2015年2月18日に開催された第329回放送番組審議会の概要をお知らせします。
開催日時
2015年2月18日
出席者(番組審議会委員)
近藤委員長、井出委員、石川委員、池田委員、藤沢委員、
出席者(会社側)
鈴木健司代表取締役社長、海老沢勲編成制作局長兼放送番組審議会事務局長、宮崎裕一番組プロデューサー、高山英久番組審議会事務局
この日の番組審議会では、がん患者やその家族、また医療従事者らが自らの経験を語り合う「日曜患者学校」を試聴し、意見を聴きました。
委員からは、
・今回のゲストの祖母は今の私と同い年で亡くなられたということで、聴いていて非常に身につまされた。聞き手の川越医師は在宅ホスピスを実践しているとの事だったが、今回は在宅ホスピスの話が少なかったので、私としては在宅ホスピスについて、もっと聴きたかった。
・ まず、川越医師の聞き方がたいへん上手だなと感じた。私の父はがんが何度も再発して、その死をホスピスで家族とともに看取ったが、とても素晴らしい最期を迎えられたのではないかと思っている。従って患者のためというよりも、看取る側が人生をより良く生きて行くための柱になるような、残される家族や支援者を導いてくれるような番組にしてほしいと思った。
・ 私はものすごく感動しながら聴いた。病院のキャパシティを考えると、これからは自宅で看取るケースが増えてくると思う。その場合、どのように患者を支え、介護すべきかという悩みを皆がそれぞれに抱えてしまいがちになると思う。その点この番組は送る側の気持ちも分かるし、送られる側の気持ちも分かり、さらに医師の気持ちも分かる、有意義でとても良い番組だと思った。
・がん、病気、別れなどをテーマにした番組は、どうしても演出過多の"お涙頂戴"的なものが多く、返って白けてしまうことがある。しかしこの番組は川越医師のキャラクターからか、非常に深刻な話題なのに明るく前向きに持っていこうとしており、ゲストの方も自身の経験を上手く語ることができていて非常に好感を持てた。ただ、もう少しゲストの人となりというものを引き出すために、ゲストの声をもっと出したほうが良かったとのではないかと感じた。
・がん患者は全国に約540万人いると言われている。その患者とその周辺の方々をターゲットにするのは非常に良い事だと思った。日本は医療が発達して長寿国と言われているが、何がすごいのかというと、大腸がん患者の5年生存率が世界でダントツなど、がんであっても長く生きられることがあげられる。また痛みについても対策が取られてきて患者のクオリティ・オブ・ライフについては日本では相当考えられてきている。そうしたことを全国の患者とその家族などへ伝えることは大変意義のあることだと思う。