8月14日放送「リンガーハット」(8200)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2013.08/14 今日の1社担当 記事URL
 ロードサイドで目を引く、赤いとんがり帽子の屋根。看板を見なくても、建物の形だけでそれとわかる店舗はそう多くありません。8月14日放送の「アサザイ 今日の1社」では、個人投資家の皆様にも知名度抜群のリンガーハット(8200・東証一部)をご紹介しました!
 同社店舗の、お野菜たっぷりのメニューを食べたことのある方も多いのではないでしょうか?

 今回は代表取締役会長兼社長の米濱和英さまにお越しいただきまして、井上哲男がインタビューしました♪ さっそく取材後記が届いていますので、どうぞお読みください~。

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取材後記

リンガーハット(8200)(東証一部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長兼社長の米濱和英さま。

 

「九州から海外」

 

▼支持される「野菜たっぷりちゃんぽん」
 誰もが知っている「リンガーハット」。しかし、私は2つの勘違いをしていた。1つは、リンガーハットは長崎ちゃんぽん・皿うどんを全国に広めるために九州から出発して全国展開をしている会社だと思っていたこと。無論全国展開ではあるものの、リンガーハット534店舗のうち48%もの店舗が現在も九州7県にあり、ドミナント展開で成功を収めた九州が今でも最も大きな商場であるのだ。また、もう1つは、「リンガーハット」が「とんかつ浜勝」もやっていると思っていたが、創業は「とんかつ浜勝」であり、その後にリンガーハットになったということである。

 

 テレビ朝日の番組『お願い!ランキングGOLD』の「1万人が選ぶ第1回麺チェーン店総選挙」で見事、リンガーハットの「野菜たっぷりちゃんぽん」が第1位に輝いた。また、第3位に「長崎ちゃんぽん」、第10位に「長崎皿うどん」がランクインしたが、3商品がベスト10入りしたのは同社だけであった。第1位と第3位の違いが野菜の量と考えると「ちゃんぽん」の圧勝だったことが分かる。ここでおもしろいなと思ったのが、"長崎"という冠をつけた同店のメイン・メニューを抑えて「野菜たっぷりちゃんぽん」が第1位となったことである。このことは、同社が掲げてきた「安心、安全な国内産野菜をたっぷり食べて欲しい」という思いが結実したとも考えられる。

 

 同社のHPをみると、主要メニューについて使われている食材の産地が出ており、また、契約している野菜農家の名前が出ている。そして西日本の店舗についてはできるだけ九州の野菜を使っていること、そして、これに地域別店舗数を考えると九州の地産地消に結びついていることが分かる。昨年の第1Qに九州で大雨が降り、天候不順で野菜が高騰した際も国内にこだわって他の地域からの輸送で賄い、輸入をすることはなかった。このことは、利益面にとっては無論マイナスとなったが、そこまでのこだわりが消費者に支持されて第1位を獲得したのであろう。

 
▼健闘の第1Q

 今年に入り"プチ贅沢"が消費のキーワードとされているが、実は外食産業の4~6月期は各社円安の影響もあって厳しい数字となっている。その中にあってリンガーハットは健闘している。月次の既存店売上げは2月~6月までの5ヶ月間前年同月比でプラスを記録したが、同社は2月決算であるため、このうち4ヶ月が今期寄与となる。7/11に発表した第1Qの決算は売上高が前年同期比+7.5%、営業利益(同)が+74.8%、経常利益(同)+85.1%、最終利益(同)+29.5%となっており、今期の上期(第2Q)見込みに対する進捗率が順調である。また、この第1Qの利益3項目は昨年の第2Q時点の数字を何れも上回っている。同社は最終Q(11~2月)に利益が上積みされる傾向にあることから、このまま第2Qを乗り切れば、今期見込みの達成の蓋然性(がいぜんせい)は一層高まると考えられる。

 

▼海外展開の試金石、香港出店
 同社のこれからの展開は、国内・海外の両方を見据えたものとなる。特に海外での動向は注目である。現在、同社はタイに3店舗、台湾に3店舗、米国(ハワイ・カリフォルニア州サンノゼ)に2店舗展開しており、今年香港にも出店することによって合計9店舗となるが、これを2016年2月期に30店舗まで拡大したいという。

 

 日本の外食産業の海外進出の成功と失敗を調べたことがある。また、実際に海外に行った際にはその店舗を覘いてみることにしているが、とても興味深い。香港と中国では同じ吉野家でもメニューが全然違う。上海の吉野家を訪れた際に看板メニューで一番大きく扱われていたのが「サバ味噌丼」であったが、同じ時期の香港の吉野家は日本のメニューに近かった。(注:2010年12月時点。また、吉野家は香港内でもうどんを提供する店としない店があるなどメニューのバラツキはある)また、サイゼリヤは中国に進出して初めは苦戦したものの、ある時に「これでダメなら撤退」の気持ちで価格を落としたところ、ほんの数日で長蛇の列ができる超人気店となったという話を聞いたことがある。失敗例で多いのが直営店とFC店の味とメニューのギャップだ。

 リンガーハットの強みの1つが、電磁調理器の新システムを導入したことにより全国どの店舗でも味にムラがなく提供できるということである。これは実は他の外食産業にとっては大きな課題である。味ムラのない看板メニューに加えて、現地ならではのメニュー、味付けを工夫していきたいという同社。まずは、香港の開店と評判が楽しみである。

 香港は世界中の外食チェーン店がアンテナショップを出して客の反応を見るところである。日本からも多くのラーメン・チェーンが進出して失敗した中、熊本らーめんの「味千」だけが高い評価を得て、そのことが同社の海外進出にさらに拍車をかけた。同社の現在の店舗数は、国内101店舗、海外714店舗である。

 現在は状況が変わり、リベンジで進出したラーメン屋や新規出店したとんこつラーメンもかなり人気があるという。いつか「麺チェーン店総選挙」の香港編が行われたらおもしろいかもしれない。その頃、リンガーハットが、そして「ちゃんぽん」が、海外でどのような評価を受けているか非常に楽しみである。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 麺類の海外展開での成功例といえば、やはり外せないのは香港での上場も果たした「味千」ですね~。私も自宅近くのリンガーハットにお世話になっていましたので、長崎ちゃんぽんが海外で支持されたら、個人的にもうれしく思います♪ 
 リンガーハットのウェブサイトには現在「ちゃんぽんを世界の日常食に」というコピーが表示されています。目新しさだけではなく、現地の生活に当たり前のように溶け込む存在になりたいという同社の願いがこめられています。

 ところで、リンガーハットの店舗には「株主優待のご案内」が入口付近に置かれているのをよく見かけます。店舗に来店される方に株主になってもらいたいという、個人投資家を重視する姿勢がわかりますね。

 今回、リンガーハットからはリスナープレゼントとして、株主優待でも提供されている同社お食事券をいただいていますので、別途ご案内いたします。ふるってご応募ください!

■リンガーハット IR情報
■3分でわかる!リンガーハット
 ※同社沿革がまとめられています。
■テレビ朝日「お願い!ランキングGOLD」第1回麺チェーン店総選挙
 ※リンガーハットの「野菜たっぷりちゃんぽん」が第1位を獲得しました。

(代表取締役会長兼社長の米濱和英さまと。)
代表取締役会長兼社長の米濱和英さまと。
8月7日放送「今日の1社」ネクス(6634)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2013.08/07 今日の1社担当 記事URL
 歴史の新旧から事業の変遷まで、企業にはさまざまな形があります。日本の産業構造も変わっていく中で、経営統合や事業再編など、「生まれ変わる」企業も増えてきています。
 8月7日放送の「アサザイ 今日の1社」では、ネクス(6634・JASDAQスタンダード)をご紹介します! 通信技術を核とし、ルーター・通信データカード等を開発・販売する同社は昨年よりフィスコ傘下に入り、業績回復途上にあります。今回は代表取締役副社長の石原直樹さまにお越しいただきまして、井上哲男がインタビューしました。

 井上哲男から取材後記が届いていますので、どうぞお読みください♪

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取材後記

ネクス(6634)(東証ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役副社長の石原直樹さま。

 

「Reborn」

 
▼好転

 技術力には昔から定評のあるネクス。2001年に発売されて一世を風靡したPHSデータ通信カード「AirH"(エアーエッジ)」を作った会社である。セグメントはこのデバイス事業とインターネット旅行事業。デバイス事業は、機械と機械を結ぶ製品を意味する「M2M」と「コンシューマー向け」に大別される。そのM2M部門の市場規模は現在1500億円程度であるが、5年後には8700億円規模と6倍程度に拡大するという試算がある。

 

 番組でも話したが、親会社がインデックスからフィスコに変わり、同社を巡る環境は劇的に好転している。昨年6月に親会社変更後、決算期変更(7月→11月)により4ヶ月決算ながらも黒字を確保し、今期については、売上高5786百万円、営業利益361百万円、経常利益351百万円、最終利益346百万円の見込みをたてている。この利益率を計算してみると、営業利益率6.24%、経常利益率6.07%、最終利益率5.98%となる。

 この数字を検証してみる。前期決算のほぼ出揃った今5月末で計測した今期期初見込みによると、同社が属する「電気機器」の利益率見込みは、営業利益率5.38%、経常利益率4.87%、最終利益率2.46%、また、金融4業種を除いた29業種の合計は営業利益率5.05%、経常利益率5.84%、最終利益率3.40%であり、ネクスの数字はこれらを上回る。つまり、全体で見ても、同業比で見ても、ネクスの利益率は平均以上にまで復活する見込みなのである。

 
▼四半期決算分析

 実際に発表された同社の四半期決算を分析する。今期期初の年度見込みは上記の通りであるが、第2四半期(上期)の数字として見込んでいたのが、売上高2734百万円、営業利益164百万円、経常利益163百万円、最終利益161百万円であった。実際に7/12に発表された数字は、売上高2027百万円、営業利益116百万円、経常利益237百万円、最終利益213百万円となっており、これによる上期見込み達成率は、売上高:74.1%、営業利益:70.7%、経常利益:145.4%、最終利益:132.3%となる。

 通期の進捗率を計測してみると、売上高:35.0%、営業利益:32.1%、経常利益:67.5%、最終利益:61.6%であり、売上高、営業利益は予想を下回っているものの、肝心の経常利益、最終利益は大きく計画を上回っていることが分かる。このことは、上記した利益率がさらにこのペースでいけば上昇することを意味している。「収益率改善後に売上高増」という、私が理想と考える企業成長サイクルの入り口に同社は立っていると考えられる。

 
▼11月決算で問われる「Reborn-Stage」

 番組で触れたように、同社株の発行済み株式数の19%程度を旧親会社が保有しており、それがみずほ銀行と整理回収機構に担保として提供されているという事実は認識しておかなくてはならない。ただ、一方でこのように業績については大きく改善しつつあることも事実である。番組の収録中、石原副社長は「親会社が変わり、財務内容が改善したことによって、『今までは技術力があっても相談できなかったが今はできる』と、多くの新規案件の相談、発注がきている」と言った。上場してから5期連続で最終利益が赤字となり投資家も苦しんだが、同社自身も苦しんでいたのだと思う。今年11月の決算において上場来初の1年決算での黒字を達成してからが、同社のReborn-Stageの始まりである。投資家はきちんと四半期決算を追い、そのstageを見届けて欲しい。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 ロングインタビューでは、花巻工場の一部用地を活用した農業をスタートし、そこで「農業のICT化」の実験的な取り組みをしていることもお話いただきました。ネクスの通信技術を活用して、遠隔操作で肥料などの管理を最適化していくというものです。
 現在TPPの交渉もスタートしていますが、日本の将来的な農業の発展のためにも実用化できれば良いな~と思いました♪

 また次回の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■ネクス 投資家情報
■ネクス 平成25年11月期 第2四半期決算短信(PDF)
■ネクスファーム(同社による農業ICT化実験)

代表取締役副社長の石原直樹さまと。
代表取締役副社長の石原直樹さまと。
7月31日放送「今日の1社」は、ジャパンシステム(9758)です! [「今日の1社」取材後記]
2013.07/31 今日の1社担当 記事URL
 企業に会計があるように、自治体にも会計があります。地方債などにも投資されている方は、発行団体の財政状況をご覧になったことがあるのではないでしょうか? 近年、地方自治体の財政健全化を目的として総務省が公会計制度の改革を進めており、各自治体が対応を迫られている状況があります。
 7月31日放送の「アサザイ 今日の1社」では、自治体の財務会計システムで高いシェアを有する、ジャパンシステム(9758・JASDAQスタンダード)をご紹介しました!今回は代表取締役社長の阪口正坦さまにお越しいただきまして、井上哲男がインタビューをさせていただきました。

 恒例の取材後記が井上哲男から届いていますので、どうぞお読みくださいっ!

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取材後記

ジャパンシステム(9758)(東証ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の阪口正坦さま。

 

「身の丈(たけ)を知り、『勝つ』」

 

▼証券コードから見える歴史
 設立は1969年、44年の歴史を持つ。「ジャパンシステム」という社名をまずは考えて欲しい。ありきたりの社名のように一瞬映るかもしれないが、とんでもない。この名前をつけることが出来たということは、どのくらい歴史のある会社かということである。システムの会社を作るとしたら、誰もがつけたい社名だ。

 上場は1988年、今年上場25周年を迎える。次は証券コードを見て欲しい。9758と9000番台の後半は当時「サービス」のコードで、IT系のサービス会社が入れられ、その後、番号が埋まった後に上場したIT関連は3600番台以降に入れられていった。皆がコードを知っているソフトバンクのコードは9984、ちょうどその時期である。

 10年前の2002年末というと、ITバブルが弾けた後であったが、実はこの時に「情報通信業」は19社しかなかった。多くのIT関連企業は同社と同じく「サービス業」に属しており、それさえも嫌ったソフトバンクは「卸売業」にいた。その後、東証の指導もあり、IT関連セグメントの大きい企業は「情報通信業」に業種替えを行い今に至るのであるが、コードと業種で、ある程度その会社の上場時期を推測するのは実は私の密かな楽しみである。

 

▼収益率を高め、売上を伸ばす
 ジャパンシステム。このような歴史のある会社であるが、冒頭社長は、その44年の歴史を打ち破り、脱皮、脱却する意識を強く述べた。リーマンショック後の厳しい時期に社長に就任し、3本柱である「ソリューション事業」、「システム開発事業」、「公共・自治体システム事業」をそれまでの偏りのある比率から、何れも33%と均衡が取れるよう方向性を示したという。また、拘ったのは「3つの『P』」、ピープル(人財)、プロセス(過程)、そしてプロフィット(利益)。特に最後のプロフィット(利益)を意識したことが奏功し、11年12月期には最終利益で最高益を記録。今期の利益率の見込みも、営業利益率7.65%、経常利益率7.65%、最終利益率7.04%とソフトウェア業界では高い水準となっている。

 因みに、営業利益率、経常利益率が同レベルであったのは、利益項目がすべてそれまでの最高を更新した07年3月期であるが、この際の売上高は113億円。今期については81億円でこれをクリアする見込みである。そして、この07年3月期の最終利益率が3.65%であるのに対して、今期は前述のように7.04%。

 この高い利益率をもって、現在「リーチ フォー 150」を掲げている。これは売上高を現在のほぼ倍である150億円まで拡大し、ITサービス会社として150位内を目指すというものである。収益率の改善、そして、売上高の向上という手順がきちんと踏まれている。

▼"身の丈(たけ)"を知る経営

 この会社に感じることは"身の丈(たけ)"を充分に理解して社業を進めているということである。自治体向けのシステム事業も全国の人口50万人以下の800自治体をターゲットとしており、そのニーズに合わせた、コンサルティングまでもカバーしたシステムの導入に成功しており、納入自治体数は250まで拡大しているが、ソフトウェア業界において最大手グループの一角を除いて成功している会社は、それぞれ、攻めるセグメント、販売先を独自に定めてその"身の丈(たけ)"で勝負してきた会社が多い。

 技術畑をずっと歩んできた社長であるが、経営のバランス感覚の取り方がとてもうまい印象を持った。また、この社長が150億円という数字を挙げるからには、次の策がきちんと頭に描かれているのでないかとも思う。それは先日発表したクラウドなのかどうかは分からないが、今期、来期と同社のニュースと四半期決算を、期待を込めてきちんと追っていこうと思う。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?

 冒頭に出てきた証券コードの話は、投資家の皆様にはたいへん身近なものではないでしょうか。末尾2ケタが「01」である業界の代表的企業を「01(ゼロイチ)銘柄」と呼ぶなど、証券コードから見えてくることがいろいろありますね♪

 情報・通信セクターで44年ですから、ジャパンシステムはたいへん歴史ある会社です。変化の大きい業界で歴史を積み重ねてきたということは、「古い」のではなく、「長い間、新しくありつづけた」ということではないでしょうか?
 この歴史をさらに打ち破っていくという、同社の今後に注目したいと思います!

(関連リンク集)
■ジャパンシステム IR情報
■ジャパンシステム 2012年12月期 業績説明資料
 ※末尾で中期経営計画「リーチ フォー 150」について説明されています。 

代表取締役社長 阪口正坦さまと。
代表取締役社長 阪口正坦さまと。
7月24日放送「今日の1社」DVx(ディーブイエックス)(3079)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2013.07/24 今日の1社担当 記事URL
 「アサザイ」を拡張してから、はや4社目の企業になります。7月24日放送の「今日の1社」では、医療関連の企業に登場いたくことになりました。今回お越しいただいたのは、「不整脈」「虚血性疾患」に関する医療機器の販売および輸入を行う、DVx(ディーブイエックス)(3079・JASDAQスタンダード) 代表取締役社長の若林誠さまです!

 非常に専門的な事業を展開している同社の事業内容について、わかりやすくご説明いただきました。
 今回も井上哲男から熱い取材後記が届いていますので、どうぞお読みください! 同社の事業の存在意義についてお、あらためて整理されていますので必読です♪

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取材後記

DVx(ディーブイエックス)(3079)(東証ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の若林 誠さま。

 

「架け橋」


▼DVxが貢献するフィールド 

 収録を終えてDVxの方々をお見送りした際、エレベーターが閉まったあとに、数名が同じ言葉を発した。「良かったですね」と。その"良かった"に込められた気持ちは一緒だったと思う。「この企業を『アサザイ』で紹介することができて"良かった"」というものだ。

 

 DVx。設立は1986年。2007年に上場して丸6年が経つ。事業の2本柱は「不整脈に関する事業」と「虚血性疾患」に関する医療機器の販売及び輸入(代理店)である。

 不整脈とカテーテルアブレーション施術について、収録前に社長は時間を割いて熱心に説明してくれた。心臓が拍動するのは、心臓に「刺激伝導系」と呼ばれる電線のような仕組みが備わっているからであり、正常な人は右心房にある洞結節から一定の間隔で正常に電気信号が発生される。そして、この刺激伝導系が筋肉である心臓の収縮を行うよう指示しているのであるが、この刺激伝導系が正常に機能しない場合、心拍数が多くなる頻脈や逆に少ない徐脈(じょみゃく)となる。この両方が不整脈である。

 そして、頻脈性不整脈が発生する理由は、本来は一つしかない刺激伝導系に第2の刺激伝導系が生まれ、電気回路がループする状態となってしまうリエントリー(副伝導路)と、洞結節以外でも電気信号が発生してしまう異常自動能という状態に大別され、これらに対してカテーテルアブレーション施術が有効、特に、血液を送り出すために厚い壁を持つ心室ではなく、その上部で薄い壁しか持たない心房の施術に有効ということである。

 足の付け根の太い血管から入れられたカテーテルは、心臓に達すると、その先に電極がついていて電気を感知することにより、どの部分が副伝導路なのか異常自動能なのかを探し出し、そしてその部分を焼き切る。しかし、電極だけでなく温度センサーもついており高温になり過ぎないよう、また、除去すべき細胞部分だけを焼却できる。このようにして、アブレーション(ablation)=「取り除く、切除する」の行程が終了する。以前は開胸手術によって行われており、社長も実際にその現場に立ち会ったことがあり、なんとかならないかと感じたという。米国でカテーテル施術が初めて行われたのは、調べてみたところ1982年のこと。設立後、早い時期からカテーテルに関する高い専門知識の習得と普及に努めた同社の医療界に対する貢献度は高い。

 

 この不整脈の潜在患者数は100万人いるが、カテーテルアブレーション施術件数は年間4~5万件しかなく、他の患者は血栓ができないよう薬を飲み続けているという。カテーテルアブレーション施術に長けている医者は全国に100人強程度しかいないのである。医者の勤務実態の過酷さがこの数字からも分かるが、同社はこれをフルサポートするために、全国に15の営業所と4つの出張所を構えている。医者の人数を考えるとこの数は一見、多い印象を受けるかもしれないが、社長はホームページの挨拶の中で、2004年に社名をDVxに変更した理由、2007年に上場した理由として、首都圏の代理店でなく、地域的にも機能的にも広く活動領域を広げて、大きく世の中に貢献できる「架け橋」となるという「大志」を実現するためと述べている。そのために必要な営業所、事業所の数がこれなのである。

 

▼「ただ地道に、少しずつ」
 定量面での分析を書く。直近3期のROE平均は17.8%で3600社程度ある全上場企業中、214位。ROAは416位、ROE×配当性向のDOEは313位と非常に高い順位である。また、7期連続の増配を今期目指している。この素晴らしい数字を述べると、社長は「ただ地道に、少しずつ成長しているだけです」とはにかんだ笑みを浮かべた。

 

 番組の収録の合間に社員のことを尋ねると、俄然、雄弁になった。「ウチの社員は凄いですよ。実際に手術に立ち会って、どんな状況にも対応できるようにしています。実際に人が助かるという体験をしているから、もっと、もっと勉強して役に立ちたいという意欲があり、それが専門知識の習得に結びついている。社内で意見をぶつけ合うのは当然のこと。それは全て、人を助けるという共通の目標のためなのですから」

 その社長が最後のリスナーに向けての一言で語ったのは、既存の株主に対してでも、投資家に対してのメッセージでもなく「子供達が将来の夢を語る際に、『お医者さんになりたい』という子供がもっと増える社会にしたい」ということであった。

 
▼人の幸せをつなぐ、架け橋

 「アサザイ」を一年以上続けてきて、一つ、衒(てら)いも無く言えるようになったことがある。それは、「なぜ企業は存在するのか」という問いに対する答えである。シンプルではあるがそれは絶対に「人の幸せのため」である。

 社長の「ただ地道に、少しずつ成長している」という言葉が気になって調べてみた。すると凄いことが判明した。同社は有価証券報告書を開示した2002年3月期から、この3月期までの11期間、一度も、営業利益、経常利益、最終利益が赤字になっておらず、しかも、売上高、営業利益、経常利益、最終利益の全てが前期比でマイナスになっていないのである。増収、増益(利益3項目全て)ということである。私も全上場企業について、一つ一つの項目を"地道に"アブレートしてみた。かなり時間はかかったが、カテーテルアブレーションの大変さに比べればなんてことはない。

 結果を書く。この条件をクリアしたのは5社。敬意を表して全社を挙げる。DVx(3079)、ヤフー(4689)、エーアイテイ-(9381)、ニトリ(9843)、サンドラッグ(9989)。

 改めて言う。「この企業を『アサザイ』で紹介することができて、本当に良かった。」(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 DVxは経営理念に「生命と生活の質(QOL)を守る」を掲げています。シンプルな言葉ですが、実際に若林社長の説明を放送を聴き、取材後記でも振り返ってみると、その理念がより胸に入ってくるように感じます。

 医療に大きな貢献をしつつ、着実に成長もされている同社の今後に注目したいと思います♪

(関連リンク集)
DVx IR情報
DVx 2013年3月期決算説明会資料
 ※連続増収・増益についても冒頭で説明されています。
DVx なんだろなBOX
 ※不整脈など循環器系の疾患について、わかりやすく説明されています。

代表取締役社長 若林誠さまと。
代表取締役社長 若林誠さまと。

7月17日放送「今日の1社」ユーグレナ(2931)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2013.07/17 今日の1社担当 記事URL
 現在、地球は環境・エネルギー・食糧などさまざまな問題に直面しています。今後の人類社会を持続性のあるものにしていくためには、たいへんな努力が必要である...というのは、多くのマスメディアで報道されていますので、あえてここでご説明するまでもないでしょう。
 現実を知っていくごとになんとなく視線が下を向いてしまいますが、そんな中!上を向いて「世界を救う」ビジョンを持って事業を展開されている企業があります。ミドリムシ∞カンパニー、ユーグレナ(2931・マザーズ)です!2012年に新規上場した、たいへん注目を集めている企業です。

 今回は代表取締役社長の出雲充さまにお越しいただきまして、井上哲男がインタビューを行いました。またまた熱い取材後記が届きましたので、どうぞお読みください♪

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取材後記

ユーグレナ(2931)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の出雲 充さま。

 

「空も飛べるはず」

 
▼"ミドリムシ"が引き寄せる未来

 今年の1月にJASDAQ唯一の外国部上場銘柄であるメディシノバ(4875)さんにお越し頂いた際の取材後記で、バイオ・ベンチャーに投資する前に読んで欲しい本を2冊紹介した。一冊は「サイエンス・ビジネスの挑戦~バイオ産業の失敗の本質を検証する」(日経BP社)という米国の創薬ベンチャー・ビジネスのこれまでを書いたもので、もう一冊は今回お話し頂いた出雲充社長の「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」(ダイヤモンド社)であった。その際に私は同著を"快作"と紹介した。そして、今思う。やはり"快作"だと。

 

 まずは定量面について述べる。"優秀な2012年組"の名に相応しく(勝手に私が名づけたのであるが)、ROEの直近3期平均順位は弊社試算で全上場企業(3600社ほど)中、既に52位、ROAの平均は29位と立派な数字である。上場前から収益性、投資効率性では非常に高い水準にいたことがこの数字から分かる。

 

 ミドリムシを英語でユーグレナと言うと、数年前まで私も含む日本人の大半は知らなかったと思うが、今はかなりの人が知っている。このことからして、この会社は社会現象を起こしたのだと思う。それは、明るい未来へ向けた、"現実的なおとぎばなし"が確かに始まっているのだと皆が感じる社会現象である。

 生物で学んだミドリムシ。光合成をする植物とべん毛を使って動くという動物の両性を持ち合わせた微生物であるということは知っていたが、まさか、ちょうどこの時期に水田に浮いていたあのミドリムシに世界の未来を明るくするチカラがあったとは。やはり研究者の熱意には頭が下がる。

 
▼食料・燃料としてのミドリムシ

 世界の未来を明るくする第一弾が「食料」としてのミドリムシ。ミドリムシには59種類もの栄養素が含まれている。それは通常、野菜・魚・肉を食べることによって得られる栄養素である。「飢餓」と「栄養失調」は違う。「飢餓」はお腹一杯に食べることが困難なことであろうが、「栄養失調」にさえならなければ人間は死なない。そして、世界では多くの子供が栄養失調で苦しんでいる。例を挙げると、アジアだけで2億5000万人もの子供にベータカロチンが不足しており、世界単位で考えると、必要な栄養素を摂るためには、動物、植物の両方が10億人分ずつ足りないという。腐敗してしまう生の食料を輸送するのは困難であり、例え缶詰のように加工してもやはり輸送にはかさばる。その代わりに、輸送の楽な(ミドリムシと野菜の粉末である)緑汁を送ることができたら、子供の栄養失調という問題に確実に明るい光が射す。

 

 同社が研究開発を行っている、「5つのF」(Food:食料、Fiber:繊維、Feed:飼料、Fertilizer:肥料、Fuel:燃料)の話、またバイオマス燃料に関して、個人投資家向けの放送では分かりにくいといけないので遠慮しましょうかという申し出でがあったが、「これこそがユーグレナのユーグレナたる部分であり、絶対に放送したい」と私が主張したので、ここで責任を持って伝える。

 ユーグレナは現在、上記の5Fの研究・開発を多くの大学や企業とともに行っている。この日本の選りすぐった知能を集めたオープン・イノベーションが何よりのチカラであり、現在のところ最終的な目標は最後の「F」、つまり(ジェット)燃料である。

 
▼夢ではない、「マイナス・カーボン燃料」

 トウモロコシやサトウキビから燃料を抽出することが話題となって既に7~8年の月日が経つ。バイオマス燃料の根本にあるカーボン・ニュートラル(植物は成長過程で(日中に光合成を行うことによって)二酸化炭素を取り込んで酸素を出しているのであるから、これから作られた燃料が燃焼する際に二酸化炭素が排出されても、全体で考えれば二酸化炭素の量はニュートラルである)という考えが揺らいでいる。

 アマゾンなどで無許可で木々が伐採されてこれらの原料である植物が生産されていることが随分と前から問題になっているが、生育に時間がかかる植物から燃料を作ることの効率性、実際に収穫する際には植物はほぼ緑の部分が無くなっていることなどから、見込んでいたほどカーボン・ニュートラルではないのではないかという疑問など色々と問題が提議されている。

 

 ミドリムシの場合は、培養が早く、精製される寸前まで光合成を行って二酸化炭素を取り込んで分解しているという点でも効率性に優れている。ユーグレナがミドリムシの増殖速度を高めること、油脂含有量を高めることに成功すれば、革命的な燃料が出来るのである。カーボン・ニュートラルどころか、マイナス・カーボン燃料も全然夢ではない。同社についてのアナリスト・レポートで「5Fは順に収益率が低くなるので、Fuelの開発まで辿り着けなくても収益としては問題が無い」という内容を読んだ。全くもって幻滅した。「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」を読んでいないのかしらとさえ思った。

 
▼ミドリムシが、空を翔ける日

 私は出雲社長に大変失礼なことを言った。「社長、ご自身が書いた本の題名を裏切らないで下さいね」と。私が確かめたかったのは、ジェット燃料開発のための出雲社長の熱意であったのだ。

 それに対しての出雲社長の言葉は「ジェット燃料が出来て、初めて飛行する際に一緒に搭乗してくれますか?」であった。耳管の働きが悪く、国内であればどんなに遠くとも電車で行くほど飛行機が苦手な私であるが、頷くのに躊躇は無かった。

 今週号の週刊現代(講談社)の特集で「2020年、生き残る会社」というアンケートが行われている。私はその筆頭に期待を込めてユーグレナを挙げた。2020年。それはユーグレナがジェット燃料の実用化として掲げている時である。植物であり動物であるミドリムシ。ユーグレナはそれが空も飛べることを証明してくれると信じている。
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 「ミドリムシが世界を救う」という夢に、期待を寄せたくなってきましたね~。

(ユーグレナ オフィス受付のミドリムシ)

ユーグレナの受付
ユーグレナ受付のミドリムシ


ユーグレナのオフィス受付では、ご覧の通りフラスコの中のミドリムシがお客様を迎えてくれます。
ミドリムシは本当に小さい存在ですが、これが世界を救うかもしれないと思うと、顔を近づけてじっと眺めてしまいます。

またまた井上哲男の応援企業が増えましたね♪

なお、別途告知の通り、今回はユーグレナからリスナープレゼントに「緑汁」を5名様分いただきましたので、ふるってご応募ください! 以下にリンクを再掲しておきます。
緑汁のご紹介
プレゼント申込フォーム

(関連リンク集)
■ユーグレナ IR情報
■ユーグレナ 2013年個人投資家説明会(動画、資料)
■ユーグレナ・ファーム
 ※石垣産ミドリムシの公式通販。自由ヶ丘では人気店9店舗とのコラボレーション商品も販売しています。


代表取締役社長 出雲充さまと。緑色のネクタイが素敵です。手前はリスナープレゼントの「緑汁」。

代表取締役社長 出雲充さまと。緑のネクタイが素敵です。 



7月10日放送「今日の1社」名古屋銀行(8522)の取材後記につきまして [「今日の1社」取材後記]
2013.07/10 今日の1社担当 記事URL
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 毎回「取材後記」をお読み下さいまして誠に有難うございます。

 今回、放送させて頂きました名古屋銀行様(東証/名証一部、8522)につきましては、金融機関でいらっしゃることから、「取材後記」の掲載を自粛させて頂きます。弊社も含め、金融機関は金商法、布令、ガイドライン、金融諸協会の諸規則等によるコンプライアンス事項の遵守が求められております。

 「取材後記」は私が取材を通して感じたことを、あくまでも私の主観として書いているもので、投資の勧誘を目的としたものではありません。また、私が書いたものをそのまま配信し、企業活動と齟齬があった場合のみ、その部分を訂正するという形で、企業様に事前に了解や校正を求めたこともありません。

 しかし、金融機関である企業様に対して、「取材後記」が、前述の法令等における「広告に関する規定」から導かれる「ソーシャルメディアにおける第三者による記載」に該当しているのではないかと当局等が判断し、企業様にご迷惑がかかってはいけないとの配慮から、金融機関である企業様については「取材後記」の掲載を自粛するものであります。

 これまでにご出演頂きました、マネーパートナーズ様、FPG様、東海東京フィナンシャル・ホールディングス様につきましても同じ判断から掲載を自粛して参りました。  井上哲男
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代表取締役頭取 中村昌弘さまと。
代表取締役社長 中村昌弘さまと。

7月3日放送「今日の1社」アールシーコア(7837)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2013.07/03 今日の1社担当 記事URL
 番組開始1周年となる7月3日放送分より、「アサザイ」は番組を5分拡張してお届けすることになりました。皆様、放送はお聴きいただけましたでしょうか? 今回の「今日の1社」では、アールシーコア(7837・JASDAQスタンダード) 常務取締役の谷秋子さまにお越しいただきました!
 同社は、自然派のログハウス「BESS」を中核事業とする、個性ある住宅メーカーです。「住む」より「楽しむ」ことをテーマに、全国の住宅展示場においてライフスタイル提案型の展開をされています♪
 
 昨年7月にも「今日の1社」に出演いただきまして、井上哲男も注目していた成長企業です。今回も井上哲男より渾身の取材後記が届きましたので、ぜひお読みくださいっ!

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取材後記

アールシーコア(7837)(ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は常務取締役の谷 秋子さま。

 

「"魔法の杖"を振らせない家」

 

▼"魔法の杖"があったとしても
 "魔法使い"がいたとする。

「この家も建ってから15年が経ちました。魔法の杖を振って新築の状態に戻してあげましょう」

 多くの人は大喜びするだろう。でも、アールシーコアの「BESSの家」の住民はきっと違う。

「なんてことを言うのですか、せっかくここまでしたのに」そう答えるに違いない。

 同業社の売る家とアールシーコアのBESSの家の違いを表すとしたら、この例え話だけで充分だと思う。

 
 その時はピンと来なくとも、随分と時間が経ってから理解できる言葉というものがある。

 私の好きなエッセイスト(本業は建築家)に宮脇檀(みやわき まゆみ)(男性)という人がいた。住宅が好きで、お金になる工業建築よりも家族と何度も面談を重ねる住宅を仕事として選ぶ人であった。曰く、「雑誌に出てくるような綺麗な家を作ったら、子供も夫もそれぞれの部屋に引きこもり、家族のふれあいや会話がなくなってしまったという実例がごまんとある。何のために家をつくるのかという基本的な思考が落ちていたからとしか言いようがない」死後に知ったのであるが、氏は男手一つでお嬢さんを育て上げたのだという。

 この言葉を受けて、同じく建築家の長谷川逸子女史が「とにかく光や風や自然がきちんと捉えられていて、内部は"積極的ながらんどう"がいい」と述べていた。

 高校生の頃は分からなかったこれらの言葉の意味が、歳を重ねて家族を持ち、アールシーコアを知って、きちんと自分の中での居場所を見つけたような気がする。

 
▼「暮らし」の場としての家

 "家を見に行くための場所"である通常の総合住宅展示場にBESSの家は無い。BESSの家は直営の、またはFCの展示場に何軒かまとめて建っており、さながら小さな街のようである。そして、その展示場はただ家を見に行く場所ではなく、「暮らしを体感する展示場」となっている。つまり、もしこの家に住んだらどのような暮らしになるかを体感して、子供たちが大きくなったらどうなるのかを想像しに行く場所なのである。

 

 他の絵を掛けたら釘の跡が目立ってしまうからという理由で、もう気に入らなくなった絵をずっと掛けている人がいる。BESSの家の住民の対極にいる人達である。

 木がふんだんに使われているBESSの家の室内は釘の打ち放題である。釘跡も風情。アールシーコアは言いたいのだ。「家は"心豊かな生活"をするための道具でしかない。家に気を遣ってどうするのか」と。

 そう、BESSの家は生活をするためのもの。別荘用と勘違いしている人がいるが、94%が自宅として使用されている。そして、この、エアコンが自分でフォルターの掃除をしてくれる時代に、BESSの家の5割以上では、メンテナンスも蒔割りも必要な蒔ストーブがオプションとして購入されている。そのBESSの家を購入する年代で一番多いのが30代のファミリー層。若い世代に、家族と心豊かな生活を送るために家を選ぶという感性があることを、嬉しく、そして頼もしく思う。

 
▼時が磨く、木造建築

 富士山の世界遺産登録に日本中が沸いているが、93年12月に初めて日本で世界遺産に登録された4ヶ所のうちの一つが法隆寺地域の仏像建造物。

 清家清(建築家。以前、乃村工藝社の取材後記に書いた旧本社ビルも同氏の作品。因みに息子は現慶応義塾長の清家篤氏)が法隆寺の管長から聞いた話を講演会でしているのを聴いたことがある。それによると、なぜ法隆寺が世界最古の木造建築でいられたかというと、それは貧乏寺で建て替える費用が無かったことと、愛情を持って修理修繕をどの寺よりもこまめにしたからだそうだ。世界遺産は、そのメンテナンスの努力に対するご褒美であった。

 BESSの家は「木」である。無論、定期的なメンテナンスが必要なことは言うまでもない。きちんとメンテナンスをした外壁、時間の経過とともに風合いが変わってきた内壁や床や階段の手摺り。それは、生活をした「証」である。それを魔法の杖の一振りで戻されてはたまったものではないのだ。

 

 同じ木造住宅であるのに、英国の平均使用年数が70年以上、米国でも60年以上なのに対して、日本は30年台であると聞いたことがある。法隆寺のある国としてはいささか悲しい数字だ。

また、壁紙の出荷用途も欧州では8割から9割が修繕用であるのに、日本では修繕用は1割にも満たなく、残りは新築用だという。これらは、中古住宅の査定の仕方も一因だ。米国では、不動産屋は中古住宅の鑑定数社に依頼して価格を出させるのであるが、そのチェック項目には、庭の手入れや外壁のメンテナンスなど街並みの景観を損なわない努力をしているか、美しくその住宅は年月を経ているか、などのポイントがあるという。

 "美しく経年できる"のは「木」の家だけである。「経年劣化」という、よく耳にする言葉ではなく、アールシーコアが語る「経年美化」という考えがそこにはある。

 
▼「住む」より「楽しむ」価値観

 街で、豪奢な家、とてもデザインが際立った家を見ると、「どんな人が住んでいるのだろう」と思うであろう。しかし、BESSの家を見た場合はそうではなく、「この中でどんな暮らしをしているのだろうか」と思うかもしれない。

 東京の代官山に続いて今年1月にオープンした神奈川県藤沢市の直営展示場である「BESS藤沢展示場」のコンセプトは"楽縁集落"であるが、私が想像するに、BESSの家の住民は、よそでBESSの家を見かけて庭に住民がいたら、声を掛けたくなるのではないかと思う。「うちもBESSの家なんです」と声を掛けたら、それだけで趣味の話へと広がっていくのではないかと。

 展示場だけではない。離れていてもBESSの家は同じ価値観を持つ人間が住んでいる"楽縁集落"なのだ。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 放送中、インタビューに加えて井上哲男からは定量分析に基づくさまざまなアールシーコアの「強み」が紹介されました。取材後記でお届けしたのは、それに加えてアールシーコアの定性的な部分、企業の根幹をなす「価値観」ですね。

 「今日の1社」担当のわたくし個人も、「BESS」の展示場に行きたくなってきました♪

 さて、放送中にもあったとおり、アールシーコアでは希望される方に株主向け冊子「アールシーコア通信」をお届けしています。6月に完成したばかりの最新号はたいへん充実したわかりやすい内容になっていますので、ご関心をお持ちのかたは以下からお気軽にお申し込みください!

■アールシーコア お問い合わせページ
お問い合わせ内容に「アサザイリスナー向け 株主通信郵送希望」とご記入ください。

 また6月10日付で、金融情報配信会社・フィスコよりアールシーコアの企業調査レポートも発行されています。こちらも同社に対してかなり詳細な分析を行っていますので、関連リンク集からどうぞご参照くださいませ。

 さらに今回はアールシーコアよりリスナープレゼントもいただいています。
 プレゼント応募については別途告知いたしますので、お待ちくださいね♪

(関連リンク集)
■アールシーコア IR情報
■アールシーコア 第28期アールシーコア通信(株主通信)(PDF)
■フィスコ 企業調査レポート アールシーコア(2013年6月10日)
■「アサザイ 今日の1社」 前回のアールシーコア取材後記

(常務取締役 谷秋子さまと。手元にはリスナープレゼントのデッキタオルと「アールシーコア通信」。)
常務取締役 谷秋子さまと。手元にはリスナープレゼントのデッキタオルと「アールシーコア通信」。

6月26日放送「今日の1社」ラクーン(3031)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2013.06/26 今日の1社担当 記事URL
 「多様化」というのが、現代日本にあってさまざまな分野共通のキー・ワードであることは間違いありません。価値観やライフスタイルが多様化し、対応するサービスやモノが多様化し、それを消費者に届ける小売店が多様化し...ということで、「Aという消費者にBという商品をCというお店で売れば間違いない」時代は終わりを告げているといえるでしょう。
 
 6月26日放送の「アサザイ 今日の1社」では、そんな流通の最前線を支えるラクーン(3031・東証マザーズ) 取締役財務担当副社長の今野智さまにお越しいただきました!
 ラクーンが取り扱うのは、アパレルや雑貨。きわめて嗜好性の強い商品であり、消費者ニーズが多様化する中、いかにメーカーと小売店を最適かつ効率的ににつないでいくか、同社はたいへん重要な役割を担っているといえます。

 今回も井上哲男が取材後記をまとめましたので、どうぞお読みください♪

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取材後記

ラクーン(3031)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は取締役財務担当副社長の今野 智さま。

 

「卸売業ゆえのB2Bへの拘り」

 

▼「流通」「決済」「保証」で支える「流通の効率化」
 「流通の効率化」を実現すること。具体的にはメーカーと小売店を結ぶEコマース事業が主業である。日本全国、津々浦々にある小売店とメーカーはそれぞれ、「こんな商品を置きたい」または「こんなお店にうちの商品を置いて欲しい」という願いがある。そのニーズをインターネットを通じて結びつけるビジネスモデルであり、これを同社は「スーパーデリバリー」と呼んでいる。また決済に関する「Paid」という事業もEコマース事業として行っている。

 

 もう一つの柱が「売掛債権保証事業」。商取引における安心を与える事業で、大手保険会社が再保険のように同社をバックアップしている。同事業における保証残高は11年末に15億円程度であったが、この4月時点では36億円程度にまで順調に拡大している。この金額を100億円まで伸ばしたいと考えており、そのための人材の育成、確保に努めている。

 

 このEコマースと売掛債権保証事業の両事業の伸びにより、今期は初の売上高100億円を目指す一方で、5期連続の増加で前期に過去最高(176百万円)となった経常利益の見込みも210百万円に引き上げているが、両者から算出される売上高経常利益率を引き上げることが当面の課題であろう。

 「スーパーデリバリー」の効率化と「売掛債権保証事業」の拡大、そして現在計画中という企業間取引(B2B)というフィールドに拘った新規事業が軌道に乗れば、(無論今期ではないにせよ)いずれかのタイミングでこの数値が大きく上昇することが期待される。同社株が指数に対して安定的にアウトパフォームするカタルシスは、そこであろう。

 
▼ビジネスの根幹、「卸売業」

 前述のように同社は現在のところEコマースがセグメントの柱ではあるが、決して「情報通信業」の会社ではない。東証の業種分類も「卸売業」であり、産業分類上も「その他の卸売業」になっている。これは、実際に衣料や雑貨の卸売業から出発し、その流通の問題点を解決するためのサービスを事業として行うにあたり、インターネットを利用しているということである。

 私は思う。やはりインターネットは道具でしかない。大切なのは、それを使って行うビジネスの根幹にニーズがあるかどうかであると。

 

 副社長と話をしていて、風通しの良い社風が端々から窺えた。ホームページにはなんと「これから宴会」というような写真まで載っている。応援したい気持ちにさせるこの若々しい会社がこれからどのように事業を拡大させ、また新規事業を深耕するか、ずっと見守っていきたいと思う。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 ラクーンのホームページにアクセスすると、本日現在、今回出演いただいた今野さまも含め、役員のみなさま・職員のみなさまの笑顔がパッと飛び込んでくるのが印象的です。取材後記でも触れられている通り、若々しさと風通しの良さが感じられますね~。

 今後の伸びしろにもぜひ期待したいと思います♪

(関連リンク集)
■ラクーン IR情報
■ラクーン 2013年4月期決算説明資料

取締役財務担当副社長の 今野智さまと。
取締役財務担当副社長の今野智さまと。

6月19日放送「今日の1社」カービュー(2155)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2013.06/19 今日の1社担当 記事URL
 現代日本にあって、車に乗ったことがない、という方はいらっしゃらないと思います。日本の上場企業の売上高1位はトヨタ自動車で、日本人にとって車は主要な産業でもあり、生活に密着した存在でもあります。
 今回の「アサザイ 今日の1社」にご出演いただいたのは、そんな日本人のカーライフを情報サイト「carview!」等で支えるカービュー(2155・東証マザーズ) 代表取締役社長の兵頭裕様ですっ!

 同社がヤフーの連結子会社になるのに伴って新社長に就任された兵頭様。放送中では同社の事業ビジョンについて、井上哲男のインタビューに応えてお話いただきました。今回も井上哲男の視点が光る取材後記が届きましたので、どうぞお読みください♪

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取材後記

カービュー(2155)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の兵頭 裕さま。

 

「クルマ × ネット =カービュー」

 
▼新生「carview!」誕生

 昨年12月初旬にカービューの筆頭株主であったソフトバンクの保有株式をヤフーが取得することによって、同社がヤフーの連結子会社となるというニュースは市場に大きな驚きを与えた。

 同社の「carview.co.jp」と「Yahoo!自動車」という自動車関連の2大サイトが統合され、この6/6に「carview!」がスタートした。兵頭新体制になって4ヶ月。具体的な形で連携がスタートしたことになる。自動車総合ウェブサイトといえば真っ先に名前が浮かぶのは、このサイト以外無くなったということだ。

 
▼4事業の展望

 同社のセグメントは「国内事業」、「広告事業」、「SNS事業」、「海外事業」の4事業であるが、収益上の主業は「国内事業」のなかの中古車関連事業である。

 この3月に終わった前期が減収・減益となった理由は、この中古車関連事業の不振。社長に理由を訊ねたところ、「顧客である中古車関連事業者の広告宣伝費に関する意識が変化したことと、競争激化などビジネスモデルを巡る環境が変化しつつある」と冷静に分析した答えが返ってきた。「エコカー減税で消費者の眼が中古車ではなく、新車に向かった」という言葉が返ってくるかと思ったが、そのような言い訳は一切なかった。

 この事業の立ち直りが同社のこれからの鍵であるが、その為には自社サイトへの訪問者を増やすことが重要となる。その点で、これまでも高いコンテンツ能力を誇ってきたカービューと同じく集客力については圧倒的な力のあるヤフーの提携がマイナスに働く訳はない。

 

 また、残りの3事業については前期も堅調に推移している。

「海外事業」においては特に日本の中古車を輸入するニーズの高い業者の多い、東アフリカのケニアに海外子会社を設立した。無論、日本の中古車業者の海外輸出意欲は高い。代金の出納代行サービスなど、他社に先駆していることはこれらの業者に対して大きな安心感を与えている。

 「広告事業」はウェブサイトにおける広告媒体事業であるが、前述のように訪問者数の増加が望める以上、こちらについてもシナジー効果が見込める。

 そして「SNS事業」であるが、5/7に出されたプレスリリースによると、「みんカラ(みんなのカーライフ)」の登録ユーザー数は60万人を超えたという。

 因みに09年6月時点で18万人、11年6月時点で39万人であったことから、この2年間で1.5倍に増加した計算になる。インタビューの際にこの事業に売上げを立てる、つまり、「マネタイズ」も将来戦略の一つとして社長は掲げたが、意外とそのハードルは高くないかもしれない。また、もともと、ヤフーの得意な分野だ。

 
▼提携シナジーで、再度チャレンジ

 最後にカービューの利益率についての分析を書く。

 13年3月期の売上高営業利益率、経常利益率、最終利益率は4.5%、4.9%、2.2%であったが、不思議なことに、この数字は、12年4月~13年3月に決算を行った金融を除く29業種全企業の4.6%、4.7%、2.2%とほぼ一致する。つまり全社の平均点である。

 

 しかし、それまでの3期の同社の平均はそれぞれ、12.6%、12.9%、6.80%となっており、29業種の3期平均である、4.57%、4.39%、1.87%を大きく上回ってきた。この数字に向かってカービューは再度チャレンジすることになる。

 まずは、日本最大のクルマ情報サイトは立ち上がった。

 これからは"クルマのネット"といえば"カービュー"と誰もが認知するまでの時間をどれだけ短縮できるかが勝負である。シナジー効果が見え始めるのは今期の後半の予定。そこで明るさが見えれば、来期以降の数字も自ずと強いものが期待できる。(了)
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 今回の取材後記は、以上です。いかがでしたか?

 ウェブの世界では、グローバルではGoogleが強いですが、日本ではYahoo! JAPANが利用者の高い支持を受けています。シンプルにトラフィックの流入という点だけでもカービューにとっての好影響はたいへん大きなものがありますし、取材後記にもあるように、事業の収益力を高めていく経営面においても、ヤフーとのシナジーが期待されます。
 今後の兵頭社長の舵取りに、ますます注目ですね♪

 丁度6月17日に同社のIRサイトに「Business Report」(事業報告書)最新版がアップされています。兵頭社長インタビューも掲載されていますので、下記リンク集からどうぞご参照くださいね。

 また次回の「今日の1社」も、お楽しみに!

(関連リンク集)
■カービュー 株主・投資家情報
■カービュー Business Report VOL.6(事業報告書)(PDF)
■クルマ総合情報サイト「carview!」
■クルマ関連SNS「みんカラ」

代表取締役社長 兵頭裕さまと。
代表取締役社長 兵頭裕さまと。

6月12日放送「今日の1社」ブックオフコーポレーション(3313)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2013.06/12 今日の1社担当 記事URL
 ようやく梅雨らしい空模様になりました本日6月12日の「アサザイ 今日の1社」は、ブックオフコーポレーション(3313・東証一部)をご紹介いたしました! 今回は代表取締役社長 松下展千様にお越しいただきまして、井上哲男がインタビューさせていただきました。
 私も「BOOK OFF」の店舗にたまに行くのですが、放送中で紹介のあった同社のプライベートブランドの「新品絵本」や105円の「学習ドリル」など、まだまだ知らない一面があることがわかりました♪ お聴き逃しの方は、オンデマンドも是非チェックしてみてくださいね~。

 さて、今回も井上哲男が同社の本質に迫る取材後記をまとめましたので、どうぞお読みください!

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取材後記

ブックオフコーポレーション(3313)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の松下展千さま。

 

「MOTTAINAIの本質」

 
▼「捨てない人」のために

 「もったいない」を世界に広めたのはケニア出身でアフリカ女性初のノーベル賞受賞者となったワンガリ・マータイである。2005年に京都議定書に関する集まりで来日した際にこの言葉に触れて感動し、「MOTTAINAI」キャンペーンは世界へと広がりを見せた。

 

 松下社長のインタビューは、この「もったいない」の一言(ひとこと)から始まった。

 同社はミッションとして「捨てない人のブックオフ(捨てない人のインフラを作るカンパニー)」を掲げているが、私はこの"インフラ"という部分が非常に重い意味を持つと考えている。それは、生活をするうえで必要なラインである。電気、ガス、水道などと同じライフ・ラインということだ。

 

 その考えを敷衍(ふえん)して日本に理解されたのかどうかを測るモノサシは売上高であって利益項目ではないと思う。番組の中でも紹介したが、同社は有価証券報告書が提出されていて検索できる範囲でも16期連続の増収となっており、今期は17期連続を目指している。資料によると前期の同社のリユースを利用して購入した客数は9562万人、日本の人口のおよそ75%に相当する。この数字だけでも凄いが、私が強調したいことは、同社は新品の書物を扱う本屋もあるのに、敢えて、リユースの部分だけの購入者を調べて開示しているという、その姿勢だ。自らが掲げている"ミッション"の意味を重く受け止めているということであろう。この他に、同社のリユース部門に商品を売却した人数が1587万人いる。同社のミッションに賛同するカンパニー(仲間)は延べ人数で年間1億1000万人以上いる。そして、そのうちの一人が私だ。

 
▼すぐれた「DOE」

 当然、株主もそのカンパニーである。その株主資本からどのくらいの利益を出し、そして、それを配当として還元したかが、「ROE × 配当性向」で算出される「DOE」である。このDOEについてはアールシーコア(7837)さんにご出演頂いた際に紹介してから度々取り上げているが、私は非常に厳密なスクリーニングを行っている。決算がほぼ出揃ったこの5/31現在のDOEの3期平均の数字について解説すると、上場3552社中、ROEが直近3期ともにプラス、つまり、最終利益が3期ともに黒字であった会社が2489社あり、これがまずは対象となる。そして、このうち3期とも配当を行い、尚且つ、その配当性向が3期とも100%以下(これを超えて配当することは利益から配当するという健全性が損なわれていると考える)の銘柄にまで絞り込むと1953社となる。外れた1599社は3期のDOEを測るレベルではないということだ。

 ブックオフコーポレーションの順位はこの中で236位と堂々たるものである。DOE3.9%という高い利回りが、同社の、"株主であるカンパニー"に対する配当姿勢だ。

 
▼愛、普遍なるもの

 アベノミクスが始まった際に、百貨店などの高級小売りの伸びを予測し、中古小売りは厳しいと多くのアナリストが言っていたが、全く理解できない。小売り全体の数字が上がれば両者ともに好調であることは過去の数字が物語っている。

 また、"本質的な部分"でも違うことが、ワンガリ・マータイの遺言で分かる。彼女のそれは、「火葬の際に木を使わないで」であった。

 「もったいない」の本質は「限りある資源への愛」である。その部分に、インフレもデフレも関係はない。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 現代は消費社会と言われて久しいですけれども、その中にあって多くの方が「これって、もったいないのでは?」と思い始めてきているように思います。「でもどうすれば...」といったとき、当たり前のようにそこにあるインフラでありたい。そんな松下社長のメッセージがありました。

 「物を大切に」という理念だけではなかなか人の行動を変えることができなかったりもしますが、そこに「BOOK OFF」の店舗の楽しさやワクワク感があれば、「捨てない人のインフラ」として利用者もより増えてくるのではないでしょうか♪

 また次回店舗を訪れたときには、あらためていろいろ見てみたいと思います。

(関連リンク集)
ブックオフコーポレーション 株主・投資家情報
ブックオフコーポレーション Be絵本大賞の新品絵本
ブックオフコーポレーション 学習ドリルシリーズ

代表取締役社長 松下展千さまと。
代表取締役社長 松下展千さまと。

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