3月26日放送「今日の1社」ブイキューブ(3681)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.03/26 今日の1社担当 記事URL
 一昔前に比べて、「テレビ会議」「ウェブ会議」という言葉が一般的になってきました。当初は大掛かりなシステムという印象が強かったのですが、現在ではかなりコンパクトに利用できるようになってきています。

 「テレビ会議」「ウェブ会議」または「電話会議」では海外企業が日本にも進出してきているのですが、3月26日放送の「アサザイ 今日の1社」にご出演いただいたブイキューブ(3681・東証マザーズ)は、この分野における日本企業の雄です!
 日本国内のテレビ会議・ウェブ会議などのクラウド市場において国内No.1のシェアを有し、さらには海外売上高も伸長させているのです♪

 井上哲男インタビューに答えていただいたのは、代表取締役社長の間下直晃様です。
 オンデマンドとあわせて、取材後記もどうぞお読みくださいっ!

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取材後記

ブイキューブ(3681)東証マザーズ

ラジオNIKKEIで収録。お相手は代表取締役社長の間下直晃様

 

「投資家の気づかない快挙」

 
▼フレッシュかつ確実な、上場

 若い優秀な社長であることは間違いない。昨年12月にマザーズに上場した際にも36歳のフレッシュさが伝えられたが、会社の設立は間下社長が慶応義塾大学在学中の21歳のときで15年もの歴史がある。慶応義塾が初めて学生のベンチャー企業に資本を入れたことが話題となったが、今回上場を果たし、その足跡と業績を見て、まさに成長路線を確実な状態にしてからの上場姿勢に強く感銘を受けた。ここ3年間の情報通信業の上場企業を見ていると、総じてこれからの業績拡大の道筋をつけた状態で上場する企業、きちんと上場することの意義を理解した経営者が多いことを感じる。昔のITバブルのときとは制度面も含めて大きく変わったことを投資家は理解して欲しい。否、私が言うまでもなく、個人投資家の人気を集めている状況をみると、きちんとそのことは伝わっているのかもしれない。

 それでは、投資家の気づいていない同社の快挙については後ほど述べよう。

 
▼伸長する「ウェブ会議」

  「アジアナンバーワンのビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」を掲げている同社の売上げで最もウェイトを占めるのはウェブ会議(V-CUBEミーティング)である。このウェブ会議は、番組でも紹介したが、場所が会議室に限られ、機材も高く、一回あたりの料金も高い「テレビ会議」と無料のビデオチャットの中間に位置するものである。タブレットの活用で会議に参加する場所も特定されない。画面の半分を資料に用いることも可能である。また、テレビ/ウェブ会議も有効だ。日本の会議室に経営者陣が居て、タブレットを持った人間が海外の工場でできたばかりの試作品を実際に見せることも可能であろう。無料のビデオチャットはあくまでも個人レベルのコミュニケーション・ツールであって企業が求めるセキュリティーのレベルでもなく、また、フリーのツールにはそれを求めることもできない。「ウェブ会議」は費用の面からも、また、効用の面からも企業が求めるちょうど良い水準なのである。

 

 一部のアナリストが同社の「ウェブ会議」が決して参入障壁が高くないことを危惧していると聞いたことがある。確かにそのことは"事実"かもしれない。しかし、そのアナリストは"もっと大切な事実"を見逃している。それは、ブイキューブが、アナリストの云う「参入障壁の高くない分野」において日本国内で6年連続トップシェアを誇り、急激にアジアでも売上げを伸ばしているという事実が何を意味しているのかということである。

 
▼アジアでの"快挙"

 日本企業とそのアジアにおける工場のウェブ会議は国内売上げにカウントされることから、アジアでの売上げは現地の政府機関、公的機関、企業の売上げである。その海外売上高比率は前々期(2012年12月期)の2.6%が前期(2013年12月期)には9.5%にまで上昇し、今期は20%程度にまで伸びる見込みである。そして、売上高営業利益率も前々期の5.2%が前期に10.9%と二桁に乗せ、今期見込みは15.3%と情報通信業の中でもかなり高い水準にまで跳ね上がる見込みとなっている。前述した上場時の「業績拡大の道筋」とはこのことなのだが、なぜ、ここまで業績が拡大できるかといえば、それは同社が他社と違いケーブルなどのインフラに資金も投じて整備した結果、他社を寄せつけないウェブ会議の安定性、確実性が認められているからなのである。

 

 半導体、PC、ソフトウェアなど情報通信に関わるハード、ソフトともに、例えそれが日本で生まれたものであっても、世界との競合、シェア争い、スタンダード化という点で勝てたものはない。ブイキューブは後から出て行ったアジアにおいて、それを成し遂げたのである。これが同社の"快挙"なのだ。

 
▼IRへの姿勢

 話は変わるが、私は同社の会社説明資料や決算説明資料が好きである。無駄がなく、きちんと主旨、目指す方向性、経営指標がまとまっている。ビジュアル的にも見やすい。外注なのか内製なのかと聞いたところ、なんと社長自らが作成しているという。「自分が話す、伝えるための資料は自分で作りたい」と言われた。「アサザイ」出演企業で同じことを言われた社長がもう一人いた。アールテック・ウエノの眞島社長である。ふと、気付いたが、お二人とも慶応義塾大学出身である。両社の好調な業績とIRに対する姿勢は、社長の「独立自尊の精神」がバックボーンとしてあるのだろうか。そういえば、名字も似ている。。。

 

 「アサザイ」を始めて、もうすぐ2年になるが、ひとつ確実に変わったのが、東南アジアを訪問したい理由である。ファンドマネージャーとして資金の出し手に対する運用説明のために東南アジアを訪問していたときとは違い、今は「アサザイ」で紹介した企業の東南アジアにおける事業活動を見に行きたくてしょうがないのである。アジアでの業績拡大のため、間下社長は遂にシンガポールに移住したという。近い将来、シンガポールでの再会を約束して別れたが、必ず果たしたいと思う。その際には、弊社がブイキューブの「V-CUBEセミナー」を利用した場合の話がしたい。

 「B2B2C」=「1対N対N」。2番目の「B」と「N」が弊社で、3番目の「C」と「N」は無論、皆さん投資家である。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 用意された言葉ではなく、自分の言葉で投資家に語りかける。これはやはり、それを聴く側にもメッセージが届くのではないでしょうか。
 間下社長と井上哲男がシンガポールで再会されるとき、社長の言葉できっと語られるであろう、ブイキューブのさらなる成長の道筋が楽しみです。

 それでは来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク)
■ブイキューブ IR情報


代表取締役社長の間下直晃様と。
代表取締役社長の間下直晃様と。
3月19日放送「今日の1社」PALTEK(7587)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.03/19 今日の1社担当 記事URL
 半導体は「産業のコメ」呼ばれ、現代社会にはなくてはならないほどにあらゆるエレクトロニクス機器に使われています。技術の発展とともに使われる分野もたいへん大きく広がり、現代のエレクトロニクス業界においては実に多様な企業が半導体をもちいた製品を提供しています。

 3月19日放送の「アサザイ 今日の1社」は、エレクトロニクス機器の設計開発のパートナーとして多様な企業の発展を支える半導体商社、PALTEK(7587・東証ジャスダック・スタンダード)です!

 多様な製品・企業・ニーズ・・・。この現代において1社で全てを完結することは難しく、お互いの長所を活かし、足りない部分を補い合うことが必要です。今回ご出演いただいた代表取締役会長の高橋忠仁様は、かねてから企業理念としての「多様な存在との共生」を掲げてきまして、今回の収録での井上哲男との対話でもテーマのひとつとして語っていただきました。
 
 さっそく井上哲男から今回の取材後記が届きましたので、どうぞお読みください!

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取材後記

PALTEK(7587)東証ジャスダック・スタンダード

ラジオNIKKEIで収録。お相手は代表取締役会長の高橋忠仁様

 

「多様性」

 
▼急上昇ワード「生物多様性条約」

 中学入試の社会において、5年前までほとんど問われることがなかったものの、3年前からいきなり単語を答える問題で最頻出となったものがある。それは、「生物多様性条約」という言葉だ。

 「生物多様性」という単語は1985年に米国で生まれた。1992年の地球サミット(リオデジャネイロ)で条約として調印され、2010年に名古屋で行われた会議で名古屋議定書が採択されたことから大きく前進して現在に至り、前述のとおり"最頻出単語"にまでなった。出題される理由は「小学生としてこの言葉の意味を理解していて欲しい」ということであろう。日本には「京都議定書」と「名古屋議定書」という、世界に誇れる2つの環境に関する議定書がある。

 

 この「多様性」という言葉を、産業機器の方向性、その為に果たさなくてはならない半導体の使命として言い続けてきた人がいる。それがPALTEKの高橋会長である。それこそ、米国で「生物多様性」という単語が生まれるもっと前からである。

 番組の中でも述べたが、会社情報や四季報において卸売業に属する半導体商社の紹介文の多くは「~系半導体商社。~に強み」とごく簡略化されているものが多い。しかし、説明をひとことで済ませてはいけない業種というものがあり、その最たるものが半導体商社であると私は考えている。もっと、バッサリ斬ろう。ひとことで済ませて良い半導体商社と、済ませてはいけない半導体商社がある。そして、その判別は実は簡単にできる。売上高のセグメントで、民生電器やPCが大きい会社は前者であり、それ以外の、特に産業機器のセグメントが大きい会社は後者である。PALTEKは後者の筆頭である。さらに言うと、前者は卸売業であるが、後者を卸売業というセクター・クラシフィケーションに置くことに私は違和感がある。

 
▼日本の産業と多様性

 日本は多様性の国である。この多様性は食品ひとつをとっても海外からの引き合いの源泉となってきた。この10年あまり、香港において最も変化を感じるのはコンビニエンス・ストアである。キャンディー、ガム、飲料がどの店も数種類しかなかったものが、今は日本の多くの品で溢れ、店自体の作りも明るくなっている。この流れは、東南アジアでもそうだ。

 それでは製造業はどうであったろうか。乏しい資源、狭い国土という条件の下、労働生産性の変遷が、その産業構造を大きく変えてきたと考えられる。安価で優秀な製品を大量生産することが得意であった時代が終わり、東アジアの台頭で半導体、スマホなど完全について行かれない状態となってしまった。そして、現在は少量多品種で付加価値と社会貢献度の高い製品、つまり多様化へのシフトが求められている。しかし、多くのメーカーは価格戦争に対抗するため技術者を削減してきたがゆえに、スムーズに対応できない状況で苦しんでいる。

 しかし、PALTEKは従業員の三分の一以上の技術者を抱えて、メーカーの希望する製品を作り上げるための半導体のセットアップ(カスタムメイド)に努めてきた。よくぞ踏ん張ってくれたと思う。このことが日本のエレクトロニクス産業において持つ意味は大きい。その技術を活かして、メーカーのために設計・開発を行い、試作ボード、量産ボードの受託サービスまで請け負うことができる同社の「デザイン・サービス事業」は、売上げとしてはまだ占める比率は小さいが、「半導体事業」で技術者を切り捨てなかった同社の誇りが形となったものである。

 
▼屋久島に見える、日本の進むべき道

 高橋会長にずっと前から多様性を語らせたものは、故郷である屋久島の生物多様性であるように思う。収録前に会長が語ったのは、同社に写真が飾ってある縄文杉の話ではなかった。かつて大量に杉を伐採し、近隣火山の噴火を受けても現在の状態でいられるのはなぜかということであった。

 樹齢何百年の杉の下に生える、1年で生え替わる苔の果たしてきた意義、屋久杉というと大きく伸びた一本杉を思い浮かべるが、実際は1本の木なのに、たくさんの他の種類の木がそこから生えていたりする。

 そこに存在する全ての生物を意味する多様性。多様性のある自然だからこそ強く、何があってもその状態を守れるのである。屋久島の自然は、日本の進むべき道を教えている。そして、私も上場する3600社の多様性をきちんと説明していく。多様性を持つ自然、国、産業、市場は強い。

 
▼「はじまりの場所」、屋久島を想う

 私的なことで恐縮だが、私は文章を書く際に、実は一人の読者を強く意識して書いている。それは私が35歳の時に他界した父である。私は独身時代、多くの時間を父と語らうことに費やした。父の書いた文章や、趣味で父が作った俳句についてまでもよく語りあった。父の生前、私は日経新聞や日経金融新聞で週に何度もコメントが掲載されていたが、それはあくまでもコメントであって、文章という形で世に発表されたのは数回しかなく、父にそれを教えることも、意見を聞くこともしなかったことをずっと後悔していた。しかし、つい先日実家の整理をしていたところ、父の書棚から私の文章が掲載された雑誌がポロポロと出てきた。父は見ていてくれたのだ。

 父の最後の仕事は、教壇に立ちながら日本マングローブ協会の活動をすることであった。そのため、東南アジアと日本を行き来して、屋久島にもしょっちゅう長いこと滞在していた。

 「日本がここから生まれたのではなく、世界がここから生まれたのではないかという気持ちになる島だ」と一度だけその感想を聞いたことがある。そして、父の死後、島を訪れた妹が同じようなことを言ったので私はとても驚いた。私も行かなくてはと思いながら、まだそれは果たせずにいる。

 

 何れ正式に発表するが、昨日3月18日に私は小さな会社を作った。設立後にラジオNIKKEIに来週分の収録に向かうと、ディレクターが封筒を持ってきた。封筒にはPALTEKのIRをご担当されている柴崎様のお礼の文章が貼ってあり、中には屋久島の写真集が二冊入っていた。夜中にゆっくりと見ていると、島全体を俯瞰した写真に小さな付箋が貼ってあり、矢印とともに「マングローブ林はここです」との文字があった。思わず涙が出た。最高の設立プレゼントである。この写真集を会社に置こうと思う。父は私の文章をずっと見てくれている。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 日本の半導体産業は、大きな時代のうねりの中にあります。その中を生き抜いていくには、やはり多くの企業との共生していける「しなやかさ」が必要ではないでしょうか。また理念という芯があってこそ、波を超えていけるのだと思います。

 今回のPALTEKはもちろん、多様性の中で磨かれていく日本の企業の将来が、楽しみです♪

 また来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■PALTEK 企業理念
■PALTEK 株主・投資家情報
■PALTEK 個人投資家の皆様へ 早わかりPALTEK

■オンデマンド配信 放送版・・・アサザイで放送された内容を再度お聴きいただけます。
■オンデマンド配信 ロングバージョン・・・放送版でおさまりきらなかったインタビューをお聴きいただけます。

代表取締役会長の高橋忠仁様(左)、総務&HRグループ課長の柴崎様(右)と。
代表取締役会長の高橋様、総務&HRグループ課長 柴崎様と。
3月12日放送「今日の1社」日本取引所グループ(8697)の取材後記につきまして [「今日の1社」取材後記]
2014.03/12 今日の1社担当 記事URL
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 毎回「取材後記」をお読み下さいまして誠に有難うございます。

 今回、放送させて頂きました日本取引所グループ様(東証一部、8697)につきましては、業種区分が「その他金融」でいらっしゃることから、「取材後記」の掲載を自粛させて頂きます。弊社も含め、金融機関は金商法、布令、ガイドライン、金融諸協会の諸規則等によるコンプライアンス事項の遵守が求められております。

 「取材後記」は私が取材を通して感じたことを、あくまでも私の主観として書いているもので、投資の勧誘を目的としたものではありません。また、私が書いたものをそのまま配信し、企業活動と齟齬があった場合のみ、その部分を訂正するという形で、企業様に事前に了解や校正を求めたこともありません。

 しかし、「取材後記」が、前述の法令等における「広告に関する規定」から導かれる「ソーシャルメディアにおける第三者による記載」に該当しているのではないかと当局等が考え、企業様にご迷惑がかかってはいけないとの判断から、金融機関である企業様については「取材後記」の掲載をこれまでも自粛させて頂いてまいりました。日本取引所グループ様が金融機関であるかどうかという判断はございますが、「その他金融業」に所属していることと、その社会性・公共性を考慮したうえでの自粛でございます。

 放送の中でも申し上げましたが、日本取引所グループ様の情報開示姿勢は世界一であると鶴首しております。是非、オンデマンド放送をお聴き下さいませ。  井上哲男
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(今日の1社担当より)
日本取引所グループより、リスナープレゼントをいただいております!
のちほどこのウェブサイトでお知らせいたしますので、ふるってご応募くださいませ。

■日本取引所グループ ウェブサイト

広報・IR部長の多賀谷彰様と。






 

3月5日放送「今日の1社」ティア(2485)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.03/05 今日の1社担当 記事URL
 かつて「人生50年」という言葉がありました。現在は平均的には80年というところまできていまして、昔に比べてたいへん長い人生をおくることができるようになりました。
 それに対応して、長い人生をサポートする事業が各方面で発達してきています。リタイア以降のライフイベントをサポートする保険商品や、あるいは介護サービスなど、「今日の1社」でもご紹介してきた企業が活躍しています。一生を通じていかに幸せな生活をおくるか、誰にとっても共通する願いではないでしょうか。

 3月5日放送の「アサザイ 今日の1社」では、人生を締めくくるライフイベント「葬儀」をサポートする、ティア(2485・東証2部、名証2部)をご紹介しました!

 ご出演いただいたのは、年間150回におよぶ講演でティアの理念を伝え続ける、代表取締役社長の冨安徳久様です。2012年12月5日放送以来、2回目のご出演です。
 1年3ヶ月ぶりに再会した井上哲男から取材後記が届いていますので、どうぞお読みください♪

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取材後記

ティア(2485)(東証2部、名証2部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の冨安徳久様

 

「生涯スローガン」

 

▼地域を向いた営業
 二度目の収録を終えて、ますますティアが、そして冨安社長が好きになった。

 売上高の近年の伸び(グロース)が最も葬儀業で高いティア。その魅力は前回(1年3ヶ月前)お越し頂いた際に取材後記に書かせて頂いたが、何も変わることが無かった。

 ティアを語るキーワードはまず定量ではなく、定性の中に散りばめられている。「ありがとう」、「ティアの会」、「葬儀価格の公開」などだ。このティアの会の会員数は前回お越し頂いた時から3万人以上増加して現在は、ほぼ約23万人だという。多くの葬儀社がこのように会員を募るが、それは葬儀を行った後に遺族に対して勧誘をしたり、また、生前でも積み立てをすることによって葬儀代になんらかのメリットがある場合が多いが、ティアの会は違う。入会金1万円だけで積み立てはなく、生前も多くの提携ショップで割安で楽しめるのだ。発想が逆である。

 

 発想が逆なのは、営業姿勢からも分かる。多くの葬儀社が病院営業と呼ばれる営業をするのに対して、ティアの営業は「地域営業」。講演会のお呼びがかかれば社長は出向き、社員も町のお祭りにも積極的に参加する。実際に親族がなくなるまで葬儀社の"顔"が見えないことが多いが、ティアの場合は生前から分かっていて、ここに任せたいという気持ちになるのである。9割を超えるティアの会の継続率はティアのやり方が間違っていないことを物語っている。

 
▼支持される理由

 "発想が逆の最たるもの"は「葬儀価格の公開」である。本来、開示せずに行われていたものを開示して業界に風穴を開けたことが何よりもこの会社の透明感を高め、支持された理由である。

 そして、何よりも「人財」(ティアは「人材」という言葉は使わない)。その教育はティアアカデミーという独自の教育システムでステップアップしておくが、その目標は前回の後記にも書いたように、葬儀という場面でご遺族に、または、生前に葬儀に関する質問をされる方に、実際に接する社員が誰一人欠くことなく同じ想いを共有するためである。「日本で一番、『ありがとう』といわれる葬儀社になる」という生涯スローガンの「生涯」は、社長だけでなく、会社の「生涯」なのである。

 

 前期、売上高が予想を下回ったが、利益3項目は何れも予想を上回った。葬儀の予想件数も、葬儀単価も若干下回ったのに、である。これは葬儀商品の仕入れなどの工夫によりコストを下げたことを意味していると思われる。そして、前年の記念配分も含めた金額の配当をきちんと行った。

 
▼まだある「気付き」

 冨安社長は本当に正直な人間である。2年前にご尊父を亡くされて喪主をされた際に、段取りは全て分かっているのに、何も分かっていない自分に気づいたという。葬儀を行う際に、もっと親族に対して行ってあげることに気づいたという。「父親がそのことを死んで教えてくれたような気がする」と言っていた。そして、それ以来講演会で話す内容も少し変わったという。

 私は一つ約束をした。それは講演会を聞きに行く約束である。是非、講演会を、特に地元の名古屋で行われる講演会を聞いて、そのあと、また話をしてみたい。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたでしょうか。
 放送でも取材後記でも、井上哲男は「ティアについては定量よりもまず定性」ということを強調しています。冨安社長自身も、「社員に売上や利益で日本一と言ったことは一度もなく、日本一『ありがとう』と言われる葬儀社になることを言っている」と明言されています。この部分は、以前からまったくぶれていないですね。

 冨安社長の投資家向け講演は私も2回ほど拝聴する機会がありまして、いずれも情熱あふれるお話をされていたのが強く印象に残っています。各地で講演されていますので、機会がありましら是非♪

 なお、放送でもご紹介したとおり、ティアは本日3月5日(水)~7日(金)に、東京ビッグサイトで「フランチャイズ・ショー」に出展しています。詳細は下記の関連リンク集からご参照くださいね。

 また来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■ティア IR・会社情報
■「ティアの会」のご案内
■「ティアアカデミー」
■ティア 2012年12月5日放送の取材後記
■ティア 2012年12月5日放送のオンデマンド(放送版)
■ティア 2012年12月5日放送のオンデマンド(ロングバージョン
■フランチャイズ・ショー 出展社情報 ティア


代表取締役社長の冨安徳久様、取締役 経営企画室室長の辻様と。
代表取締役社長の冨安徳久様、取締役経営企画室室長の辻様と。
2月19日放送「今日の1社」東部ネットワーク(9036)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.02/19 今日の1社担当 記事URL
 日本は総じて豊かな国であり、国土のすみずみまで物資が常に運ばれ続けています。私たちが日頃お店で手に取る商品なども、欠品が無いように店舗のニーズに合わせて常に物流が動き続けているのです。
 毎週お店に行って、当たり前のようにそこにあるドリンクを買う。日本は産油国でなくても、全国どこに行っても石油が手に入る。普段は意識することがあまりないかもしれませんが、最近の大雪などで、物流の大切さをあらためて感じた方も多いのではないでしょうか。

 2月19日放送の「アサザイ 今日の1社」は、そんな日本の物流を支える東部ネットワーク(9036・JASDAQスタンダード)です!
 東部ネットワークは、横浜市を主要な拠点とする総合物流企業。創立70周年を迎える歴史の中で、食料品・石炭等の輸送に始まり、その後石油類・硝子びん・清涼飲料水・セメントの輸送や商品販売事業など、事業領域を広げてきています。

 今回は代表取締役社長の芦原一義様にお越しいただき、井上哲男インタビューに答えていただきました♪
 同社のバリュエーションにも注目した井上哲男の取材後記をお読みくださいっ!

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取材後記

東部ネットワーク(9036)(東証ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の芦原一義様

 

「陸運業におけるバリュエーションの齟齬(そご)」

 

▼3週連続「イノウエ・セレクト」
 結果から述べる。3週連続でNISA向け「イノウエ・セレクト」シールを貼る。

 運送会社が東証業種分類で「陸運業」に属することは投資家であれば誰もが知っている。日本の貨物運送の9割以上は自動車、つまりはトラックで行われているが、総務庁の産業分類上の「一般貨物自動車運送業」で上場している企業数はちょうど30を数える。このくらいあると分析のしがいがあるのだが、皆が抱いている企業イメージと収益率の優劣にギャップがあることもこの業種の特徴といえる。

 この業種で売上高の大きい5社といえば、「日本通運」、「ヤマトホールディングス」、「日立物流」、「セイノーホールディングス」、「センコー」であるが、実はこの5社は営業利益、経常利益、最終利益をそれぞれ売上高で除したところの利益率で上位5位にいずれも入っていない。売上高最終利益率の上位5社(前期決算)を挙げると、「南総通運」、「サカイ引越」、「東部ネットワーク」、「ハマキョウレックス」、「丸全昭和」と中堅が並ぶのである。

 
▼バリュエーション・ギャップ

 「陸運セクター」は、全業種(指数構成)対比のバリュエーション評価が正当に行われていないのではないかという疑問を10年以上抱いてきたが、それだけではなく、陸運セクター内においても相対的なバリュエーション評価がされていないと感じる。

 それはPER、PBRという評価の入り口のような指標からも分かる。この東部ネットワークのPBRは昨日2月18日の終値ベースで0.30倍と同業30社の中で下から3番目である。これが財務内容に不安のある会社であれば別であるが、同社は30社のうち3社しかいない無借金会社で当然デットエクイティ・レシオはゼロである。因みに同業のデットエクイティ・レシオの平均は80%程度であり、東部ネットワークのバリュエーション評価は「不当」のような気さえする。

 以前、私はこの取材後記で2社について同じことを述べた。「シード」と「コメ兵」のときである。そして、その後、2社の評価は正常なレベルに戻ったことを考えると、やはり、シールを貼りたい。しかし、「シード」や「コメ兵」のときのように短期間でそれが行われるかというと時間はかかると思う。なぜならば、前述したように「陸運セクター」自体の全業種(指数構成)対比でのバリュエーション評価の補正も必要だからである。

 
▼ピンチをチャンスに変える経営

 東部ネットワークの「東部」とは「横浜東部」のことである。地域性の強い運送会社であったことが分かる。それではなぜ、その地域性の強かった、そして規模が決して大きくなかった会社がここまで収益性も財務健全性も高い企業になれたかの答えを、私は同社が創立70周年記念に作った冊子の中に見つけることができた。

 リーマン・ショック翌年である2009年6月の神奈川新聞の社長インタビュー記事によると、芦原社長が社長に就任して4年目の2004年に、神奈川県のある大手百貨店が、同社に任せていた配送を関東圏全体を対象にした入札に切り替えた結果、契約を解除されたという。

 社長は、その対応として配送拠点を大幅に縮小するなどの経営の見直しを図るとともに、営業所を回って全国展開の必要性やトラックの大型化の必要性を説いて回ったという。当然、転勤も増えるし、それまで百貨店担当であった運転手は新たな資格の取得も必要になることも説明したが、社員の反応は良かったという。「危機感を共有できた。チャンスに変わるかもしれない」そう感じたという。

 

 その後の戦略は、番組の中でも紹介したようにトレーラーによる一回あたりの輸送量の拡大や最適なコースや品目、数量をコンピューターで計算させる自動配車システムの導入、一業種の動向に業績が左右されないための多品種配送、そして全国展開の拡大などである。

 今から3年前、同社は富山県砺波市に東部北陸物流センターを、神奈川県海老名市に東部海老名物流センターを竣工した。これらは一貫物流の拠点である。百貨店の契約が解除されてから7年。社長の胸にはどのような想いが去来したであろうか。

 
▼「アサザイ」で伝えたい、知られざる魅力

 以前、「アサザイ」と他のIR番組の違いや使命感のようなことを書いたことがあったが、今回もそれを痛感した。時価総額の大きい企業に偏重する証券会社のアナリスト・レポートに取り上げられない上場企業のおよそ三分の二の企業、全上場企業対比や同業対比で優れた経営指標やグロース数値を持っていながらそれに自身が気づいていない企業、自身の定量的な数値を知りたいと思い、それを公開企業としての責務でIRにつなげたいと考えている企業。それらの企業のために「アサザイ」はある。

 今回同社の個人投資家向け資料に、輸送経済新聞の数字から作ったグラフを載せているのを見た際に私は少しグッときてしまった。こういうまじめな努力をする企業に、「こんなもんじゃないですよ、御社のバリュエーション上の魅力は。まだまだありますよ」と言ってあげたい、実際にその定量的な数字を示してあげたいのである。また、感謝している。こういう企業があるから、私は毎回定量分析を充分に行ってから収録にあたるというモチベーションを保つことが出来るのである。

 

 今後、同社はIRにさらに力を入れるつもりだという。その資料を私は見て、もしかしたら平気でダメ出しをするかもしれない。しかし、それは同社の魅力を分かっているからこそである。

 IRの目的は、公開企業として業績・経営指標をきちんと開示し、その業績にふさわしい株価にすることである。バリュエーション評価の改善を考えた際には、そこに業種内の比較数値の開示も有効であろう。同社の業績、そしてIRの姿勢をずっと見守っていきたいと強く思う。
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 取材後記中にある「個人投資家様向け説明会資料」は末尾にリンクして置きましたので、どうぞご参照ください。マーケット情報以外にも、「なぜトレーラー車なのか?」など、極力わかりやすく説明されていると思います。

 「アサザイ 今日の1社」では、井上哲男の得意とする定量分析もまじえつつ、出演企業の魅力をお伝えしています。取材後記にもあるとおり、企業自身がその優位性や魅力にお気づきでないケースも確かによくあります♪

 およそ3,600社にもおよぶ上場企業には、そんな「知られざる魅力」をもった企業がまだまだたくさんあります。今後も是非、そんな魅力をご紹介できればと思います!

 また来週のアサザイもお楽しみに~。

(関連リンク集)
■東部ネットワーク ウェブサイト
■2013年6月11日 東部ネットワーク 個人投資家様向け説明会資料

代表取締役社長の芦原一義様と。
代表取締役社長の芦原一義様と。
2月12日放送「今日の1社」エスペック(6859)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.02/12 今日の1社担当 記事URL
 現在、人類の生活はありとあらゆる工業製品に囲まれています。私たちは当然のように工業製品を使いこなし、それらに対する「安全性」については日常的に疑問や懸念を感じることはありません。基本的には信頼性の高いものというのが、少なくとも日本人の共通認識ではないかと思います。

 しかしながら、その「安全性」「信頼性」は、当たり前に維持されているものではありません。工業製品が生み出されるプロセスには、温度・湿度・気圧や振動など、さまざまな環境変化が製品に与える影響を計測する「環境試験」があります。
 入念な「環境試験」を経ることではじめて製品寿命を想定し、ユーザーの安全を守ることができるようになるのです♪

 2月12日放送の「アサザイ 今日の1社」では、その「環境試験」を支える環境試験器のトップ企業、エスペック(6859・東証一部)にご出演いただきました! 井上哲男インタビューに答えていただいたのは、常務取締役 営業本部長 国際事業本部長の島田種雄様です。

 井上哲男取材後記が届いていますので、こちらもどうぞお読みください!

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取材後記

エスペック(6859)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は常務取締役、営業本部長、国際事業本部長の島田種雄様

 

「縁の下」をIRフェスタで覘こう!


▼欠かせない「縁の下の力持ち」 

 工業製品の生産において欠かせない環境試験の「エスペック」。

 創業から67年、環境試験器の開発に日本で初めて成功してから52年、上場から30年という歴史を持つ同社は日本のみならず外国でも良く知られた企業である。それは日本の環境試験のトップ企業であるだけでなく、世界のトップ企業だからであり、国内と海外の売上比率は、ほぼ6対4となっている。この海外での知名度もあってか、ヘッジファンドに定量データを提供する際に同社のことを尋ねられたことが何度もあった。特に、買いと売りを組み合わせるロング/ショート系のファンドや、それに加えて、指数の上下動に関わらず収益を上げるために、ベータという指数感応度を買いのポートフォリオと売りのポートフォリオについて同じくする、マーケットニュートラル・ファンドからの問い合わせが多かった記憶がある。そして、同銘柄はバリュエーションの割安感から買い(ロング)方に選ばれていたようである。

 

 事業領域は3つ。自動車、航空機、家電、携帯電話、カメラ、半導体及びFPD関連などの環境試験を行うための「装置事業」、受託試験・解析、機器レンタル、アフターサービスなどを行う「サービス事業」、そして植物工場事業、都市緑化事業などの「その他事業」である。番組の中でも話されたが、小惑星探査機「はやぶさ」の環境試験も同社が行った。海外で電機屋に行くと、同じ日本のメーカーの品でも、メイド・イン・ジャパンとそうでない製品で価格が大きく違うことに驚くが、厳しい環境試験を経たことが、日本製品にクオリティの高さというプレミアムを与えているのである。番組の中で言われたように、同社が「縁の下の力持ち」と呼ばれる所以(ゆえん)である。

 

 そして、ロング・バージョンの中で語られているが、日本の貿易自由化が同社に対するニーズをさらに高める。一例を挙げると「医薬品」。医薬品国際協定というものがあり、これに加わった大手社は海外への医薬品の輸出に注力することが予想されるが、この際に温度・湿度などの環境が変化することの事前チェックが当然必要となるのである。大手社だけでなく、ジェネリック医薬品も化粧品もそうである。

 
▼知って欲しい「イノウエ・セレクト」

 再びバリュエーションに戻る。同社は番組の中でも触れたが、無借金で高自己資本比率であるが、6年以上もPBRが1倍割れの状態が続いている。一昨日2月10日時点でのPBRは0.61倍、PERは14.799倍である。売上高経常利益率7.5%の収益性に似つかわしくないPBR。。。先週に続いて「イノウエ・セレクト」のシールを貼りたいと思う。常務が番組のなかでも触れたが、同社は今後、IRに積極的に取り組むという。来週の週末、2月21日(金)、22日(土)に東京・有楽町の国際フォーラムで開催される東証IRフェスタにも初めて参加される。企業説明会は2月21日(金)午後2:40から3:25まで会場1で行われるが、是非、同社の事業内容を知って欲しい。同フェスタには多くのアサザイ銘柄が参加する予定である。私も2日間とも会場でフラフラしているので、どうぞお気軽に声を掛けて欲しい。(了)
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 取材後記は、以上です。「ワッツ・セレクト」ならぬ「イノウエ・セレクト」出ましたね!
 「安全」が当たり前に存在するありがたさ、それを支える事業の意義について、私もあらためて認識したところです。

 取材後記中にもあるとおり、エスペックは2月21日(金)、22日(土)の「東証IRフェスタ2014」に参加します。ブース出展のほか会社説明会も行われますので、「今日の1社」の放送もお聴きいただいた上で、ぜひお気軽にご参加くださいね。

 来週もまたお楽しみに!

(関連リンク集)
■エスペック 投資家情報
■東証IRフェスタ2014 ウェブサイト
 ※ブース番号 A-15
 ※会社説明会 2月21日(金) 14:40~15:25(説明会会場1)

常務取締役の島田様、経営戦略部の大川様と。
常務取締役の島田様、経営戦略部の大川様と。

2月5日放送「今日の1社」ワッツ(2735)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.02/05 今日の1社担当 記事URL
 100円ショップって、私たちの生活にすっかり定着しましたよね~。
 私事で恐縮ですが昨年、贈答品できれいな絵皿をいただきまして、まあ素敵と喜んだはいいものの。
 「はて、絵皿を立てるスタンドってどこで売っていたかしら?」
 ・・・何はともあれ最寄の100円ショップに行ってみたところ、無事絵皿立てを100円で買うことができました。

 欲しいものが何でも安く手に入る、100円ショップ。2月5日放送の「アサザイ 今日の1社」にご出演いただいたのは、100円ショップ「ミーツ」「シルク」などを展開する、ワッツ(2735・東証二部)です! 2012年9月5日以来、2回目のご出演となりました。
 井上哲男インタビューに答えていただいたのは、代表取締役社長の平岡史生様です。 また今回も井上哲男取材後記が届きましたので、どうぞお読みください♪

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取材後記

ワッツ(2735)(東証2部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の平岡史生様

 

「ワッツ・セレクト」「イノウエ・セレクト」

 
▼比較で見るワッツの優位

 昨年、週刊現代の「識者が選ぶ日本の社長3人」という企画で私がその1人として挙げたのが平岡社長。「アサザイ」には1年半ぶり2回目のご出演となる。前回ご出演頂いた際の取材後記で、100円ショップの上場3社(ワッツ(2735)、セリア(2782)、キャンドゥ(2698))の業績が、相対的な比較において他の小売業によりも好調であったこと、そして、3社の中でも同社の利益の伸び、ROEの高さが際立っていることからバリュエーション上の割安感を述べた。その後、平岡社長がIRにおいて同業との比較を話されることがあるとお聞きしたが、自社の反省点をどちらかというと先行して話してしまう性格から察するに、自社の優越を話しているとはとても思えない。それは、今回の収録において昨年の売り出しのお詫びをされて、私が否定したくだりでも分かろう。

 

 今回は小売業全体、東証33業種分類から金融4業種を除いた29業種とワッツの比較を述べる。番組の中でも紹介したが、リーマン・ショック前のいざなみ景気の"山"の最後の年度である2007年3月期と今年度である2014年3月期(見込み含む)の29業種、小売業、ワッツの売上高と経常利益を比較すると、2007年3月期を100とした今年度数字は、29業種が98.8:92.7、小売業が119.8:122.1、ワッツが218.6:341.3(何れも、売上高:経常利益)となる。29業種全体では、まだ売上高も経常利益も前回の"山"に達していないが、小売は両方ともおよそ2割程度増加したことが分かる。リーマン・ショックを挟み、GDP統計や家計調査から判断される一国のマクロベースで見た厳しい消費環境下でも、上場小売業はその努力により毎年3.15%程度の成長を遂げたことをこの数字は示しているのだが、ワッツの数字は売上が毎年14%、経常利益が毎年23%程度伸びたことを表しており、その数字が際立っていることが分かる。そして、この傾向はリーマン・ショックを経て、景気が最悪期を脱した2010年3月期から計測してみても同じことが言えるのである。

 

 この業績を築くことが出来た大きな理由は、出退店及び運営に関する徹底的なローコスト運営である。新規出店を積極的に行うとともに期間を定めて利益の低迷した店を閉める。ローコストであるがゆえにこの小回りが効くという特徴は、結果的に(出店数-退店数)である店舗の純増数がそのまま売上高の伸びに繋がるという図式となっている。前年度に上期の出店見込みが下期にズレ込んだ反省を活かし、今期は年間の純増目標60店舗に対して、第1四半期でその半分の30という純増店舗数を達成した。この出店費用により利益は減少したが、新規店以外の売上を示す既存店売上が昨年12月まで5ヶ月連続でプラスとなっており、今年度、同社は好調なスタートをきったと私は判断している。

 
▼集客のエンジン、「ワッツ・セレクト」

 集客のエンジンは現在200ほどある「ワッツ・セレクト」という"小さなシール"の貼られた商品。これらは、他の100円ショップでも同じようなものが売られている、いわば"100円ショップの定番的な商品"に多い印象を持つが、使用してみると、質の良さ、量の多さに顧客が驚き、「あれっ、ここの100円ショップはいい」と気がつく集客効果の高い商品である。

 

 我が家の台所にも千葉県市川市の「シルク」で買った商品がたくさんある。その中で、私の一番のお気に入りは"土鍋"である。結婚以来、私以外誰も食べないので一度も作ったことのなかった「牡蠣(かき)鍋」を楽しむことが出来るのはこの一人用土鍋のおかげである。また、昆布で出汁を取り、キャベツでも白菜でもネギでも、緑色の野菜ならなんでもいいから入れた鍋を、擦りゴマをたくさん入れたポン酢で食べるのも大好きであるが、汁まで緑色になることから、家族はそれを「緑鍋(みどりなべ)」と恐れ、食べることはない。土鍋には、他の食器と違い、強い愛着を感じるものである。ましてや、私専用の土鍋となれば尚更である。(ロングインタビューで社長が語っているが)タイで同社が展開している均一ショップ「こものや」で、即席ラーメンを食べる用途でこの土鍋がとても売れているという。タイでも今頃この土鍋で、一人でラーメンを食べている人がいるんだろうな、と思いながら、私は自分で作った鍋をつつく。

 
▼あらためて、バリュエーション

 最後にバリュエーション。昨日時点での同社のPERは9.29倍で小売業347社中50番目に低い。この小売業347社から、今期赤字見込み34社、PERが100倍以上の11社を除くという厳しい条件を付して残った302社のPERを算出してみると、時価総額加重ベースでそれは25.06倍となり、ワッツの割安度が分かる。因みに同社のPBRは1.42倍であるが、債務超過2社を除いた小売業345社の時価総額加重ベースのPBRは2.75倍である。番組でも触れたROEは「アサザイ・セミナー」で配布したROE3年平均ランキングで全社中、堂々の159位。

 おまけで、需給的なカタリストを述べると、同社は昨年の売り出しによる個人投資家の増加により、さらにもう一つ上の市場に行く要件をクリアしている。無論、このことについて私は何も聞いていないし、あくまでもその条件をクリアしたという事実しか述べる気はないことを断りとして入れさせて頂く。

 NISAが始まった。私は個人投資家がその口座を使って株式を購入する場合、やはりバリュエーションと業績を良く精査して中長期保有という目的を持って投資にあたって欲しいと思う。そして私はNISAの対象として、ワッツに"とてつもなく大きな「イノウエ・セレクト」というシール"を貼りたい。(了)

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 取材後記は、以上です。「イノウエ・セレクト」宣言出ました♪
 ワッツの100円ショップに入ると、限られたスペースの中にもたいへん多くの商品が並んでいるさまに圧倒されます。その中でもキラリと光るお値打ち品、「ワッツ・セレクト」。それは資本市場の中でのワッツそのものなのかもしれませんね~。

 ワッツの店舗は全国各地にありますので、お近くの店舗がありましたら、一度覗いてみると楽しいと思います。

(関連リンク集)
■ワッツ IR情報
■ワッツ 店舗検索
■ワッツ 2012年9月5日出演の取材後記

代表取締役社長の平岡史生様と。写真奥中央が取締役経営企画室長 森秀人様です。
代表取締役社長の平岡史生様と。




1月29日放送「今日の1社」日本ドライケミカル(1909)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.01/29 今日の1社担当 記事URL
 「3.11」以降、防災についての関心が非常に高まっています。災害への備えが平時に注目を集めることは少なかったのですが、「そういえば、このビルの対策はどうなっているのだろうか」「もし災害が発生したら、我が家ではどうするのが良いか」と、あらためて周囲を振り返ってみた方も多かったのではないかと思います。

 1月29日放送の「アサザイ 今日の1社」では、日本の消火・防災をワンストップで支える、日本ドライケミカル(1909・東証一部)代表取締役社長の遠山榮一様にお越しいただきました! インタビュアー・井上哲男との収録もたいへん話が弾みまして、同社の強みについてわかりやすくお話をいただきました。

 井上哲男から早速取材後記が届いていますので、どうぞお読みくださいっ!

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取材後記

日本ドライケミカル(1909)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の遠山榮一様

 

「消火活動以外ではCO2を出さない」

 

▼日本ドライケミカルとの出会い
 日本ドライケミカルと私のつきあいは長い。私の社会人としてのスタートは国内損害保険会社の財務部有価証券課配属であった。業務上購入した株式の企業の決算や業況の報告を受けることが多かったが、損害保険という会社の性格上、防災や防火関連の上場企業については、ほぼ全社の株式を保有していた。一時的な決算のブレには惑わされず、企業の取組みをきちんと理解することの大切さを教わったのはこの時である。

 

 入社して15年目で有価証券課長を務めていた時、日本ドライケミカルはTOBでタイコグループの子会社となり上場廃止となった。2000年のことである。寂しかったことを覚えている。その翌年、私は外資系の運用会社に転職した。

 防災、防火、消火。これらの企業には一つのシンパシーを感じる。それは、「話題になる、ニュースになるときはその会社にとって良くないことが起きたときである」ということだ。シンドラー社のエレベーターを巡る事故の報道も同じで、「他社のエレベーターは今日も正常に動いていました」というニュースが流れるはずもない。

 

 収録の数日前のことであるが、中部電力の碧南火力発電所で石炭を粉砕する装置内部から出火する事故があった。火災報知器が作動したことから監視モニターを通じて出火が確認され、消火装置が作動し、駆けつけた社員も消火器などで消火作業にあたった結果、けが人も無く5分で鎮火したという。

 こういうニュースを見る度に、日本の消火・防災企業への感謝と"良かったね"を感じるのは損害保険会社にいた性(さが)であろうか。万が一、火災報知器が作動せずに大きな火災となった場合、メーカーは厳しい立場に立たされることになる。

 
▼ワンストップ型企業への進化と、好調な業績

 このような心情を抱いていることもあって、日本ドライケミカルの再上場を聞いた際には、本当に嬉しく、損害保険会社時代のことまで思い出された。

 それから2年半が経つ。東証1部復帰も果たしたが、驚くのは業務拡大の勢い、スピード感である。申し訳ない言い方であるが、かつて上場していた時にこのようなイメージは抱いていなかった。初田製作所、沖電気防災、新日本空調とそれぞれ業務提携や資本提携、又は傘下に入れる形の協業を組み、従来の「消火なら日本ドライケミカル」から「消火・防災なら日本ドライケミカル」というワンストップ型企業としての地位を確実なものにしつつある。

 

 業績も好調である。番組でも紹介したが、直近4期で売上高経常利益率は、2.7%→3.4%→4.2%→5.5%となっており、3年間で倍となった。こうなると売上高が注目されるが、それも212億円→237億円→289億円→301億円(今期見込み)と3年間で1.5倍に拡大している。昨年11月末に公募・処分・売り出しなどを発表したため、希薄化を織込む形で株価は大きく下落したが、その後は戻り歩調にある。必要なファイナンスであったことや、希薄を考慮したバリュエーションでも決して割高ではないことを市場は認識しつつあるのだ。

 
▼変わらないDNA

 ロング・インタビューでも紹介しているが、同社はエアウォーターの子会社である松山酸素と共同出資で(株)イナートガスセンターを設立した。それまで大気中に放出していたCO2ガスの96%以上を再生利用することができるセンターは、日本で西日本に松山酸素、東日本にイナートガスセンターの2つしかない。「消火活動以外ではCO2を出さない」ということを堂々と掲げて目標に向かって取り組んでいる姿勢、それは、再生可能なアルミ製消火器の製作に早くから取組み、圧倒的なシェアを築いた同社の"循環リサイクルDNA"がなせることなのかもしれない。

 上場廃止前とスピード感が変わったと書いたが、変わらないものを同社はきちんと持ち続けていてくれた。冒頭で述べた『教わった大切なこと』を再度教わった気がする。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 「消火・防災のワンストップ企業」としての事業展開について、放送で詳しくお話いただきましたので、オンデマンドもぜひお聴きください!

 また放送中でもご紹介したとおり、日本ドライケミカルは2月21日(金)、22日(土)の「東証IRフェスタ2014」に参加します。ブース出展(ブース番号C-13)のほか、21日(金)17:55~18:40には会社説明会(事前登録制)も行いますので、要チェックです。

 加えて今回、リスナープレゼントとしてオリジナルクオカード1,000円分を5名様分ご提供いただいていますので、こちらのページよりふるってご応募くださいね♪

(関連リンク集)
■日本ドライケミカル 投資家の皆様へ
■東証IRフェスタ2014 イベントページ

(代表取締役社長の遠山榮一様と。)
代表取締役社長の遠山榮一様と。


<以下、参考写真です>

(日本ドライケミカルが支える消火・防災の領域)
日本ドライケミカルが支える消火・防災の領域

(同社が建築防災設備を提供した建造物の例)
日本ドライケミカルが建築防災設備を提供した建造物

 

(同社艤装による消防車)

日本ドライケミカルが艤装した消防車


(同社のアルミ製消火器。再生可能であり、軽いのが特徴です)

日本ドライケミカルのアルミ製消火器。再生可能で軽いのが特徴です。
1月22日放送「今日の1社」ジャステック(9717・東証一部)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.01/22 今日の1社担当 記事URL
 情報・通信というと、新しい分野というイメージが強いかと思います。ただ、世界初とされるパーソナルコンピュータ「Altair8800」が登場したのが、1974年。コンピュータが個人の手に渡るようになってから数えても、もう40年が経過しているのです。この時の流れのなかで、情報・通信分野がめざましい発達をとげてきたことは、あらためて申し上げるまでもないでしょう。

 今回、1月22日放送の「アサザイ 今日の1社」にご出演いただいたジャステック(9717・東証一部)が設立されたのは、1971年。ソフトウェア業界において長い歴史を有し、その発展とともに歩んできた企業です♪

 常に新しい技術、より安定した技術が求められる同業界にあって、それだけの年月を積み重ねてくることができたのは、なぜでしょうか? 同社代表取締役社長の中谷昇様に井上哲男がインタビューしましたので、取材後記をどうぞお読みくださいっ!


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取材後記

ジャステック(9717)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の中谷昇様。

 

「揺るぎない『CMMI5』の輝き」

 

▼老舗にして、王道
 設立が1971年、上場が1989年。老舗(しにせ)中の老舗である。番組の中でも紹介したが、総務省の産業分類で「受託開発ソフトウェア業」に所属する上場160社中、上場時期は9番目に早い。

 「ソフトウェア業のモデル企業を目指して設立した。世界のソフトウェア業における成功例となることを目指している」という主旨の言葉があったが、まさしくこれは同社の今までとこれからを示している。

 

 「ソフトウェア業のモデル企業」とは設立当時の、「ソフトウェアは企業が人を派遣という形で受け入れる形で作りあげ、全てがその企業内で完結し、帰属する」という風潮を壊すことにあったと思う。それまで会社として培い、獲得したリソースであるソフトウェア開発能力を一括請負という形で顧客に提供することで、深く、長い信頼関係を築き上げるというビジネスモデルは、独立系としては同社が初めて作り上げたものと言っても過言ではない。

 無論、独立系ゆえにその道のりは決して平坦なものではなかったと思われる。しかし、ジャステックが採った手段は極めて王道で、そしてそれ以外の道のないものであった。突き詰めて言うと、"他社を圧倒する、極めて高度なスキルを提供する"ということである。

 
▼世界で5社、「CMMI」全社レベルで最高位

 それは見事に認められた。米国カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所(SEI)が考案した、ソフトウェアの開発工程の管理能力を1から5で評価するCMMIという基準で、全社レベルで最高位の「5」を獲得したのである。因みに全社レベルで「5」を獲得している企業は、世界中で同社を含めて5社だけであり、分野別というカテゴリー単位でみてもこの「5」を獲得している企業は世界に117社(全社レベル「5」の5社を含まない)しかない。この極めて獲得困難な称号を手に入れていることだけでも同社の開発に対する真摯な姿勢が分かると思う。

 

 昨年11月期に売上高が4期ぶりに100億円を超えた。期中に上方修正を行い、着地はそれをさらに上回った形であり、経常利益・最終利益も同じくその道を辿った。リーマンショックにより、大きな痛手を情報通信業、とりわけソフトウェア業は負ったが、他社に先駆けて、同社の完全復活に向けての視界は大きく開けたといえる。

 番組の中でも私は"顧客数"という水を向けたが、私がジャステックの強さと考えているのは、積極的な営業により顧客数の増加を追い求めるのではなく、おそらく大企業、または、社会インフラを支えていると考えられる企業と、深い信頼関係を長年に亘り培ってきたその事実である。不具合が起きた時に、社会的に大きな問題を引き起こしかねないソフトウェアの開発を求める際に、同社の「CMMI5」の輝きは増す。その輝きは「信頼」であると同時に、同社にとっては「間違えてはいけないという責任」を意味する。

 
▼「決算補足資料」から見える方向性
 同社が「CMMI5」を獲得できた理由をIR活動の一環として公開している「決算補足資料」から窺うことができる。私は収録の際に聞いて驚いたのであるが、他社に作成を依頼しているのではなく、ここまでのものを自社で作っているのである。投資家の必要な情報に加えて、全て開示できる材料は示すという姿勢がきちんと伝わる資料で、同社の真摯さがここからも分かる。実は水を向けた質問は、同社のこの資料の中にちゃんと書かれているのだ。

 

 その中に、海外での事業展開についての記載もきちんとされている。冒頭の言葉の「世界のソフトウェア業における成功例となることを目指している」という部分に社長が込めたであろう思いは、日本のソフトウェア業界の夢でもある。これまで、ソフトウェアは圧倒的に海外メーカーの強さが目立った。やっと、「コンソーシアム形式」により優れたソフトウェアを海外に売り込みをかけようという動きが始まったところである。そのような中、同社はソフトウェアの開発受託という形で海外進出を早くから果たしてきた。たとえ足許の海外での業績が大きく収益に結びついていない状態でもきちんと開示し、方向性を示している。その心意気や良しである。日本の切り込み隊長として同社を応援したい気持ちを私は強く持つ。

 日本で築いた顧客との関係を世界で作り上げる。その目標に向かって邁進して欲しい。『CMMI5』の輝きは世界でさらに光を増す。(了)

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 取材後記は、以上です。
 ジャステックが積み上げた強みが、伝わってきたように思います。
 中谷社長はもともと海外畑でもいらっしゃいますし、今後の海外での事業展開も注目したいところですね~。

 取材後記中でも取り上げられている「決算補足資料」は、同社のIRサイトに掲載されていますので、本記事末尾のリンクからご参照ください。「今日の1社」の放送と取材後記の内容を踏まえてお読みいただくと、一層ご理解が進むかと思います。


 それではまた、来週もお楽しみに!

<オンデマンドもお聴きください>
■放送版オンデマンド・・・実際に放送された音声をお聴きいただけます。
■ロング・インタビュー・・・放送では収まりきらなかったインタビューを収録しています。

(関連リンク集)
■ジャステック IR情報
■ジャステック 平成25年11月期 決算期末に関する補足資料

代表取締役社長 中谷昇様と。
代表取締役社長の中谷昇様と。
1月15日放送「今日の1社」ワイヤレスゲート(9419)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.01/15 今日の1社担当 記事URL
 1990年代、2000年代、2010年代・・・と、「10年」というのはひとつの年代を刻む目安となるものです。
 この20年の間で、インターネット接続はダイヤルアップの時代からブロードバンド、そして無線LANへと大きく発展してきました。

 1月15日放送、「アサザイ 今日の1社」に出演したワイヤレスゲート(9419・東証マザーズ)は、その公衆無線LANサービス分野の先頭を走る成長企業。2004年1月26日設立から、まもなくちょうど10年を迎えるところです!

 ワイヤレスゲートが切り開く次の10年、日本の通信環境はどれくらい発展しているでしょうか? 10年前と今を比べると、たいへん夢が広がるところです。今回も代表取締役CEOの池田武弘様にお越しいただき、井上哲男インタビューに答えていただきました♪

 井上哲男が「2012年組」(同年新規上場した企業)の中でも「イチ押し」としていたのが同社です。
 渾身の取材後記をどうぞお読みくださいっ!


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取材後記

ワイヤレスゲート(9419)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役CEOの池田武弘様。

 

「ストック、そしてグロースへ」

 

▼"2012年組、イチ押し企業"
 2012年以降、新規公開する企業が再度増加し市場に活気を与えている。「アサザイ」でも多くの新規上場企業を紹介してきたが、私が"2012年組のイチ押し企業"として紹介したのが同社。上場から3カ月後、一昨年10月のことであった。私が同社を推した理由は、①他社にはない卓越した技術でオンリーワンのビジネスモデルを築いている。②安定的な収益をもたらすストックビジネスであり、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスの増加に伴い、この拡大が見込まれる。③ヨドバシカメラという強い提携販売チャネルがある。④大きな設備投資資金が必要となることがなく、固定費の比率も低い。(当時の社員数10名)などであった。

 そして、何よりも重きをおいたのが、同社が上場を視野に入れてからの数年で築いた、成長性、そして株主資本から求められる収益性の高さであった。具体的に挙げると株主資本最終利益率(ROE)と真の配当性向であるDOE(ROE×配当性向)の二つ。継続的に「アサザイ」をお聴き頂いているリスナー及び私のセミナーにご参加頂いた方にとってはもう"耳タコ"であると思われるが、この二つの指標が如何に投信をはじめとする機関投資家の投資尺度になっているかが、同社の株主構成を見ると分かる。

 

 昨年の特番を含めて「アサザイ」に3回目の出演(最多出演)となる。昨年末に同社を訪れてインタビューをした際に池田CEOとIR室長が一つの懸念を抱いていた。それは、昨年11月以降、大手機関投資家の保有比率が上昇したことが材料視されて株価が大きく再上昇したが、それでは、なぜ機関投資家が保有比率を高めたのか、その着目した材料の含蓄している意味について、プレスリリースだけでは個人投資家に伝わっていないのではないか、つまり、"情報の非対称性"が機関投資家と個人投資家の間に生じているのではないかという、極めて投資家に対して真摯であるからこそ生じる懸念であった。それゆえ、私が今回の出演を依頼したのである。

 
▼ストックビジネスに拡大余地あり

 初めて同社を知るリスナーのために簡単にこれまでの事業を説明すると、au、ソフトバンク、ドコモなど、皆さんはそれぞれキャリアと契約されていると思う。Wi-Fiが入っている喫茶店などの入口には、それぞれのキャリアのシ-ルが貼ってあり、その場所ではどのキャリアでインターネットがサクサク動くかが分かるようになっている。このサービスは契約後一定期間については無料で、その後は有料になるのが普通であるが、ワイヤレスゲートのWi-Fiサービスに加入すると、どのキャリアでも月間380円でWi-Fiの設置場所であればインターネットがサクサク動くのである。この場所が現在4万ヵ所ある。その他、通信速度制限のないWimax社サービスに付加するサービス、auの3Gサービスに付加するハイブリッドサービス、24時間電話でPCをサポートするサービスなども行っている。会社別の有料Wi-Fiサービスのシェアはおよそ11%で、ソフトバンクに次いでほぼドコモと同じレベルである。しかし、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスの出荷台数に占める有料の公衆無線サービスの利用状況は、増加はしてきているが、未だに全体では10%程度という数値も推定されている。つまり、この数字には拡大余地が大きいことから、シェアを維持していれば自然とストックビジネスは拡大することになる。

 

 12月決算の同社の前期第1四半期に伸びが鈍化したと市場で言われたが(JCU(4975)の紹介でも述べたとおり)、昨年1-3月の世界的な生産調整及び契約台数の停滞は予測されていたことであり、その後、同社の業績は順調に年度予想ベースに回帰し、業績見込みに反映させていなかった(ヨドバシカメラに加えて新たに同社サービスの販売会社として提携を始めた)住友商事系の携帯販売会社であるティーガイア(3738)の寄与もあって、発表されている第3四半期まで好調なまま業績は推移した。計画していた1:100の分割に加えて、その後1:2分割を2回行い、初めての配当も発表。その後、創業10周年の記念配までも加えて行うことを発表した。

 
▼B2Bへ、"第二創業期"

 本題に入る。昨年11月6日に同社は一つのプレスリリースを発表した。それは「無線LAN環境構築支援プロジェクトに参画」の一環として「中央区銀座でのG Free構築」を行うというものであった。銀座の銀座通連合会が目指している銀座エリア全域でのWi-Fi化ということは、どのキャリアに入っていてもWi-Fiサービスを受けることができるわけであり、ワイヤレスゲート社にとってメリットがあることではないように映る。しかし、Wi-Fiのためのアクセス・ポイント(AP)の設置によるアップフロント(入口)の収益は大きくはないものの、その後にその利用料金というストックビジネスに結びつくのである。これまで同社のビジネスは最終消費者とのB2Cモデルであったが、APを設置した団体とのB2Bのストックビジネスモデルが始まるのである。これが"第二創業期"と池田CEOが言う由縁である。

 

 このビジネスのターゲットは全国の自治体、商店街などである。全国の自治体は災害時ネットワーク、外国人観光客の誘致やそれに伴うサービスの施行に興味があり、また、この部分についてはこれまでもAPの設置に対する国交省の助成金制度があった。しかし、結果的に設置後の運営費用の負担が自治体の重荷となることが多かったのも確かである。

ここにワイヤレスゲート社の卓越した技術が生かされる。構築したクラウドを利用したソリューションを用いることにより自治体はコスト削減に成功するだけでなく、同社の提供するビッグデータにおける人間の動態に関する管理・解析能力が広告の効果測定に有効に働き、結果的に広告の誘導に結びつくのである。実際にクッキーの解析によってインターネットにおけるPRを提供している会社があるが、自治体に広告収入が入れば、自治体は運用コストを賄い、黒字となることも有り得る。そこにはWin-Winのビジネスが広がる。

 

▼着実な歩みを、見守りたい
 日経CNBC(及びNIKKEI Channel)の不定期番組に「Trader's BAR」というものがある。毎回数名の市場関係者が集まり、金融談議に花を咲かせるのであるが、私は"常連客"として毎回出演させて頂いている。昨年初秋、レオス・キャピタルワークスの藤野さんがゲストとして来た放送の中で、私は外国人がなぜPBRの高い企業を買うのかを「PBR = ROE × PER」の式を用いて説明したことがあった。その時に私は具体的に同社の名前を挙げた。この番組の中で企業名を出したのはこれまで同社だけである。

 

 今朝の放送の中でも触れたが、昨年12月の「アサザイセミナー」でお配りしたROEトップ300ランキングで同社は3年平均が49.2%で全上場企業中13位となっている。前期の配当性向見込みは増配前で42%、増配後では53%。この積であるDOEは26%。このことは、今後2期に亘ってこの配当性向を維持すると、DOEの3期平均も全上場企業中、第1位か2位になることを予感させる。

 現在、株価は高値追いを続け、今年に入ってからの上昇率も3割を超えた。正直過熱感も感じる。しかし、上場後も着実な歩みを続け、きちんと投資家に対する真摯な対応も続けている同社に対する機関投資家・個人投資家の評価はすこぶる高い。初めて同社を紹介した際に、私は"爽やか"という表現を使った。このことは変わらない。何度会っても同社のメンバーは爽やかである。しかし、思う。ひょっとしたら同社は2010年代の情報通信セクターにおける最もグロース性の高いセグメントに関わっているのではないかと。

 自治体APビジネスがすぐに大きな収益を四半期決算において示すことを私は期待してはいない。しかし、その緩やかな伸びを見守っていきたいと思う。同社の決算を見る楽しみがまた増えた。そして、同社がB2Bビジネスの「B」にまずは自治体や商店街などを選んだこと、Win-Winの関係を目指していることが何よりも嬉しい。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?

 自治体APビジネス、「街全体のWi-Fi化」というのは、各地で具体的に検討が進められつつある分野です。

 たとえば、人口145万人の政令指定都市・川崎市。昨年11月に新市長が誕生しまして、この福田市長が主要な公約としてあげていたのが「川崎Wi-Fi化計画」です。

 これは単に「つながると便利だよね」ということではなく、国際的な都市間競争の中で、新しいビジネス環境を創出し、防災、防犯、交通、教育などの各分野でも戦略的なまちづくりをしていこうというものです。

 取材後記中にもあるように時間をかけて取り組んでいく課題ではありますが、各地での取り組みが具体化してくるのが楽しみです♪
 ワイヤレスゲートについても、着実な成長を長期的な目線で見守っていきたいと思いました。

(関連リンク集)
■ワイヤレスゲート IR情報
■11月6日付プレスリリース 無線LAN環境構築支援プロジェクトに参画~第1弾として中央区銀座でのG Free構築~
■11月26日付プレスリリース 無線LAN環境構築支援プロジェクト進捗のお知らせ~G Free(銀座フリーWi-Fi)が晴海通りへ拡大~
■ワイヤレスゲート 2012年10月17日放送「今日の1社」の取材後記

代表取締役CEOの池田武弘様と。
代表取締役CEOの池田武弘様と。
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