10月17日放送「今日の1社」ワイヤレスゲート(9419)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.10/17 今日の1社担当 記事URL

 10月17日放送「アサザイ 今日の1社」は、ワイヤレスゲート(9419・東証マザーズ) 代表取締役CEOの池田武弘様にお越しいただきました!
 最近、公衆無線LANの普及が進んでいますので、さほど業界に詳しくないという方でも、「この分野は『来ている』」という感覚はお持ちなのではないでしょうか? 同社の成長カーブは、まさにそれを裏付けるものになっています。

 井上哲男はこの成長企業をどう見たのか? 取材後記をお読みください♪

--------------------------------------------------
取材後記
ワイヤレスゲート(9419)(東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役CEOの池田武弘さま。
「爽やかな風」


▼“大きな産声”
 新規上場企業はまず社長に会うことに尽きると実感した。
 今年はIPO(新規株式公開)の当り年。10/16までにIPOをした企業数は25社に上る。10/11に上場を予定していたツバキ・ナカシマが9月下旬に上場延期を発表したのは残念であったが、このままいけば、リーマン・ショックの起きた年である2008年の32社を超えるかもしれない。

 初値も概ね好調であった。25社中、初値が公開価格を下回ったのは4社で、残り21社は順調に産声を上げたが、その中でも公募価格を75%以上も上回る“大きな産声”を上げたのが7社。ワイヤレスゲートも93%上回り、堂々6位の産声の大きさであった。
 問題は、産声が大きかったかどうかではなく、順調に育っているかである。10/15終値と調整済み公募価格(今年はこの25社のうち、既に3社が株式分割を行っている!)を比較してみると、同社の上昇率は177%(ほぼ2.8倍になったということ)で4位となっており、順調に育っていることが分かる。

▼情報通信業におけるPER水準
 このリストを作っていて、驚いた。
今年上場して、現在までの上昇率が100%を越えている企業7社のうち、札幌アンビシャス上場の北の達人(2930)以外の6社が、全て東証マザーズ銘柄なのである。(エイチーム(3662)、エニグモ(3665)、エムアップ(3661)、ワイヤレスゲート(9419)、モブキャスト(3664)、メディアF(6067)) しかもメディアFはサービス業であるが、残りの5社は情報通信業である。
 一方で、現在の株価が調整済み公募価格を残念ながら下回っている企業数は8社ある。JAL(9201)を除いた7社を見てみると、なんと5社がJASDAQスタンダード上場で2社が東証マザーズ上場という結果になっている。今年のIPOはこれまでのところ、東証マザーズの圧勝である。

▼ITバブルにあらず
 この上昇率が100%を越えている企業のうち、東証マザーズ・情報通信業の5社の平均PERは24.7倍(ワイヤレスゲートは19.4倍)と、東証一部の平均である12.1倍のおよそ倍となり、一見割高に映る。しかし、情報通信業の全上場銘柄の340社のうち、最終利益がゼロ又は赤字見込みである30社とPERが500倍を超えている2社を除いた308社の平均PERを算出してみると、20.4倍とこの業種内では、それほど問題視されるレベルではないことが分かる。

 以前、ITバブル相場があった。ITに関連しているのか疑わしい企業で、社名だけがITっぽい会社の株価までが上昇した相場と違い、現在の相場は健全である。情報通信業で株価が上昇している企業には、共通した一つの特徴がある。それは、日進工具とJCUの時に述べたことと同じで、リーマン・ショック前の最高売上、最高益を前期、今期でクリアしている点である。全ての企業の株価が上昇している訳ではない。そして、それらの上昇している銘柄達と遜色のない売上・利益の伸びを近年記録してワイヤレスゲートは上場したのだ。

▼“ドンと構える”
 注目度が高まると市場というのは色々なコメントを出してくる。3年間で売上が13倍になったこのペースが続くわけが無いことは知っている。それを続けたら6年かそこらで1兆円企業になってしまう。それでも、前年同期比の売上高の伸び率などを指摘する者はこれから出てくるかもしれない。
 私のような者が偉そうに言えた義理ではないが、そんな時は“ドンと構える”ことであろう。
 「アイデア」「他社と差別化できる技術」「売上げの蓋然性(実現性)」、ITバブル終焉とともに元気の無くなった情報通信業の企業は、焦って、一つでも欠けてはいけないこの3つのうち、どれかが欠けているものに手を出したように思う。同社の場合はこれに「ファブレスでできること」ということも加わるかもしれない。これらを全てクリアしたワイヤレス・ブロードバンド・サービスを作り、ここまで来たという自負を持ち続けて欲しい。それが、きっと、何れかの時期に来る新規事業を考える際にも鍵となる気がする。

▼新規上場企業は、まず社長に会うこと
 冒頭で述べたように、新規上場企業はまず社長に会うことである。今回はロング・インタビューで敢えて社長の学歴から創業に至るまでの経緯を聞き、皆さんにお届けさせて頂いた。
 「大阪大学大学院卒工学博士、NTTドコモワイヤレス研究所入所、スタンフォード大学研究員・・・」しかし、無論それだけで起業できる訳ではない。
爽やかさ、穏やかさ、謙虚さ、冷静さ、スマートさ、クールさ(頭の良さ)・・・。これらが実際にお会いしてストレートに伝わってきた。なぜ多くのベンチャー・キャピタルがこの会社に出資をしたのか、ヨドバシ・カメラが事業・資本提携をしたのか、小型株発掘で名高い投信が既に5%ルール報告を行うくらい買っているのか・・・それらの答えが全て解ったような気がする。

 日本には応援したい企業がたくさんある。今年は、それに、従業員10名の爽やかな会社が加わった。(了)
--------------------------------------------------

取材後記は、以上です。
確かに、マザーズなど新興市場においては、企業の成長における社長の占めるウェートは、非常に高いことが多いですね。上場時の社長の多くが創業者でもありますから、必然といえるでしょう。

放送及び取材後記から、私も代表取締役CEOの池田様の爽やかなイメージが膨らんできました♪
今後の「今日の1社」でも、素敵な社長をご紹介していきたいと思います!

<関連リンク集>
■ワイヤレスゲート 経営陣紹介
■ワイヤレスゲート IR情報
■9月29日開催 個人投資家向け合同IR説明会資料


10月3日放送「今日の1社」ポーラ・オルビスホールディングス(4927)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.10/03 今日の1社担当 記事URL

 10月3日放送「アサザイ 今日の1社」は、皆さんもご存知のポーラ・オルビスホールディングス(4927・東証一部)でした。1929年創業の歴史ある化粧品大手企業なのですが、上場したのは2010年と新しいんですね~。

 個人投資家向けIRにも積極的で知名度が高い同社は、非常に堅調な業績をあげています。その強みはどこにあるのか? 広報・IR室 IR担当課長の齋藤明子様に井上哲男がインタビューしました!

-----------------------------------------------
取材後記
「失敗しない会社」
ポーラ・オルビスホールディングス(4927)(東証一部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は齋藤明子IR担当課長


▼「トイレタリー」と個人株主向けIR
 外国人に説明する際に困る業種分類に「トイレタリー」がある。日本では化粧品の他に、入浴剤や洗剤、石鹸までも含んで使われ、「化学」のなかの日用品に関わるもの全部を意味する場合が多いが、外国では純粋に化粧品や体につけて身だしなみを整えるものを意味する。以前、「花王も日本ではトイレタリーだ」と言ったところ「お前は洗剤で顔を洗うのか?」と返されたことがある。

 しかし、銘柄のバリュエーションを測る場合は、やはり、「外国式のトイレタリー分類」がしっくりくる。しっくりくるのではあるが、一方で画一的な計測が難しいのがトイレタリーである。
 難しくさせている一つの理由が、株主優待制度の魅力が高く、好きなブランドの株主になってそれを享受したい人が多いということだ。そのため、個人株主の回転率が低い業種と言われている。このことは、ある面、「企業を応援したい人が株主になる」という原義そのままであり、個人株主向けのIRが重要であるということも意味している。

▼業界唯一の「パーフェクト上方修正」
 それでも業績面での分析を行うと、ここ数年で好調、横バイにはっきりと二分される。5期前と今期見込みの比較において、収益面で好調なのが、同社とドクター・シーラボ(4924)で、他社は横バイか苦戦している状況である。
 その勢いの差は今期も続いている。売上高と利益3項目のパーフェクト上方修正はポーラ・オルビスだけで、ノエビア(4928)が営業利益と経常利益を上方修正したものの、その他の銘柄で上方修正はなく、資生堂(4911)は売上高のみ下方修正している。

▼『侃々諤々(かんかんがくがく)』
 この強さはどこから来るのか?
事業は以前のポーラ・レディの訪問販売を7年前に店舗型に変えた「ポーラ ザ ビューティー」での直販、百貨店での販売、オルビスの通販、そして海外戦略。奇をてらったものは一つもない。この企業の真の強さは、この奇をてらっていないセグメント全てにおいて「失敗していない」ということなのである。

 ロング・インタビューのなかで齋藤課長が「社内で『 侃々諤々(かんかんがくがく) 』とことん話し合った」という言葉を使った。きっと、これが同社の強さの素なのである。
 「ポーラ ザ ビューティー」の新規出店についても、マーケティングから人材の登用まで綿密な計画を経て行われている。エステ併設型店舗もニーズを深耕し、結果的にポーラ(ブランド)の顧客層において20~30代が圧倒的に増加した。

 また、ネット販売部門のオルビスは3年連続で日経ビジネスの「アフターサービス満足度ランキング」で1位となり、昨年実施された経済産業省のJCSI(日本版顧客満足度指数)でも通信販売部門第1位という栄誉に輝いた。
ネットでの通信販売会社といえば、誰でも大手数社の名前は知っている。その会社を蹴散らして、化粧品を扱う通信販売会社が1位となったのであるから、これは“事件”である。通信販売会社としてあるべき姿をとことん話し合って、それを具現化した結果だ。
そのオルビスが関東3つの流通センターを統合し、東日本流通センターを稼動させた。これにより、関東・関西の主要都市で朝7時までに注文すると、その日のうちに商品が届けられるという。

▼「失敗しなかった会社」の存在感
 株式市場において同社のネーム・バリューは高く、存在感を充分に示しているが、実はまだ上場して2年も経っていない。経っていないが、今回分析にあたって頂いた資料の数々は、極めて優秀な内容、精度であった。聞くところによると、同社はIRの担当を個人投資家向けと機関投資家向けに分けているという。これも上場企業として求められる姿をとことん話し合った結果であろうか。

 業界全体での化粧品売上高が横バイで推移するなか、同社は長年培ってきたものを資源として、基本的にスキンケア商品に特化し、業績を伸ばしてきた。この領域を出たことはなく、今のところ、ここから出る意志もないであろう。しかし、ポーラがスキンケア以外の化粧品分野に進出したとしたら・・・。その時は他のトレタリーメーカーにとって真の意味での脅威であろう。何故ならば「失敗しなかった会社」の進出だからである。(了)
-----------------------------------------------

 取材後記は、以上です。なるほどですね~。

 インタビューでも齋藤様が説明されていました通り、ポーラ・オルビスホールディングスが有している9つのブランドは完全に住み分けができていて、それぞれにお客様を取り合うことはないのだそうです。このあたりのブランド展開も、『侃々諤々』の議論の元に熟慮した結果なのでしょうね♪

 「バランスの取れたセグメント構成とそれぞれのフィールドでの成功」、これは経営の理想形ではありますが、なかなかできないことです。

 なお、同社は2012年10月18日、11月17日にいずれも女性限定の個人投資家説明会への参加を予定しています。女性の皆さんは要チェックですよ♪

○2012年10月18日 18:50~ 【女性限定】個人投資家説明会『株式投資がもっと楽しくなるスマート実践術』
○2012年11月17日 13:00~ 【女性限定】個人投資家説明会『目指せ知的美人! 女性限定IRセミナー』
 ▼説明会のご案内はこちら▼

 また2012年10月30日には第3四半期の決算発表を予定していますので、こちらも注目です!

<関連リンク集>
■ポーラ・オルビスホールディングス 株主・投資家情報
■ポーラ・オルビスホールディングス 説明会資料


広報・IR室 IR担当課長の齋藤明子様と。


9月26日放送「今日の1社」荏原ユージライト(新商号:JCU、4975)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.09/26 今日の1社担当 記事URL

 「めっき」というと、どのようなものを想像されるでしょうか?多くの方は宝飾品などの「金めっき」が頭に浮かぶのではないかと思います。
 今回ご紹介する荏原ユージライト(10月1日よりJCUに商号変更、4975)は、めっき加工を行うための表面処理薬品と機器を提供しているメーカーです。同社の製品よって加工が施されている商品は、自動車、建材、水栓金具、電子部品、半導体など大変幅広く、世界のテクノロジーを支える企業なのです♪

 そんな荏原ユージライト(JCU)の強みを探るべく、代表取締役会長兼CEO 粕谷佳允様に井上哲男が直撃した取材後記をお届けします!

-----------------------------------------------------
取材後記
荏原ユージライト(4975)(東証1部)
 ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長兼CEOの粕谷佳允さま。

 「伝説のMBO企業」

▼価値ある上方修正
 またもやキラリと光る技術と業績を兼ね備えた企業にご出演頂いた。荏原ユージライト(10/1より社名を「JCU」に変更予定)だ。

 8/3に第1四半期の業績を踏まえて今期の上方修正を行った。私が、先々週末時点で計測したところ、3500社を超える全上場企業中、今期の純利益の上方修正を発表した企業数は255社で全体の7.2%程度、一方で下方修正を発表した企業数は300社で全体の8.5%であった。
 14社に1社しか上方修正していないのだから、このこと自体、素晴らしいのであるが、これが、同社が所属する化学業種について見てみると、さらにこれが“とても価値のある上方修正”であることが分かる。化学全210社中、上方修正はたったの6社(赤字幅縮小の1社を除く)、率にして2.8%にまで低下する。(因みに、下方修正は19社、9.0%と全体よりも高い。)この貴重な1社が荏原ユージライトなのである。

▼世界のスマホを支える技術
 薬品事業、装置事業、その他の事業、いずれもメッキに関わる業務を主とする同社の業績がなぜ好調なのか?その鍵はやはり、スマホにおける配電板の高密度化、薄板化にあった。
 積み重ねられたプリント配電板を「ビルドアップ基板」と呼ぶが、この基板の製法が従前の「スタック構造」から「エニーレイヤー構造」に変わっていっている。コストが削減でき、何よりも薄板化が図れるからである。この「エニーレイヤー構造」において各層間を接続するホールを電気伝導性の高い金属で充填する必要があり、これにフィリング(メッキ)薬品が使われる。同社のこのフィリング薬品の世界シェアは50%(以上)。サムスンやi-phoneにも使われている。

 メッキ薬品というと、同業の日本高純度(4973)、石原薬品(4462)、上村工業(4966)の名前も挙げられるが、リーマン・ショック前の最高売上高、最高3利益を更新できているのは荏原ユージライトしかない。2011年3月期に更新し、今期は更にそれを伸ばす見込みだ。
 スマホにおける電子部品、配電盤の高密度化、薄板化に対応できた企業として、以前に日進工具(6157)を紹介した。超硬切削工具他社との比較で、やはり、リーマン・ショック前の最高売上高の更新が今期唯一見込まれている点も同じである。
 メーカーの元気度を測るメルクマークがリーマン・ショック前の売上高であることがお分かり頂けると思う。

▼「第2のユージライトを探せ!」
 話は変わるが、同社はMBOファンドやベンチャー・キャピタル・ファンドの中で、MBOの大成功例として有名である。「第2のユージライトを探せ!」という言葉を聞いたことがある。企業小説が書けそうなこのMBOについて、ロング・インタビューで会長が語られているので是非お聴き頂きたい。

 今期も企業を取り巻く環境は厳しく、業績面でも冒頭で触れたように、上方修正率が低い状態が続いているが、「アサザイ」は今日の荏原ユージライトさんで、12社をご紹介したことになるが、このうち5社が3利益項目のいずれかで上方修正を行っている。出演して頂いた企業さんにも、また、その企業をご紹介頂いているプロネクサスにも感謝、感謝である。(了)
-----------------------------------------------------

 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 文中で触れられている荏原ユージライト(JCO)のMBOについては、是非押さえておきたいポイントです。ロング・インタビューは後日オンデマンドにアップされますので、要チェックです♪


 「スマホの中身は日本のメーカーが支えている」という話はメディア等でよく聞きますが、まさにその好事例ですね!
 最近私もスマホに変えたのですが、コンパクトサイズに高機能が詰まって大変便利です。最終的にこの形で完成するまでに、同社も含めてどれだけの方の力が結集されたのでしょうか。「知られざる英雄たち」の努力を思うと、胸が熱くなりました・・・。

<関連リンク集>
■荏原ユージライト 投資家情報
■荏原ユージライト 会長メッセージ 「株式会社JCU」に社名変更するにあたって
■8月3日開示 平成25年3月期第1四半期決算短信
■8月3日開示 業績予想および配当予想の修正に関するお知らせ
■9月21日開示 配当予想の修正(記念配当)に関するお知らせ


9月19日放送「今日の1社」バイク王&カンパニー(3377)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.09/19 今日の1社担当 記事URL

日々メンテナンスを欠かさない、熱いバイクファンの方、周囲にいらっしゃいませんか?実は「今日の1社担当」の私の兄がバイクファンでして、日々バイクをいじっている姿を見ておりました。
四輪も同じだと思いますが、まさに「愛車」なんですよね~。

9月19日放送の「アサザイ 今日の1社」は、そんなバイクファンを支える「バイクライフの総合プランナー」、バイク王&カンパニー(3377・東証二部) 代表取締役会長の石川秋彦様にお越しいただきました♪
「アイケイコーポレーション」から商号変更したばかりの同社を井上哲男はどう見たのか?
企業の本質に迫る井上哲男の取材後記をお読みください!

---------------------------------------------------
取材後記
バイク王&カンパニー(3377)(東証二部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長の石川秋彦様

「変わらない社名」

▼シンプルなビジネスモデル
誰もが知っている「バイク王」のCM。企業名を並べて子供からお年寄りまでの認知度を測れば、きっとかなりの上位に入るであろう。その圧倒的な認知度をもって、同社は9/1に「アイケイコーポレーション」から「バイク王&カンパニー」に社名を変更した。しかし、この社名変更、実質的に何も変わっていない。

同社のビジネス・モデルは現在のところ非常にシンプルである。不要になったバイクを買い取り、専門のオークションに売却、または自社店舗で販売する。その他、駐車場事業も行っている。
ここ3年間、順調に業績は回復してきたが、今期は6月に実質的な下方修正を発表した。3月の過去最多の問い合わせがあった際に、機会損失(引き合いが多すぎて充分に対応しきれなかったことによる商売機会の損失)が発生したことも一因で、来年はこのようなことはないという。

実質的な下方修正後の数字による9/18時点でのバリュエーションはPER13.4倍、PBR0.68倍、配当利回りは5.0%となり、東証一部の加重平均である、PER12.7倍、PBR0.93倍、配当利回り2.5%と比べると、PBRが低く、配当利回りが高いことが分かる。

▼「人財」に寄せる思い
 同社は正社員比率が非常に高い。従業員の9割以上が正社員であり、他社の場合、外注比率が高くなるインフォメーション・センターも実に8割が正社員である。前期末の従業員数も911名と売上げ/収益規模からすると多く映るかもしれない。しかし、「FACT BOOK」を見ると、同社が如何に従業員を大切に考えているかが分かる。引用すると「『人材』を『人財』とみなし、財産であると考える以上、働く人に対して会社がきちんと責任を負うことで信頼関係や理解が深まる」。きちんとした接客を行えるサービス提供者になってもらうために、会社は正社員として迎えるということだ。

 ちょうど収録の二日前、大手のスーパーマーケットが正社員を半減するリストラ計画を発表した。20年以上前にはその採用人数の多さからマンモス入社式がニュースで流れていた会社だ。当時の社長は同じように「人財」という言葉を使っていた記憶がある。

 「バイク王&カンパニー」の「FACT BOOK」に、「むしろ、今いる社員は「創業メンバー」と言えるくらいとも考えている」という記述がある。私は、この一文に感動した。
アイケイコーポレーション設立から14年。その前身の会社設立から18年。それでも現在の社員を創業期メンバーと言えるということは、同社の夢が実現するまでには、まだまだ長い時間がかかるということである。
 その夢とは何か?それは、バイクに関連する全てが「バイク王&カンパニー」で完結できる「バイクライフの総合プランナー」になることだと言うが、私は、何よりも、バイクが持つ社会的なプレゼンスを向上させたいということが、その梁骨にあると感じた。

▼「どんなバイクでも買い取る」
 私は石川会長に無礼を百も承知でわざと言った。「御社の収益を上げるのはそれほど難しくないと思います。①従業員数、②125cc以下のバイクの取り扱い、③駐車場事業、④宣伝広告費、この見直しです。」
 会長は、私の期待とおりに、これらを否定してくれた。町にバイクが不法投棄されないために、バイク王は「どんなバイクでも買い取る」のだ。駐車場事業は決して高収益事業ではないが、この4年間でバイクの駐車違反件数は52万件から半減した。バイクを駐車する場所がなくて路上に停めたりすると、バイクに乗っていない人達も迷惑してイメージも悪くなる等。
やはり、梁骨にあると感じたものは間違っていなかった。熱い会社だ。

▼変わらない社名、共有する夢
 「アイケイコーポレーション」と「バイク王&カンパニー」。
アイケイは会長と加藤社長の頭文字。仲違いしてどちらかが会社を去るなどということは有り得ないという前提の社名。そして、バイク王&カンパニーはバイク王の従業員とお客様を始めとする関わる全ての仲間達。株主もこの「&カンパニー」に含まれるであろう。
 やはり、何も変わっていない。社名に書かれているのは同じ夢を持つ者の名前だ。(了)
---------------------------------------------------

今回の取材後記は、以上です。いかがでしたか?
井上哲男氏、やはり「熱い」会社には共鳴するものがあるようですね~。

社会的に意義のある事業か? それが社員と共有されているか? という経営者の「思い」の部分は、企業の成長には欠かせないエネルギーそのものだと思います。そのエネルギーが、ビジネスモデルという名のエンジンを動かし、マーケットという名の道路を交通ルールの下で走っていくのです!

・・・思わず私も熱くなってしまいました♪
また次回の「今日の1社」もお楽しみに!


<関連リンク集>
■バイク王&カンパニー IR情報
■2012年11月期 第2四半期 決算説明会資料


9月12日放送「今日の1社」バンダイナムコホールディングス(7832)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.09/12 今日の1社担当 記事URL

 9月12日放送の「アサザイ 今日の1社」は、個人投資家の皆様からも人気を集めるバンダイナムコホールディングス(7832・東証一部) 経営企画本部シニアエキスパートの田上様に登場いただきました! 井上哲男の質問に対し、確かなメッセージを返してくださる落ち着いたお姿が印象的でした~。

 業界では歴史あるバンダイナムコホールディングス、井上哲男も思い入れがあるようです。早速ですが恒例の取材後記をお読みください♪

-----------------------------------------------------
取材後記
バンダイナムコホールディングス(7832)(東証一部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は経営企画本部の田上朗子シニアエキスパート

「提供し続けてきた歴史」

▼「玩具」と「ゲーム」
 ロングインタビューでゲーム業界が如何に市場の注目度が高いかを述べたが、同社にレーティングを施すためにモニタリングを行っている証券会社(及びシンクタンク)は18社にも上る。
 19社以上証券会社がモニタリングをしていて日経平均に入っていない銘柄は9銘柄。そのうち4銘柄は優先市場が東証一部ではなく、そもそもが日経平均採用の対象外であることから、実際は5銘柄となり、しまむら(8227)を除くと、残った4社すべてがゲームメーカーとなる。DeNA(2432)、グリー(3632)、スクエニHD(9684)、カプコン(9697)。
 これらゲームメーカーのPER・PBRを見てみると、DeNAとグリーがPER一桁台であるものの、PBRは4倍程度、他のメーカーはPERが10倍~16倍、PBRが1倍台である。

 証券会社は同列で比較をするが、私はバンナムとタカラトミー(7867)をゲーム業界銘柄と同じ立ち位置で比較をしていない。他は完全なゲームの運営・製作会社であるが、両社は玩具メーカーであり、バンナムは玩具メーカーがゲームも作っているというのが私の見方だ。そのため、両社の業種は「その他製品」であり、他の銘柄の「情報通信(DeNAはサービス)」とは一線を画するものだと思っている。

▼セグメントで見るバンナム
 バンナムの今期の売上げ見込みは4550億円。DeNAとグリーが2000億円であることを考えるとその大きさが分かる。セグメントで見ると、(ゲームも含まれる)コンテンツが2390億円とDENAとグリーよりも大きく、これに1700億円のトイホビーと600億円のアミューズメント施設が加わる。

 因みに日経平均採用225社中、同社の売上げ見込みを上回るのは151社。日経平均に採用されてもおかしくない規模の会社だということが分かる。昨年度のセグメント別の利益率はトイホビーが9.1%、コンテンツが7.5%、今期についてはそれぞれ、8.8%、9.4%とコンテンツが逆転する形になるが、両主業のバランスが良いことが分かる。

▼バンナムがつなぐ歴史
 「夢・遊び・感動を提供し続ける企業」でありたいというのが、同社の思い。私がこの会社の何よりの財産だと思うのは、「提供し続けてきたという歴史」だ。
 おもちゃ屋に入ったら、一面がゲームソフトで埋め尽くされている状態など想像したくもない。そこには、ぬいぐるみやゲームや模型などが並べられ、まず小さな子供が目を輝かせる場所であり続けて欲しい。
 息子がかつて仮面ライダー・シリーズにはまり、随分と買わされたことがあった。その時に「お父さんが子供の時にも『変身ベルト』があったんだよ」と言ったら、息子はとても驚き、喜んだ。子供は自分の親が小さかった頃の話を喜ぶものだ。昔のバンダイのロゴもはっきりと覚えている。

 「たまごっち」が日本で社会現象となるくらいのブームとなったのが1997年。熱中した世代が今、親となっている頃だ。2004年に復活してTVアニメでも放映されキャラクター・グッズの販売も好調、11月には新本体も発売されるという。きっと、私の仮面ライダーと同じ会話がおもちゃ屋さんで行われるであろう。
 親と小さな子供との会話。それも同社が提供し続けてきたものであり、玩具メーカーとゲーム専業との決定的な違いだと私は思う。(了)
-----------------------------------------------------

 取材後記は、以上です。そうでしたか、仮面ライダーの玩具もバンナムなんですね~。
 確かに1971年の初代仮面ライダーから今月始まったばかりの「仮面ライダーウィザード」まで、もう世代を超えて支持されています♪
 ガンダムも、いわゆるファーストガンダムが1979年ですから、もう親子の世代間をつなぐコンテンツなんですよね。

 放送でもコメントありました通り、バンナム様からはガンプラのリスナープレゼントがありました。本ページの別途ご案内をお待ちください!

 また、今回放送版でご説明し切れなかった部分につきまして、オンデマンド放送で「ロングバージョン」を配信予定ですので、こちらも是非お聴きくださいね♪

<関連リンク集>
■バンダイナムコホールディングス IR・投資家情報
■バンダイナムコホールディングス 説明会資料
■バンダイ 仮面ライダーウィザード


経営企画本部シニアエキスパート 田上様と


9月5日放送「今日の1社」ワッツ(2735)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.09/05 今日の1社担当 記事URL

 皆さん、100円ショップ「meets.」「シルク」をご存知でしょうか?
 事前予告でもお伝えしました通り、9月5日放送の「今日の1社」では、これらを全国展開する株式会社ワッツ(2735・JQS)の平岡社長にお越しいただきました!

 100円ショップといえば、「バリューの高い商品を安く」提供してくれる生活の味方。
それを運営するワッツの優れたバリュエーションを、今回も井上哲男が解析します!

----------------------------------------------
取材後記
ワッツ(2735)(JASDAQ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は平岡史生代表取締役社長。

「サブ・セクター分類の重要性」

▼際立つバリュエーション
 「あれっ?井上さんが、また「ワッツ」取り上げてる!」と思われたリスナーの方もいらっしゃったかもしれない。事実、この1ヶ月半の間に、私は2度この銘柄を雑誌で紹介している。それぞれ、雑誌社から与えられたテーマを私のバリュエーション・モデルで測定したところ、何れも優秀な数字となったがゆえであるが、その根拠に加えて、業界比較もしてみたい。

 「100円ショップ」の大手は4社。非上場のダイソーがトップで、2位がセリア(2782:JASDAQ)、3位がキャンドゥ(2698:東証1部)、そして4位がワッツ(2735:JASDAQ)である。同業が3社上場していれば、なかなか面白い比較ができる。
まずは、「100円ショップ」VS「他の小売業」である。これにより、100円ショップがここ3年間堅調に売上・収益を伸ばしてきたことが分かるが、さらに期間を長く、10年間の決算を分析してみると、何もこの3年間だけでなく、ずっと前から、他の小売業に比べて収益にブレが小さく、安定的な成長を遂げてきたのだということが分かる。

 そして、続いて「100円ショップ」内での比較を行うと、ワッツのバリュエーションの高さが際立ってくる。他の2社もここ3年間、営業利益、純利益を伸ばしており立派な数字であるが、ワッツについては両利益の伸びが6年間続いている。また、売上高/営業利益率も9年間3%台で安定的に推移したのち、2011年8月期(同社は8月決算であるため、2012年8月期の決算発表はまだ行われていない)に4.8%にまでその数字を押し上げている。この10年間で同数値が2%以下に一度も落ちなかったのは同社だけである。

▼配当の本質「DOE」
 また、多くの企業が経営目標の一つに掲げるROEは23.4%と小売業のトップクラスだが、ROEが20%以上となったのが、この10年間で4回もあり、最低の年でも13.8%を叩き出している。因みにセリアは20%以上を出したのが10年間で今年3月の1度だけであり、キャンドゥについては、最高の年が13.2%とワッツの最低の年を下回っている。

 そして、“配当の本質である”とこの番組で言い続けているDOE(ROE×配当性向)については3.6%と高い数値となっており、直近決算ベース(比較可能な上場全社、3400社程度中)で270位台となっている。ワッツの素晴らしいところは、単年だけでなく、非常に安定的に高い数字を維持しているということだ。このDOEについても、この10年間で5回も3%以上の数字を出している。セリアも3回出しているがここ6年間は出していない。また、(再度引き合いに出して申し訳ないが)キャンドゥは3%台を一度も出していない。

▼求められる「サブ・セクター」の視点
 ここで一つ不思議なことがある。それは証券会社や調査機関のうち、100円ショップでモニタリングしているのがセリア1社であり、それが4社もあるということである。
恐らく、小売業のアナリストがモニタリングしている数社の一つにセリアを加えているものと思われる。それらの銘柄の向こう2年程度の売上げと利益の見込みを出し、EPSを算出したうえで業界平均PERをもとに目標株価を計算するというありふれたやり方で。。。

 それよりも、まずは100円ショップ、医薬品販売、百貨店などのサブ・セクター分類を施してその比較を行ったうえで銘柄をピックアップするという手法を採って欲しいと思う。そうすれば100円ショップ業界の3社は何れもモニタリングする価値のあることが分かると思う。ここでキャンドゥのことを色々と書いたが、同社も小売他社の比較では決して劣っておらず、昨年11月期の決算はとても優秀な数字を弾き出している。

 以前、日進工具の際に、同業の東証1部3社との比較を行ったが、大切なことはこのようなサブ・セクター分類内での比較を行い、そしてそのサブ・セクター全体の動向が「機械」、「小売」などの東証33業種分類の中ではどうなっているかを探ることなのである。

 なぜか?それは、TOPIXを対象、日経平均を対象としたロングオンリー(買いだけ)ファンドは世界中でそれぞれ12~13兆円、2~3兆円あると言われているが、それ以外の日本株を投資対象とした多くのファンドはロング・ショート戦略、またはマーケット・ニュートラル戦略というストラテジーを採っているからである。つまり、多くの買いと多くの空売りを組み合わせるのである。業種リスクを取りたくないファンドはその業種内で買いと売りを組み合わせる。「この業種内では、どのサブ・セクターが買いなのか、また、そのサブ・セクター内ではどの銘柄が魅力的なのか?」常に、その視点が必要な理由はこのことに尽きる。(了)

----------------------------------------------

 ん~なるほど、「サブ・セクター」の視点を持ってこそ、バリュエーションの高い企業が正確に把握できるということですね♪ これは他の企業や業種にも当てはまることでしょう。

 好みやライフスタイルの違いがあるのはもちろんですが、経営が優れている小売業の店舗は、魅力的であることが多いように思います。そろそろハロウィンの衣装や飾り付けでも、ワッツの100円ショップで探してみようかな? と思いました~。

 なお、番組中で井上哲男が高く評価していたワッツのIRサイト、以下にリンクしておきますので、どうぞご参照ください♪

<関連リンク集>
■ワッツ IRサイト
■2011年8月期 決算説明会資料
■2012年7月12日付開示 2012年8月期 第3四半期決算短信


代表取締役社長 平岡史生様と


8月29日放送「今日の1社」チャーム・ケア・コーポレーションの取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.08/29 今日の1社担当 記事URL

8月29日放送「アサザイ 今日の1社」では、チャーム・ケア・コーポレーション(6062・JQS) 代表取締役社長の下村隆彦様にご登場いただきました!

■チャーム・ケア・コーポレーション ウェブサイト

投資をする際、ニュースのヘッドラインや決算短信の1ページ目に出てくるような数値の増減だけでは、その企業の正確な評価ができないことがありますね。
 今回の取材後記では、インタビューでも取り上げられた同社特有の収益構造について井上哲男が明快に整理していますので、オンデマンド放送とあわせてお読みいただければと思います♪

-------------------------------------------
取材後記
「社長の名刺」
チャーム・ケア・コーポレーション(6062)(JASDAQ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は下村隆彦代表取締役社長

▼上場後初の本決算
 関西を地盤として介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームを経営してきた同社が上場したのが今年の4/27。まだ4ヶ月しか経過しておらず、上場して数年経つ同業社と同じ土俵でバリュエーションを比較するのは、同社に対してやや酷な印象を受ける。

 老人ホーム事業を始めてこれまでの8期、着実に売上げを伸ばしてきた。この6月期には4,394百万円と前期比伸び率10%を達成し、今期はさらに21%増の5,330百万円を見込む。具体的には、前期の新規開設が2ホーム、99室であったのに対して、今期は3ホーム、206室を予定しており、これにより総室数は1183室と1000を超える。
 一方で、今期の利益については営業利益が639百万円で前期比横バイ、経常利益、純利益については、22百万円~27百万円の小幅な減益を見込んでいる。決算発表時に、売上げの伸びに対して利益が今期追いつかない状況を指摘するコメントが情報端末に流れたが、全くの的外れだと思う。

▼特有の収益構造を読み解く
 上場間もない介護事業会社において、大切なのは「売上げの伸び」。その理由はこの業種特有の利益/費用構造にある。
 開設して丸1年が経過したホームの売上げを100とすると、原価が80程度かかり、売上総利益は20。ここから販管費が3程度かかるため、営業利益は17となる。開設して丸2年が経過するとこの販管費が1程度となり、営業利益は19と売上げのほぼ2割程度となり、以後はこの状態が続く。
 しかし、開設の年はこうはいかない。ホーム長は半年前に雇用し、全てのスタッフも開設1ヶ月前には揃えなくてはならない。また、入居も混乱を招かないように充分な対応を行うために、3ヶ月毎に徐々に入居してもらうという。つまり、売上げはゆっくりと伸びるのに対して、販管費は開設前からフルにかかるのである。そのため、1年目は売上げに対する販管費が35%程度にもなり、営業赤字となる。

 この利益/費用構造である以上、企業が目指すことは、前述のように売上高を伸ばすこと、そして、開設丸1年後の入居率を高めることの2つであるが、同社の入居率は96%と業界平均の86%を10%も上回る水準となっている。

▼念願の関東進出、100億円企業へ
 同社の目標は売上げ100億円企業。今はとにかく売上げと室数を増やし、1年目の営業赤字を過年度物件が充分に吸収できる状態にすることが肝要である。上場の際にも言われていた関東への進出であるが、2年後をメドに新宿・練馬・松戸で3ヶ所のホームが開設されることが、新聞で早くも発表された。関西よりも量的規制水準に達していない地域が多い関東での、貴重な足掛かりとなる物件である。

▼パブリックカンパニーの理念が照らす、社長の名刺
 インタビュー後に社長と話していて年齢を聞いて驚く。とてもその年齢には見えない。長年建設業を営まれて、悠々自適な老後も考えていたときに、有料老人ホーム事業をしようと決心したという。
社会的ニーズがあり、社会的に善であることをする会社を残したい。作るからには上場してパブリック・カンパニーとして信用力を高めて次の世代につなげたいという気持ちでここまでやってきたことが、ひしと伝わってきた。この人は自分のために上場を果たしたのでは決してない。

会社の説明資料に、いずれも「C」から始まる「チャーム」「ケア」「コーポレーション」それぞれの単語になぞり、企業理念が書かれている。赤、黄、緑、ピンクが配色されたロゴ・マークも、社長のイメージと違い(失礼!)とても可愛い。
ここに社長から頂いた名刺がある。JASDAQのマークだけがよく見ると緑色だが、それ以外は黒単色の非常にシンプルな名刺で、裏面には何も書かれていない片面印刷である。

同社のホームの価格は年金で払える月額利用料を基本に、地域特性に応じて柔軟に設定している。そして、徹底した社内のコスト管理は行うが、室数の多いホームの夜勤の人員などは今年も見直しを行い、大手よりも手厚い介護ができる体制に増員したという。
この名刺は、それを体現していると思う。白黒のロゴは、カラーのそれと同じように、いや、それ以上に輝いている。(了)
-------------------------------------------

取材後記は、以上です。
表面的に出てくる数字の背景や自社特有の収益構造をきちんと説明していくこと、これはまさに重要なIRの姿勢ですね!
また今後の日本で大変重要な位置を占める「老後」に対し、理念を持って取り組む下村社長の姿勢は頼もしく感じました。

後記中にもある通り、今後関東進出も計画されていますので、より広範囲での知名度も徐々にアップしてくるのではないかと思います♪

次回の「今日の1社」もお楽しみに!


<関連リンク集>
■チャーム・ケア・コーポーレーション 当社の理念
■2012年8月9日開示 平成24年6月期 決算短信
■2012年6月期 機関投資家向け説明会資料・動画


下村社長と、ラジオNIKKEIスタジオにて


8月22日放送「今日の1社」トライステージ(2178)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.08/22 今日の1社担当 記事URL

本日8月22日放送の「アサザイ 今日の1社」は、トライステージ(2178)です!
代表取締役CEO 妹尾様に井上哲男がインタビューさせていただきました♪

■2012年7月13日開示 株主優待制度の新設に関するお知らせ
■トライステージIRサイト「株主優待制度のご案内」

トライステージは、このたび株主優待制度を導入したばかり。まずは2012年8月31日現在の株主名簿に記載または記録された1単元(100 株)以上を保有されている株主が対象となりますので、まだ間に合うんです♪
個人投資家の皆様にとって、やはり株主優待はひとつの検討要素かと思いますので、お知らせしておきたいと思います。

さて、今回の取材後記では、井上哲男が「バリュー」「グロース」の両面からトライステージを見つめました。まずはご一読ください!

----------------------------------------------
取材後記
トライステージ(2178)(東証マザーズ)

 【 糾(あざな)える縄 】
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。妹尾代表取締役CEO、櫻井経営管理部グループリーダー

▼「トータル・ソリューションサービス」と利益率
10年ほど前。サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジの傍にある有名なヘッジファンド会社のファンド・マネージャーと話をした際に、そのマネージャーが「株式投資とはバリューとグロースの糾える縄のようなものだ」と言ったことを覚えている。

トライステージ。通信販売のサービス会社として急成長を遂げ、会社設立から僅か2年5ヶ月で東証マザーズに上場を果たしたのが2008年8月。上場前期(2008年2月期)の売上高199億円を3年後の2011年2月期には375億円にまで伸ばしたが、前期(2012年2月期)はその売上高が7%減少した。

同社は、通信販売でモノを売りたいクライアントのニーズに合わせて川上から川下まで全て面倒を見る。商品の企画開発を行い、テレビなどのメディア枠を買い、コールセンターで受注して商品の発送まで手掛ける。
「トータル・ソリューション・サービス」と自らが呼ぶこのやり方は、あくまでも顧客の利益が上がることが自らの利益に結びつくビジネス・モデルを目指したものだ。

前期の決算は期初に震災が起きて消費マインドが落ち込んだことに加えて、震災から数ヶ月でテレビの番組枠が逆に大きく値上がりしたことが影響した。高騰したテレビ枠のコストを顧客に転嫁して顧客に利益が生まれない状況を同社は敢えて避けたと私は考える。

当然、経常利益、純利益も減少したが、経常利益は19.9億円、純利益は11.5億円計上しており、それぞれの売上高に対する比率は5.7%、3.3%と決して後ろ指を差されるようなものではない。ひとつ覚えておいて欲しいことがある。それは「売上高/経常利益率=4%」という水準である。これは10年以上前、デフレが進行した際に日銀が好景気の水準としてはっきりと示したレベルであり、企業にとっても同じようにひとつの指標となるものである。

▼企業分析から見えるバリュー株の側面
そして、もうひとつお願いしたいことがある。それは、企業の所属する市場に関わらず企業分析は行って欲しいということである。同社が所属する東証マザーズについては(加重)平均PER、PBRなどを算出せず、投資家にデータを公表していない証券会社が多い。上場間もない企業が多く、これらの数字がブレやすいという理由である。
しかし、私は敢えて8/15現在のデータでこの数字を試算してみた。前期利益を用いた実績PER、今期会社予想利益に基づく予想PER、実績PBRの3つの数字はそれぞれ、東証1部が19.1倍、12.5倍、0.93倍、ジャスダックが16.8倍、12.0倍、1.44倍であるのに対して、東証マザーズは42.8倍、17.5倍、1.44倍と確かに割高感が強い。

しかし、同社の数字は、それぞれ、5.0倍、7.2倍、0.69倍であり、東証1部、ジャスダックのどの数字よりも割安なものとなっている。
また、配当利回りも実績・予想ともに2.65%で、これも東証1部、ジャスダックの実績・予想数字を上回っているが、加えて同社は7/13に、第2四半期時点(8月末)の株主に対してクオカードを株主優待として提供することを発表した。これを考慮すると、100株保有していた場合の実質的な配当利回りは3.95%とほぼ4%となる。
財務内容も極めて健全。資産項目を見ると、総資産113億円のうち現預金・短期売掛の流動資産が96%占め、株主(自己)資本比率は73%を超えている。そして、その株主資本が生み出した利益水準を示すROEは前期14.7%と二桁を維持しており、どこから見てもバリュー株のカテゴリーに分類されそうな水準だ。

しかし、グロース株は全般的に、投資家が初めに認識してしまった「グロース株」という出生届の効力は強く、なかなかバリュエーションで判断してもらえない傾向にあることも事実である。

▼「トライ・ネクスト・ステージ」で試されるグロース性
同社は今期からの3ヵ年中期経営計画を発表し、この下期からの業績回復を見込んでいる。WEBビジネス、商品を購入した顧客データによるクライアントのCRMビジネスのトータル・サポート、インドをその端とした国際ビジネスの展開という3つの事業が柱であるが、加えて新規ビジネスの売上高も2015年2月期に100億円見込んでいる。私が個人的に最も期待するのは最後の部分である。前述のように同社には潤沢な経営資本がある。

今回、妹尾CEOとはどのような人なのかとても興味があった。
そして、受けた印象は、とても正直な方である、というものだ。分からないことは分からないと言い、未知数のことには決して風呂敷を広げない。
しかし、“これだ”というビジネス・モデルに飛びつき、2年5ヶ月で上場を果たした人間を感じさせる部分が多々あった。それを果たした人間の嗅覚だけが嗅ぎつけることが出来る新規ビジネスはきっと存在する。
私はここでバリュエーションの割安な部分を書いてきたが、それでも思う。このCEOと同社株のグロース性を信じたい、と。

中期経営計画の進捗度を高めること。それが、「トライ・ネクスト・ステージ」。
そして、実現したときに同社の糾(あざな)える縄は、再度「グロース株」という色の糸を紡ぐ。(了)
----------------------------------------------

取材後記は、以上です。いかがでしたか?
「株式投資とはバリューとグロースの糾える縄のようなもの」・・・実に含蓄が深いですね。何となく分かったようなつもりでいたのですが、あらためて考え方が整理されたように思います。

また次回の「今日の1社」もお楽しみに!

<ご参考 関連リンク集>
■トライステージIRサイト
■2012年7月13日開示 株主優待制度の新設に関するお知らせ
■トライステージIRサイト「株主優待制度のご案内」


8月15日放送「今日の1社」日進工具(6157)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.08/15 今日の1社担当 記事URL

8月15日、終戦記念日の「アサザイ 今日の1社」は、日進工具(6157・JQS)です!

「工具」と聞いて、皆様は何を想像されるでしょうか?
日進工具は、先日の予告でもご紹介した通り精密金型や部品加工を行うための切削工具「エンドミル」のメーカーです。その中でも「超硬小径エンドミル」に特化し、この分野で高いポジションを占めているんです♪

■日進工具 ウェブサイト

自動車関連・デジタル家電・電子部品関連など、さまざまなものづくりを支える日進工具。今回は代表取締役社長 後藤勇様に井上哲男が取材しました!


日進工具の超硬小径エンドミル


【続きを読む】
8月8日放送「今日の1社」、シード(7743)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2012.08/08 今日の1社担当 記事URL

本日、8月8日は何の日でしょうか?

なんとなーく、「8」を横にすると「∞」・・・「目」に見えてきませんか?
「アサザイ 今日の1社」は、そんな日にふさわしく、コンタクトレンズに取り組んで半世紀以上の株式会社シード(7743)、代表取締役社長 浦壁昌広様に井上哲男がお話を伺いしました。

■株式会社シード ウェブサイト
■8月8日放送「アサザイ」オンデマンド配信
■「アサザイ」Podcast配信(iTunes)

それでは早速、懐かしい青春時代までかけめぐる井上哲男の取材後記をお読みください!

----------------------------------------------
井上哲男 株式会社シード(7743)取材後記
8/2ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の浦壁昌広様

▼「セイ!ヤング」と「マイコン」
浦壁社長は私よりも一つ年上。共に高校生の時に深夜放送を聴いていた世代だ。
取材を終えてスタジオに入ると社長が機材を見回して一言。
「『セイ!ヤング』もこういうところで録っていたのかと思うと不思議な感じですね」
ひとしきり当時の話で盛り上がった後、ディレクターの何度目かの“キュー出し”で収録を始めたが、ふと、「今、目の前に座っている人は、あの頃ラジオでたくさんCMが流れていた「マイコン」(SEEDブランドの前身)の社長なのだ」と、今度はこちらが不思議な感じがした。

■株式会社シードの沿革

▼「ピークアウト」にあらず
コンタクトレンズはこれだけ生活の身近にあるのに、その業界動向はあまり投資家に知られていない。なぜならば、上場会社がシードただ1社だからである。その為、直接話を聞く機会はとても貴重だ。
企業を見る際に、過去の売上げや利益を精査するのは当然であるが、同社の売上のピークは2002年3月期の233億円であるのに対して、今年の3月期は前期比7.3%増で127億円。これだけを見ると随分前にピークアウトした印象を受けてしまうが、そうではない。これが、その業界動向に起因するものなのである。ピークの頃の売上の4割程度がOEMと販売委託を受けていた2種類のコンタクト・ケア商品であったが、その後、どんどん使い捨て(ディスポーザブル)が主流となり、ケア商品のニーズの減少とともに両商品の取扱いをやめた結果、売上は一時期減少したのである。しかし、OEMと販売委託は利益率が良くない。現在は売上の伸びがそのまま利益の伸びに繋がる体質となっており、売上高/営業利益率も回復し、営業活動によるキャッシュフローはここ2年間、ピーク時を凌駕するまでになっている。

■平成24年3月期 決算説明会資料
■2012年7月12日 個人投資家向け説明会資料

▼設備投資と市場の評価
この7/11に日経新聞が、国内のコンタクトレンズ生産量が日本一である鴻巣工場に設備投資を行うことにより、さらに生産能力を引き上げ、昨年度比1.5倍の月1800万枚に増やすと報じたところ、ザラ場でストップ高となる場面があった。これは極端な反応ではあったが、生産能力の増強は売上増の自信の表れであり、利益率が向上した現在、それはそのまま利益の増加につながると市場が判断したと考えることが出来る。

■2012年7月30日付適時開示 設備投資による固定資産取得に関するお知らせ

▼日本産“多品種少量製品”と海外展開
同社は、研究所、素材の開発、生産のラインを全て国内(桶川・鴻巣研究所)で行っているが、日本人のニーズにあったものを日本人の手と眼で作り上げることに昭和26年以来こだわってきた誇りと使命感が話の端々から感じられた。
特に印象に残ったのが“多品種少量製品”を開発していくという言葉。多くの業種では有り得ない発想であるが、研究・開発費をかけて、日本人の細やかなニーズを“大切なもの”として企業として対峙するという姿勢の表れだ。そして、同社はそうして日本で培ったメイド・イン・ジャパンの技術による製品の海外出荷を昨年より急ピッチで進めている。ベトナム、上海、シンガポール。近々モンゴルにも進出する。ここ3年間で国内でのコンタクトレンズでのシェアを拡大し、1日使い捨てタイプでは4%台から7.2%までその数字を伸ばしているが、これからは海外売上動向にも注目したい。

(※前掲の個人投資家向け説明会資料21ページに、海外展開に関する説明が掲載されています)

▼IRフォーラム参加と、かけめぐる青春
IRに積極的な姿勢を見せている同社は8/25に外苑前の「TEPIA」で開催される「IRフォーラム2012」に参加される。「私がブースに座っていますよ」と社長。

■「IRフォーラム2012」イベントサイト

秩父宮ラグビー場と神宮球場の間にある「TEPIA」は代的な建物であるが、以前そこにはTBCという古いボーリング場があった。終戦後、学徒出陣が行われた絵画館広場のすぐ裏に、米兵がするからと建てられた日本初のボーリング場。私が通っていた都立高校は丁度道路を隔ててその真向かいにあった。やりたくもない柔道をやり、ギターをかきならし、神宮球場でコーラ売りのバイトをして、そのお金のほとんどはTBCでインベーダーに撃ち落とされ、パックマンに食べられた。そんな青臭い高校時代まで思い出したのは冒頭の浦壁社長の『セイ!ヤング』のひとことのせいに違いない。(了)
----------------------------------------------


なるほど、単純に売上高減少=ピークアウトということではないんですね~。半世紀以上にわたって、業界同行の変化に的確に対応してきたということなのでしょう。
設備投資により旺盛な需要に対応するとのことで、今後の決算も注目されるところです。

それにしても、「TEPIA」から井上氏の青春時代の話が聞けるとは思いませんでした♪
インベーダーゲームで「名古屋撃ち」とか、使いこなしていらっしゃったんでしょうか?

また次回もお楽しみに!


 全28ページ中27 ページ   前の10件 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 [27] 28 次の10件