4月30日放送「今日の1社」システムインテグレータ(3826)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.04/30 今日の1社担当 記事URL
 これまで、「アサザイ 今日の1社」にご出演いただいた企業のうち、一定割合が「市場変更」という上場企業としてのステップアップを果たしています。これは決してそれで企業が選定されているわけではないのですが、経営トップがIRに積極的であることなど、間接的な必然性があるように感じています。
 そんな前向きな企業を応援していくことが、「アサザイ 今日の1社」の目的のひとつでもあります。

 さて、4月30日放送の「今日の1社」では、2014年1月22日に東証マザーズから東証一部に市場変更を果たした、システムインテグレータ(3826・東証一部) 代表取締役社長の梅田弘之様にお越しいただきました!
 同社の出演は、2012年10月、2013年10月に続いて3回目ですが、東証一部になってからは初めてとなります。

 その成長を「アサザイ」を通じて見守ってきた井上哲男の目に、システムインテグレータの「いま」はどう映ったのか? 取材後記をお読みください!

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取材後記

システムインテグレータ(3826)(東証一部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の梅田弘之様

 

「13分割時計」

 
▼ROE、トップ300入り

 まずはシステムインテグレータを「東証第一部」と紹介できることを嬉しく思う。

「シスイン(の業績が)が来てる!」と感じて3年。リーマンショックで企業が軒並み設備投資を抑えたこともあり、受託開発ソフトウェア業界、組込ソフトウェア業界だけでなく、パッケージソフトウェア業界も売上げを大きく落とし厳しい状況となったが、その後、設備投資が緩やかに戻るにつれ、これらの業種の売上高も同様に戻っていったが、そこにはある規則性があった。それは、企業の設備投資が「必要な、そして優れたものから」行われたということである。いち早く同社の売上げが回復基調を辿ったことはこの条件に合致したものと思ってよい。

 

 システムインテグレータが2月の本決算を発表した。それによると3期連続で売上高、3つの利益共に最高を更新し、今期も全項目での4期連続の更新を見込んでいる。

 番組の中でも紹介したが、JPXの採用基準である3期平均のROEはついに15.3%にまで上昇した。これにより、比較対象である金融4業種を除く3300社余りの中で291位とTOP300入りを果たしたことになる。これに3期平均の配当性向を掛け合わせた"真の配当性向"であるDOEは3.8%にまで上昇し、こちらも233位と同じくTOP300入りを果たした。

 昨年11月のアサザイセミナーにおいてROEのTOP300銘柄のリストを配布して解説を行ったが、そのなかで「シスインは次の決算発表でランクインするであろう」と述べたことが現実となり私も非常に嬉しく思う。


▼主力4ソフトの状況 

 主力の4ソフトを紹介すると、まずは「SI Web Shopping」。Eコマースという言葉が無かった18年前に売り出されて1100もの有名企業のインターネット販売を支えてきたソフトで、前々期に発売16年目にして前期比で50%も売上げを伸ばした化け物ソフトであるが、前期も9%売上げを伸ばしている。続いて、会計、人事、給与、販売、製造などの企業の基幹業務をつかさどる統合型機関業務システム(ERP)の「GRANDIT」。こちらはコンソーシアム形式であるが、昨年は2回目のアワードを受賞。つまり、他社も含んだコンソーシアムの中で、最も売上げに貢献したと考えてよい。そして、これによって培ったERPに関するノウハウを活かして開発された総合プロジェクト管理システムである「SI Object Browser PM」。これは4つのソフトの中で最も新しく上市されたものであるが、前期は売上高が30%増加。利益率も高い製品であることからこれからますます成長が楽しみな製品である。そして、システムエンジニアであれば皆知っている開発支援ソフトの「SI Object Browser」。こちらは前期並みの売上高となったが極めて高い利益率は健在である。

 

 そして、現在クラウドを利用したO2O「モバポタ」、文書作成、表計算、画像編集などのアプリケーション設計支援ツールの「SI Object Browser Designer」など次の柱となる製品群も徐々に世に出始めている。クラウドを利用したストックビジネスの進捗が、4本柱の売上げとともに次のカタリストである。また、証券会館で行われた決算説明会において、梅田社長は「今期、『SI Web Shopping』の改訂版作成に着手する」と述べた。2016年2月期に終える中期経営計画「Progress2013」の先を見据えた戦略のため、今期は開発にリソースを割く意図が今期の決算見込みからも窺える。

 
▼「時間を奪うのではなく、与える」

 これからクラウドの利用を活発化させても、新たなソフトウェアを上市しても、変わらないものが一つある。それは同社のロゴマーク「13分割時計」に込められた想いである。その時計では12時と0時の間にまだ1時間の時間が示されている。

 「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」。今までのソフトウェアも、システムエンジニア、それぞれの業務管理者、オンラインショッピングの担当者達の業務負担を軽減し、時間を与えるためのものである。これが"時間を奪う"ゲームソフトなどとの決定的な違いである。

 

 1月22日に東証一部に市場昇格を果たした。ここ数年の業績、業界平均の倍以上に上昇させたROE、熱心であったIR活動、株主還元。それらが結実したものであるが、同社にとってはまだまだ入り口に立った状態であり、これから求められるものも多い。東証一部の中で企業価値(時価総額)を大きくするために、機関投資家、海外投資家などに対してのアピールもそうである。そのことは結果的にこれまで応援してきた個人投資家に報いることにもなる。同社は私の業界比較数値などを熱心に聴き、またIR資料にそれを取り入れて開示してきた。それは、きちんと自社のバリュエーションを理解することの重要さを認識してきたということであり、その姿勢は必ずや機関投資家、海外投資家にも伝わると信じている。私はずっと同社の業界比較値を取り続け、提言し続けるつもりだ。同社はマザーズ上場時、そして今年の1月22日と2回東証のオープニングベルを叩いたが、次に叩くのは海外の証券取引所の鐘だとさえ私は思っている。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 新規上場や市場変更の際、「これはゴールではなく・・・」というフレーズがよく使われます。
 システムインテグレータについてはもはやいうまでもないことで、今後のさらなる成長が期待されているところかと思います♪

 なお、システムインテグレータは、4月19日(土)の「アサザイ・IRスペシャルセミナー」にも参加いただきました!
 大里希世アナウンサーをパーソナリティに配した梅田社長のプレゼンテーションをオンデマンドで配信しておりますので、是非お聴きくださいっ!! リンクは下記に記載しておきます♪

(関連リンク集)
■システムインテグレータ IR情報
■2014年4月19日「アサザイ・IRスペシャルセミナー」オンデマンド配信 ※是非お聴きください!
■「アサザイ 今日の1社」2012年10月24日 システムインテグレータの取材後記
■「アサザイ 今日の1社」2013年10月23日 システムインテグレータの取材後記

代表取締役社長の梅田様、取締役管理本部長の山田様と。
代表取締役社長の梅田様、取締役管理本部長の山田様と。
4月23日放送「今日の1社」ファンコミュニケーションズ(2461)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.04/23 今日の1社担当 記事URL

 一日の始まりはパソコンを立ち上げて、Yahoo!などのポータルサイトを見る。というライフスタイルが一般的になって、もうだいぶ経過しました。それが最近ではスマートフォンや、タブレットなど端末が多様化してきています。
 ウェブサイトの数は天文学的数字に達し、そこかしこに「バナー広告」とよばれるインターネット広告が設置されています。これを「クリック」すると広告主のサイトなどに移動し、そこから購買行動などにつながるわけです。

 これらの大量のインターネット広告媒体を束ねる「アドネットワーク」を構築し、「実際に閲覧者がクリックや購買行動などのアクションをとったかどうか」に応じて報酬を支払うのが、いわゆる「アフィリエイト広告」(成功報酬型広告)です♪
 4月23日放送の「アサザイ 今日の1社」には、この分野におけるトッププレイヤー、ファンコミュニケーションズ(2461・東証一部) 代表取締役社長の柳澤安慶様にお越しいただきましたっ!

 インタビュアー・井上哲男もかねてから同社のバリュエーションに注目していたということです。
 定量分析がキラリと光る取材後記をどうぞお読みください!

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取材後記

ファンコミュニケーションズ(2461)(東証一部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の柳澤安慶様

 

「利益率も、成長性も」

 
▼際立つROE

 この3月7日にジャスダックから東証一部に昇格。アベノミクス相場が始まって以来、その成長性と利益率の高さから株価は大きく上昇し、新興市場における日々の上昇率上位に何度となく顔を出したが、この相場が始まる前、ファンドマネージャーの間では「割安だよね」と、よく皆が口にしていた。

 

 今日は経営指標に関する井上定量分析の独壇場。番組でも紹介したが、前期(2013年12月期)までの3期の株主資本利益率を書くと、ROEは23.3%、29.8%、34.9%となり、平均は29.3%となる。(2011年に同社は単独決算から連結に決算方式を変更しており、同期については単独ROEを算出して平均を算出した。累計方式ではないことに注意)これは取得可能な3319社中60位、サービス業345社の中では14位と極めて高い順位に位置する。同指標を選考基準とするJPX400がその名のとおり400銘柄あること、時価総額が昨日時点で1400億円を超えていることなどを考慮すると、いつか組み入れられても全然おかしくない銘柄である。

 
▼加速する成長性

 成長性も極めて高い。2005年11月に上場して1ヵ月後の12月を基準として昨年12月期までの8期のグロースは、売上高が5.3倍、経常利益が5.4倍、最終利益が5.7倍になっている。これは、8期の決算が開示されており、その基準期の売上高が40億円以上あった2937社中、売上高の伸び率はなんと13位、経常利益、最終利益もそれぞれ85位、123位と素晴らしい順位だ。上場時に「ビジネスモデルはおもしろいが、参入障壁は高くないのではないか」と疑問を呈したアナリストがいたが、見事にそれが杞憂に終わったことをこの数字は表している。

 

 そして、その成長率がさらに加速している。前12月期は前々期比で、売上高が57%増、経常利益が79%増、最終利益が56%増と大きな伸びとなったが、今期はさらに売上高が33%増、経常利益も33%増、最終利益が35%増を見込んでいるのである。スマホの普及率上昇の効果はこのように"驚異的"ともいえるのだ。

 まだまだファンコミの数字から目が離せない。というよりも、東証一部に昇格したことにより、そうでなくても機関投資家や外国人の評価、株主構成が高い銘柄ではあったが、これらの投資家の注目度はさらに高まっていくと考えられる。(了)
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 取材後記は、以上です。
 今回は数字が全てを物語っている、という感じですね~。

 アフィリエイト広告は、成果が出て初めて報酬が支払われる仕組みです。その中で成長してきたファンコミュニケーションズは、成果を出し続けてきた、ということかと思います。

 放送中にも紹介があったように、スマートフォンの普及により、海外展開もより進めやすくなっているということですから、今後の同社の利益率・成長性も注目ですね♪

 また次回の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■ファンコミュニケーションズ ウェブサイト
■ファンコミュニケーションズ 公式Twitter

代表取締役社長の柳澤安慶様と。素敵な笑顔です。
代表取締役社長の柳澤安慶様と。

4月16日放送「今日の1社」ケアサービス(2425)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.04/16 今日の1社担当 記事URL
 日本の人口のうち、75歳以上の高齢者が占める割合は増加を続けており、2055年には25%を超える見込みです。
 その中でも先行して高齢化が進んでいるのが東京23区とされており、今後・・・というよりは現在すでに日本が直面している課題になっています。

 ご両親の介護をされている方から聞いた、印象に残っている言葉があります。
 「介護は『何とかなる』というくらいにしか思っていなかったのですが、今の状況になってみるとまったく『何とか』はならないです。」
 これからの日本にあって、介護はあらかじめ考えておくべきことであり、またそれを支えるサービスが必要ということかと思います。

 4月16日放送の「アサザイ 今日の1社」では、介護サービスを東京23区でドミナント展開する、ケアサービス(2425・東証ジャスダックグロース) 代表取締役社長 福原敏雄様に出演いただきました!

 介護保険法改正や市場ニーズの変化などに対応して事業を発展してきている同社は、2013年1月9日以来2回目の出演となりました。
 早速インタビュアーの井上哲男より取材後記が届いていますので、どうぞお読みください♪

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取材後記

ケアサービス(2425)(東証ジャスダック・グロース)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の福原敏雄様

 

「家族」

 
▼「介護」の現状とこれから

 番組の中でも話したが、上場企業であるから当然と言われればそれまでであるが、利益率の高さを問うべきなのかどうか疑問を感じる業種があることを感じている。それは「介護」と「人材派遣業」だ。

 

 介護事業を語る前に、まず必要なことは社会的な現在の介護福祉の状況、背景の理解だ。2010年の国勢調査によると、65歳以上の高齢者人口は約3000万人、15歳から64歳までの生産年齢人口は8200万人とその比率は1:2.73、つまり一人の高齢者を2.73人が支えている状況であった。この生産年齢人口は当然労働人口ではない(学生なども含まれる)ため、実質的な数値はもっと低いことに注意が必要であるが、これからの人口推移について政府が用いる機関である国立社会問題・人口問題研究所の見込みによると、2025年には高齢者人口が3600万人にまで増加し、一方で生産年齢人口は7000万人にまで減少することから、その"支え比率"は1.94人にまで低下するという。

 また、高齢者のいる世帯率は1986年の6.3%が2009年には20%を超えているが、その2009年時点で高齢者の3割が単身世帯で、3割強が夫婦2人世帯となっている。これに伴い、高齢者の介護をしている人に占める高齢者の比率もおよそ三分の一にまで上昇している。これが「老老介護」の実態なのである。

 しかし、このような状態になることを政府が想定していなかったかというと、それは違う。政府も予め、生産年齢人口が減少に転じる時期を1995年と見越して介護保険の導入を図ったのである。政府が一つだけ見誤ったことは、バブル崩壊後の不況期間とその後のデフレ期間の長さであり、それが深刻な財政負担に結びついたのである。

 
▼"介護を受ける側の目線"

 番組の中で、「初めから介護をしていた会社と、事業セグメントとして介護を加えた会社」の違いを述べたが、それは厳しい言い方をすると、"介護を受ける側の目線"をどう意識しているかの違いに結びついているのかもしれない。

 政府は公的な特別養護老人ホームの入居者を昨年2月時点で47万人、待機者が40万人と明らかにしている。それだけ多くの待機者がいながらも建設をすすめられないのは、建設に関わる費用もさることながら、その後の入居者に関わる公的な負担金額が大きいことが理由として考えられる。これについては一人あたり、月額27万円にものぼるとされている。

 

 このような状況でケアサービスは、入居者の経済的な負担の小さい、介護サービス付き賃貸住宅をさいたま市に3ヶ所開設している。"賃貸"というところが鍵である。他の民間による所謂"老人ホーム"の平均入所金は1000万円とも言われている。これが"目線"の違いなのである。

 
 この「介護サービス付き賃貸住宅事業」が売上げの5%であり、(ここでは説明しないが、前回の取材後記で詳しく述べた)「エンゼルケア事業」が20%、そして「介護事業」が残りの75%を占める。そして、これら三つ全てのセグメントにおいて、介護を受ける人、それを支えている人の目線を強く意識した事業を行っていることが、ケアサービスの尊さなのである。

 
 この姿勢は会社説明資料にも表れている。

 社長は放送の中で数字の説明の際に、「総務省、厚生労働省、各地方自治体の資料から算出した」と話されたが、一つの数字を求めるのにも非常に困難を極める。冒頭に挙げた数字も、実は私も昨年の夏に集中して介護に関する数字を集めた結果、得られた数字である。

 ケアサービスの会社説明資料は、きちんと介護事業を巡る環境、その中で同社が求められていること、そのニーズに沿った事業展開が分かるものとなっている。作成にはどれだけの苦労があるかと思う。それゆえ、同社を知ってから、私は他社の説明資料で、「××事業」の売上げは低調であったが「介護事業」は堅調・・・というように、抱える多くの事業の一つとして数字を説明するだけの資料をみると悲しみを覚えてしまうのだ。

 
▼まず、家族ありき

 業績の堅調さは番組の冒頭で述べた。この11年間で同業の売上高が2倍に伸びたのに対して同社は3.4倍、営業利益が同業の伸びが1.8倍であるのに対して同社は6倍。しかし、この業界の利益率は、それだけをとってみると他業種に比べて決して胸をはって"高い"とはいえないことも確かである。

 しかし、同社は厳しい環境の中で利益を上げ、そして、それを従業員にきちんと還元して介護従事者の離職率の低下や5年継続率の上昇につなげたい、何よりも従業員とその家族の幸せにつなげたいと考えている。前回も書いたが「介護はまず、家族ありき」だ。そして、その家族という範囲を、同社は介護を受ける人、その介護を身内で行っている家族だけでなく、従業員という会社にとっての家族、そして、その従業員の家族と考えているのである。このことを、株主になる方はまずは理解して欲しい。

 

 私も、私なりに昨年夏から数字を調べてきて、深い問題意識を持ったのが、この離職率なのである。一時、さかんに広告でも流れていた大学や専門学校の介護福祉の入学者、志願者も低下を続け、辞める学校さえも出ている。高齢者の増加という"確かなこと"に対して、介護を行う人間の増加も"確かなこと"になるように行政が早急にイニシアティブを執ることが必要である。ここでは詳しくは書かないが、現在は逆の状態である。

 

 最後に、リスナーの方に今回のロングインタビューを聞いて頂くことをお願いしたい。実は、この会社の礎を作ったのは、社長ではなく、社長のご尊母なのである。一人の人間が自分の子供に見せる姿勢が、結果的に社会にどのように大きなものを与えられるかが分かる。私も再度聞く。二人の子供とともに。(了)

 

出典

・「安心と信頼のあるライフエンディング・ステージの創出にむけて」(2011年8月)経済産業省

・「日本の将来推計人口」(2012年1月推計)国立社会保障・人口問題研究所

・「介護保険事業状況報告」(2013年2月、3月月次)厚生労働省

・「日本国勢政図会」(2007年版、2010年版、2013年版)矢野恒太記念会

・「県勢」(2007年版、2010年版、2013年版)矢野恒太記念会

・「世界国勢図会」(2006/2007年版、2012/2013年版)矢野恒太記念会

・日経新聞2013年8月18日朝刊

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 今回の取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 放送中、落ち着いた語り口で事業展開をご説明される福原社長に、ケアサービスの足元の堅実さを感じました。

 取材後記中で紹介されている会社説明資料は、下記のリンク集から是非ご参照ください♪

 また来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■ケアサービス ウェブサイト
■ケアサービス 2013年12月3日 中期成長戦略説明資料(PDF)
■ケアサービス 2013年1月9日放送分の取材後記

代表取締役社長の福原敏雄様と。
代表取締役社長 福原敏雄様と。





4月9日放送「ソルクシーズ」(4284)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.04/09 今日の1社担当 記事URL
 ある著名な元アナリストの言葉で、「企業を見るときの判断材料のひとつは、ワクワクできるかどうか」というのが印象に残っています。
 もちろん業績や財政状況もきちんと見るのですが、それに加えて、ビジョンや戦略、企業の理念などに共感できるか、「ワクワク」するか、ということを重視されての言葉でした。

 その「ワクワク」という言葉を、久しぶりに上場企業の社長から聞くことができまして、ハッといたしました。
 4月9日の「アサザイ 今日の1社」にご出演いただいたのソルクシーズ(4284・JASDAQスタンダード) 代表取締役社長の長尾章様です!

 ソルクシーズは、金融業に多くの実績を有する老舗のシステムインテグレータです。ソフトウェア開発、セキュリティコンサルティング、各種システム開発などにおいてプロフェッショナルサービスを提供しています。
 「今日の1社」での井上哲男インタビューに長尾様が明確に答えていただきましたので、放送をお聴きでない方は是非オンデマンドもご利用ください♪

 井上哲男の取材後記が届いておりますので、どうぞお読みくださいませ~。

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取材後記

ソルクシーズ(4284)(東証ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の長尾章様

 

「六陽常在」

 

▼ソルクシーズを語る、3つの鍵
 裏山にあった横穴を掘ったところ金や銅で出来た御神物が出てきたことから名前がつき、徳川家に手厚く保護された東京・早稲田の穴八幡宮(あなはちまんぐう)は、冬至の日になると多くの人が押しかける。この日から翌年の節分まで特別なお守りが売られるからだ。ちょうどその時期に12月決算のソルクシーズは期末を迎える。

 

 ソルクシーズ。上場したのはITバブルが弾けた直後だ。上場時から金融に強いSI(システム・インテグレーション)の会社として堅調な業績であったことから、「数年前に上場していてもおかしくなかったのに」という印象を持った覚えがある。

 そして、現在の同社を語る鍵は、「既存分野のSIビジネス」、「ストックビジネス」、「海外戦略」の3つである。同社のホームページからも見られる(番組の中でも絶賛した)「決算短信補足資料」からも、初めのキーワードである、「既存分野のSIビジネス」が非常に堅調に推移していることが分かる。金融4業種(「銀行」、「証券」、「保険」、「その他金融」)における強さはますます輝きを増しており、これに「官公庁」と「自動車向け」が加わっている。何れも"ミスが絶対に許されないSIが求められる"業種である。同社の能力の高さがこのセクター別の売上げから窺い知ることが出来る。

 
▼「ワクワク」の源泉

 2番目の「ストックビジネス」は長尾社長が番組の中でも言った「ワクワクしている」源泉であろう。

 クラウドを利用したサービス、毎月課金というストックビジネスの大切さを痛感している同社は、SIビジネスとの売上高比率を50:50まで持っていきたいと考えている。「Cloud Shared Office」、介護支援サービスの「いまイルモ」、学生向け学習ツール(eラーニングサービス)の「KOJIRO」、自動車教習所のeラーニングシステムである「MUSASHI」(既に全国の60%程度のシェア)など、これまでに世に出してきたサービスがさらに拡大しそうだ。前期、スマートデバイス向けのアプリケーション開発やコンテンツ配信で実績のあるスプラシアという会社と資本業務提携をしているが、これは、その意欲の表れであろう。

 

 そして、海外戦略も急ピッチで進めている。中国に設立した会社はスーパーなどの電子棚札関連機器の開発・販売を拡大させており、この成功が、中国・ASEAN地域で目論む、SIビジネス及びストックビジネスへと視野を広げさせたといえる。

 
▼好調な決算

 決算も好調である。前期は対前々期比で12.7%の増収となり、経常利益も41.2%の増益となったが、今期見込みは好調さを維持する形で11.4%の増収、30.7%の増益を見込んでいる。この見込みによればROEは14.2%まで上昇し、JPX400の選考基準でもある3期ROE平均は11.2%程度まで上昇することになるのだ。

 リーマン・ショックで情報通信業、特にSIやソフトウェア業は利益を大きく減らしたが、そこから立ち直っている企業には、以前も話したが共通点がある。それは利益を減らしても、売上高の減少を小さく抑えたということである。

 同社は2006年以降、通期の売上高が85億円を割り込んだことがない。2008年秋のリーマン・ショック後も売上高については90億円程度の横バイで推移させたことが現在の利益に結びつき、そして、そこから学んだストックビジネスの重要性を重点推進課題として挙げているのだ。


▼「一陽来復」を掲げて 

 穴八幡宮の特別なお守りに書かれている言葉は「一陽来復」である。「冬の後に春が来る」、「悪いことのあとに良いことがある」と解されるこの言葉を、長尾社長は前期、そして、今期も再びスローガンとして掲げた。

 「一陽」はなぜ「一(いち)」なのか。それは易の世界で、一つの「陽」と五つの「陰」を以って占うからだ。「ストックビジネス」の拡大が示現したとき、ソルクシーズは表題のようになっていると鶴首する。(了) 
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 早稲田の穴八幡宮、「今日の1社」担当のわたくしは以前たまにお参りをしておりました♪
 冬が去って春が来る、悪いことが去って良いことが戻ってくる・・・、
 一陽来復のお守りを懐に、ふと上を向いて歩いて歩いたことを思い出します。

 放送中、また取材後記でも井上哲男が絶賛していた「決算説明会補足資料」は、以下にリンクしておきますので、是非ご参照くださいね♪

(関連リンク集)
■ソルクシーズ 株主・投資家の皆様へ
■2013年12月期 決算短信
■2013年12月期 決算短信補足資料 ※井上哲男絶賛のIR資料です。
■2013年12月期 株主通信 ※「一陽来復」のメッセージが掲載されています。

代表取締役社長の長尾章様と。
代表取締役社長の長尾章様と。

4月2日放送「今日の1社」シード(7743)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.04/02 今日の1社担当 記事URL
 春爛漫でございます。
 4月になり、新生活をスタートさせた方も多いかと思います。都内のソメイヨシノもまさに満開となりまして、すっかり暖かくなってきますと、スギ花粉も多くなってまいります。かゆみを感じたり目が気になる・・・状態になりますと、普段「当たり前のように目が機能している」ことのありがたみをしみじみと感じる、「今日の1社担当」の今日この頃です。

 さて、新年度スタート!を飾る「今日の1社」第1号は、皆様の目をサポートするコンタクトレンズ大手、シード(7743・東証二部)です!2014年3月12日にはJASDAQから東証二部に市場変更を行いました。
 同社の出演は2012年8月8日、同年12月12日に続いて今回が3回目。井上哲男が代表取締役社長の浦壁昌広様と再会を果たしまして、収録もたいへん盛り上がりました。

 早速井上哲男の取材後記が届いていますので、どうぞお読みくださいっ!

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取材後記

シード(7743)(東証2部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の浦壁昌広様

 

「シードとしてのプロダクトミックスの意味」

 
▼2012年8月、初回出演の頃

 初めてシードさんにご出演頂いたのが一昨年の8月。浦壁氏が社長に就任されて1年半が過ぎた頃であった。ちょうど鴻巣研究所の増床による増産報道で7月に一日だけ出来高を伴って上昇したものの、その後利食いに圧されている時期であった。収録時の株価は269円。PBRが0.3倍台、PERは4倍台であった。社長が自嘲気味に「情けないですね。会社が3回以上潰せますよ」と言ったことが忘れられない。この言葉には、きちんと行われてきた財務面での施策が評価されていないという思いがあったのではないかと思う。それまでの2期で、業績が上向いたことから、34億円のフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフロー+投資キャッシュフロー)をもって借入金の圧縮に努めて借入れ依存度を36%台にまで低下させた結果、1株あたりの純資産は743円にまで上昇していたのである。

 放送日に株価は10%以上上昇したが、7月の報道後と違い、バリュエーションの割安さだけでなく、市場がやっと好調な業績にも注目したことから、その後も株価は腰折れすることはなかった。製品の引き合いに生産が間に合わず、鴻巣研究所の月間生産能力を900万枚から1200万枚に上昇させた頃で、その後、1600万枚、2000万枚と増加した生産能力は、現在建設中の鴻巣第2研究所がフル稼働すれば、3000万枚程度にまで跳ね上がることになる。しかし、浦壁社長は「3000万枚作る」とは言わない。「生産能力としては3000万枚程度」という表現を使う。これは、一つの製品に特化して作るのではなく、ずっと掲げてきた「多品種少量」製品を作ることによるラインの増設等、枚数としては若干減少することを予め考えたうえでの言葉なのではないかと私は考えている。

 
▼「多品種少量」へのこだわり

 この「多品種少量」に拘る姿勢は、今朝の放送の中で上方修正した前期の数値理由を話された際に、主力の「シード ワンデーピュア うるおいプラス」の好調さを最後に回し、それ以外の製品要因をまずは述べたことからも分かる。

 就任以来、自分自身に対して「今年はこれを重点項目としてやる」と言われ、それを実行されてきたが、昨年5月にお会いした際にはこれはという具体的な重点項目を挙げるのではなく、「チャレンジャー・スピリットを忘れない」、「スピードをさらに上げる」、「真面目な仕事をする」と言われた。ここ数年で確立して揺るぎないものとなった方向性をさらに高めるとともに、なぜそれを確立できたのかという精神的な部分を忘れないことによって弛みを生じさせないということであったのだと思う。

 そして、数字を達成した。速報ベースの同社推計ではあるが、昨年の1日使い捨てコンタクトレンズの金額ベースシェアで10%を達成したのである。2008年に1.1%、2010年に4.2%であったことを考えると、その伸びが分かろう。そうでなくても、コンタクトレンズは医師の処方箋に製品まで書かれるため、シェアを伸ばすのはとても苦労するものだ。たとえ少量であっても、利用者のニーズに沿った、"シードにしか作れない製品"、"国産のクオリティを十分に訴求できる製品"を作り続けたことが数字となって結実したのである。その良例が、遠近両用の1日使い捨てコンタクトレンズである「シード ワンデーピュア マルチステージ」の度数を0.5刻みではなく0.25刻みにしたことである。また、一昨年7月に発売した女性向けの瞳をくっきり際立たせて見せる「シード アイコフレ ワンデーUV」は年度ベースで約6%程度のシェアをとり、それ自体すごいことであったが、昨年は伊勢半とのコラボ製品である「ヒロインメイクワンデーUV」と合わせて、サークルレンズにおけるシェアを26%にまで拡大させたという。「多品種少量」を語る際に目標として言われていた「シードとしてのプロダクトミックス」の深い意味が私もやっと理解できた気がする。

 
▼ステップ・バイ・ステップ

 昨年夏に週刊現代の企画で「識者が選ぶ日本の社長3人」という企画で、私は浦壁社長を含む新興市場の社長3人の名を挙げた。あれから9ヶ月、なんと、そのうち2社は東証1部に市場昇格を果たし、シードも東証2部に昇格した。そして思う。あくまでも私の勝手な憶測であるが、シードがもう一つ階段を上る日は遠くない、と。

 

 目標を掲げ、それをクリアしてきたシード。しかし、日本がシードに期待する部分はまだまだ大きい。花粉症などの対策に有効なDDS(薬物送達システム)、薬剤を瞳の奥まで送る強膜リングデバイスなどの研究もそうである。「医療器具全体で6000億円の貿易赤字であり、そのうち1000億円がコンタクトレンズ。これをなんとかしたい」と以前から語っていた浦壁社長。同社長が引っ張り、日本製品でしか、シードでしか出来ないものを求める姿勢を同社が続ける以上、私もずっとシードを応援していきたい。収録を終えて今回も強くそう思った。


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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 メイド・イン・ジャパンのシードの活躍が、今後も一層楽しみになりました。

 なお、放送中にもご紹介あったとおり、シードは4月19日(土)に東京・浜松町で開催される「アサザイ・IRスペシャルセミナー」に参加します!アサザイでは収まりきらなかった話や、井上哲男からの同社分析も是非お聴きいただきたいと思います。
 下記リンクから参加申込できますので、ふるってご参加ください!

(関連リンク集)
■シード IR情報
■ラジオNIKKEI&PRONEXUS共催「アサザイ・IRスペシャルセミナー」4月19日開催※シード協賛!
■2012年8月8日放送の取材後記
■2012年12月12日放送の取材後記

代表取締役社長 浦壁昌広様、経営企画部の皆様と。
代表取締役社長の浦壁昌広様、経営企画部の皆様と。
3月26日放送「今日の1社」ブイキューブ(3681)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.03/26 今日の1社担当 記事URL
 一昔前に比べて、「テレビ会議」「ウェブ会議」という言葉が一般的になってきました。当初は大掛かりなシステムという印象が強かったのですが、現在ではかなりコンパクトに利用できるようになってきています。

 「テレビ会議」「ウェブ会議」または「電話会議」では海外企業が日本にも進出してきているのですが、3月26日放送の「アサザイ 今日の1社」にご出演いただいたブイキューブ(3681・東証マザーズ)は、この分野における日本企業の雄です!
 日本国内のテレビ会議・ウェブ会議などのクラウド市場において国内No.1のシェアを有し、さらには海外売上高も伸長させているのです♪

 井上哲男インタビューに答えていただいたのは、代表取締役社長の間下直晃様です。
 オンデマンドとあわせて、取材後記もどうぞお読みくださいっ!

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取材後記

ブイキューブ(3681)東証マザーズ

ラジオNIKKEIで収録。お相手は代表取締役社長の間下直晃様

 

「投資家の気づかない快挙」

 
▼フレッシュかつ確実な、上場

 若い優秀な社長であることは間違いない。昨年12月にマザーズに上場した際にも36歳のフレッシュさが伝えられたが、会社の設立は間下社長が慶応義塾大学在学中の21歳のときで15年もの歴史がある。慶応義塾が初めて学生のベンチャー企業に資本を入れたことが話題となったが、今回上場を果たし、その足跡と業績を見て、まさに成長路線を確実な状態にしてからの上場姿勢に強く感銘を受けた。ここ3年間の情報通信業の上場企業を見ていると、総じてこれからの業績拡大の道筋をつけた状態で上場する企業、きちんと上場することの意義を理解した経営者が多いことを感じる。昔のITバブルのときとは制度面も含めて大きく変わったことを投資家は理解して欲しい。否、私が言うまでもなく、個人投資家の人気を集めている状況をみると、きちんとそのことは伝わっているのかもしれない。

 それでは、投資家の気づいていない同社の快挙については後ほど述べよう。

 
▼伸長する「ウェブ会議」

  「アジアナンバーワンのビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」を掲げている同社の売上げで最もウェイトを占めるのはウェブ会議(V-CUBEミーティング)である。このウェブ会議は、番組でも紹介したが、場所が会議室に限られ、機材も高く、一回あたりの料金も高い「テレビ会議」と無料のビデオチャットの中間に位置するものである。タブレットの活用で会議に参加する場所も特定されない。画面の半分を資料に用いることも可能である。また、テレビ/ウェブ会議も有効だ。日本の会議室に経営者陣が居て、タブレットを持った人間が海外の工場でできたばかりの試作品を実際に見せることも可能であろう。無料のビデオチャットはあくまでも個人レベルのコミュニケーション・ツールであって企業が求めるセキュリティーのレベルでもなく、また、フリーのツールにはそれを求めることもできない。「ウェブ会議」は費用の面からも、また、効用の面からも企業が求めるちょうど良い水準なのである。

 

 一部のアナリストが同社の「ウェブ会議」が決して参入障壁が高くないことを危惧していると聞いたことがある。確かにそのことは"事実"かもしれない。しかし、そのアナリストは"もっと大切な事実"を見逃している。それは、ブイキューブが、アナリストの云う「参入障壁の高くない分野」において日本国内で6年連続トップシェアを誇り、急激にアジアでも売上げを伸ばしているという事実が何を意味しているのかということである。

 
▼アジアでの"快挙"

 日本企業とそのアジアにおける工場のウェブ会議は国内売上げにカウントされることから、アジアでの売上げは現地の政府機関、公的機関、企業の売上げである。その海外売上高比率は前々期(2012年12月期)の2.6%が前期(2013年12月期)には9.5%にまで上昇し、今期は20%程度にまで伸びる見込みである。そして、売上高営業利益率も前々期の5.2%が前期に10.9%と二桁に乗せ、今期見込みは15.3%と情報通信業の中でもかなり高い水準にまで跳ね上がる見込みとなっている。前述した上場時の「業績拡大の道筋」とはこのことなのだが、なぜ、ここまで業績が拡大できるかといえば、それは同社が他社と違いケーブルなどのインフラに資金も投じて整備した結果、他社を寄せつけないウェブ会議の安定性、確実性が認められているからなのである。

 

 半導体、PC、ソフトウェアなど情報通信に関わるハード、ソフトともに、例えそれが日本で生まれたものであっても、世界との競合、シェア争い、スタンダード化という点で勝てたものはない。ブイキューブは後から出て行ったアジアにおいて、それを成し遂げたのである。これが同社の"快挙"なのだ。

 
▼IRへの姿勢

 話は変わるが、私は同社の会社説明資料や決算説明資料が好きである。無駄がなく、きちんと主旨、目指す方向性、経営指標がまとまっている。ビジュアル的にも見やすい。外注なのか内製なのかと聞いたところ、なんと社長自らが作成しているという。「自分が話す、伝えるための資料は自分で作りたい」と言われた。「アサザイ」出演企業で同じことを言われた社長がもう一人いた。アールテック・ウエノの眞島社長である。ふと、気付いたが、お二人とも慶応義塾大学出身である。両社の好調な業績とIRに対する姿勢は、社長の「独立自尊の精神」がバックボーンとしてあるのだろうか。そういえば、名字も似ている。。。

 

 「アサザイ」を始めて、もうすぐ2年になるが、ひとつ確実に変わったのが、東南アジアを訪問したい理由である。ファンドマネージャーとして資金の出し手に対する運用説明のために東南アジアを訪問していたときとは違い、今は「アサザイ」で紹介した企業の東南アジアにおける事業活動を見に行きたくてしょうがないのである。アジアでの業績拡大のため、間下社長は遂にシンガポールに移住したという。近い将来、シンガポールでの再会を約束して別れたが、必ず果たしたいと思う。その際には、弊社がブイキューブの「V-CUBEセミナー」を利用した場合の話がしたい。

 「B2B2C」=「1対N対N」。2番目の「B」と「N」が弊社で、3番目の「C」と「N」は無論、皆さん投資家である。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 用意された言葉ではなく、自分の言葉で投資家に語りかける。これはやはり、それを聴く側にもメッセージが届くのではないでしょうか。
 間下社長と井上哲男がシンガポールで再会されるとき、社長の言葉できっと語られるであろう、ブイキューブのさらなる成長の道筋が楽しみです。

 それでは来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク)
■ブイキューブ IR情報


代表取締役社長の間下直晃様と。
代表取締役社長の間下直晃様と。
3月19日放送「今日の1社」PALTEK(7587)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.03/19 今日の1社担当 記事URL
 半導体は「産業のコメ」呼ばれ、現代社会にはなくてはならないほどにあらゆるエレクトロニクス機器に使われています。技術の発展とともに使われる分野もたいへん大きく広がり、現代のエレクトロニクス業界においては実に多様な企業が半導体をもちいた製品を提供しています。

 3月19日放送の「アサザイ 今日の1社」は、エレクトロニクス機器の設計開発のパートナーとして多様な企業の発展を支える半導体商社、PALTEK(7587・東証ジャスダック・スタンダード)です!

 多様な製品・企業・ニーズ・・・。この現代において1社で全てを完結することは難しく、お互いの長所を活かし、足りない部分を補い合うことが必要です。今回ご出演いただいた代表取締役会長の高橋忠仁様は、かねてから企業理念としての「多様な存在との共生」を掲げてきまして、今回の収録での井上哲男との対話でもテーマのひとつとして語っていただきました。
 
 さっそく井上哲男から今回の取材後記が届きましたので、どうぞお読みください!

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取材後記

PALTEK(7587)東証ジャスダック・スタンダード

ラジオNIKKEIで収録。お相手は代表取締役会長の高橋忠仁様

 

「多様性」

 
▼急上昇ワード「生物多様性条約」

 中学入試の社会において、5年前までほとんど問われることがなかったものの、3年前からいきなり単語を答える問題で最頻出となったものがある。それは、「生物多様性条約」という言葉だ。

 「生物多様性」という単語は1985年に米国で生まれた。1992年の地球サミット(リオデジャネイロ)で条約として調印され、2010年に名古屋で行われた会議で名古屋議定書が採択されたことから大きく前進して現在に至り、前述のとおり"最頻出単語"にまでなった。出題される理由は「小学生としてこの言葉の意味を理解していて欲しい」ということであろう。日本には「京都議定書」と「名古屋議定書」という、世界に誇れる2つの環境に関する議定書がある。

 

 この「多様性」という言葉を、産業機器の方向性、その為に果たさなくてはならない半導体の使命として言い続けてきた人がいる。それがPALTEKの高橋会長である。それこそ、米国で「生物多様性」という単語が生まれるもっと前からである。

 番組の中でも述べたが、会社情報や四季報において卸売業に属する半導体商社の紹介文の多くは「~系半導体商社。~に強み」とごく簡略化されているものが多い。しかし、説明をひとことで済ませてはいけない業種というものがあり、その最たるものが半導体商社であると私は考えている。もっと、バッサリ斬ろう。ひとことで済ませて良い半導体商社と、済ませてはいけない半導体商社がある。そして、その判別は実は簡単にできる。売上高のセグメントで、民生電器やPCが大きい会社は前者であり、それ以外の、特に産業機器のセグメントが大きい会社は後者である。PALTEKは後者の筆頭である。さらに言うと、前者は卸売業であるが、後者を卸売業というセクター・クラシフィケーションに置くことに私は違和感がある。

 
▼日本の産業と多様性

 日本は多様性の国である。この多様性は食品ひとつをとっても海外からの引き合いの源泉となってきた。この10年あまり、香港において最も変化を感じるのはコンビニエンス・ストアである。キャンディー、ガム、飲料がどの店も数種類しかなかったものが、今は日本の多くの品で溢れ、店自体の作りも明るくなっている。この流れは、東南アジアでもそうだ。

 それでは製造業はどうであったろうか。乏しい資源、狭い国土という条件の下、労働生産性の変遷が、その産業構造を大きく変えてきたと考えられる。安価で優秀な製品を大量生産することが得意であった時代が終わり、東アジアの台頭で半導体、スマホなど完全について行かれない状態となってしまった。そして、現在は少量多品種で付加価値と社会貢献度の高い製品、つまり多様化へのシフトが求められている。しかし、多くのメーカーは価格戦争に対抗するため技術者を削減してきたがゆえに、スムーズに対応できない状況で苦しんでいる。

 しかし、PALTEKは従業員の三分の一以上の技術者を抱えて、メーカーの希望する製品を作り上げるための半導体のセットアップ(カスタムメイド)に努めてきた。よくぞ踏ん張ってくれたと思う。このことが日本のエレクトロニクス産業において持つ意味は大きい。その技術を活かして、メーカーのために設計・開発を行い、試作ボード、量産ボードの受託サービスまで請け負うことができる同社の「デザイン・サービス事業」は、売上げとしてはまだ占める比率は小さいが、「半導体事業」で技術者を切り捨てなかった同社の誇りが形となったものである。

 
▼屋久島に見える、日本の進むべき道

 高橋会長にずっと前から多様性を語らせたものは、故郷である屋久島の生物多様性であるように思う。収録前に会長が語ったのは、同社に写真が飾ってある縄文杉の話ではなかった。かつて大量に杉を伐採し、近隣火山の噴火を受けても現在の状態でいられるのはなぜかということであった。

 樹齢何百年の杉の下に生える、1年で生え替わる苔の果たしてきた意義、屋久杉というと大きく伸びた一本杉を思い浮かべるが、実際は1本の木なのに、たくさんの他の種類の木がそこから生えていたりする。

 そこに存在する全ての生物を意味する多様性。多様性のある自然だからこそ強く、何があってもその状態を守れるのである。屋久島の自然は、日本の進むべき道を教えている。そして、私も上場する3600社の多様性をきちんと説明していく。多様性を持つ自然、国、産業、市場は強い。

 
▼「はじまりの場所」、屋久島を想う

 私的なことで恐縮だが、私は文章を書く際に、実は一人の読者を強く意識して書いている。それは私が35歳の時に他界した父である。私は独身時代、多くの時間を父と語らうことに費やした。父の書いた文章や、趣味で父が作った俳句についてまでもよく語りあった。父の生前、私は日経新聞や日経金融新聞で週に何度もコメントが掲載されていたが、それはあくまでもコメントであって、文章という形で世に発表されたのは数回しかなく、父にそれを教えることも、意見を聞くこともしなかったことをずっと後悔していた。しかし、つい先日実家の整理をしていたところ、父の書棚から私の文章が掲載された雑誌がポロポロと出てきた。父は見ていてくれたのだ。

 父の最後の仕事は、教壇に立ちながら日本マングローブ協会の活動をすることであった。そのため、東南アジアと日本を行き来して、屋久島にもしょっちゅう長いこと滞在していた。

 「日本がここから生まれたのではなく、世界がここから生まれたのではないかという気持ちになる島だ」と一度だけその感想を聞いたことがある。そして、父の死後、島を訪れた妹が同じようなことを言ったので私はとても驚いた。私も行かなくてはと思いながら、まだそれは果たせずにいる。

 

 何れ正式に発表するが、昨日3月18日に私は小さな会社を作った。設立後にラジオNIKKEIに来週分の収録に向かうと、ディレクターが封筒を持ってきた。封筒にはPALTEKのIRをご担当されている柴崎様のお礼の文章が貼ってあり、中には屋久島の写真集が二冊入っていた。夜中にゆっくりと見ていると、島全体を俯瞰した写真に小さな付箋が貼ってあり、矢印とともに「マングローブ林はここです」との文字があった。思わず涙が出た。最高の設立プレゼントである。この写真集を会社に置こうと思う。父は私の文章をずっと見てくれている。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 日本の半導体産業は、大きな時代のうねりの中にあります。その中を生き抜いていくには、やはり多くの企業との共生していける「しなやかさ」が必要ではないでしょうか。また理念という芯があってこそ、波を超えていけるのだと思います。

 今回のPALTEKはもちろん、多様性の中で磨かれていく日本の企業の将来が、楽しみです♪

 また来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■PALTEK 企業理念
■PALTEK 株主・投資家情報
■PALTEK 個人投資家の皆様へ 早わかりPALTEK

■オンデマンド配信 放送版・・・アサザイで放送された内容を再度お聴きいただけます。
■オンデマンド配信 ロングバージョン・・・放送版でおさまりきらなかったインタビューをお聴きいただけます。

代表取締役会長の高橋忠仁様(左)、総務&HRグループ課長の柴崎様(右)と。
代表取締役会長の高橋様、総務&HRグループ課長 柴崎様と。
3月12日放送「今日の1社」日本取引所グループ(8697)の取材後記につきまして [「今日の1社」取材後記]
2014.03/12 今日の1社担当 記事URL
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 毎回「取材後記」をお読み下さいまして誠に有難うございます。

 今回、放送させて頂きました日本取引所グループ様(東証一部、8697)につきましては、業種区分が「その他金融」でいらっしゃることから、「取材後記」の掲載を自粛させて頂きます。弊社も含め、金融機関は金商法、布令、ガイドライン、金融諸協会の諸規則等によるコンプライアンス事項の遵守が求められております。

 「取材後記」は私が取材を通して感じたことを、あくまでも私の主観として書いているもので、投資の勧誘を目的としたものではありません。また、私が書いたものをそのまま配信し、企業活動と齟齬があった場合のみ、その部分を訂正するという形で、企業様に事前に了解や校正を求めたこともありません。

 しかし、「取材後記」が、前述の法令等における「広告に関する規定」から導かれる「ソーシャルメディアにおける第三者による記載」に該当しているのではないかと当局等が考え、企業様にご迷惑がかかってはいけないとの判断から、金融機関である企業様については「取材後記」の掲載をこれまでも自粛させて頂いてまいりました。日本取引所グループ様が金融機関であるかどうかという判断はございますが、「その他金融業」に所属していることと、その社会性・公共性を考慮したうえでの自粛でございます。

 放送の中でも申し上げましたが、日本取引所グループ様の情報開示姿勢は世界一であると鶴首しております。是非、オンデマンド放送をお聴き下さいませ。  井上哲男
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(今日の1社担当より)
日本取引所グループより、リスナープレゼントをいただいております!
のちほどこのウェブサイトでお知らせいたしますので、ふるってご応募くださいませ。

■日本取引所グループ ウェブサイト

広報・IR部長の多賀谷彰様と。






 

3月5日放送「今日の1社」ティア(2485)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.03/05 今日の1社担当 記事URL
 かつて「人生50年」という言葉がありました。現在は平均的には80年というところまできていまして、昔に比べてたいへん長い人生をおくることができるようになりました。
 それに対応して、長い人生をサポートする事業が各方面で発達してきています。リタイア以降のライフイベントをサポートする保険商品や、あるいは介護サービスなど、「今日の1社」でもご紹介してきた企業が活躍しています。一生を通じていかに幸せな生活をおくるか、誰にとっても共通する願いではないでしょうか。

 3月5日放送の「アサザイ 今日の1社」では、人生を締めくくるライフイベント「葬儀」をサポートする、ティア(2485・東証2部、名証2部)をご紹介しました!

 ご出演いただいたのは、年間150回におよぶ講演でティアの理念を伝え続ける、代表取締役社長の冨安徳久様です。2012年12月5日放送以来、2回目のご出演です。
 1年3ヶ月ぶりに再会した井上哲男から取材後記が届いていますので、どうぞお読みください♪

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取材後記

ティア(2485)(東証2部、名証2部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の冨安徳久様

 

「生涯スローガン」

 

▼地域を向いた営業
 二度目の収録を終えて、ますますティアが、そして冨安社長が好きになった。

 売上高の近年の伸び(グロース)が最も葬儀業で高いティア。その魅力は前回(1年3ヶ月前)お越し頂いた際に取材後記に書かせて頂いたが、何も変わることが無かった。

 ティアを語るキーワードはまず定量ではなく、定性の中に散りばめられている。「ありがとう」、「ティアの会」、「葬儀価格の公開」などだ。このティアの会の会員数は前回お越し頂いた時から3万人以上増加して現在は、ほぼ約23万人だという。多くの葬儀社がこのように会員を募るが、それは葬儀を行った後に遺族に対して勧誘をしたり、また、生前でも積み立てをすることによって葬儀代になんらかのメリットがある場合が多いが、ティアの会は違う。入会金1万円だけで積み立てはなく、生前も多くの提携ショップで割安で楽しめるのだ。発想が逆である。

 

 発想が逆なのは、営業姿勢からも分かる。多くの葬儀社が病院営業と呼ばれる営業をするのに対して、ティアの営業は「地域営業」。講演会のお呼びがかかれば社長は出向き、社員も町のお祭りにも積極的に参加する。実際に親族がなくなるまで葬儀社の"顔"が見えないことが多いが、ティアの場合は生前から分かっていて、ここに任せたいという気持ちになるのである。9割を超えるティアの会の継続率はティアのやり方が間違っていないことを物語っている。

 
▼支持される理由

 "発想が逆の最たるもの"は「葬儀価格の公開」である。本来、開示せずに行われていたものを開示して業界に風穴を開けたことが何よりもこの会社の透明感を高め、支持された理由である。

 そして、何よりも「人財」(ティアは「人材」という言葉は使わない)。その教育はティアアカデミーという独自の教育システムでステップアップしておくが、その目標は前回の後記にも書いたように、葬儀という場面でご遺族に、または、生前に葬儀に関する質問をされる方に、実際に接する社員が誰一人欠くことなく同じ想いを共有するためである。「日本で一番、『ありがとう』といわれる葬儀社になる」という生涯スローガンの「生涯」は、社長だけでなく、会社の「生涯」なのである。

 

 前期、売上高が予想を下回ったが、利益3項目は何れも予想を上回った。葬儀の予想件数も、葬儀単価も若干下回ったのに、である。これは葬儀商品の仕入れなどの工夫によりコストを下げたことを意味していると思われる。そして、前年の記念配分も含めた金額の配当をきちんと行った。

 
▼まだある「気付き」

 冨安社長は本当に正直な人間である。2年前にご尊父を亡くされて喪主をされた際に、段取りは全て分かっているのに、何も分かっていない自分に気づいたという。葬儀を行う際に、もっと親族に対して行ってあげることに気づいたという。「父親がそのことを死んで教えてくれたような気がする」と言っていた。そして、それ以来講演会で話す内容も少し変わったという。

 私は一つ約束をした。それは講演会を聞きに行く約束である。是非、講演会を、特に地元の名古屋で行われる講演会を聞いて、そのあと、また話をしてみたい。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたでしょうか。
 放送でも取材後記でも、井上哲男は「ティアについては定量よりもまず定性」ということを強調しています。冨安社長自身も、「社員に売上や利益で日本一と言ったことは一度もなく、日本一『ありがとう』と言われる葬儀社になることを言っている」と明言されています。この部分は、以前からまったくぶれていないですね。

 冨安社長の投資家向け講演は私も2回ほど拝聴する機会がありまして、いずれも情熱あふれるお話をされていたのが強く印象に残っています。各地で講演されていますので、機会がありましら是非♪

 なお、放送でもご紹介したとおり、ティアは本日3月5日(水)~7日(金)に、東京ビッグサイトで「フランチャイズ・ショー」に出展しています。詳細は下記の関連リンク集からご参照くださいね。

 また来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■ティア IR・会社情報
■「ティアの会」のご案内
■「ティアアカデミー」
■ティア 2012年12月5日放送の取材後記
■ティア 2012年12月5日放送のオンデマンド(放送版)
■ティア 2012年12月5日放送のオンデマンド(ロングバージョン
■フランチャイズ・ショー 出展社情報 ティア


代表取締役社長の冨安徳久様、取締役 経営企画室室長の辻様と。
代表取締役社長の冨安徳久様、取締役経営企画室室長の辻様と。
2月19日放送「今日の1社」東部ネットワーク(9036)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.02/19 今日の1社担当 記事URL
 日本は総じて豊かな国であり、国土のすみずみまで物資が常に運ばれ続けています。私たちが日頃お店で手に取る商品なども、欠品が無いように店舗のニーズに合わせて常に物流が動き続けているのです。
 毎週お店に行って、当たり前のようにそこにあるドリンクを買う。日本は産油国でなくても、全国どこに行っても石油が手に入る。普段は意識することがあまりないかもしれませんが、最近の大雪などで、物流の大切さをあらためて感じた方も多いのではないでしょうか。

 2月19日放送の「アサザイ 今日の1社」は、そんな日本の物流を支える東部ネットワーク(9036・JASDAQスタンダード)です!
 東部ネットワークは、横浜市を主要な拠点とする総合物流企業。創立70周年を迎える歴史の中で、食料品・石炭等の輸送に始まり、その後石油類・硝子びん・清涼飲料水・セメントの輸送や商品販売事業など、事業領域を広げてきています。

 今回は代表取締役社長の芦原一義様にお越しいただき、井上哲男インタビューに答えていただきました♪
 同社のバリュエーションにも注目した井上哲男の取材後記をお読みくださいっ!

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取材後記

東部ネットワーク(9036)(東証ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の芦原一義様

 

「陸運業におけるバリュエーションの齟齬(そご)」

 

▼3週連続「イノウエ・セレクト」
 結果から述べる。3週連続でNISA向け「イノウエ・セレクト」シールを貼る。

 運送会社が東証業種分類で「陸運業」に属することは投資家であれば誰もが知っている。日本の貨物運送の9割以上は自動車、つまりはトラックで行われているが、総務庁の産業分類上の「一般貨物自動車運送業」で上場している企業数はちょうど30を数える。このくらいあると分析のしがいがあるのだが、皆が抱いている企業イメージと収益率の優劣にギャップがあることもこの業種の特徴といえる。

 この業種で売上高の大きい5社といえば、「日本通運」、「ヤマトホールディングス」、「日立物流」、「セイノーホールディングス」、「センコー」であるが、実はこの5社は営業利益、経常利益、最終利益をそれぞれ売上高で除したところの利益率で上位5位にいずれも入っていない。売上高最終利益率の上位5社(前期決算)を挙げると、「南総通運」、「サカイ引越」、「東部ネットワーク」、「ハマキョウレックス」、「丸全昭和」と中堅が並ぶのである。

 
▼バリュエーション・ギャップ

 「陸運セクター」は、全業種(指数構成)対比のバリュエーション評価が正当に行われていないのではないかという疑問を10年以上抱いてきたが、それだけではなく、陸運セクター内においても相対的なバリュエーション評価がされていないと感じる。

 それはPER、PBRという評価の入り口のような指標からも分かる。この東部ネットワークのPBRは昨日2月18日の終値ベースで0.30倍と同業30社の中で下から3番目である。これが財務内容に不安のある会社であれば別であるが、同社は30社のうち3社しかいない無借金会社で当然デットエクイティ・レシオはゼロである。因みに同業のデットエクイティ・レシオの平均は80%程度であり、東部ネットワークのバリュエーション評価は「不当」のような気さえする。

 以前、私はこの取材後記で2社について同じことを述べた。「シード」と「コメ兵」のときである。そして、その後、2社の評価は正常なレベルに戻ったことを考えると、やはり、シールを貼りたい。しかし、「シード」や「コメ兵」のときのように短期間でそれが行われるかというと時間はかかると思う。なぜならば、前述したように「陸運セクター」自体の全業種(指数構成)対比でのバリュエーション評価の補正も必要だからである。

 
▼ピンチをチャンスに変える経営

 東部ネットワークの「東部」とは「横浜東部」のことである。地域性の強い運送会社であったことが分かる。それではなぜ、その地域性の強かった、そして規模が決して大きくなかった会社がここまで収益性も財務健全性も高い企業になれたかの答えを、私は同社が創立70周年記念に作った冊子の中に見つけることができた。

 リーマン・ショック翌年である2009年6月の神奈川新聞の社長インタビュー記事によると、芦原社長が社長に就任して4年目の2004年に、神奈川県のある大手百貨店が、同社に任せていた配送を関東圏全体を対象にした入札に切り替えた結果、契約を解除されたという。

 社長は、その対応として配送拠点を大幅に縮小するなどの経営の見直しを図るとともに、営業所を回って全国展開の必要性やトラックの大型化の必要性を説いて回ったという。当然、転勤も増えるし、それまで百貨店担当であった運転手は新たな資格の取得も必要になることも説明したが、社員の反応は良かったという。「危機感を共有できた。チャンスに変わるかもしれない」そう感じたという。

 

 その後の戦略は、番組の中でも紹介したようにトレーラーによる一回あたりの輸送量の拡大や最適なコースや品目、数量をコンピューターで計算させる自動配車システムの導入、一業種の動向に業績が左右されないための多品種配送、そして全国展開の拡大などである。

 今から3年前、同社は富山県砺波市に東部北陸物流センターを、神奈川県海老名市に東部海老名物流センターを竣工した。これらは一貫物流の拠点である。百貨店の契約が解除されてから7年。社長の胸にはどのような想いが去来したであろうか。

 
▼「アサザイ」で伝えたい、知られざる魅力

 以前、「アサザイ」と他のIR番組の違いや使命感のようなことを書いたことがあったが、今回もそれを痛感した。時価総額の大きい企業に偏重する証券会社のアナリスト・レポートに取り上げられない上場企業のおよそ三分の二の企業、全上場企業対比や同業対比で優れた経営指標やグロース数値を持っていながらそれに自身が気づいていない企業、自身の定量的な数値を知りたいと思い、それを公開企業としての責務でIRにつなげたいと考えている企業。それらの企業のために「アサザイ」はある。

 今回同社の個人投資家向け資料に、輸送経済新聞の数字から作ったグラフを載せているのを見た際に私は少しグッときてしまった。こういうまじめな努力をする企業に、「こんなもんじゃないですよ、御社のバリュエーション上の魅力は。まだまだありますよ」と言ってあげたい、実際にその定量的な数字を示してあげたいのである。また、感謝している。こういう企業があるから、私は毎回定量分析を充分に行ってから収録にあたるというモチベーションを保つことが出来るのである。

 

 今後、同社はIRにさらに力を入れるつもりだという。その資料を私は見て、もしかしたら平気でダメ出しをするかもしれない。しかし、それは同社の魅力を分かっているからこそである。

 IRの目的は、公開企業として業績・経営指標をきちんと開示し、その業績にふさわしい株価にすることである。バリュエーション評価の改善を考えた際には、そこに業種内の比較数値の開示も有効であろう。同社の業績、そしてIRの姿勢をずっと見守っていきたいと強く思う。
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 取材後記中にある「個人投資家様向け説明会資料」は末尾にリンクして置きましたので、どうぞご参照ください。マーケット情報以外にも、「なぜトレーラー車なのか?」など、極力わかりやすく説明されていると思います。

 「アサザイ 今日の1社」では、井上哲男の得意とする定量分析もまじえつつ、出演企業の魅力をお伝えしています。取材後記にもあるとおり、企業自身がその優位性や魅力にお気づきでないケースも確かによくあります♪

 およそ3,600社にもおよぶ上場企業には、そんな「知られざる魅力」をもった企業がまだまだたくさんあります。今後も是非、そんな魅力をご紹介できればと思います!

 また来週のアサザイもお楽しみに~。

(関連リンク集)
■東部ネットワーク ウェブサイト
■2013年6月11日 東部ネットワーク 個人投資家様向け説明会資料

代表取締役社長の芦原一義様と。
代表取締役社長の芦原一義様と。
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