「6日の米国株は上昇、原油価格は下落」
「商業原油在庫減少、原油価格下落」
「天然ガス先物価格も反落」
「株価と原油に"逆相関関係"」
「ADPの非農業雇用者増加数は56万8000人」
「金融当局・9月雇用統計よりも9月消費者物価指数に関心?」
6日の米国株は上昇しました。上昇率は、ニューヨークダウが0.29%、ナスダック総合指数は0.47%でした。
ニューヨークダウは午前中に460ドルほど下げる場面がありましたが、その後、徐々に買いが優勢となって、プラスで引けました。
原油先物価格は一時80ドル近くまで上昇しましたが、その後、売りが優勢になり、日本時間早朝では76ドル台で取引されています。原油価格が下落する動きを見ながら、だんだんと株価が上昇してきました。短期的には、株価と原油価格の間の逆相関関係が浮き彫りになっています。
6日に米国エネルギー情報局から発表された、先週末10月1日段階の米国商業原油在庫は、4億2088万バーレルとなり、前週比で234万バーレルの増加となりました。商業原油在庫は2週連続で増加しました。原油在庫の増加は、原油に対する利益確定売りを促す要素となりました。急騰してきた天然ガス先物価格が大幅安になったことも原油価格下落につながりました。
米国の戦略石油備蓄(SPR)は10月1日の段階で6億1777万バーレルと、こちらは4週連続で減少しています。4週間累計の減少幅は353万バーレルです。米国では、SPRの取り崩しで、市場における供給量を増やし、原油価格上昇を抑制しようとしています。
一方、米国の原油生産量は、10月1日までの1週間では、日量1130万バーレルでした。ハリケーン「アイダ」の影響を受ける前が1150万バーレル、アイダの影響を受けて9月3日に日量1000万バーレルに減少しましたが、直近では、1130万バーレルまで回復してきました。ほぼ「アイダ前」に戻りました。
民間調査機関のADPが6日発表した9月の非農業雇用者増加数は56万8000人でした。8月の34万人を上回りました。労働省発表の非農業雇用者増加数と並べて時系列推移を見てみましょう。(単位1000人)
ADP 労働省
5月 882 614
6月 741 962
7月 322 1053
8月 340 235
9月 568 (9月8日発表)
労働省が発表する非農業雇用者数は現時点で50万人程度が予想されているようですが、ADPの調査結果を受けて、やや上の数字を見始めるかもしれません。
米国金融当局は、雇用者数を政策決定の最重要要因として位置付けていますが、現状では、物価の動向により強い関心が向けられていると、マーケットでは意識されています。その意味では、8日に発表される9月の雇用統計よりも、来週の13日に発表される9月の消費者物価指数の方が、金融政策を見る上では重視されるとも考えられます。
足元のマーケットにおいて、原油価格と株価の間の逆相関関係が明確になったことも、上記の見方を反映しています。