわらず、メンバーの金利見通しは引き上げられました。物価の上昇に加速がついているため、FOMCは、物価抑制を重視しなければならなくなったとも、受け止められます。

 

 

メンバーの金利見通しやパウエル議長の「来年半ばにはテーパリング終了」の発言を考慮すると、テーパリングは、次回11月の会合で決定され、来年6月の会合で、債券購入額がゼロになるとの想定がメインのシナリオとして、考えられています。

 

 

今年11月、12月、来年1月、3月、4月、6月の計6回の会合を経て、債券購入額がゼロになるという展開です。

 

 

現在、FRBは月額1200億ドルの債券購入を行っています。これが、6回の会合によって、ゼロになるのならば、1200億ドル÷6回=200億ドル。一会合当たり200億ドルの削減が発表されることになります。2013年から2014年のテーパリングの時期は、月間850億ドルの債券購入額を、FOMC8回の会合でゼロにしています。100億ドルずつ7回削減して、最後の1回は150億ドルを削減しました。

 

 

2014年時のテーパリングのペースと比較すると、今回の削減ペースのピッチは速い。FRBはテーパリングを急いでいるように見えます。物価上昇圧力がFRBの想定ペースよりも強いので、テーパリングペース、利上げペースも速まっているとの解釈も可能でしょう。

 

 

足元の物色の傾向では「物価上昇を受けて、中央銀行の金融引き締めペースが速くなる」という展開を考慮した株式の選好が行われているように見えます。米国株式市場の傾向は先述しましたが、27日のドイツ市場でも、エネルギー株、銀行株、航空部品株などが買われています。

 

 

27日の東京株式市場でも、リード役であった海運株3社が6%台の急落となる一方で、鉄道株、空運株、金融株、石油株などが上昇しています。緊急事態宣言の解除も考慮し「今後は、モノの輸送よりも人の輸送が活発になる」、「モノ消費よりもコト消費が活発になる」との見地から、メリットを受ける企業が物色されているのでしょう。

 

 

米国市場の先行きを考えた場合、「GDP見通しや失業率見通しが悪化しているのに、金利引き上げ時期が前倒しされる」という部分の"ツケ"を、いずれは支払わなくてはならなくなる時期が来るかもしれません。金融引き締めペースに、景気回復ペースが追い付かないのではないか、という警戒感が生じた場合、株式市場は一時的なショックに見舞われるのも、理屈に合った動きです。





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