11月7日放送「今日の1社」ジェイグループホールディングス(3063)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.11/07 今日の1社担当 記事URL

 11月7日放送「今日の1社」は、ジェイグループホールディングス(3063・マザーズ)です!
 ジェイグループホールディングスは、居酒屋「芋蔵」など多業態の居酒屋を展開しています。「芋蔵」といえば焼酎ですね~。焼酎を一杯飲みながら・・・というわけではないのですが、今回は井上哲男が新田社長にインタビューさせていただきました。
 それでは、早速恒例の取材後記をお読みください♪

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取材後記
ジェイグループホールディングス(3063)(東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役の新田治郎さま。

「風雲児讃歌」

▼「居酒屋界の風雲児」
 数年前、某テレビ番組で「気になる社長の名前を」と言われ、数名の社長と共に、同社の新田社長の名前を挙げたことがある。
 「居酒屋界の風雲児」と呼ばれた新田社長が率いる同社が上場して丸6年が経つ。「芋蔵」「ほっこり」「てしごと家」などの居酒屋に加え、魚介類、金山豚、焼肉、韓国料理、名古屋めしなど、その店舗数は10/23現在90店舗、業態は47を数える。

 会社見込みによると、売上高は今期、初の100億円乗せを達成する。そして、中期経営計画とも言える5期後の目標として、売上高は今期の倍である200億円を、経常利益については今期の7.6倍である15億円を掲げている。
 この数字から算出される売上高経常利益率は7.5%と非常に高い。因みに弊社が「外食、食料品・食品小売」としてモニタリングしている全市場84社の売上高経常利益率合計は過去6年間、3.7%~5.4%の範囲で推移している。同社が利益率の高い企業であることを目指している姿が浮かび上がる。

▼目標の実現に向けて
 ただし、この数字があながち「努力目標」ではなく、到達可能なのではないかと予感させる事項が幾つかある。
まずは、同社が実施しているJ-Valueというコスト削減運動の効果である。この10月に発表された第2四半期決算説明資料によると、この削減効果が大きく、社内基準よりもコスト比率が下がったため、その分を最初のドリンク値引きなどの販売促進策として還元し、顧客のために使ったという。非常に同社らしいと思った。使わなければ、それは利益を意味したのである。
 また、ジェイトレードという流通卸売部門の拡大も心強い。既に、ジェイグループ以外の飲食店からの受注も多く獲得しており、今後の拡大が期待される。
 そして、最も大きなポイントは、これまでの成長過程では本社機能や管理部門の費用である本部経費が当然コスト比率として大きかったのであるが、これからは、それが薄まり、充分に吸収される段階に入った、言い換えれば、規模の拡大が利益の拡大にストレートに繋がるステージに入ったということである。フリーキャッシュフローが黒字化して今年で4期目になるという事実がそれを物語っている。

 しかし、遮二無二拡大しているわけではない。既存店の来客数・客単価などのデータからニーズを探り、しっかりとした飲食サービスの提供が出来る、また、二軒目、三軒目としても利用したいと思われる店にそれぞれ仕上げている。「芋蔵」は居酒屋としてはゆったりと座席を確保した店造りとなっており、ズラリと並んだ「焼酎セラー」は壮観である。なるほど、『第三世代居酒屋』という言葉が存在していることが頷ける。

▼風雲児の素顔
 しかし、今回の収録で私が密かに楽しみにしていたのは、冒頭文で分かるように、新田治郎、本人に会うことであった。会った印象は噂通りに格好が良く、丁寧で腰が低い。
(楽しみにしていながらも私は、進行表に「新田次郎」と、これまた大好きな作家の名前を書く大失態をしたが、詫びる私に、怒ることもなく、「いえ、全然間違っていません。それで合っています」とまで言われた。)

 収録を通して、私は一つの確信を持った。それは、「この人は絶対に上に引っ張られて、可愛がられた人である」ということである。
 「愛された経験のある人しか、人を愛せない。だから思い切り可愛がる」のは子育ての基本である。彼もまた、自分がしてもらったことと同じことを次の世代にしようとしている。
 それが今回のホールディング・カンパニー制への移行の目的である。大きな柱である飲食事業、売上高の急拡大が見込まれるブライダル事業、その他にも食品の加工・販売を行う事業などを分社化して、それぞれ次の世代が責任を持って育てあげることを期待しているのだ。

▼人を愛し、人を育てる
 その気持ちがはっきりと出ているのが、この夏、全国都市対抗野球大会への初出場で話題となった野球部の存在である。大手企業が撤退するなか、若者の夢を潰さないために作った野球部は既に昨年ドラフト選手を輩出している。社員として雇用され、昼間は野球をし、夜は店舗で働き(HPでどの店舗にいるか分かる)夢を育む。何も私がアマチュア野球を好きで、自分自身が未だに老体に鞭打ってやっているから同社を応援している訳ではない。同社は正社員・従業員の比率がとても高く、若い人材の雇用・教育に熱心なのである。

 私は企業の価値分析を行う際に、企業が開示した決算数値しか用いない。完全な定量分析である。しかし、定性的に企業を思うとき、私はこの手の“人材を大切にする企業”にからきし弱い。
 「風雲児」は社会の動乱や混迷時に現れる英雄である。若者の雇用情勢が厳しいなか、第三世代の浮雲児社長の名前をテレビで挙げたことを、今更だが少し誇らしく思う。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 私自身もインタビューを音声で聴いていて、新田社長の落ち着いた丁寧なご対応に好感を抱いておりましたホールディングスカンパニーに移行される企業は多いですが、その目的に「育ってきた若手を前面に出していく」ことを挙げる社長様はなかなかいないのではないでしょうか?

 冷徹な定量分析に、企業の「見えない資産」を重ねる井上哲男の温かい目線に「なるほど」、と頷いた次第です。

 また次回以降も素敵な企業をご紹介してまいりますので、ご期待ください♪

<関連リンク集>
■ジェイグループホールディングス IR情報
※IR情報のトップにも新田社長のさわやかな笑顔が。
■2013年2月期 第2四半期決算説明資料


代表取締役 新田治郎様と。


10月31日放送「今日の1社」翻訳センター(2483)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.10/31 今日の1社担当 記事URL

 近年、経済のグローバル化が進み、さまざまな産業分野において「日本語の資料を翻訳する」「海外の資料を和訳する」シーンが増えてきています。10月31日放送の「アサザイ 今日の1社」では、グローバル環境下の企業を支える翻訳サービス業のトップ企業、翻訳センター(2483・JASDAQスタンダード)の東社長に出演いただきました!
 「理解されづらい」専門特化した企業の輝きを、今回も井上哲男が分かりやすく解析する取材後記を是非お読みください♪

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取材後記
翻訳センター(2483)(ジャスダック・スタンダード)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の東郁男さま。
「唯一上場企業の使命」

▼「堅調な」業界ナンバーワン この番組の目的の一つは、個人投資家に優良な企業の存在を知ってもらうことである。同業他社が複数上場していると自ずとそのセグメントに対する投資家の認知度は上昇するが、業界唯一の上場会社である場合、バリュエーションの比較対象が無いことから、優良企業であるにも拘らず市場の注目が集まりづらいことは事実である。以前、コンタクトレンズ・メーカー唯一の上場企業であるシード(7743)を紹介したが、今回は唯一の産業翻訳業の上場企業である翻訳センター(2483)を紹介する。

 日本最大の産業翻訳会社であるが、実はアジアでもトップ、世界においても第12位の翻訳会社である。
 ここ数年の業績の好調さは番組の中でも紹介した。足許の好調さはさることながら、私がこの会社がスゴイと感じているのは、堅調な利益率を長い期間に亘り維持しているということである。
売上高営業利益率、同経常利益率、同税引き利益率の利益率3項目について、私が計測している2005年~今期までの全ての期間において、全業種平均を全て上回った企業は200社にも満たない。およそ20社に1社である。それを同社はクリアしている。「堅調」という言葉は“足許、業績が堅調”というような使われ方をするが、それが持続している場合、輝きが増す。同社を一言で紹介するならば「堅調な会社」である。

▼リーマンショックを乗り越えて
 この番組をやっていて、私は度々「リーマン・ショック前の最高売上高、最高利益を前期、今期でクリアした企業」という紹介の仕方をしている。これは、現在の市場における重要なキーワードだ。リーマン・ショック後、多くの企業における設備投資が停滞した。それでもそれらの企業が業績を挙げるために投資を再開するにあたり、選ばれた企業達がこのキーワードでピックアップされるのだ。同社もこの企業群に無論入っている。

▼翻訳業界の未来のために
 収録の翌日、同席されていたIR担当の方からご丁寧にメールを頂いた。翻訳センターをどのように紹介したらよいか、応援したらよいかを考えたが、このメールを超える表現を私は出来ないので一部紹介させて頂く。

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 「~語学系の学校に通う大学生が語学を使った仕事をしたいと考えた時、スペシャリストとしては「字幕翻訳者」や「翻訳家」ですとか、商社や外資系企業への就職を頭に浮かべる方が大半というのが現状で、「産業翻訳者になりたい」と思う方はそう多くないと思います。そこを、近い将来、「翻訳会社で働きたい」とか「産業翻訳者になりたい」と思う方が一人でも増えて欲しいと思っています。そのためには業界や職業の認知度を高めていくことが不可欠であり、上場企業である当社は、もちろん業績向上も大切でありますが、業界を取り巻く環境を向上させる役割をも担っていると思っております。~」
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 業界唯一の上場企業ゆえの使命を認識した言葉に私は感動した。
上場企業数3600社弱。その1/3の企業しか証券会社がモニタリングしていない現状で、IR活動というのは非常に大きな意味を持つ。それは、株価を上昇させるということだけでなく、その産業を投資家に理解してもらうという意味においても、である。こういう立派なIR担当を有する企業を紹介できたことは私としても嬉しい限りである。

 因みに、メールの中の『大学生』であるが、大学卒業後に他社に入社し、仕事を通じて産業翻訳の世界を知って転職した東社長にダブってしまう。この経緯はロング・インタビューのなかでも触れているのでお聴き頂きたい。(了)
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 井上哲男の取材後記は以上です。いかがでしたか?
 自社だけでなく、業界全体の未来を考える。これはなかなかできるものではありませんが、同社の長期的な成長を考えたときにも、トップ企業としてたいへん重要な視点ではないでしょうか。

 グローバル化が進むアジア、また世界の中で同社は欠かせない企業ですので、是非今後もご活躍いただきたいと思います!

 なお、翻訳センターからは、リスナープレゼントとして図書カードをご提供いただきました!
 また、放送中にもご紹介しましたとおり、同社は11月28日(水)に市ヶ谷で開催される「JTF翻訳祭」に協賛・出展されていますので、詳細は以下のリンク先をご参照くださいませ♪

<関連リンク集>
■翻訳センター リスナープレゼント
■翻訳センター IR情報
■日本翻訳連盟 JTF翻訳祭ウェブページ
■JTF翻訳祭のパンフレット


代表取締役社長 東郁男様と。


10月24日放送「今日の1社」システムインテグレータ(3826)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.10/24 今日の1社担当 記事URL

銘柄探しで四季報などを見ていると、「社名から事業内容がわかる企業」と、「一見して分からない企業」の2種類がありますよね。
今回、10月24日放送の「アサザイ 今日の1社」に出演いただいたのは前者の企業、その名も「システムインテグレータ」(3826・マザーズ)です!

代表取締役社長の梅田様に井上哲男がお話を伺いましたので、取材後記をどうぞお読みくださいませ♪

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取材後記
システムインテグレータ(3826)(東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の梅田弘之さま。

「勇気」

▼息の長いソフトウェア
 「『システムインテグレータ』が来てる!(業績が上向いている)」と感じたのは昨年の秋であったが、それでもバリュエーション的に割安なまま放置されている時期が続き、今年に入ってやっと割安感の修正が始まった印象を持っている。

 主力の4つのパッケージ・ソフトのうち、「SI Web Shopping」は電子商取引のサイト構築ソフト。UCCコーヒーや全日空商事、グンゼなど1100社が導入しているが、これらの企業のHPでその綺麗な出来栄えが分かる。まだ「ネット販売」という言葉が無かった1996年に発売された超ロングセラー商品であり、購入側、販売側、それぞれに役立つこのソフトは2006年の上場の際にも主力商品であったが、今も健在ぶりを発揮している。この8月までの第2Q決算数字を見ると、昨年同期の売上高266百万円が、今年は563百万円と倍以上売れているのだ。発売してから16年経ってこのような伸びを示していることは驚異的なことである。

 その他の主力パッケージ・ソフトは、データベースの開発支援ソフト「SI Object Browser」、プロジェクトの総合管理システム「SI Object Browser PM」、基幹業務管理システム(販売・在庫管理・会計・人事管理などの管理業務全般)の「GRANDIT」。

▼「コンソーシアム形式」での優位
 「コンソーシアム形式」という産業用語がある。耳慣れないかもしれないが、実はその歴史は古く、大航海時代後に、海運による貿易が盛んになった頃からの言葉である。「保険」と「共同~」は海運におけるリスクと費用の分散を目的として作られたものであるが、その「共同~」にあたるものが「コンソーシアム形式」。上記ソフトの「GRANDIT」は梅田社長の旗振りのもと、多くの企業とともに作り、製品化されて一斉に売り出されたのだが、昨年の売上げ第1位が同社。これは、同社独自のアドオンモジュールが優れている証左であろう。

▼システムインテグレータの勇気、投資家の勇気
 昨年からの業績の好調さを、社長は「社内のタルんでいる部分を引き締めたから」、と言ったが、照れであろう。
 それが伺えるのが四半期報告書である。今期より、それまでの、「パッケージソフト」「システムインテグレーション」「コンサルティング」というセグメント別の説明をやめ、「パッケージソフト」の単一セグメントにおける主力4商品の説明に特化しており、進む方向に迷いが無いことが分かる。
 業績の好調さは「選択と集中」を極めた結果であり、社名に冠しているシステムインテグレーション・セグメントを縮小する勇気がもたらした結果なのである。

 「電気機器」「機械」「輸送用機器(自動車)」などの業種は、世界的な景気動向やマクロ動向によって業種全体の業績が変わることから、ここ数年、銘柄間の収益率格差が縮小傾向にあるが、「情報通信」と「サービス」については、昨年度より明らかに違う動きになっていることを感じる。
 「勝ち組」と「負け組」がハッキリとしつつあるのだ。私は明らかにシステムインテグレータが「勝ち組」に入ったと考えている。同社が勇気を持ったように、投資家にも持つべき勇気がある。それは、同社に関しては、一昨年までの3年間の決算を忘れることだ。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたでしょうか?

 「名は体を表す」という言葉がありますけれども、その社名に冠したセグメントの表記をやめるというのは、やはり大きな意気込みと勇気を感じますね。本番組も、常に挑戦し続ける企業を応援してまいりたいとあらためて思いました♪

 なお、システムインテグレータは10月18日に2013年2月期の決算説明会を開催しました。同社のウェブサイトに説明会資料がアップされていますので、以下のリンクもご参照ください。
 今回の収録時のお写真同様に、説明会資料にも梅田社長がやはり笑顔で掲載されているのが印象的で、温かいお人柄が感じられます。

<関連リンク集>
■システムインテグレータ IRサイト
■2013年2月期 第2四半期 決算説明会資料(10月18日開催)
■9月8日 ラジオNIKKEI&プロネクサス共催IRセミナー説明資料
■同IRセミナー ラジオNIKKEIオンデマンド放送


代表取締役社長 梅田弘之様と。


10月17日放送「今日の1社」ワイヤレスゲート(9419)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.10/17 今日の1社担当 記事URL

 10月17日放送「アサザイ 今日の1社」は、ワイヤレスゲート(9419・東証マザーズ) 代表取締役CEOの池田武弘様にお越しいただきました!
 最近、公衆無線LANの普及が進んでいますので、さほど業界に詳しくないという方でも、「この分野は『来ている』」という感覚はお持ちなのではないでしょうか? 同社の成長カーブは、まさにそれを裏付けるものになっています。

 井上哲男はこの成長企業をどう見たのか? 取材後記をお読みください♪

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取材後記
ワイヤレスゲート(9419)(東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役CEOの池田武弘さま。
「爽やかな風」


▼“大きな産声”
 新規上場企業はまず社長に会うことに尽きると実感した。
 今年はIPO(新規株式公開)の当り年。10/16までにIPOをした企業数は25社に上る。10/11に上場を予定していたツバキ・ナカシマが9月下旬に上場延期を発表したのは残念であったが、このままいけば、リーマン・ショックの起きた年である2008年の32社を超えるかもしれない。

 初値も概ね好調であった。25社中、初値が公開価格を下回ったのは4社で、残り21社は順調に産声を上げたが、その中でも公募価格を75%以上も上回る“大きな産声”を上げたのが7社。ワイヤレスゲートも93%上回り、堂々6位の産声の大きさであった。
 問題は、産声が大きかったかどうかではなく、順調に育っているかである。10/15終値と調整済み公募価格(今年はこの25社のうち、既に3社が株式分割を行っている!)を比較してみると、同社の上昇率は177%(ほぼ2.8倍になったということ)で4位となっており、順調に育っていることが分かる。

▼情報通信業におけるPER水準
 このリストを作っていて、驚いた。
今年上場して、現在までの上昇率が100%を越えている企業7社のうち、札幌アンビシャス上場の北の達人(2930)以外の6社が、全て東証マザーズ銘柄なのである。(エイチーム(3662)、エニグモ(3665)、エムアップ(3661)、ワイヤレスゲート(9419)、モブキャスト(3664)、メディアF(6067)) しかもメディアFはサービス業であるが、残りの5社は情報通信業である。
 一方で、現在の株価が調整済み公募価格を残念ながら下回っている企業数は8社ある。JAL(9201)を除いた7社を見てみると、なんと5社がJASDAQスタンダード上場で2社が東証マザーズ上場という結果になっている。今年のIPOはこれまでのところ、東証マザーズの圧勝である。

▼ITバブルにあらず
 この上昇率が100%を越えている企業のうち、東証マザーズ・情報通信業の5社の平均PERは24.7倍(ワイヤレスゲートは19.4倍)と、東証一部の平均である12.1倍のおよそ倍となり、一見割高に映る。しかし、情報通信業の全上場銘柄の340社のうち、最終利益がゼロ又は赤字見込みである30社とPERが500倍を超えている2社を除いた308社の平均PERを算出してみると、20.4倍とこの業種内では、それほど問題視されるレベルではないことが分かる。

 以前、ITバブル相場があった。ITに関連しているのか疑わしい企業で、社名だけがITっぽい会社の株価までが上昇した相場と違い、現在の相場は健全である。情報通信業で株価が上昇している企業には、共通した一つの特徴がある。それは、日進工具とJCUの時に述べたことと同じで、リーマン・ショック前の最高売上、最高益を前期、今期でクリアしている点である。全ての企業の株価が上昇している訳ではない。そして、それらの上昇している銘柄達と遜色のない売上・利益の伸びを近年記録してワイヤレスゲートは上場したのだ。

▼“ドンと構える”
 注目度が高まると市場というのは色々なコメントを出してくる。3年間で売上が13倍になったこのペースが続くわけが無いことは知っている。それを続けたら6年かそこらで1兆円企業になってしまう。それでも、前年同期比の売上高の伸び率などを指摘する者はこれから出てくるかもしれない。
 私のような者が偉そうに言えた義理ではないが、そんな時は“ドンと構える”ことであろう。
 「アイデア」「他社と差別化できる技術」「売上げの蓋然性(実現性)」、ITバブル終焉とともに元気の無くなった情報通信業の企業は、焦って、一つでも欠けてはいけないこの3つのうち、どれかが欠けているものに手を出したように思う。同社の場合はこれに「ファブレスでできること」ということも加わるかもしれない。これらを全てクリアしたワイヤレス・ブロードバンド・サービスを作り、ここまで来たという自負を持ち続けて欲しい。それが、きっと、何れかの時期に来る新規事業を考える際にも鍵となる気がする。

▼新規上場企業は、まず社長に会うこと
 冒頭で述べたように、新規上場企業はまず社長に会うことである。今回はロング・インタビューで敢えて社長の学歴から創業に至るまでの経緯を聞き、皆さんにお届けさせて頂いた。
 「大阪大学大学院卒工学博士、NTTドコモワイヤレス研究所入所、スタンフォード大学研究員・・・」しかし、無論それだけで起業できる訳ではない。
爽やかさ、穏やかさ、謙虚さ、冷静さ、スマートさ、クールさ(頭の良さ)・・・。これらが実際にお会いしてストレートに伝わってきた。なぜ多くのベンチャー・キャピタルがこの会社に出資をしたのか、ヨドバシ・カメラが事業・資本提携をしたのか、小型株発掘で名高い投信が既に5%ルール報告を行うくらい買っているのか・・・それらの答えが全て解ったような気がする。

 日本には応援したい企業がたくさんある。今年は、それに、従業員10名の爽やかな会社が加わった。(了)
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取材後記は、以上です。
確かに、マザーズなど新興市場においては、企業の成長における社長の占めるウェートは、非常に高いことが多いですね。上場時の社長の多くが創業者でもありますから、必然といえるでしょう。

放送及び取材後記から、私も代表取締役CEOの池田様の爽やかなイメージが膨らんできました♪
今後の「今日の1社」でも、素敵な社長をご紹介していきたいと思います!

<関連リンク集>
■ワイヤレスゲート 経営陣紹介
■ワイヤレスゲート IR情報
■9月29日開催 個人投資家向け合同IR説明会資料


10月3日放送「今日の1社」ポーラ・オルビスホールディングス(4927)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.10/03 今日の1社担当 記事URL

 10月3日放送「アサザイ 今日の1社」は、皆さんもご存知のポーラ・オルビスホールディングス(4927・東証一部)でした。1929年創業の歴史ある化粧品大手企業なのですが、上場したのは2010年と新しいんですね~。

 個人投資家向けIRにも積極的で知名度が高い同社は、非常に堅調な業績をあげています。その強みはどこにあるのか? 広報・IR室 IR担当課長の齋藤明子様に井上哲男がインタビューしました!

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取材後記
「失敗しない会社」
ポーラ・オルビスホールディングス(4927)(東証一部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は齋藤明子IR担当課長


▼「トイレタリー」と個人株主向けIR
 外国人に説明する際に困る業種分類に「トイレタリー」がある。日本では化粧品の他に、入浴剤や洗剤、石鹸までも含んで使われ、「化学」のなかの日用品に関わるもの全部を意味する場合が多いが、外国では純粋に化粧品や体につけて身だしなみを整えるものを意味する。以前、「花王も日本ではトイレタリーだ」と言ったところ「お前は洗剤で顔を洗うのか?」と返されたことがある。

 しかし、銘柄のバリュエーションを測る場合は、やはり、「外国式のトイレタリー分類」がしっくりくる。しっくりくるのではあるが、一方で画一的な計測が難しいのがトイレタリーである。
 難しくさせている一つの理由が、株主優待制度の魅力が高く、好きなブランドの株主になってそれを享受したい人が多いということだ。そのため、個人株主の回転率が低い業種と言われている。このことは、ある面、「企業を応援したい人が株主になる」という原義そのままであり、個人株主向けのIRが重要であるということも意味している。

▼業界唯一の「パーフェクト上方修正」
 それでも業績面での分析を行うと、ここ数年で好調、横バイにはっきりと二分される。5期前と今期見込みの比較において、収益面で好調なのが、同社とドクター・シーラボ(4924)で、他社は横バイか苦戦している状況である。
 その勢いの差は今期も続いている。売上高と利益3項目のパーフェクト上方修正はポーラ・オルビスだけで、ノエビア(4928)が営業利益と経常利益を上方修正したものの、その他の銘柄で上方修正はなく、資生堂(4911)は売上高のみ下方修正している。

▼『侃々諤々(かんかんがくがく)』
 この強さはどこから来るのか?
事業は以前のポーラ・レディの訪問販売を7年前に店舗型に変えた「ポーラ ザ ビューティー」での直販、百貨店での販売、オルビスの通販、そして海外戦略。奇をてらったものは一つもない。この企業の真の強さは、この奇をてらっていないセグメント全てにおいて「失敗していない」ということなのである。

 ロング・インタビューのなかで齋藤課長が「社内で『 侃々諤々(かんかんがくがく) 』とことん話し合った」という言葉を使った。きっと、これが同社の強さの素なのである。
 「ポーラ ザ ビューティー」の新規出店についても、マーケティングから人材の登用まで綿密な計画を経て行われている。エステ併設型店舗もニーズを深耕し、結果的にポーラ(ブランド)の顧客層において20~30代が圧倒的に増加した。

 また、ネット販売部門のオルビスは3年連続で日経ビジネスの「アフターサービス満足度ランキング」で1位となり、昨年実施された経済産業省のJCSI(日本版顧客満足度指数)でも通信販売部門第1位という栄誉に輝いた。
ネットでの通信販売会社といえば、誰でも大手数社の名前は知っている。その会社を蹴散らして、化粧品を扱う通信販売会社が1位となったのであるから、これは“事件”である。通信販売会社としてあるべき姿をとことん話し合って、それを具現化した結果だ。
そのオルビスが関東3つの流通センターを統合し、東日本流通センターを稼動させた。これにより、関東・関西の主要都市で朝7時までに注文すると、その日のうちに商品が届けられるという。

▼「失敗しなかった会社」の存在感
 株式市場において同社のネーム・バリューは高く、存在感を充分に示しているが、実はまだ上場して2年も経っていない。経っていないが、今回分析にあたって頂いた資料の数々は、極めて優秀な内容、精度であった。聞くところによると、同社はIRの担当を個人投資家向けと機関投資家向けに分けているという。これも上場企業として求められる姿をとことん話し合った結果であろうか。

 業界全体での化粧品売上高が横バイで推移するなか、同社は長年培ってきたものを資源として、基本的にスキンケア商品に特化し、業績を伸ばしてきた。この領域を出たことはなく、今のところ、ここから出る意志もないであろう。しかし、ポーラがスキンケア以外の化粧品分野に進出したとしたら・・・。その時は他のトレタリーメーカーにとって真の意味での脅威であろう。何故ならば「失敗しなかった会社」の進出だからである。(了)
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 取材後記は、以上です。なるほどですね~。

 インタビューでも齋藤様が説明されていました通り、ポーラ・オルビスホールディングスが有している9つのブランドは完全に住み分けができていて、それぞれにお客様を取り合うことはないのだそうです。このあたりのブランド展開も、『侃々諤々』の議論の元に熟慮した結果なのでしょうね♪

 「バランスの取れたセグメント構成とそれぞれのフィールドでの成功」、これは経営の理想形ではありますが、なかなかできないことです。

 なお、同社は2012年10月18日、11月17日にいずれも女性限定の個人投資家説明会への参加を予定しています。女性の皆さんは要チェックですよ♪

○2012年10月18日 18:50~ 【女性限定】個人投資家説明会『株式投資がもっと楽しくなるスマート実践術』
○2012年11月17日 13:00~ 【女性限定】個人投資家説明会『目指せ知的美人! 女性限定IRセミナー』
 ▼説明会のご案内はこちら▼

 また2012年10月30日には第3四半期の決算発表を予定していますので、こちらも注目です!

<関連リンク集>
■ポーラ・オルビスホールディングス 株主・投資家情報
■ポーラ・オルビスホールディングス 説明会資料


広報・IR室 IR担当課長の齋藤明子様と。


9月26日放送「今日の1社」荏原ユージライト(新商号:JCU、4975)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.09/26 今日の1社担当 記事URL

 「めっき」というと、どのようなものを想像されるでしょうか?多くの方は宝飾品などの「金めっき」が頭に浮かぶのではないかと思います。
 今回ご紹介する荏原ユージライト(10月1日よりJCUに商号変更、4975)は、めっき加工を行うための表面処理薬品と機器を提供しているメーカーです。同社の製品よって加工が施されている商品は、自動車、建材、水栓金具、電子部品、半導体など大変幅広く、世界のテクノロジーを支える企業なのです♪

 そんな荏原ユージライト(JCU)の強みを探るべく、代表取締役会長兼CEO 粕谷佳允様に井上哲男が直撃した取材後記をお届けします!

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取材後記
荏原ユージライト(4975)(東証1部)
 ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長兼CEOの粕谷佳允さま。

 「伝説のMBO企業」

▼価値ある上方修正
 またもやキラリと光る技術と業績を兼ね備えた企業にご出演頂いた。荏原ユージライト(10/1より社名を「JCU」に変更予定)だ。

 8/3に第1四半期の業績を踏まえて今期の上方修正を行った。私が、先々週末時点で計測したところ、3500社を超える全上場企業中、今期の純利益の上方修正を発表した企業数は255社で全体の7.2%程度、一方で下方修正を発表した企業数は300社で全体の8.5%であった。
 14社に1社しか上方修正していないのだから、このこと自体、素晴らしいのであるが、これが、同社が所属する化学業種について見てみると、さらにこれが“とても価値のある上方修正”であることが分かる。化学全210社中、上方修正はたったの6社(赤字幅縮小の1社を除く)、率にして2.8%にまで低下する。(因みに、下方修正は19社、9.0%と全体よりも高い。)この貴重な1社が荏原ユージライトなのである。

▼世界のスマホを支える技術
 薬品事業、装置事業、その他の事業、いずれもメッキに関わる業務を主とする同社の業績がなぜ好調なのか?その鍵はやはり、スマホにおける配電板の高密度化、薄板化にあった。
 積み重ねられたプリント配電板を「ビルドアップ基板」と呼ぶが、この基板の製法が従前の「スタック構造」から「エニーレイヤー構造」に変わっていっている。コストが削減でき、何よりも薄板化が図れるからである。この「エニーレイヤー構造」において各層間を接続するホールを電気伝導性の高い金属で充填する必要があり、これにフィリング(メッキ)薬品が使われる。同社のこのフィリング薬品の世界シェアは50%(以上)。サムスンやi-phoneにも使われている。

 メッキ薬品というと、同業の日本高純度(4973)、石原薬品(4462)、上村工業(4966)の名前も挙げられるが、リーマン・ショック前の最高売上高、最高3利益を更新できているのは荏原ユージライトしかない。2011年3月期に更新し、今期は更にそれを伸ばす見込みだ。
 スマホにおける電子部品、配電盤の高密度化、薄板化に対応できた企業として、以前に日進工具(6157)を紹介した。超硬切削工具他社との比較で、やはり、リーマン・ショック前の最高売上高の更新が今期唯一見込まれている点も同じである。
 メーカーの元気度を測るメルクマークがリーマン・ショック前の売上高であることがお分かり頂けると思う。

▼「第2のユージライトを探せ!」
 話は変わるが、同社はMBOファンドやベンチャー・キャピタル・ファンドの中で、MBOの大成功例として有名である。「第2のユージライトを探せ!」という言葉を聞いたことがある。企業小説が書けそうなこのMBOについて、ロング・インタビューで会長が語られているので是非お聴き頂きたい。

 今期も企業を取り巻く環境は厳しく、業績面でも冒頭で触れたように、上方修正率が低い状態が続いているが、「アサザイ」は今日の荏原ユージライトさんで、12社をご紹介したことになるが、このうち5社が3利益項目のいずれかで上方修正を行っている。出演して頂いた企業さんにも、また、その企業をご紹介頂いているプロネクサスにも感謝、感謝である。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 文中で触れられている荏原ユージライト(JCO)のMBOについては、是非押さえておきたいポイントです。ロング・インタビューは後日オンデマンドにアップされますので、要チェックです♪


 「スマホの中身は日本のメーカーが支えている」という話はメディア等でよく聞きますが、まさにその好事例ですね!
 最近私もスマホに変えたのですが、コンパクトサイズに高機能が詰まって大変便利です。最終的にこの形で完成するまでに、同社も含めてどれだけの方の力が結集されたのでしょうか。「知られざる英雄たち」の努力を思うと、胸が熱くなりました・・・。

<関連リンク集>
■荏原ユージライト 投資家情報
■荏原ユージライト 会長メッセージ 「株式会社JCU」に社名変更するにあたって
■8月3日開示 平成25年3月期第1四半期決算短信
■8月3日開示 業績予想および配当予想の修正に関するお知らせ
■9月21日開示 配当予想の修正(記念配当)に関するお知らせ


9月19日放送「今日の1社」バイク王&カンパニー(3377)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.09/19 今日の1社担当 記事URL

日々メンテナンスを欠かさない、熱いバイクファンの方、周囲にいらっしゃいませんか?実は「今日の1社担当」の私の兄がバイクファンでして、日々バイクをいじっている姿を見ておりました。
四輪も同じだと思いますが、まさに「愛車」なんですよね~。

9月19日放送の「アサザイ 今日の1社」は、そんなバイクファンを支える「バイクライフの総合プランナー」、バイク王&カンパニー(3377・東証二部) 代表取締役会長の石川秋彦様にお越しいただきました♪
「アイケイコーポレーション」から商号変更したばかりの同社を井上哲男はどう見たのか?
企業の本質に迫る井上哲男の取材後記をお読みください!

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取材後記
バイク王&カンパニー(3377)(東証二部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長の石川秋彦様

「変わらない社名」

▼シンプルなビジネスモデル
誰もが知っている「バイク王」のCM。企業名を並べて子供からお年寄りまでの認知度を測れば、きっとかなりの上位に入るであろう。その圧倒的な認知度をもって、同社は9/1に「アイケイコーポレーション」から「バイク王&カンパニー」に社名を変更した。しかし、この社名変更、実質的に何も変わっていない。

同社のビジネス・モデルは現在のところ非常にシンプルである。不要になったバイクを買い取り、専門のオークションに売却、または自社店舗で販売する。その他、駐車場事業も行っている。
ここ3年間、順調に業績は回復してきたが、今期は6月に実質的な下方修正を発表した。3月の過去最多の問い合わせがあった際に、機会損失(引き合いが多すぎて充分に対応しきれなかったことによる商売機会の損失)が発生したことも一因で、来年はこのようなことはないという。

実質的な下方修正後の数字による9/18時点でのバリュエーションはPER13.4倍、PBR0.68倍、配当利回りは5.0%となり、東証一部の加重平均である、PER12.7倍、PBR0.93倍、配当利回り2.5%と比べると、PBRが低く、配当利回りが高いことが分かる。

▼「人財」に寄せる思い
 同社は正社員比率が非常に高い。従業員の9割以上が正社員であり、他社の場合、外注比率が高くなるインフォメーション・センターも実に8割が正社員である。前期末の従業員数も911名と売上げ/収益規模からすると多く映るかもしれない。しかし、「FACT BOOK」を見ると、同社が如何に従業員を大切に考えているかが分かる。引用すると「『人材』を『人財』とみなし、財産であると考える以上、働く人に対して会社がきちんと責任を負うことで信頼関係や理解が深まる」。きちんとした接客を行えるサービス提供者になってもらうために、会社は正社員として迎えるということだ。

 ちょうど収録の二日前、大手のスーパーマーケットが正社員を半減するリストラ計画を発表した。20年以上前にはその採用人数の多さからマンモス入社式がニュースで流れていた会社だ。当時の社長は同じように「人財」という言葉を使っていた記憶がある。

 「バイク王&カンパニー」の「FACT BOOK」に、「むしろ、今いる社員は「創業メンバー」と言えるくらいとも考えている」という記述がある。私は、この一文に感動した。
アイケイコーポレーション設立から14年。その前身の会社設立から18年。それでも現在の社員を創業期メンバーと言えるということは、同社の夢が実現するまでには、まだまだ長い時間がかかるということである。
 その夢とは何か?それは、バイクに関連する全てが「バイク王&カンパニー」で完結できる「バイクライフの総合プランナー」になることだと言うが、私は、何よりも、バイクが持つ社会的なプレゼンスを向上させたいということが、その梁骨にあると感じた。

▼「どんなバイクでも買い取る」
 私は石川会長に無礼を百も承知でわざと言った。「御社の収益を上げるのはそれほど難しくないと思います。①従業員数、②125cc以下のバイクの取り扱い、③駐車場事業、④宣伝広告費、この見直しです。」
 会長は、私の期待とおりに、これらを否定してくれた。町にバイクが不法投棄されないために、バイク王は「どんなバイクでも買い取る」のだ。駐車場事業は決して高収益事業ではないが、この4年間でバイクの駐車違反件数は52万件から半減した。バイクを駐車する場所がなくて路上に停めたりすると、バイクに乗っていない人達も迷惑してイメージも悪くなる等。
やはり、梁骨にあると感じたものは間違っていなかった。熱い会社だ。

▼変わらない社名、共有する夢
 「アイケイコーポレーション」と「バイク王&カンパニー」。
アイケイは会長と加藤社長の頭文字。仲違いしてどちらかが会社を去るなどということは有り得ないという前提の社名。そして、バイク王&カンパニーはバイク王の従業員とお客様を始めとする関わる全ての仲間達。株主もこの「&カンパニー」に含まれるであろう。
 やはり、何も変わっていない。社名に書かれているのは同じ夢を持つ者の名前だ。(了)
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今回の取材後記は、以上です。いかがでしたか?
井上哲男氏、やはり「熱い」会社には共鳴するものがあるようですね~。

社会的に意義のある事業か? それが社員と共有されているか? という経営者の「思い」の部分は、企業の成長には欠かせないエネルギーそのものだと思います。そのエネルギーが、ビジネスモデルという名のエンジンを動かし、マーケットという名の道路を交通ルールの下で走っていくのです!

・・・思わず私も熱くなってしまいました♪
また次回の「今日の1社」もお楽しみに!


<関連リンク集>
■バイク王&カンパニー IR情報
■2012年11月期 第2四半期 決算説明会資料


9月12日放送「今日の1社」バンダイナムコホールディングス(7832)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.09/12 今日の1社担当 記事URL

 9月12日放送の「アサザイ 今日の1社」は、個人投資家の皆様からも人気を集めるバンダイナムコホールディングス(7832・東証一部) 経営企画本部シニアエキスパートの田上様に登場いただきました! 井上哲男の質問に対し、確かなメッセージを返してくださる落ち着いたお姿が印象的でした~。

 業界では歴史あるバンダイナムコホールディングス、井上哲男も思い入れがあるようです。早速ですが恒例の取材後記をお読みください♪

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取材後記
バンダイナムコホールディングス(7832)(東証一部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は経営企画本部の田上朗子シニアエキスパート

「提供し続けてきた歴史」

▼「玩具」と「ゲーム」
 ロングインタビューでゲーム業界が如何に市場の注目度が高いかを述べたが、同社にレーティングを施すためにモニタリングを行っている証券会社(及びシンクタンク)は18社にも上る。
 19社以上証券会社がモニタリングをしていて日経平均に入っていない銘柄は9銘柄。そのうち4銘柄は優先市場が東証一部ではなく、そもそもが日経平均採用の対象外であることから、実際は5銘柄となり、しまむら(8227)を除くと、残った4社すべてがゲームメーカーとなる。DeNA(2432)、グリー(3632)、スクエニHD(9684)、カプコン(9697)。
 これらゲームメーカーのPER・PBRを見てみると、DeNAとグリーがPER一桁台であるものの、PBRは4倍程度、他のメーカーはPERが10倍~16倍、PBRが1倍台である。

 証券会社は同列で比較をするが、私はバンナムとタカラトミー(7867)をゲーム業界銘柄と同じ立ち位置で比較をしていない。他は完全なゲームの運営・製作会社であるが、両社は玩具メーカーであり、バンナムは玩具メーカーがゲームも作っているというのが私の見方だ。そのため、両社の業種は「その他製品」であり、他の銘柄の「情報通信(DeNAはサービス)」とは一線を画するものだと思っている。

▼セグメントで見るバンナム
 バンナムの今期の売上げ見込みは4550億円。DeNAとグリーが2000億円であることを考えるとその大きさが分かる。セグメントで見ると、(ゲームも含まれる)コンテンツが2390億円とDENAとグリーよりも大きく、これに1700億円のトイホビーと600億円のアミューズメント施設が加わる。

 因みに日経平均採用225社中、同社の売上げ見込みを上回るのは151社。日経平均に採用されてもおかしくない規模の会社だということが分かる。昨年度のセグメント別の利益率はトイホビーが9.1%、コンテンツが7.5%、今期についてはそれぞれ、8.8%、9.4%とコンテンツが逆転する形になるが、両主業のバランスが良いことが分かる。

▼バンナムがつなぐ歴史
 「夢・遊び・感動を提供し続ける企業」でありたいというのが、同社の思い。私がこの会社の何よりの財産だと思うのは、「提供し続けてきたという歴史」だ。
 おもちゃ屋に入ったら、一面がゲームソフトで埋め尽くされている状態など想像したくもない。そこには、ぬいぐるみやゲームや模型などが並べられ、まず小さな子供が目を輝かせる場所であり続けて欲しい。
 息子がかつて仮面ライダー・シリーズにはまり、随分と買わされたことがあった。その時に「お父さんが子供の時にも『変身ベルト』があったんだよ」と言ったら、息子はとても驚き、喜んだ。子供は自分の親が小さかった頃の話を喜ぶものだ。昔のバンダイのロゴもはっきりと覚えている。

 「たまごっち」が日本で社会現象となるくらいのブームとなったのが1997年。熱中した世代が今、親となっている頃だ。2004年に復活してTVアニメでも放映されキャラクター・グッズの販売も好調、11月には新本体も発売されるという。きっと、私の仮面ライダーと同じ会話がおもちゃ屋さんで行われるであろう。
 親と小さな子供との会話。それも同社が提供し続けてきたものであり、玩具メーカーとゲーム専業との決定的な違いだと私は思う。(了)
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 取材後記は、以上です。そうでしたか、仮面ライダーの玩具もバンナムなんですね~。
 確かに1971年の初代仮面ライダーから今月始まったばかりの「仮面ライダーウィザード」まで、もう世代を超えて支持されています♪
 ガンダムも、いわゆるファーストガンダムが1979年ですから、もう親子の世代間をつなぐコンテンツなんですよね。

 放送でもコメントありました通り、バンナム様からはガンプラのリスナープレゼントがありました。本ページの別途ご案内をお待ちください!

 また、今回放送版でご説明し切れなかった部分につきまして、オンデマンド放送で「ロングバージョン」を配信予定ですので、こちらも是非お聴きくださいね♪

<関連リンク集>
■バンダイナムコホールディングス IR・投資家情報
■バンダイナムコホールディングス 説明会資料
■バンダイ 仮面ライダーウィザード


経営企画本部シニアエキスパート 田上様と


9月5日放送「今日の1社」ワッツ(2735)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.09/05 今日の1社担当 記事URL

 皆さん、100円ショップ「meets.」「シルク」をご存知でしょうか?
 事前予告でもお伝えしました通り、9月5日放送の「今日の1社」では、これらを全国展開する株式会社ワッツ(2735・JQS)の平岡社長にお越しいただきました!

 100円ショップといえば、「バリューの高い商品を安く」提供してくれる生活の味方。
それを運営するワッツの優れたバリュエーションを、今回も井上哲男が解析します!

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取材後記
ワッツ(2735)(JASDAQ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は平岡史生代表取締役社長。

「サブ・セクター分類の重要性」

▼際立つバリュエーション
 「あれっ?井上さんが、また「ワッツ」取り上げてる!」と思われたリスナーの方もいらっしゃったかもしれない。事実、この1ヶ月半の間に、私は2度この銘柄を雑誌で紹介している。それぞれ、雑誌社から与えられたテーマを私のバリュエーション・モデルで測定したところ、何れも優秀な数字となったがゆえであるが、その根拠に加えて、業界比較もしてみたい。

 「100円ショップ」の大手は4社。非上場のダイソーがトップで、2位がセリア(2782:JASDAQ)、3位がキャンドゥ(2698:東証1部)、そして4位がワッツ(2735:JASDAQ)である。同業が3社上場していれば、なかなか面白い比較ができる。
まずは、「100円ショップ」VS「他の小売業」である。これにより、100円ショップがここ3年間堅調に売上・収益を伸ばしてきたことが分かるが、さらに期間を長く、10年間の決算を分析してみると、何もこの3年間だけでなく、ずっと前から、他の小売業に比べて収益にブレが小さく、安定的な成長を遂げてきたのだということが分かる。

 そして、続いて「100円ショップ」内での比較を行うと、ワッツのバリュエーションの高さが際立ってくる。他の2社もここ3年間、営業利益、純利益を伸ばしており立派な数字であるが、ワッツについては両利益の伸びが6年間続いている。また、売上高/営業利益率も9年間3%台で安定的に推移したのち、2011年8月期(同社は8月決算であるため、2012年8月期の決算発表はまだ行われていない)に4.8%にまでその数字を押し上げている。この10年間で同数値が2%以下に一度も落ちなかったのは同社だけである。

▼配当の本質「DOE」
 また、多くの企業が経営目標の一つに掲げるROEは23.4%と小売業のトップクラスだが、ROEが20%以上となったのが、この10年間で4回もあり、最低の年でも13.8%を叩き出している。因みにセリアは20%以上を出したのが10年間で今年3月の1度だけであり、キャンドゥについては、最高の年が13.2%とワッツの最低の年を下回っている。

 そして、“配当の本質である”とこの番組で言い続けているDOE(ROE×配当性向)については3.6%と高い数値となっており、直近決算ベース(比較可能な上場全社、3400社程度中)で270位台となっている。ワッツの素晴らしいところは、単年だけでなく、非常に安定的に高い数字を維持しているということだ。このDOEについても、この10年間で5回も3%以上の数字を出している。セリアも3回出しているがここ6年間は出していない。また、(再度引き合いに出して申し訳ないが)キャンドゥは3%台を一度も出していない。

▼求められる「サブ・セクター」の視点
 ここで一つ不思議なことがある。それは証券会社や調査機関のうち、100円ショップでモニタリングしているのがセリア1社であり、それが4社もあるということである。
恐らく、小売業のアナリストがモニタリングしている数社の一つにセリアを加えているものと思われる。それらの銘柄の向こう2年程度の売上げと利益の見込みを出し、EPSを算出したうえで業界平均PERをもとに目標株価を計算するというありふれたやり方で。。。

 それよりも、まずは100円ショップ、医薬品販売、百貨店などのサブ・セクター分類を施してその比較を行ったうえで銘柄をピックアップするという手法を採って欲しいと思う。そうすれば100円ショップ業界の3社は何れもモニタリングする価値のあることが分かると思う。ここでキャンドゥのことを色々と書いたが、同社も小売他社の比較では決して劣っておらず、昨年11月期の決算はとても優秀な数字を弾き出している。

 以前、日進工具の際に、同業の東証1部3社との比較を行ったが、大切なことはこのようなサブ・セクター分類内での比較を行い、そしてそのサブ・セクター全体の動向が「機械」、「小売」などの東証33業種分類の中ではどうなっているかを探ることなのである。

 なぜか?それは、TOPIXを対象、日経平均を対象としたロングオンリー(買いだけ)ファンドは世界中でそれぞれ12~13兆円、2~3兆円あると言われているが、それ以外の日本株を投資対象とした多くのファンドはロング・ショート戦略、またはマーケット・ニュートラル戦略というストラテジーを採っているからである。つまり、多くの買いと多くの空売りを組み合わせるのである。業種リスクを取りたくないファンドはその業種内で買いと売りを組み合わせる。「この業種内では、どのサブ・セクターが買いなのか、また、そのサブ・セクター内ではどの銘柄が魅力的なのか?」常に、その視点が必要な理由はこのことに尽きる。(了)

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 ん~なるほど、「サブ・セクター」の視点を持ってこそ、バリュエーションの高い企業が正確に把握できるということですね♪ これは他の企業や業種にも当てはまることでしょう。

 好みやライフスタイルの違いがあるのはもちろんですが、経営が優れている小売業の店舗は、魅力的であることが多いように思います。そろそろハロウィンの衣装や飾り付けでも、ワッツの100円ショップで探してみようかな? と思いました~。

 なお、番組中で井上哲男が高く評価していたワッツのIRサイト、以下にリンクしておきますので、どうぞご参照ください♪

<関連リンク集>
■ワッツ IRサイト
■2011年8月期 決算説明会資料
■2012年7月12日付開示 2012年8月期 第3四半期決算短信


代表取締役社長 平岡史生様と


8月29日放送「今日の1社」チャーム・ケア・コーポレーションの取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.08/29 今日の1社担当 記事URL

8月29日放送「アサザイ 今日の1社」では、チャーム・ケア・コーポレーション(6062・JQS) 代表取締役社長の下村隆彦様にご登場いただきました!

■チャーム・ケア・コーポレーション ウェブサイト

投資をする際、ニュースのヘッドラインや決算短信の1ページ目に出てくるような数値の増減だけでは、その企業の正確な評価ができないことがありますね。
 今回の取材後記では、インタビューでも取り上げられた同社特有の収益構造について井上哲男が明快に整理していますので、オンデマンド放送とあわせてお読みいただければと思います♪

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取材後記
「社長の名刺」
チャーム・ケア・コーポレーション(6062)(JASDAQ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は下村隆彦代表取締役社長

▼上場後初の本決算
 関西を地盤として介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームを経営してきた同社が上場したのが今年の4/27。まだ4ヶ月しか経過しておらず、上場して数年経つ同業社と同じ土俵でバリュエーションを比較するのは、同社に対してやや酷な印象を受ける。

 老人ホーム事業を始めてこれまでの8期、着実に売上げを伸ばしてきた。この6月期には4,394百万円と前期比伸び率10%を達成し、今期はさらに21%増の5,330百万円を見込む。具体的には、前期の新規開設が2ホーム、99室であったのに対して、今期は3ホーム、206室を予定しており、これにより総室数は1183室と1000を超える。
 一方で、今期の利益については営業利益が639百万円で前期比横バイ、経常利益、純利益については、22百万円~27百万円の小幅な減益を見込んでいる。決算発表時に、売上げの伸びに対して利益が今期追いつかない状況を指摘するコメントが情報端末に流れたが、全くの的外れだと思う。

▼特有の収益構造を読み解く
 上場間もない介護事業会社において、大切なのは「売上げの伸び」。その理由はこの業種特有の利益/費用構造にある。
 開設して丸1年が経過したホームの売上げを100とすると、原価が80程度かかり、売上総利益は20。ここから販管費が3程度かかるため、営業利益は17となる。開設して丸2年が経過するとこの販管費が1程度となり、営業利益は19と売上げのほぼ2割程度となり、以後はこの状態が続く。
 しかし、開設の年はこうはいかない。ホーム長は半年前に雇用し、全てのスタッフも開設1ヶ月前には揃えなくてはならない。また、入居も混乱を招かないように充分な対応を行うために、3ヶ月毎に徐々に入居してもらうという。つまり、売上げはゆっくりと伸びるのに対して、販管費は開設前からフルにかかるのである。そのため、1年目は売上げに対する販管費が35%程度にもなり、営業赤字となる。

 この利益/費用構造である以上、企業が目指すことは、前述のように売上高を伸ばすこと、そして、開設丸1年後の入居率を高めることの2つであるが、同社の入居率は96%と業界平均の86%を10%も上回る水準となっている。

▼念願の関東進出、100億円企業へ
 同社の目標は売上げ100億円企業。今はとにかく売上げと室数を増やし、1年目の営業赤字を過年度物件が充分に吸収できる状態にすることが肝要である。上場の際にも言われていた関東への進出であるが、2年後をメドに新宿・練馬・松戸で3ヶ所のホームが開設されることが、新聞で早くも発表された。関西よりも量的規制水準に達していない地域が多い関東での、貴重な足掛かりとなる物件である。

▼パブリックカンパニーの理念が照らす、社長の名刺
 インタビュー後に社長と話していて年齢を聞いて驚く。とてもその年齢には見えない。長年建設業を営まれて、悠々自適な老後も考えていたときに、有料老人ホーム事業をしようと決心したという。
社会的ニーズがあり、社会的に善であることをする会社を残したい。作るからには上場してパブリック・カンパニーとして信用力を高めて次の世代につなげたいという気持ちでここまでやってきたことが、ひしと伝わってきた。この人は自分のために上場を果たしたのでは決してない。

会社の説明資料に、いずれも「C」から始まる「チャーム」「ケア」「コーポレーション」それぞれの単語になぞり、企業理念が書かれている。赤、黄、緑、ピンクが配色されたロゴ・マークも、社長のイメージと違い(失礼!)とても可愛い。
ここに社長から頂いた名刺がある。JASDAQのマークだけがよく見ると緑色だが、それ以外は黒単色の非常にシンプルな名刺で、裏面には何も書かれていない片面印刷である。

同社のホームの価格は年金で払える月額利用料を基本に、地域特性に応じて柔軟に設定している。そして、徹底した社内のコスト管理は行うが、室数の多いホームの夜勤の人員などは今年も見直しを行い、大手よりも手厚い介護ができる体制に増員したという。
この名刺は、それを体現していると思う。白黒のロゴは、カラーのそれと同じように、いや、それ以上に輝いている。(了)
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取材後記は、以上です。
表面的に出てくる数字の背景や自社特有の収益構造をきちんと説明していくこと、これはまさに重要なIRの姿勢ですね!
また今後の日本で大変重要な位置を占める「老後」に対し、理念を持って取り組む下村社長の姿勢は頼もしく感じました。

後記中にもある通り、今後関東進出も計画されていますので、より広範囲での知名度も徐々にアップしてくるのではないかと思います♪

次回の「今日の1社」もお楽しみに!


<関連リンク集>
■チャーム・ケア・コーポーレーション 当社の理念
■2012年8月9日開示 平成24年6月期 決算短信
■2012年6月期 機関投資家向け説明会資料・動画


下村社長と、ラジオNIKKEIスタジオにて


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