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取材後記
ソーシャルワイヤー (3929) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の矢田 峰之 ( やた みねゆき )様。
「 3つの基本戦略 」
▼「ニュースワイヤー事業」の特徴
会社設立は2006年9月で今年10周年を迎える。上場は昨年の12月であるが、セグメントが非常にユニークである。
ひとつ目のセグメントは「ニュースワイヤー事業」で、全社の売上高に占める比率は前期ベースで約52%。この事業は、「@Press」、「@クリッピング」という方向性の違うふたつの事業から成り立っている。
「@Press」はプレスリリースの構成、配信メディアの選定を行なう事業であり、アナログメディア、ネットメディア、ソーシャルメディアなど、7,500を超えるメディアの中から最適なメディアを選定して配信を行なう事業であり、一方で「@クリッピング」は顧客のニーズに応えて、「どこのメディアでどのように取り上げられていたか」を調べ、提示するサービスである。これは、インターネットなどのWebだけでなく、新聞・雑誌、はては、地方のタウン誌までもがその守備範囲に入っているという。両事業の顧客は、これまでの実績を評価して継続して利用することが多い。
▼「インキュベーション事業」の特徴
ふたつ目のセグメントは「インキュベーション事業」。インキュベーションとは卵からひよこに"孵化"させること。貸しオフィス事業により、ベンチャースピリットを持った若い企業を応援するという意味であろう。国内は新宿(2ヶ所)、青山、六本木の4ヶ所、海外はアジア6ヶ国で展開している。ブランド名は「CROSSCOPE (クロススコープ)」で、実は10年以上の実績がある。つまり、M&Aで取得した事業である。全社売上高に占める比率は47%。「ニュースワイヤー事業」と、この「インキュベーション事業」がバランスよく事業の両輪となっている。
▼新たにスタートした「クラウドソーシング事業」
みっつ目のセグメントは、この4月にトランスマート(株)を子会社化して始まったばかりの「クラウドソーシング事業」。ここにおけるクラウドとはインターネットの世界で用いられる"雲"という意味ではなく"群集(集団)"という意味である。
具体的には、クラウドワーカー(日本人翻訳登録者2000名)による翻訳請負い事業である。社長がお話しになられていたのが、「シェアリングエコノミー」、「マネタライズ」、「副業」という単語。アジアでは個人の秀でたスキルを、所属する会社以外でも発揮して副業で収入を得ることは珍しいことではない。この付加価値の高い生産性によるマネタライズを応援するということである。
しかし、マネタライズに成功するためには、それ相当のスキルが必要条件である。登録するための試験が難しく、直近の試験結果は、挑戦者が14,614名であるのに対して合格者はたったの312名、合格率は2.1%と非常に低い。付加価値の本当に高いサービスを提供できる者にチャンスがあるのである。
同社の成長戦略で掲げる3つのキーワードは、「Stock」、「Asia」、「M&A」。これらは、これまで同社が体現してきたことでもあるような気がする。ここまで成長してきた基本戦略に則り、そして、拡大を図る。エンジンはやはり、最後の「M&A」であろう。
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取材後記は以上です。いかがでしたか?
成長戦略のエンジンであるM&Aについて、矢田峰之さまも「当社には小さく買って大きく育てるという実績がある。今後もM&Aを通じて5年10年持続的に成長してゆきたい」と力強く語っておりました。同社の今後の展開が楽しみですね。
それでは来週もお楽しみに!
■ソーシャルワイヤー IRサイト
前方右:代表取締役社長 矢田峰之さま。後方:番組アシスタント玉木碧さん
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取材後記
メディカル・データ・ビジョン (3902) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の岩崎 博之 ( いわさき ひろゆき )様。
「情報通信業よりはサービス業に近い」
▼医療データを集める「データネットワークサービス」
上場して1年半が経った。東証業種分類上は「情報通信業」であるが、実は「サービス業」に非常に近いと感じた。
セグメントは、医療情報を集める「データネットワークサービス」と、集めた医療情報を活用する「データ利活用サービス」。
「データネットワークサービス」の部分を説明すると、医療機関は同社の経営支援システムを導入することによって、他の医療機関と自院の診療内容を比較することができる。救急医療に対応できる大病院と類義語である「DPC病院」は、2016年4月1日時点で、日本に1667病院あるが、その約45%の病院に納品しており、圧倒的なトップシェアを誇っている。
このシステムは"売って終わり"ではない。勉強会やセミナーを開催し、アフターメンテナンスに力を入れているのが支持される理由でもある。大規模セミナーを開催すると1日で250席が埋まるという。病院との強固な関係はこのようなところから生まれている。
▼ビッグデータを利活用する「データ利活用サービス」
同社は、この経営支援システムを導入した医療機関から、同時に診療データを蓄積することができる。国民9人に1人に相当する約1440万人分のデータとなると、まさしくビッグデータである。
この集めたビッグデータを利活用するのが、もうひとつの事業の柱である「データ利活用サービス」だ。2次利用の許諾を得たこれらのデータは、製薬会社や研究機関、または、食品会社、個人向けに提供が行なわれている。
これにより、データの提供を受けた機関は、どのような患者に、どのような薬が、どのくらい処方され、その薬の副作用はどうであったかなどの解析が可能となる。
但し、この医療ビッグデータの利活用は、同社自身が、ビッグデータのクレンジング技術、処理技術、解析技術などに加えて、医療に関する専門知識も備えた人材などを備えて、初めて出来る事業である。「病院との信頼関係」と、この「人材」が同社の強みであろう。
▼「カルテコ」の普及を進める
今後、同社は、個人が病院で診察を受けた際の自分の診療データを保管・閲覧できる「カルテコ」の普及に力を入れるという。
この部分は、ロングインタビューで社長が語っている起業の経緯、「なぜ、医療機関はIT化が進んでおらず、病院を変えるたびにまた色々な説明が必要で、同じ検査が行なわれるのか?過去の自分の治療内容が一元化できていれば可能となることが実際は行われていない」という部分に根ざしている。
データを用いて、医療の向上と患者の利便性を高める。これは、現在のこの国の喫緊の課題である医療費問題に絶対的に必要なことと思われる。同社がやりたいことは、データの利活用により、医療の現場、そして患者自身に大きな恩恵を与えること。やはり、「情報通信業」というよりは「サービス業」に近い、と私は思う。
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取材後記は以上です。いかがでしたか?
今回はロングインタビューもオンデマンド配信します。
創業に至った社長の想いを大いに語って頂きました。ぜひこちらもチェックして下さい。
それでは、来週もお楽しみに!
(関連ウェブ)
■メディカル・データ・ビジョン IRサイト
前方左:代表取締役社長 岩崎博之さま。後方:番組アシスタント玉木碧さん
取材後記
シンプロメンテ (6086) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長兼社長の内藤 秀雄 ( ないとう ひでお )様。
「第二創業期」
▼幅広い顧客層を持つシンプロメンテ
上場されたのが2013年12月。多くの外食チェーンのメンテナンス業務を請負ってきた実績から上場時話題となったが、その顔ぶれがすごい。
「あきんどスシロ-」、外国人観光客にも大人気の天然とんこつラーメンの「一蘭」、ほっともっとの「プレナス」、甘太郎などの「コロワイド」、塚田農場の「エー・ピーカンパニー」、「サイゼリヤ」、庄やの「大庄」、築地銀だこの「ホットランド」、鍋ぞうの「ワンダーテーブル」、さくら水産の「テラケン」、牛角の「プライム・リンク」、かっぱ寿司の「カッパ・クリエイト」、「イオンハート」、「だん家」、etc.
その他、外食産業以外にも、ドラッグチェーンや紳士服チェーン、本屋チェーンなどの物販や美容関係や介護施設など広範囲な業種の顧客がいる。
▼シンプロメンテを支える強み
これら全国2万6000店舗(今年2月時点)を24時間、365日、電話一本で修繕の手配を行なうのである。といっても、同社が修繕やメンテナンスの実働部隊を有しているわけではない。全国に5000社以上ある協力会社がメンテキーパーとして活躍するのである。
ここまで広範囲な顧客と取引があり、トップ企業でいられる理由(同社の「強み」)はいくつかある。
まずは、その修繕・メンテナンスがひとつではなく、厨房機器、給排水設備、空調設備、電気設備や、内外装や通信機器に関する部分までをも含んでいることである。これが、会長の言われた「ワンストップ」である。とにかく、店舗内でトラブルがあった際に、それが何であれ、同社に電話をすることにより、迅速な対応が行なわれるのである。
この迅速な対応は、且つ、適切な対応でなくてはならない。この部分が第二の強み。トップ企業であるからこそ有している、豊富なビッグデ-タがモノをいうのである。どの厨房器具でどのようなトラブルなのかを聞けば、ビッグデータからおよその見当がつき、どの協力会社にお願いすべきかが瞬時に分かるのである。そのため、同社は実働部隊こそ保有していないものの、電話応対をする者は、修繕やメンテナンスに関わるプロ中のプロの知識を有している。
プロ中のプロと認められているからこそ、同社がアウトソーシングとして受けているセグメントがある。それは、厨房器具等を実際に納入しているメーカーのメンテナンスがワークしない時間帯の作業の請負いである。店舗だけでなく、メーカーの信頼も受けていなければ成り立たない事業である。
▼好調な業績とこれからの戦略
業績は好調。終わった期ベースで、6期連続最高売上を達成しており、3利益ともに過去最高益を更新した。今期もさらなる更新を見込んでいる。
また、弊社の経営指標ランキングは2015年度確定順位が、3238社中273位。堂々とトップ10%内に位置している。中項目では、「成長性」、「(配当性向、DOEが反映される)健全配当性向」、「(ROE、ROAが反映される)資本利益率」が何れも高順位である。
同社は、現在を「第二創業期」と位置づけている。これまで培ったノウハウ、ビッグデータをもとに、介護施設、病院等にさらに顧客を広げていくための布石を打っていくということである。
実直、誠実を絵に描いたような会長。そしてそのDNAが浸透している同社。本当にこの会社を紹介できて良かったと思う。
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取材後記は以上です、いかがでしたか?
「株主の皆様にすばらしい会社と言われるように、精進してゆきたい」と語った会長の誠実さがとても印象的でした。メンテナンス専門会社として更なる発展に向け歩む、同社の今後の展開にぜひ注目してゆきたいと思います。
それでは来週もお楽しみに!
(関連ウェブ)
■シンプロメンテ IRサイト
代表取締役会長兼社長 内藤秀雄さまと
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取材後記
アクアライン (6173) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の大垣内 剛 ( おおこうち たけし )様。
「同じDNA」
▼アクアラインの事業内容
昨年8月に東証マザーズに上場を果たしたが、歴史は古い。日経データベース上の設立は2000年5月。地道に社業を伸ばしての上場である。
「安心・信頼・清潔」をモットーとする水まわりの「ホームドクター」を標榜されているが、売上高の約95%を占めるのが「水まわり緊急修理サービス事業」。「水道屋本舗」のブランドで、北海道から沖縄県まで、24時間365日、電話で依頼を受け付けている。よく起きる、「水漏れ」、「つまり」といった修理や給水管の水漏れ修理、また、凍結解氷作業や漏水調査、そこから敷衍(ふえん)する、トイレの便座やタンクの販売・取付け、洗面化粧台の販売・取付けなども行っている。
その他の事業は、「ミネラルウォーターの販売」、「ウォーターディスペンサーの取扱い」などである。ミネラルウォーターは大学や企業のプライベートブランドとしてペットボトルで売られており、それぞれのオリジナルなラベルも可愛く、累計クライアント数は32社(大学)となっている。
「"最高品質の水"を飲んでもらいたいという思いから始めた」というだけあって、非加熱にこだわり、最高品質の水を選んだ「aqua aqua」は、ナショナルブランドとして確立されており、モンドセレクションで2013年から4年連続で金賞を受賞中である。また、「備蓄用保存水」(災害時の備え)として、天然水の品質とおいしさをそのままボトリングした7年間保存が可能な「純天然アルカリ保存水」も発売している。
▼アクアラインを成長させてきたこだわり
同社のスタイルは店舗を持たないこと。
200名余りのスタッフは全て正社員であり、会社から貸与された車両が、GPSなどのITシステムを装備した"動く店舗・倉庫"であり、"誰が現在一番現場に近く、どんな在庫を持っているのかなどが可視化されている。
また、社員全員が月一回、全国から東京に集まり、研修及びミーティングを行っている。新人の育成プログラムもこれまでのノウハウの蓄積により、短期間で水まわりのスペシャリストに育成するシステムが確立されている。
なぜ、正社員にこだわるのか。
私は、このこだわりが同社のこれまでの成長を支えてきたと考えている。
同社が正社員にこだわる理由は、やはり、高いレベルでの提供サービスの均一化に向けて、社員がしなくてはならないこと、理解しなくてはならないことの教育を、会社がグリップできるということであろうと考えている。
▼「サービス強化」から「コンプライアンス強化」へ
同社の考えるサービス力とは、技術力が高いのはもちろんのことであるが、その他に、マナーや身だしなみの配慮も含んでおり、特にその部分は徹底されている。常に全員が「清潔」な制服のみならず、ネクタイも着用し、現場に訪問する際は必ず靴下を履き替えるなど、そのこだわりは細部にわたる。
なぜ、このことが同社の成長力の背景にあるかというと、同社はこれまで、技術力を磨く「技術力強化の時期」、サービスの向上に向けた「サービス強化の時期」を経て、これからは「コンプライアンス強化の時期」であると考えているからである。
流しやトイレ、お風呂場という、プライベートな場所で作業を行う社員に、マナーとコンプライアンスを正しく、そして、強く意識してもらうことが、今後のリフォーム事業などで"選ばれる"ための必須条件であると認識しているのである。事実、多くの大手企業が同社とアライアンスを結んでいるのは、そのことが理解され、評価されてのことであろう。
▼強く印象に残った大垣内社長の誠実さ
業績も好調である。
終わった期の決算は、前年同期比で、売上高が13%増、営業利益は50%増。これは、期初に立てた見込みを、売上高で3%、営業利益で21%上回るものであった。「スケールメリットを活かした原価率の低下」が要因として大きいという。このことは、今後ますますM&Aも含めた拡大路線を敷くことを正当化することである。
今回、同社を紹介させて頂いたが、何よりも強く印象に残ったのが、ひと目で分かる、社長の実直さ、誠実さである。起業に至る経緯もお話しになられたロングインタビューも是非お聴き頂きたい。最後の「リスナーに向けてのひとこと」で話された"着実に一歩ずつ成長してきた"という歴史は、本当にその通りである。そして、この人はそのことをこれからも決して忘れないであろうと思う。
「企業に投資する入り口の分かれ目は、その社長が人間として信じられるかどうか」である。
そのことについて、私は大垣内社長に、モンドセレクションの金賞がくすんでしまうような高い評価を与えたい。
そして、社長が考えていることは、社員が訪問した先で、同じ評価を受けるということなのであろう。全国に散らばっていても同じDNAは存在する。
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取材後記は以上です。いかがでしたか?
後記にもあります通り、今回はロングインタビューをオンデマンド配信致します。
起業に至る経緯、大垣内社長がここまでたどりつくまでの道のりなど、大いに語って頂いておりますのでぜひチェックして下さい。
それでは来週もお楽しみに!
(関連ウェブ)
■アクアライン IRサイト
代表取締役社長 大垣内剛さまと
玉木碧さんの手元にありますのが、モンドセレクション4年連続で金賞を
獲得している「aqua aqua」です。
井上さんは毎晩この水でアルコールを割っています!
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取材後記
ノバレーゼ (2128) (東証1部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の 荻野 洋基 ( おぎの ひろき )様。
「ブランドイメージを作るよりも大変なこと」
▼「堅実な事業成長」の礎となるもの
「やっと、『アサザイ』でご紹介することができた」
これまで、何度もセミナーで同社を紹介してきた私にとって、これが正直な感想である。
ブライダル事業で着実な成長を遂げている同社。大きなセグメントのくくりは、「ブライダル事業」と「レストラン特化事業」である。「レストラン特化事業」は、ブライダル施設ではなく、純粋なレストラン運営と考えてもらってよい。
六本木けやき坂通り(六本木ヒルズ1F)にある「Jean-Georges TOKYO(ジャン・ジョルジュ東京)」は、NYにミシュランが進出して以来、10年以上も三つ星を取り続けているシェフ、ジャン・ジョルジュが日本に進出した第1号店であるが、開店からわずか9ヶ月でミシュランの一つ星を獲得した。
その運営にあたっているのが同社である。
このお店の持っているノウハウが、ブライダル事業における「レストラン部門」にも活かされている。また、このレストラン特化事業は既に海外でも行なっている。2010年8月に「SHARI SHANGHAI SUSHI BAR(現SHARI MODERN JAPANESECUISINE)」を中国・上海市にオープンし、2013年7月には「Serafina NEW YORK Hapjeong Seoul」を韓国・ソウル市にオープンしている。
主業のブライダル事業ではなく、このレストラン部門で進出し、まずはその風土を知ることから始めていると私は考えるが、水を向けると社長は「ゆっくり、じっくりとその部分は考えて進める」と述べた。この着実さが、同社の堅実な事業成長の礎であったのだと思う。
▼ブライダル事業の特徴
主業の「ブライダル事業」はさらに3つのセグメントに分かれる。「婚礼プロデュース部門」、「婚礼衣裳部門」、「レストラン部門」である。
「婚礼プロデュース部門」は、貸切り型の婚礼施設であるゲストハウスにおける挙式・披露宴の企画・運営を行なう。
そのゲストハウスは、都市型施設である「モノリス」、リゾート型施設である「アマンダン」、そして、歴史的・文化的価値があり利便性の良い高付加価値建造物を活用しブライダル施設として再生させたもの( 神戸・ジェームス邸など(神戸を代表する築80年の歴史的洋館を婚礼施設兼レストランとして再生し、建設当時の姿を残した建築維持が評価されて「BELCA賞」を受賞した ))、中価格帯施設( 既存の式場・ホテル・ゲストハウスを改装した再生物件 )の4つに区分され、多様なニーズに応える受け皿となっている。
「婚礼衣裳部門」は、2つのブランドの販売、レンタルを行っている。「ノバレーゼ」ブランドは、NNYやイタリア等で買い付けた大人のための高級ウエディングドレスであり、「エクリュスポーゼ」ブランドは、華やかでキュートなデザインのウエディングドレスである。
「レストラン部門」は素敵なゲストハウスを有し、自信のある料理を提供しているからこそできる事業である。婚礼は土日に集中するが、それ以外の日にもレストランとして料理を提供するのである。
▼ブライダル市場の環境
市場環境は、「少子高齢化」、「ジミ婚」、「晩婚化」など、ブライダル業界は先細りのイメージがあるが、婚姻件数自体は65万組前後で推移しており、ここ数年はほぼ横ばいである。また、晩婚化が進んでいるということは、結婚対象となる潜在人口が増加していることであり、"ある程度社会経験を積んだ大人の結婚式"にふさわしい、その多様なニーズに応えることができる業者が選択されているのである。
また、番組でも紹介されたが、ブライダル市場は、売上高の大きい上位5社合計でもトータルシェアは14%程度であり、ガリバー企業が存在しないため、成長のチャンスが残されている。
これらかも、物件を選別し、婚礼施設は年間3~4店舗、ドレスショップは2~3店舗の出店を行なうという。
▼ノバレーゼが意識する「おもてなしの心」
結婚式は人生における大きなイベントであり、また、それまでお世話になった人達にその感謝の意を示すことができるイベントである。そこに通底しているものは「おもてなしの心」以外の何物でもないと思う。そして、それを示したいと思っている新郎新婦に対して提案をする側は、それ以上の「おもてなしの心」を持っていなくてはならない。
その社員の「おもてなしの心」はどこから生まれるか。
多くの企業に接してきた私にははっきりと分かる。それは経営の意識である。
きちんと、「社員=人材・人財」であると認識し、活躍できる場をいかに提供できるかを考えるという努力を経営がするかどうかである。
ブランドイメージを確立するには大変な努力を伴う。しかし、社員の士気を高め、目標を共有する社内風土を確立することはその数十倍も大変なことである。
弊社の経営指標ランキングで継続的に上位に選ばれてきた企業にはそのことに成功した企業が多い。2010年度からの6年間、トップ500位内を維持したのは151社。同社も栄えあるその1社である。やはり、「なでしこ銘柄」はダテではない。これまでセミナーで紹介してきて良かったと、収録を終えて、心から思った。
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取材後記は以上です。いかがでしたか?
今回は、取材後記にも記載されている。高付加価値建造物を活用しブライダル施設として再生させた一つ、「神戸・ジェームス邸」を紹介いたします。
▼神戸・ジェームス邸
(左:エントランス、右:レストランフロア)
こちらは、1934年にイギリス人貿易商アーネスト・ウイリアム・ジェームスの自邸として建てられました。瓦屋根とぬくもり漂う外壁が印象的な、本格スパニッシュスタイルの洋館で神戸市の有形文化財に指定されています。
長い歴史の中で迎賓館としても使われていたそうです、華やかな社交場時代の面影が伝わり。古き良き時代の情緒があふれる素敵な建物ですね。
まじめに・誠実に、50年後も100年後も信頼される会社でありたいと語った荻野様の言葉がとても印象的でした。同社の今後の展開にぜひ注目してゆきたいと思います。
それでは来週もお楽しみに!
(関連ウェブ)
■ノバレーゼ IRサイト
代表取締役社長 荻野洋基さまと
ご登場頂いた藤村社長は、元は新生銀行時代から長年ヘルスケアリートの創設に尽力されてきた方であり、そして昨年の2015年7月に満を持して、ヘルスケアリートとしては最大規模で上場されました。
今回そんな藤村社長に、ヘルスケアリート、そして同社の魅力をとーっても詳しくお話し頂きました。井上哲男も「ファンドとしての枠組み、哲学、そしてヘルスケア業界の進むべき方向性についてしっかりとした考えを持ったリートさんである」と言うとおり、今回の放送をお聞きいただいたリスナーさんも、納得!と思われたのではないでしょうか。
お話しの中で、「施設を運営する事業者さん(オペレーター)と共に成長していく」という言葉が心に残ります。
放送でも詳しくお話し頂きました、同社の最大の特徴でもあります「ORE戦略」が正にそれを具現化しています。そして、そのORE戦略を活用して取得した「アクティバ琵琶」。元は自立者向け施設だけであった中、入居者さんの高齢化に伴い、要介護者向けの別棟の開発を提案、結果、高齢者が健常時から要介護になられても住み続けることができる、まさに「日本版CCRC」の先駆的モデルとなりました。
(アクティバ琵琶)
また、これ以外にもORE戦略を活用して取得した代表物件をご紹介。
(ゆいま~る聖ヶ丘)
平成23年12月開業、オペレーターが施設の開発段階から入居希望者との対話を重ねながらコンセプトとコミュニティを作り上げていくコーポラティブハウスの手法で開発を行い、「団地再生」のモデルケースとして各種メディアでも紹介されました。
(アルファ恵庭駅西口再開発ビル)
商業テナント、医療モール、有料老人ホームの複合施設。駅前立地で高齢者が車を使わずに生活ができ、1階の保育園との「多世代交流」も行うことができ、生活利便性も高い施設。人口減少や高齢化などに対応する「コンパクトシティ」化構想に基づき開業された、いわゆる「地方創生」モデルの先駆的事例として注目されております。
ORE戦略により、ビジネスパートナーであるオペレーターと共に努力を続けてきた事で、こうした優良物件の開発、取得に繋がっている事がよく分かります。
そして、これら3物件にもありますキーワードにも注目です。
同社の投資戦略としても、超高齢化社会に向けた国の政策や社会のニーズに即した、具体的には「日本版CCRC」、「団地再生」、「地域交流・多世代交流」、「地方創生」、「コンパクトシティ」などに対応した施設へ投資されています。世の中のニーズにしっかりと答える投資戦略が、リートの成長と社会貢献の両立を実現していくんですね。
同社が目指す「健康長寿社会の実現」。
「長寿健康社会を願う人々」と「投資家の皆様」とのニーズを結びつけてこれからも成長してゆきたい、と語る藤村社長。日本の将来がかかっているヘルスケアリート、そして同社の今後の展開にアサザイも非常に期待しております!
◆投資主優待
同社は、「投資主の皆様やそのご家族の方々の健康長寿の実現に寄与する」ことを目的とし、優待制度を創設されています。保有施設以外の約300施設でも利用可能です。詳しくはホームページをご覧ください。
■ジャパン・シニアリビング投資法人 投資主優待について
◆ロングインタビュー
今回は、ロングインタビューをオンデマンド配信します。藤村社長がここにたどりつくまでの道のり、ヘルスケア業界やヘルスケアリートの今後の発展に向けた課題、そして本日の放送でもありました日本版CCRCについても、大いに語って頂いていますのでぜひチェックして下さい。
それでは来週もお楽しみに!
(関連ウエブ)
■ジャパン・シニアリビング投資法人 ウェブサイト
代表取締役社長藤村さま、中西さまと
今回はアサザイアシスタント玉木碧さん(右上)もいっしょに!
取材後記
ヨシムラ・フード・ホールディングス (2884) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役CEO 吉村元久(よしむら もとひさ)様。
「 "真っ直ぐな"事業、支えてきた"志" 」
▼投資家に一番伝えたいメッセージ
この3月4日に上場したばかりであるが、上場前からの堅調な業績、そして高いROEが注目されている。
しかし、今回ご出演された意図は、「投資家に正しく事業内容を理解して欲しい」。
ただ、それだけであった。
沿革について触れると、2008年3月、東京都港区において、中小企業の支援・活性化を目的として設立されている。ちょうど8年で上場に至ったことになるが、2014年に産業革新機構が出資をしており、現在の株主構成を見ても、投資育成ファンドなどが並んでいることから、同社の事業を応援したいという多くの"志"があったことが分かる。
▼日本の味を守り、育んでゆきたい
事業内容についてであるが、まずは、通常の食品メーカーとは異質であるということを理解して欲しい。
創業の精神は、「日本の食文化を守り、育み、拓く」。
日本には、食品企業で中小の企業がたくさんあるが、少子高齢化による売上減少や事業承継問題などによって本来の力を発揮できずに立ち行かなくなっている企業が増えている現状をなんとかしたい、という思いがこの創業の精神に表れているのだ。
そうした企業の株式や事業を譲り受け、ヒト・モノ・カネによる支援を行うことにより、地方の中小食品企業の再成長と地域経済の活性化を図ることができる。そのため、商品力、技術力、営業力など、何かひとつの「強み」を持った中小食品企業がグループとなり、独自のプラットフォームを創出することで、「日本の味」を守り、育んでいきたいということがDNAである。
同社について「M&A」という単語を抜かして語ることはできないが、この単語は、ややもすると、「乗っ取り屋」、「ハゲタカファンド」をイメージさせる危険がある。しかし、同社はただM&Aをして終了するのではなく、成長する為のプラットフォームを用意し、強みは最大限に活かし、弱みをフォローし、お互いに支えあって成長していくビジネスモデルを構築し、長く付き合っていくということが大前提なのだ。
この「支援」という部分を語らずに、M&Aだけを語るのは、まさに"画龍点睛を欠く"行為なのである。
▼食品産業に特化しているという根拠
ビジネスモデルとして食品産業に特化しているというユニークには根拠がある。それは、まず第一に、競合する投資ファンドが手を出しづらい分野であるということである。加えて、決してM&Aの対象が大手ではないということは、リスクを伴うことであり、当然のスキルとして、食品業界の市場環境や商習慣、中小食品企業特有のリスク等を熟知しているということが挙げられ、それを持っている企業が少ないということである。
そのため、数ある中小企業の中から強みを持つ企業を選ぶ目利き力を磨き、デューデリジェンスや交渉のノウハウ、知見が蓄積されていなくてはならない。さらに、都市銀行、地方銀行、信用金庫、証券会社などの金融機関、M&Aアドバイザリー業務をおこなう企業等と幅広いネットワークを構築して、中小食品企業のM&A情報を得る体制も構築されていなくてはならないのだ。
同社の先行メリットはとても大きいといえる。
▼これからの期待
現在、傘下にある会社名を挙げると、楽陽食品、オーブン、白石興産、ダイショウ、桜顔酒造、城北水産、ジョイ・ダイニング・プロダクツなど、それぞれの分野で歴史とキラリと光るオリジナルな強みを持った企業であることが分かる。
国内企業の3分の2にあたる65.4%が、現在、後継者不在となっており、60代社長の多くが事業承継の準備が進んでいないのが実態だという。事業承継を求める中小食品企業の数は、今後もますます増加することが予想される。
今般の上場により、信用力の向上、知名度の向上、人材の確保、資金調達手段の多様化等、同社が得たものは大きい。そして、それが全て、これまで同社が"まっすぐ"行ってきた事業をさらに広がりをもたせることに期待したい。
多くの"志"が非上場であったときの同社に資本を入れた理由がお分かり頂けたと思う。
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取材後記は以上です、いかがでしたか?
ちなみに同社のウェブサイトも、グループ企業との関係をM&Aをして終了するのではなく、「グループ企業は同じ船に乗るクルーである」というメッセージを伝えたいという社長の思いが反映されたものになっています。
ぜひウェブサイトもチェックしてみて下さい。
それでは来週もお楽しみに!
(関連ウェブ)
■ヨシムラ・フード・ホールディングス ウェブサイト
■ヨシムラ・フード・ホールディングス IRサイト
代表取締役CEO 吉村元久さまと