8月20日放送「今日の1社」コンドーテック(7438)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.08/20 今日の1社担当 記事URL
 現代の日本は、たいへん豊かな社会になりました。
 日本列島の隅々にまで道路が張り巡らされ、橋梁が街をつなぎ、鉄道や車、船舶などが人と物資を運んでいます。そうした都市基盤の上にITインフラが整備され、今度は「情報」が迅速にかけめぐる社会になりつつあります。

 そんな最適化の進んだ社会は、基盤となるインフラがしっかりしていてこそ機能します。
 8月20日放送の「アサザイ 今日の1社」には、社会活動に不可欠なインフラ、環境関連資材を供給するコンドーテック(7438・東証一部)をご紹介しました!
 
 今回は代表取締役社長の近藤勝彦様
にお越しいただき、井上哲男がインタビューしました。
 井上哲男から取材後記が届いていますので、どうぞお読みくださいっ!

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取材後記

コンドーテック(7438)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の近藤勝彦様

 

「ROEだけでなくROAにも注目」

 
▼堅調な業績を支える、5万アイテム

 ファンドマネージャーでいた時も、同社の堅調でブレの少ない業績を注目していた。上場は1995年であるが、それからの10年間、同社は売上高で220~250億円程度、営業利益で12億円程度の数字をコンスタントに出していた。その安定成長期からさらに10年を経て、現在は拡大成長期に入っている。この10年間で売上高はさらに2倍、営業利益は3倍程度になった。今期見込みでの最高更新は、売上高が4期連続、営業利益が3期連続、経常利益が4期連続、最終利益が3期連続となる。資材の高騰等の逆風もあるが、業績は絶好調といえる。

 

 その業績の堅調さは、カバーしている製品の多さとリスクの分散にある。同社が扱っている製品・商品は5万アイテムにもおよぶが、(商社兼)メーカーとしての生産の6割は受注生産であり、在庫リスクが小さい。また、販売先は2万社もあり、上位10社を合計しても全体に占める割合は7.6%に過ぎず、リスク分散効果が高いことが分かる。そして、この販売先であるが、毎年1500社程度増加しているという。

 
▼「ROA」の重要性

 2週に亘って「卸売業」の見方を紹介した。今日はそのポイントとして「ROE」同様に「ROA」にも注目して欲しいと述べたが、重要なことなのでここに再度記す。

 

 コンドーテックは単体で無借金、連結でもデットエクイティレシオが4.3%と、ほとんど有利子負債のない会社であるが、卸売業には有利子負債の大きい会社が多い。財務健全性と負債による事業のレバレッジ効果はシーソーの関係であり、企業は(株主・自己)資本をベースに借入れ等を行って事業を拡大させることは極めて理に適ったことである。しかし、ROEの分母は自己資本であるため、有利子負債の存在の正当性を示す根拠とはならない。そのため、ROAが重要な働きをするのである。

 

 ROAは総資本(総資産)が分母であるが、分子の利益に、ROEと同じく、最終利益を用いているものをよく見かけるが、これには、何も意味が無いと私は考えている。分母が自己資本から総資本に変わっただけ、単に総資産最終利益率という、啓蒙的でない不毛な数字を出しているだけである。

 ROAにはやはり営業利益に利息・配当金収入という金融収益を加えた事業利益を用いるのが適当である。なぜならば、この数字が、有利子負債のコスト、言い換えれば、金融コストを上回っていれば、有利子負債を増加させても事業を拡大させることが有意であるからだ。

 それなのに、分子に最終利益を用いる理由の多くは、事業利益を算出するのが面倒だということであろう。それ以外に理由は見当たらない。企業の説明会に出て、「ROA」になぜ事業利益ではなく、最終利益を用いるのか、それにより会社は何を測っているのかと質問したら、おそらく多くの企業は返答に窮するであろう。少なくとも自社の数字は事業利益を用いるべきである。


▼日経IRフェアで、ご確認を 

 つい熱くなったが、同社の数字は、ROEが11.1%、ROAが10.4%(前期、弊社試算)とROAも高いことが分かる。財務健全性を見る際に、デットエクイティレシオ、インタレストカバレッジレシオに加えてこのROAを見て欲しい。ROAが低いのにデットエクイティレシオが高く、インタレストカバレッジレシオが低い企業については財務政策を注視しなくてはならない。

 

 8/8の増配発表により、昨日(8/19)まで8.2%株価は上昇しているが、それでもPERは10.38倍、PBRは1.13倍とバリュエーション的な割安感は強い。同社は8/29-30に東京ビックサイトで開催される日経IRフェア2014に参加される。是非、事業内容をブースでご確認頂きたい。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?

 コンドーテックのIRサイトには、「個人投資家の皆様へ なるほど!コンドーテック」というコンテンツがあります。
 個人投資家の皆様に向けて、事業内容がわかりやすく説明されています。日経IRフェアとあわせて、ウェブサイトもチェックしておくとよいと思います。

 また来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■コンドーテック ウェブサイト
■コンドーテック 個人投資家の皆様へ なるほど!コンドーテック
■日経IRフェア2014 ウェブサイト

代表取締役社長の近藤勝彦様と。
代表取締役社長の近藤勝彦様と。
8月13日放送「今日の1社」丸文(7537)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.08/13 今日の1社担当 記事URL
 エレクトロニクス商社というと、社名はカタカナが含まれる企業が多いのではないかと思います。
 8月13日放送の「アサザイ 今日の1社」でご紹介したのは、その名も漢字2文字のエレクトロニクス商社・丸文(7537・東証一部)です! 

 丸文の創業は170年前、呉服問屋を起源としていまして、その後業態転換をはかり現在にいたります。その中でも「常に時代の一歩先を見据え、次のニーズに応える」ことを理念とし、日本で初めて集積回路(IC)の輸入販売を開始するなど半導体供給のパイオニアとしても活躍してきました。

 今回は代表取締役社長水野 象司様にお越しいただきまして、同社の強みや中期計画の取り組み等についてお話いただきました。
 インタビュアーの井上哲男から取材後記が届いていますので、是非お読みください!

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取材後記
丸文(7537)(東証1部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の水野象司様

「先見・先取のDNA」

▼織物問屋の先見と友情
 慶応義塾大学の三田キャンパスの一角に、歴史を感じさせる赤レンガの図書館がある。そして、この建物が意外なことに丸文とつながりがある。

 日本で初めて集積回路を輸入した独立系のエレクトロニクスの専門商社である丸文。この事業としての設立は1947年であり、既に67年という歴史があるが、そのルーツは江戸時代の1844年に堀越角次郎が現在も本社を構える日本橋(大伝馬町)で絹織物・綿織物の問屋を始めたことにまで遡る。
 「丸文」はその屋号であるが、もし、そのままの問屋でいたら、江戸時代末から明治初期において、多くの織物問屋がそうなったように、淘汰されてしまったかもしれない。しかし、下田・函館がペリー来航によって開港したのに続き、日米修好通商条約によって、神奈川(開港とともに横浜に改名)が開港されると聞くや、横浜支店を設立して貿易を行ったことが、「丸文」をさらに大きくしたのである。実は、ここで動けたかどうかが、その後の織物問屋の栄枯を決定する分水嶺となった。動いた問屋の動機は明白である。米国の開国要求の意図は、捕鯨船の給油基地確保と米国の紡績業・綿織物業の相手先探しの2つだけであったのだから。

 但し、この時代の商人が外国と貿易を行うということは、言葉の問題だけではない困難を伴った。その最も厄介なものが『攘夷論者』である。「尊王(皇)攘夷」の「尊皇」は理解できるが、「攘夷」という言葉の意味はひとことでは片付けられない。それぞれの者が持っている「攘夷」の解釈を巡って、多くの藩が争い、また、手を組んだほどである。そして、この時代に「攘夷」という言葉の解釈に最も苦しんだ一人が福沢諭吉であったと思う。この言葉を嫌い、この言葉の意味を自分の中で折り合いをつけることが出来なかったがゆえに、福沢諭吉は自ら政治的な活動を行うことはせず、また、吉田松陰のように塾生に政治的な活動をさせることもしなかったのだと、私は考えている。堀越角次郎と福沢諭吉は親友である。堀越角次郎は赤レンガの図書館を諭吉に寄贈し、諭吉は角次郎の墓誌銘を刻んでいる。二人に共通していることは、当時の一般的な解釈で「攘夷」という言葉を捉えなかったことである。

▼卸売のROE
 例によって、定性部分が長くなった。
 番組でお話ししたように、今週、来週と卸売業が続く。そのため、2週に亘って、卸売業を見るポイントを書こうと思う。

 卸売業はROEの加重平均が非常に高い業種である。それは、ROEが利益/自己資本(株主持分)であり、分母に借入金が入らないからである。卸売業は、情報通信やサービス業のように利益率が高い業種ではない。そのため、借入れを行うことによってレバレッジをかけ、売上と利益の増大を目指す財務行為は理に適っている。これが奏功すれば結果的にROEは上昇することになるのであるが、無論、この前提にあるものは、財務の健全性がきちんと達成されていることである。

▼肉体改造の成果
 丸文は、中期経営ビジョンとして、「持続的な成長が測れる筋肉質な企業の実現」を掲げている。12年3月期と前期末(14年3月期)を比べると、負債比率は255%から181%へと減少しており、その2年間で財務活動によるキャッシュフローは146億円ものマイナスになっている。つまり借入金の圧縮を行ったのである。この財務活動によるキャッシュフローのマイナスが本業の好調さからきていることは、ROEがこの間、3.1%から5.6%に上昇していることに表れている。実際、最終利益は10億円から20億円に倍増し、経常利益も同じように24億円から40億円に大きく増加している。
 この結果、営業利益に受取利息等を加えた事業利益を支払利息等の金融費用で除したインタレストカバレッジレシオは4.4倍から10倍に拡大している。10倍という数字は、財務面での余裕、金利負担能力を測るうえで、卸売業や電気業(電力会社等)といった借入れの大きい業種、企業において「極めて安全」の尺度となる数字である。まずは、財務面における、「筋肉質な企業の実現」は着実に進んでいると考えられる。

 さて、事業戦略上の重点施策であるが、「デバイス事業」、「システム事業」それぞれにおける、国内外の重点施策を掲げているので、ホームページの「投資家情報」→「IRライブラリー」→「決算説明会」→「2013年度通期(プレゼン資料)」でご覧頂きたい。
 これを見るとこの会社の"投資家に対して親切な部分"が分かる。通常のパワポの資料の下に、各ページで、言葉で説明する部分をそのまま掲載してくれているのである。話題となった、「フォトニック結晶プロセスインテグレーションシステム」は18ページに、そして、農地を利用して行う太陽光発電「Solar営農」(「そらぁ、ええの~」のダジャレネーミング。。。)は15ページで説明が行われている。

▼受け継がれるDNA
 攘夷論者に屈することなく、横浜開港でいち早く米国と貿易を行った丸文。日本ではほとんどその名を知られていなかったテキサス・インスツルメンツと1965年からつながりを持ち、後に日本に初めて集積回路を輸入した丸文。水野社長は中期経営スローガンの「Think & Action」に加えて、「先見、先取」という言葉を使った。これこそが、この会社の輝くDNAである。意識すべきは、同業とともに先人である。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 今後の中期計画の進捗も、注目していきたいと思います♪

 次回の「今日の1社」も、お楽しみに!

(関連リンク集)
■丸文 ウェブサイト

代表取締役社長の水野象司様と。
代表取締役社長の水野象司様と。

8月6日放送「今日の1社」ジャパンシステム(9758)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.08/06 今日の1社担当 記事URL
 1969年6月10日。
 日本のGNPが当時の西ドイツを抜いて世界第2位になったことを、経済企画庁が発表を行いました。

 日本のめざましい経済成長を象徴することになったこの同じ月、産声をあげた会社があります。8月6日放送の「今日の1社」でご紹介したジャパンシステム(9758・東証ジャスダック・スタンダード)です!
 その後1990年代に入ってGNPがGDPになり、日本全体の成長が鈍化していく中、同社が属する「情報通信業」は大きく発展をとげてきました。またジャパンシステムも同業界の老舗として成長してきた歴史があります。

 ジャパンシステムが「今日の1社」に出演するのは、1年ぶり2回目となります。前回に引き続き代表取締役社長の阪口正坦様にお越しいただきました。
 井上哲男から今日も取材後記が届いていますので、どうぞお読みください!

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取材後記

ジャパンシステム(9758)(東証ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の阪口正坦様

 

「安定的な利益体質への転換に成功」

 
▼安定的な利益体質

 昨年7月に番組に出て頂いたので、丁度1年ぶりのご出演となる。情報通信業としての歴史45年を誇る老舗である。8月4日現在、情報通信業の上場企業数は349社あるが、前回の後記でも紹介したとおり、ITバブルの弾けた後である2002年末の情報通信業の上場企業数は19社しかなかった。そのうちの1社である。

 昨年、出演して頂いた際の影響はとても大きく、放送日に株価は急上昇したが、1年を経て、再度堅調な業績が続いていることがしっかりと確認できた。阪口社長の進めてきた方針が奏功し、安定的な利益率を生み出す体質の企業となって今期で4期目を迎える。

 
▼新たな組織体制と、アライアンス

 昨年の後記において、「ソリューション事業」、「システム開発事業」、「公共・自治体システム事業」をそれまでの偏りのある比率から、何れも33%と均衡が取れるよう方向性を示してきたこと、また、3つの『P』(ピープル(人財)、プロセス(過程)、そしてプロフィット(利益))に拘っている姿勢も紹介したが、この1年間で同社は今までと違うアライアンスを実現し、新たなフェーズに入ったことを感じさせる。

 

 まずは、事業セグメントが、「システム基盤事業」、「エンタープライズ事業」、「公共事業」に変更され、目的をはっきりとさせた組織体制に替わったことである。また、同社の高い専門性を備えた部分が「事業提携」という形で新たな形で収益を生むことを証明した。 

 株価も大きく反応した「電算」との業務提携は、同社の地方公共団体の経営支援サービスである「FAST」をOEMで「電算」に提供するというものであり、3月のディー・ディー・エスとの業務提携は、同社のトータルセキュリティソリューションである「ARCACLAVIS」とディー・ディー・エスの指紋認証ユニットを組み合わせることで、セキュリティがさらに強固となり、2016年に施行されるマイナンバー制度の要件も満たすものである。力をこれから入れていく分野は「提案型ビジネスの強化」と社長は語った。それは、ソフトウェアの歴史を持つ会社がどのように、「システム基盤事業」、「エンタープライズ事業」においてソリューションを提供できるかを見せるということであろう。

 
▼経営指標ランキング

 弊社の経営指標ランキングにおける順位は3279社中、上位25%内の808位である。また、ROE、ROAが反映される「資本利益率」は352位、全体の上位10%に位置する。ROEの5期平均は15.2%の立派な数字だ。今期、3期ぶりに最終利益の過去最高更新を見込んでいる。(8月5日現在)

 昨年の後記で、「同社のニュース(リリース)を追う」と書き、果たしてそのとおりとなったが、その状態がまだ続いていることを改めてここに記す。(了)
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 取材後記は、以上です。前回ご出演いただいてからの1年間、ジャパンシステムはさまざまな新しい取り組みをされていました。
 今回の放送では、それらの取り組みを中心にお話いただきましたので、放送をお聴きでない方は、是非オンデマンドをお聴きくださいね~。

 また、今回はジャパンシステムからリスナープレゼントをいただいています!
 末尾の写真で阪口社長、井上哲男の手元にあります、同社ロゴ入りのゴルフボール(Webディンプル搭載「V10」12個セット・2名様)です。下記リンクから、ふるってお申込くださいね♪

 それではまた来週の「今日の1社」も、お楽しみに!

(関連リンク集)
■リスナープレゼント申込ページ
■ジャパンシステム ウェブサイト
■ジャパンシステム 2013年7月31日の取材後記
■ジャパンシステム 2013年7月31日のオンデマンド(放送版)
■ジャパンシステム 2013年7月31日のオンデマンド(ロングバージョン)

代表取締役社長の阪口様、業務管理本部の皆様と。
代表取締役社長の阪口様、業務管理本部の皆様と。
7月30日放送「今日の1社」いちごグループホールディングス(2337)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.07/30 今日の1社担当 記事URL
 ブラジルワールドカップが終わり、日本代表監督であったザッケローニ氏が日本を去ったのが、7月1日のこと。
 空港には日本代表の中心選手も駆けつけるなど、同氏の人望が厚かったことがあらためてわかりました。

 なぜ、「ザック」が愛されたのか。それはやはり、同氏が日本を愛していたからだ、と思うわけです。
 遠い異国からやってきて、日本のを愛し、日本のために力を尽くしてくれたことが、選手や幅広い国民にも伝わっていたのではないかと思います。

 さて、7月30日放送の「アサザイ 今日の1社」では、日本人以上に日本を愛する、いちごグループホールディングス代表執行役会長のスコット・キャロン様にお越しいただきました!
 日本における総合不動産関連サービス、そしてクリーンエネルギーというフィールドで活躍する同社を引っ張るキャロン氏。12分ほどの短い放送の中でも、リスナーの皆様に伝わったものがあるのではないでしょうか?

 インタビュアーの井上哲男から取材後記が届きましたので、是非お読みいただきたいと思います♪

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取材後記

いちごグループホールディングス(2337)(ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表執行役会長のスコット・キャロン様

 

「スコット・キャロンについて」

 
▼日本と、「古き良きもの」へのリスペクト

 予め断りを入れる。同社は東証33業種分類で「サービス」に属するが、関連子会社に投資顧問会社を持つことを井上は知っている。あくまでもこの取材後記は井上の意志により、スコット・キャロン会長、及び、いちごグループホールディングス株式会社について記述するものであり、金融機関の「広告に関する規定」から導かれる「ソーシャルメディアにおける第三者による記載」に該当するものでは断じてない。

 

 放送をお聞きになられた方は、スコット・キャロンがどのくらい日本を愛しているかお分かり頂けたと思う。彼がここまで日本を愛してくれている理由は、言葉の端々から分かる。それは、日本人の気質、国民性、そして、文化だ。ここまで日本を理解し、リスペクトしてくれている人に対して何もしないわけにはいかない。冒頭のディスクレーマーで述べた程度のリスクを賭せないようでは、それこそ、「日本がすたる」というものだ。

 

 スコット・キャロンのインタビューをテレビで見た人、雑誌でインタビューを見た人も多いであろう。しかし、今回ラジオの12分間で彼が語ったことは、彼の考え方を伝えるうえで、それらのマスコミに絶対に負けていないと思う。

 彼はJ-REITの売り込みをひとつもしなかった。「不動産サービス事業」で語ったことは、この国のビルディングが耐震基準をクリアする仕様にすれば、どのくらい、再生して価値が上昇するかということであった。大阪の駅前で利便性は高いものの、空室だらけであったビルを再生した結果、満室になったことを本当にうれしそうに語っていた、NYでは歴史のあるビルが「戦前ビル」と呼ばれ人気があるという。これは、欧州でもそうだ。無論欧州の石造りのビルと同列には語れないが、スコットが言いたかったことは、「古き良きものを"もったいない"の心で大切にしてきた日本にビルに対しても同じ気持ちになって欲しい」ということである。

 

 また、市場では「クリーンエネルギー事業」の材料で同社株が大きく上昇したが、これについても同じである。「森林を伐採してクリーンエネルギーを創るような"本末転倒なこと"は絶対にしない」と語った。バブルが弾けて倒産し、長いこと放置されているゴルフ場などで行っているという。ショート・バージョンの放送では流れなかったが、日本がこのクリーンエネルギーを創るのに実は適しているという点で二人の意見は一致した。

 
▼「JPX400」を目指して

 同社は今、「シフトアップ2016」という中期経営計画を立てて事業をまい進させている。その中に新たに組み込んだのが、2016年8月に発表されるJPX400で採用されることを目指すというものである。

 JPX400に組入れられることに、現在、時価総額の大きい企業は必死になっている。ただ、その理由は、「インデックスに採用されると、インデックス・ファンドの組入れにより購入需要が発生する」とか「同指数の先物が出来れば先物が買われる際に自然と株価も連動する」とか「GPIFも購入対象にしてくれた」というものばかりである。

 

 しかし、それは違う。スコットが語ったことが真理である。その理由は、「この指標の選別に使われている指標が、株主価値を高めたことの結果であるから」であった。今回の取材後記を書こうと気持ちを固めたのは、そのときだ。 昨年春に行われた「震災義援金セミナー」と10月に行われた「アサザイセミナー」で、私は「3年平均ROEトップ300企業リスト」を配った。その時なぜ配るかの理由を述べた。やっと同じことを話してくれる人に出会えた気がする。

 
▼「笑門来福」

  「一期一会」。彼が一番好きな言葉だ。それは彼が日本に出会ったこと、また、日本が彼に出会ったことも意味しているような気がする。

「有言実行」。もうひとつの彼の好きな言葉だ。それは、彼の経営態度を表しているのかもしれない。

そして、番組でもお話しした「笑門来福」が、今回、彼から私が感じた言葉だ。随分と長いこと、私はこの言葉を忘れていたような気がする。多くの外国人と仕事で絡むことがあった。笑顔もたくさん見た。しかし、本当に心の底から笑っていると感じさせてくれる人といったい何人出会ってきたのかしらと収録を終えて思った。

 

 収録ともスコットとも関係ないが、スコットに会って、12年前に電車の中で会った二人の白人の学生を思い出した。完全にバックパッカーのいでたちで、電車の中で明らかに乗り換えが分からずに手元の路線図を見て、ああでもない、こうでもないと言っているのが気の毒で、下手な英語で話しかけたのである。当時の日本の路線には番号もなく、路線図は漢字であった。乗り換えを教えると、「よくぞ話しかけてくれた」とばかりに、自分達がどのくらい日本が好きなのかを興奮して話し出し、アメリカで買ったという色々な日本の品物を見せてくれた。彼らは大学を卒業したら、日本で働くか、日本とつながりのある企業で働きたいと語ってくれた。

 

 そして、うれしそうにTシャツのそで口をめくったのであるが、そこには「負犬」というタトゥ-があった。外国のタトゥ-屋の店先には滅茶苦茶な漢字リストがある。その中から意味も分からずに、気に入った形のタトゥ-を入れることは珍しくない。店員だって意味は分からないのだから。。。

 もうひとりの腕には「台所」の漢字が堂々と彫られていた。彼らも意味を聞かなかったので私も何も言わなかったが、何かふさわしくない言葉が彫られていることは分かっていたのだろうか、私に「これは意味も分からないで入れたけど、日本語を勉強して気に入った漢字ができたら、もう片方の腕に彫る」と言っていた。くったくのない明るい、弾けるような笑顔を見たのはスコットに会うまでは、彼らが最後だったかもしれない。もし、読者の周りに、30歳をちょっと過ぎた米国人で、「負犬」か「台所」のタトゥ-を二の腕に入れてよく笑う人がいたら、その時の青年かもしれない。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?

 「JPX400」とは、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成することを企図した、新しい株価指数です。ROEや営業利益などが定量的な評価尺度になっています。

 今回は特に、放送をお聴きでない方は、是非オンデマンドでお聴きいただきたいですね。
 スコット・キャロン会長の肉声が、井上哲男が伝えたかったことが一番伝わるかと思います。

 また来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■いちごグループホールディングス ウェブサイト
■東京証券取引所 JPX日経インデックス400

代表執行役会長のスコット・キャロン様と。
代表執行役会長のスコット・キャロン様と。

7月23日放送「今日の1社」インターネットイニシアティブ(3774)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.07/23 今日の1社担当 記事URL
 「インターネット」が普及し始めた頃を、思い出すことがあります。
 当時はまだ「電話料金」がかかるダイヤルアップ接続でした。アクセスポイントに対して大人数で一斉に電話をかけているようなもので、なかなかつながらなかったり。電話料金が定額となる「テレホーダイ」を申し込んで、夜11時からの「テレホタイム」に夜更かしをしたり・・・。

 そこから現在に至るまで、インターネット接続はまさに目を見張るような進化を遂げてきました。定額の常時接続が一般的となり、高速の通信網によってリッチなコンテンツを手軽に楽しむことできるようになっています。

 7月23日放送の「アサザイ 今日の1社」は、そんなインターネットの発展を支えた、インターネットイニシアティブ(3774・東証一部、IIJI・米国ナスダック)をご紹介しました!
 同社は、インターネット接続の草分け的存在です。同社のサービス「IIJ4U」は、普及期から信頼性の高い有力プロバイダーとして知られていました。

 今回は代表取締役会長兼CEOの鈴木幸一様にお越しいただき、井上哲男インタビューに応えていただきました。
 井上哲男から取材後記が届いていますので、どうぞお読みください!

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取材後記

インターネットイニシアティブ(3774)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長兼CEOの鈴木幸一様

 

「インターネットの父」

 
▼インターネットの先駆者

 鈴木会長は日本における「インターネットの父」である。まだ、日本でインターネットという言葉が広がりを見せる前の1992年に会社を設立し、翌年に国内企業として初めてインターネット接続事業を開始した。

 当時、会長は当局との認可対応において随分と苦労された。この模様はロング・インタビューの中でも語られているが、もう一つ苦労されたことがあると私は推測している。それは、上場したインターネット先進国米国でのこと。米国でも丁丁発止のやりとりをされたと思う。社名の「インターネットイニシアティブ」=「IIJ」であるが、カタカナに「J」に該当するものはない。これは、米国で「JAPANの『J』をつけたらどうか」言われてそうなったと言われていた。

 これも推測だが、提言した人は「社名は、まるで世界のインターネット市場でイニシアティブを取っているみたいじゃないか、『日本において』とつけたらどうだ」と言いたかったのかもしれない。

 
▼足元の「ストック売上」

 現在の売上をセグメントに分けると、「ネットワークサービス部門」と「システムインテグレーション」であるが、「ネットワークサービス部門」の方は、「インターネット接続サービス(法人向け・個人向け)」、「アウトソーシングサービス」、「WANサービス」と区分けすると分かり易いであろう。そして、連結売上の8割程度が両セグメントにおける「ストック売上」になっていることが強みである。

 

 そして、これまで高い技術力で日本のインターネット業界を支えてきたことは、8500社を超える顧客数と、大企業や中央省庁、地方自治体、そして証券取引所や金融機関といったその顔ぶれが如実に表している。

 
▼成長戦略

 現在の成長戦略のポイントは携帯電話などの無線通信インフラを借り受けて、独自ブランドとしてサービスを提供する事業である「MVNO」と「クラウド」であるが、この「MVNO」についても2008年にNTTドコモから無線通信インフラを借り受けて日本で初めてその事業に着手したのが同社である。当初はこの分野は法人向けのサービスであったが、昨年度から個人向けのビジネスにも本格的に参入した。これが、市場で話題になっている「SIM」である。SIMロック解除が義務化されることが決まったが、同社の安価なSIMをスマホやタブレットに挿入することにより、データ通信のみであれば月額900円、音声を併せても1700円で済む。会長は番組で「子供さんが持つものが、月に7000円、8000円するのは可哀想」と言われていたが、同社のSIMを使うとこのような金額になるのである。

 

 そして、「クラウド」。会長は20年ほど前に、「いずれ全ての情報はインターネット上に乗せられ、管理される」と言われていたが、これが「クラウド」という名前で具現化したのである。しかし、日本における企業のクラウド利用率は欧米に比べて低い。費用メリットや個々のシステム対応の柔軟化により徐々に利用率は上昇しているが、導入をためらう理由に挙げられるのが、「セキュリティに対して確証が持てない」というものである。

 ここで、やはり、もともとWANの先駆者であった同社の技術が生かされる。今回、マイクロソフト社がそのパブリッククラウドサービスである「Azure」について、IIJと協業することを7月10日に発表したが、それはIIJの閉域網接続サービスとの併用提言と考えてよい。この閉域網接続サービスは海外では「ExpressRoute」の名前で知られているが、同社の「IIJ GIOプライベートバックボーンサービス」を利用することにより、全国4か所に用意したゲートウェイに企業が専用線やWAN回線で接続すれば、ExpressRouteを通じてAzureに閉域網接続できるのである。これにより公衆回線網を経由しないため、セキュリティに対する信頼感が大きく高まり、個人情報など機密性の高い情報もクラウドで管理、利用することが期待できる。また、大容量のデータ送信コストも下がるという。

 

 もうひとつ披露する。実は会長は個人投資家の多くが現在利用しているであろう、ネット証券会社の設立に尽力されたのである。同社が行ってきたことは、技術で安全性、利便性を高めること、コストを下げることに寄与すること、という共通したものがあるが、通底しているスピリットは、「海外に比べて日本のインターネットが遅れてはいけない、海外の情報通信企業にキャッチアップしたサービスを日本の企業として日本において展開しなくてはいけない」というものである。本寄稿で紹介したサービスをもう一度見て頂くとそれが分かると思う。

 
▼父の姿を、伝えて欲しい

 同社は海外投資家の注目度が高く、私のところにも分析依頼が頻繁に来る企業であった。しかし、ひとつ同社に苦言を呈するとしたら、それは日本の個人投資家に向けたIRをもっとして欲しいということである。個人投資家に「SIMならIIJ」というレベルの理解で終わって欲しくないのである。同社の歩み、この国のインターネットの歩み、課題、そういったものをきちんと伝えていって欲しいと思う。そのことを、今回収録を終えて、今まで以上に強く思った。なぜそう思ったか。それは、鈴木会長が、20年前と変わらず、今でも、「日本のインターネットの父」であると鶴首したからである。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 是非放送版、またロングバージョンもオンデマンドでお聴きいただきたいと思います。

 インターネットのこの20年と、これからの20年。どんな未来が待っているでしょうか。
 また大きく変わっていく業界にあって、インターネットイニシアティブの「父の背中」が、大きくなっていくことを期待したいです♪

 来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■インターネットイニシアティブ 株主・投資家向け情報
■7月10日付プレスリリース IIJと日本マイクロソフト、マルチクラウドサービスで協業

代表取締役会長兼CEOの鈴木幸一様と。
代表取締役会長兼CEOの鈴木幸一様と。

7月16日放送「今日の1社」日本調剤(3341)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.07/16 今日の1社担当 記事URL
 「アサザイ 今日の1社」では、これまで多くの起業家の方にお越しいただきました。
 起業をされて上場まで到達されたわけですから、成功された方ということになります。

 そんな起業家の方に共通するのは、インタビューの中で事業にかける強い「思い」が伝わってくるということです。
 これはおそらく必然で、強い思いがあってこそ、ひとつの事業を立ち上げて確立することができるのではないか・・・、と感じているところです。

 7月16日放送の「アサザイ 今日の1社」にお越しいただいたのは、1980年に日本調剤(3341・東証一部)を設立された、代表取締役社長の三津原博様です!

 日本調剤は、調剤薬局を全国47都道府県に展開する企業です。ジェネリック医薬品の普及にも先駆的に取り組まれているのが特徴で、この点については本日の放送でも力を入れてお話いただきました。

 インタビュアーはもちろん、同社にかねてから注目していたという井上哲男です。
 三津原社長との対面を経て、何を感じたのか? 取材後記をお読みください!

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取材後記

日本調剤(3341)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の三津原博様

 

「使命感」

 
▼2004年上場時の出会い

 今から10年前、丁度私が外資系運用会社でマーケット・ニュートラル運用を行っていた時に同社は上場した。「ジェネリック医薬品」が政府の方針発表などで市場のテーマとなる際に(番組の中でも触れたが)、多くのジェネリック医薬品メーカーに加えて同社株が出来高を集めるので、上場早々に調べたことがある。そして、少なからず驚いた。同社の掲げていたことは、「ジェネリック医薬品の普及を目的とした調剤薬局で全国展開を目指す」というものであったのだ。

 時は、ITバブルが弾けて企業が事業の集約化、利益率確保、キャッシュ・リッチを目指していた頃である。マクドナルドを始めとする大手外食チェーンまでも利益率の低い店舗の撤退を進めた時期に、同社は「ジェネリック医薬品」という利ザヤという点では薄いもので、流通コストを考えると疑問のある「全国展開」を図るというのである。そこにあるものは「使命感の"塊(かたまり)"」のようなものであった。

 

 その時に私が感じた「応援したい」という気持ちが正しかったのかどうかを確かめることができると、密かに今回の収録を楽しみにしていたのだが、やはり自分の感覚が正しかったことを確信することが出来た。そのことが何よりも嬉しい。

 
▼「ジェネリック医薬品」で、全国展開

 「ジェネリック医薬品」についておさらいをする。よく、「薬剤特許」という言葉が使われるが、実際にそのような特許は無い。医薬品の特許とは、「物質特許」、「製法特許」、「製剤特許」、「用途特許」の4種類で、一般的に薬剤特許と言われているものは、このうち、「物質特許」のことを指す。特許は治験前に出願を行うので、「特許期間20年」(治験に要した期間と新薬の承認審査に要した期間が長かった場合は、申請のうえ最長で更に5年間延長が認められることがある)といえども、審査を経て実際に独占販売できる期間は、5~10年というケースが多い。

 この「物質特許」の期間が終わると、同じ成分の医薬品を製造・販売できることになる。これが、所謂「ジェネリック医薬品」であるが、当然、価格は新薬(先発医薬品)の3~7割程度である。

 

 年間40兆円にもなる医療費の削減に政府も苦慮し、模索している。その一環であるジェネリック医薬品の普及について、ロードマップとして「2018年3月時点で60%」という目標を掲げているが、同社の薬局における売上比率は既に70%に達しているという。そして、その奨励のために行われている後発医薬品調剤体制加算制度を実に9割の店舗が受けているという。

 

 そして、流通コスト、採算を考えると二の足を踏んでしまう、全都道府県への出店を、3年前に日本の薬局チェーンで初めて達成した。当初語っていた目標は達せられたことになる。


▼日本調剤が確立した「流通経路」 

 しかし、その道のりで困難に直面し、打開のために行ったことが、日本のジェネリック医薬品業界全体の発展につながったということを述べたい。それは流通経路(卸売ライン)にジェネリック医薬品を"乗せた"ということである。

 

 薬も卸売業者から仕入れる。かなり合併が行われたが、上場している薬の卸売会社の株主構成から明らかなように、新薬メーカーと薬の卸売会社の結びつきは強い。また、卸売業者にとっても価格の高い薬を卸す方が、当然利益は高い。そのため、薬の卸売会社はジェネリック医薬品を扱うことに姿勢として消極的であったといえる。

 日本調剤はジェネリック医薬品を製造する中小のメーカーに日本調剤というブランドを与えてそれを卸売業者に扱ってもらい、そこから仕入れた。

 お分かりであろうか?メーカーから直接仕入れられるものを、わざわざ卸売会社に納入し、そこから買ったのである。卸売会社は当然サヤが抜け、それは、そのまま、日本調剤の仕入れ価格の上昇になる。それでも、卸売の正式な取り扱い薬品にしてもらうために、このようなことを行ったのである。

 
▼「『真の』医薬分業」

 一つ、私が完全に理解できていないことがあった。それは同社が掲げる「真の医薬分業」の"真の"という部分だ。

 私は、「医薬分業」には2つの目的があると思っていた。薬についてきちんとした説明を行うことなく病院内で医薬品を販売することをなくすため、そして、薬品メーカーのマーケティング先である医者が利ザヤの高い新薬ばかりを使うことを抑止するためである。そして、前者については服用の仕方を教えてくれれば、それで説明なのかと思っていた。

 

 しかし、全然違うことなのだと、愚かにも自分の言葉でそれに気づいた。処方せんを持って薬局に行くと、以前と違い、よく症状を聞かれる。「まだ、セキが止まらないのですか?以前、XXという薬を出されたときはどうでしたか?」という具合に、である。番組の中でも話したが、それによって薬が変わったことがあった。

 同社は「患者は薬について知る権利がある」と語っていたが、裏を返せば「薬剤師は患者さんに渡す薬について説明する義務がある」ということである。そして、薬剤師は病院のセカンド・オピニオンであるのだ。医者が症状と病気と薬の関係を熟知していることが求められているのと同じく、薬剤師にも同じことが求められているのである。今春の薬剤師国家試験の合格率の低さ(60.8%)を話した際に、社長がもらした「優秀な薬剤師の確保の問題」と答えた"優秀な"とは、この部分を指すのであろう。そして、この関係を熟知していて初めて、「後発医薬品への変更不可」の表示が無い場合に、自信をもってジェネリック医薬品を患者に渡すことが出来るのである。「医薬分業」、「薬剤師のレベルアップ」、「ジェネリック医薬品の普及」はこのように密接に結びついていることなのだと今回、強く感じた。

 

 三津原社長は実は武田薬品の出身である。新薬を開発し、医者にそのマーケティングを行い、新薬をずっと処方してもらうのが仕事であったはずと勝手に推測する。そこから、ジェネリック医薬品の普及のために起業したということは、ドン・キホ-テのような所業だ。同じような人をもう一人「アサザイ」では紹介している。大阪のフジ住宅の今井会長である。

 全国展開を果たした三津原社長に次に相手にして欲しいのは「宅配事業」である。高齢者医療が医療機関から家庭や高齢者施設に移行する政府方針ではあるが、まだまだ、不便な点は多い。

 
▼日本の医療を、前へ

 最後に2つリスナーの方に述べたいことがある。

 一つは、今回の後記が、決して新薬メーカーのことを揶揄する目的で書いたのではないということである。新薬の開発に莫大な金額がかかり、困難も伴う中で努力していること、新薬メーカーがなくては後発薬メーカーも成り立たないこと、ここ数年の売上高や利益の伸びにおいて「医薬品業」全体が、実は相対的に厳しい状況であること、これらについて三津原社長とも意見が一致した。

 そして、世界的にも同じことがあてはまり、その結果、M&Aが活発に行われているのである。特許基準が統一されていない問題もある。例えば、インドには物質特許というもの自体が無く、世界の新薬の後発薬(?)もどきが作られて問題となっている一方で、この安価な薬がアフリカの貧困層の医療現場で役に立っているという事実もある。「何が正しく、何が正しくない」という線引きが難しい、それが医薬品である。

 

 もう一つは、日本調剤の店舗数は約500店舗程度であるということである。日本の最大手は、同社と上場しているもう1社であるが、店舗数も同じようなものである。一見、店舗数が多いように感じるが、実は、全国に調剤薬局は5万5千店舗もある。日本調剤だけでなく、その他の5万以上の薬局が同じようにジェネリック医薬品への取り組み、薬剤師が果たすべき役割りを真摯に考えなくては、この国の医療費問題は前に進まないということである。ラ・マンチャの啓蒙はまだまだ続く。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?

 今後の日本の医療費は、ドン・キホーテに登場する「風車」のように巨大な問題ですが、決して幻ではなく避けて通ることができません。
 そんな巨大な問題に正面から立ち向かっていく日本調剤の活躍に、今後も注目が集まります♪

 それではまた、来週の「今日の1社」もお楽しみに!

(関連リンク集)
■日本調剤 IR情報
■日本調剤 ジェネリック医薬品への取り組み

代表取締役社長の三津原博様と。
代表取締役社長の三津原博様と。
7月9日放送「今日の1社」サムコ(6387)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.07/09 今日の1社担当 記事URL
 技術力の会社。
 「アサザイ 今日の1社」では、これまでにも優れた「日本の技術力」を強みとした企業を多数ご紹介してきました。そうした企業は、社長自身が研究畑でいらっしゃるケースが結構ありますね。

 7月9日放送の「アサザイ 今日の1社」では、そんな技術系の企業のひとつ、京都のサムコ株式会社(6387・東証一部)にご出演いただきました!
 同社は、LED・スマートフォン・電気自動車・新幹線など、多様な用途に用いられる半導体等の「製造装置」の製造・販売を行っています。

 今回は、代表取締役社長の辻 理様にスタジオにお越しいただき、同社の事業内容や強み、起業の経緯などについて語っていただきました。
 井上哲男から取材後記が届いておりますので、まずはご一読ください♪

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取材後記

サムコ(6387)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の辻理様

 

「京都銘柄が持つ"独創性"」

 
▼34期を貫いた、安定感

 昨年の東証2部への市場昇格から僅か5ヶ月で今年の1月に再度市場昇格を果たし、晴れて東証1部銘柄となったサムコであるが、その歩みは日本の半導体製造装置の高い技術力の歩みでもある。

 辻社長は、現在も山口大学の大学院で客員教授を勤められている研究者である。まだ「プラズマ」という言葉が日本で浸透していなかった80年代に日本、米国で研究を重ねている。日本の小さな会社が優れた技術をもって開発した製品に対して、日本よりも米国の方がオープンマインドであることは度々指摘されるが、同社の製品もそうであったという。

 創業以来、34期連続で黒字を達成したということは、景気の波、半導体・電子部品価格の乱高下といった環境の中、同社の技術がいかに優れており、他の製品に取って変わられる、所謂、オルタナティブなものではなかったということを如実に示している。「半導体製造装置」といえば、投資家であれば誰でも思い浮かべる最大手2社が存在するが、これまでの長年の決算推移を見れば、同社の堅実な経営状態が鮮明となる。番組の中で私が形容した「ステイブル」の意味がこれである。

 
▼ランキングで見るサムコ

 弊社の経営指標ランキングもそれを示している。「総合ランキング」は3279社中、609位と、上位20%内に位置しており、特に、「売上高利益率」、「財務健全性」の大項目での高い順位が高い。

 「高い技術力」の具体的な1例が、シリコンではなく、化合物を原材料とした半導体の製造。窒化ガリウム、炭化ケイ素といった化合物から作られる半導体分野は、必要とされる技術力の高さから参入障壁が高く、このグローバル・ニッチな分野におけるランキングは世界で2~3位であり、そのシェアは13%程度であるという。この製品価格がやや高いことも同社の高い収益体質に寄与している。

 

▼「京都銘柄」
 株式市場で「京都銘柄」という言葉がある。同社に加えて、「京セラ」、「村田製作所」、「ローム」、「王将フードサービス」、「ワコール」などが挙げられる。非上場ではあるが、「佐川急便」もそうである。

 

 日本初の株式の指数先物取引は、実は88年に始まった「日経平均先物」ではない。その前年に「(大阪)株先50」という指数取引が既に行われていた。この旗振り役の一人に当時大阪大学経済学部の教授であった蝋山昌一氏がいた。金融学の権威で証取審の総合部会座長も勤めた同氏は、指数普及のため、多くの講演会をこなしていたが、その中で、京都銘柄について、「京都を愛し、本社を移転しないカルチャーが共通している」と言われたが、もう一つ加えた共通点がある。それは、「意固地なくらい独創性が高い」ということである。同氏はその後、大阪大学にOSIPP(大阪大学大学院国際公共政策研究科)を創設した。「国際的な観点からも、独創性が高い、先端的な研究を行うべし」という教えは、「京都銘柄」について語ったことと同じであった。

 

 サムコはそれを体現する1社である。ホームページにも「京都」と「独創性」についてのこだわりが窺える。そして、もう一つ見て欲しいところがある。それは、電子部品・半導体製造に関わる専門用語を分かりやすく解説しているところである。半導体関連銘柄の売買はするが「エッチング」の意味が分からない投資家は多い。私の知る限り、同社のホームページにおける説明が最も分かりやすい。是非見て欲しい。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 サムコのウェブサイトについては、末尾にリンクを記載しておきますので、どうぞご覧ください。
 余談ですが、情報誌「サムコナウ」では、京都の和菓子の名店を探訪された記事なども掲載され、こちらでも地域への愛情が感じられるものになっています。

 同社のコーポレートメッセージは、"PARTNERS IN PROGRESS"。世界中のステークホルダーとともに成長をしていくという願いがこめられています。京都から世界へ、今後の成長が楽しみですね。

 それではまた、来週の「今日の1社」でお会いしましょう!

(関連リンク集)
■サムコ 株主・投資家様へ
■サムコ 半導体製造装置入門
※半導体製造装置に関連する用語を、初めての方向けにわかりやすく説明しています。

代表取締役社長の辻 理様と。
代表取締役社長の辻理様と。
7月4日放送「今日の1社特別版」井上哲男×プロネクサス細川修一氏対談の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.07/04 今日の1社担当 記事URL
 「IR」(投資家向け広報)という言葉が日本でも使われるようになって、まだそれほど長い年月が経っていません。
 日本企業のIR活動を促進する「一般社団法人 日本IR協議会」が発足したのが1993年ですから、ここ20~30年くらいの間に定着してきた言葉ではないかと思います。

 アサザイリスナーの皆様が投資判断の材料にもされている「IR情報」。このコンテンツを企業と一緒になってつくりあげたり、投資家の皆様へ届けることをサポートする「IR支援」というビジネスフィールドがあります。
 たいへんニッチなビジネスですが、その大手の一角が本番組スポンサーの「株式会社プロネクサス」(7893・東証一部)なのです。

 今回はプロネクサス 執行役員IR事業部長の細川修一様にお越しいただき、井上哲男と「IR」について大いに語っていただきました!企業はどのようなIRをすべきか、また投資家は企業のどういった部分に注目をするとよいか、熱いキャッチボールになりました♪

 井上哲男はそこから何を感じたのか、本番組「アサザイ」の使命は?
 取材後記を是非お読みください!

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取材後記 (対談後記)

プロネクサス(7893)(東証一部)執行役員 IR事業部長 細川修一さま。

ラジオNIKKEIスタジオで収録。

 

「3年目の『アサザイ』」

 
▼「IRの姿勢」

 「アサザイ」が今日から3年目に突入した。手探り状態で始まったが、当初予定になかったこの「取材後記」ももうじき100回を迎える。放送開始以来、ラジコの時間帯別聴取率全国1位を続けられたのは、リスナーの皆様とラジオNIKKEIのスタッフ、そして、企業選別から取材メモの作成まで行っているプロネクサスのIR支援チームのおかげであると深く感謝している。

 

 1年3ヶ月ぶりに細川部長に番組に出て頂いた、というよりは、引っ張り出した、という方が近い。前回、部長はIR活動の目的として、「企業活動、業績をきちんと投資家に伝えること」、そして、「その業績にふさわしい株価(時価総額=企業価値)にすること」と話された。まさしく"至言"であると度々色々な場面でこの言葉を紹介させて頂いているが、今回言われたかったことは、「IRとは『株式』という商品のマーケティング活動であり、それは本業の商品のマーケティング活動における顧客対応と、姿勢という点で非常に相関が高い」ということである。

 
▼情報の受け取り手のニーズに、対応する

 前回お越し頂いた際に、私が投げた「企業はどのような点を、IR活動を通じて投資家に伝えるべきか」という問いに対して、部長は「一概に答えるのは難しい。企業のおかれた状況は千差万別であり、個人投資家とアナリスト・機関投資家向けでは伝える内容に違いがある。情報の受け取り手のニーズに対応した情報発信が必要である」と答えたが、これは、まさしく、本業の商品のマーケティング活動における顧客対応と同じことである。

今回例に出されたオリエンタルランドのホームページ(「株主・投資家の皆様へ」→「IR資料室」)における、「資料難易度グラフ」はまさしくその好例であり、IRにおける対応の高さが本業における対応のそれと同じレベルにあることが分かる。同社に限らず、見ていて楽しくなる企業のホームページも数年前に比べてとても多くなった気がする。

 
▼「アサザイ」の使命

 「アサザイ」の使命。それは、定性情報と定量分析情報の両輪で、投資家、そして企業自身に伝えるべきことを伝えることだ。上場3600社中、特に時価総額が大きくないがゆえにアナリストがカバーしていない2400社の中に存在している優良企業の認知度を高めたいと強く思う。また、個人投資家と話していて嬉しいのは、番組に出た企業を自分で調べたという声を聞いたときである。

 細川部長から定量分析情報について"お墨付き"を頂いた。ランキングに加えて、DOEなどの投資家に対して有益と思われる指標の紹介も依頼された。実はこの、定量分析情報の伝達も「手探り」の中で始めたことで、当初は賛否両論があったものだ。

 前々回の「アサザイセミナー」で、私が十数年前に雑誌に書いたROEの重要性を啓蒙する記事を配布したが、昨年11月にいきなり発表された新指標「JPX400」において、「ROE3年平均」が採用尺度となることが明らかになり、ますます企業はこの指標を意識している。しかし、私はこのJPX400で、もう一つ大きな手応えを感じている。それは、「ランキング」(順位)による「スコア」という言葉が使われたことである。「1位は1000点、1000位は1点」というスコアが初めて日本で正式に尺度として採用されたのである。やっとである。ヘッジファンドの銘柄ピッキングで何度も依頼を受けた「ランキングシート」。これを四半期毎にきちんと作成し、番組で紹介し続けることを約束する。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたでしょうか。
 「PRONEXUS presents 朝イチマーケットスクエア 『アサザイ』」では、今後もさまざまな企業の情報を定性・定量の両面でお伝えしてまいりたいと思います。

 「何が正解」というのは存在しないのがIRの世界で、投資の世界も然りです。
 そうした中にあっても参考にしていただける、キラリと光る情報をお伝えできましたら幸いです。

 また来週から「今日の1社」で新たな企業をご紹介してまいりますので、お楽しみに!

(関連リンク集)
■プロネクサス ウェブサイト
■2013年4月3日放送 「今日の1社特別版」井上哲男×細川修一氏対談の取材後記
 ※昨年、細川部長にご出演いただいた際の取材後記です。
■2013年4月10日放送 「今日の1社」プロネクサス(7893・東証一部)の取材後記
 ※昨年、上野剛史社長にご出演いただいた際の取材後記です。

執行役員IR事業部長の細川修一様と。
執行役員IR事業部長の細川修一様と。
6月25日放送「今日の1社」オークファン(3674)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.06/25 今日の1社担当 記事URL
 オークションというと、かつては高価な美術品など、あまり自分には縁の無いもの・・・というイメージがありました。
 それが今ではどうでしょうか。Yahoo!オークションなど、さまざまなウェブのオークションサービスが提供されていまして、「この前オークションで売った(買った)んですよ~」というのが、ごく普通の日常会話になってきています。

 各種オークションサイトでは、家電、ホビー用品からPCのパーツまで、実にさまざまなものがユーザーの間を行き交っています。
 「今日の1社」担当のわたくしの兄もこのオークションのヘビーユーザーでして、不要になったPCパーツやロードバイクの部品をオークションで売っては、それを元手に新しいものを小売店またはオークションで買うというサイクルを続けています。

 6月25日放送の「アサザイ 今日の1社」では、この成長するネットオークション市場を支えるオークファン(3674・東証マザーズ)をご紹介しました!
 同社はオークションの場を提供する会社ではありません。ネットオークションの膨大な売買データを10年分以上、横断的に保有し、その比較・分析データをオークションユーザーに提供しているのです♪

 今回は代表取締役の武永修一様にお越しいただき、井上哲男インタビューに答えていただきました。
 あらためて井上哲男が取材後記をまとめていますので、今回も要チェックですよ!

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取材後記

オークファン(3674)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役の武永修一様

 

「小売大衆化時代の雄」

 

▼他を圧倒する「データベース量」
 ちょうど設立から今月で丸7年を迎えた若い会社である。上場したのが昨年4月であるが、上場前からの業績の拡大傾向をきちんと維持している。

 ひとことで事業内容を表せば、「国内最大級のネットオークション価格比較・相場検索サイトの運営」となるが、これだけだとカカクコムとの違いや、大手のネットオークション・サイトが参入障壁を越えて入ってくるのでは、と考える人もいるであろう。

 しかし、それらの会社といえども入り込めない同社の領域がある。それは、データベース量である。具体的には、世界中で取引されているあらゆる商品が、いつ、いくらで取引が成立したのかという情報を集めて比較・分析を行い、その情報を提供しているということであり、10年以上の期間に亘って保有しているデータ数は200億件以上になる。例え、他社がデータをきちんと蓄積していたとしても、それは自社のデータのみであり、オークファンのデータ数の足元にも及ばないであろう。

 
▼収益構造に見る、オークファンの価値

 このデータ量に有効性を見出して同社のサイトを訪れる者は月間850万人以上であり、同社の収益のうち、およそ6割が、その有料サイト部分からとなっている。この訪問者数と収益構造は、同社のサイトを訪れる人のニーズが、単に安く買うというためではないことを示している。訪れる人のニーズは、「安く買いたい」だけでなく、「自分が持っている物の価値を知りたい」、「これから買う商品のリセールバリュー(再度売った場合の価格水準)を知りたい」ということである。そのため、個人だけでなく、マーケティングとして商品の価格トレンドを知りたい法人のニーズに十分応えるサービスを同社は提供しているのである。参入障壁が低いと一瞬思われる分野で、実は違うということをしっかりと示すことが出来る企業は強い。

 

 この「売る側」のニーズに応えるデータを提供できる会社というのは、実は日本だけでなく、世界でも類を見ないという。また、同社の収益の3割弱はマーケティング支援収入である。これは、同社のデータを使って実際に商売を行う手助けをするサービスであり、①データ入手、②インフォメーション(データの分析・加工)、③プレゼンテーション(見せ方)、④ソリューションズ(WEBなどのユーザー支援)と、オークションを利用したEC(Eコマース)ビジネスで起業する際にも大いに役立つものである。まさに「小売大衆化時代」(誰でも売り手になれる時代)を感じる。消費税は増税されたが、個人間取引に消費税はかからない。また、EC市場は二桁成長を続けている。私は現在のところ、同社に吹く、向かい風を見つけることが出来ない。

 
▼来期以降の重点施策

 9月決算の同社であるが、来期以降の重点施策として掲げているのが3点。①ビッグデータの取捨選択・有効活用のためのデータクレンジング等他社にできないチェック体制で情報の有効性を高めること、②コンシューマー・サービスの強化(大手マーケットプレイス(*)と協業し、売り手ユーザーを育成することにより流通高を増加させる)、③ビジネス向け強化(解析・分析を行った各種データを、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)として企業に提供するサービス、である。

(*日本の場合、マーケットプレイスとはインターネットを介した売買市場を指すことが多く、海外の、専門店を多く抱えた大規模商業施設とは意味が異なる)

 

 この3点は、これまで同社が行い、また、他社の追随を許さなかった部分の延長であり、成功の蓋然性は高いと私は考えている。また、勝手に、海外進出もいずれ視野に入れるときが来ると考えている。

 
▼優良な経営指標に、安住せず

 業績は極めて好調である。昨年9月期に、対前年度比で、売上高21%増、営業利益52%増、最終利益110%増という数字を出したが、今期についても、売上高で対前年度比33%増の1,003百万円、営業利益で同31%増の401百万円、最終利益で同14%増の242百万円を見込んでいる。

 同社は、弊社の「経営指標総合ランキング」で3279社中、27位(5/16時点)と素晴らしい順位であるが、社長は「まだ数字が小さいですから」と謙虚であった。しかし、こちらも企業分析のデータ収集・解析については、長年ヘッジファンドや機関投資家にサービスを提供してきたプロの自負がある。無論、数字の大小の影響はあるが、それを受けるのは「成長性」という1つの中項目のみで、残りの4項目に大小の影響は無い。極めて立派な経営指標を持った会社であると私は判断する。

 

 しかし、社長があまり意に介さなかったということは、ある意味、これまでが急成長期であり、安定軌道に自社はまだ入っていないのだと認識している裏返しととることもできる。時価総額を考えても、これからさらに上位市場への市場変更が期待され、また、そのために行わなくてはならないこともある。その道のりをきちんと認識しているということだ。伸び盛りの同社、来年も再来年も番組に来て頂き、是非、その成長過程を語って欲しい。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?

 「Google先生」などといわれるように、現代では無料でもかなりの情報を簡単に引き出すことができるようになっています。
 そんな中で「有料コンテンツ」への課金がオークファンの収益を支えているわけですから、それは同社がユーザーが認める「優良コンテンツ」を提供し続けていることの証左といえるでしょう。

 他には無いデータベースを活用したさらなるビジネス展開にも、期待値が高まるところですね。

 それではまた、来週もお楽しみに!

(関連リンク集)
■オークファン コーポレートサイト
■「aucfun.com」サービスサイト

代表取締役の武永修一様と。
代表取締役の武永修一様と。

6月18日放送「ALSOK」(2331)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014.06/18 今日の1社担当 記事URL

 各業界には、パイオニアと呼ばれる企業があります。
 その業界を最初に切り開いてきた企業には、やはり他に無い強靭さや、フロンティア・スピリッツがあることが多いように感じています。

 6月18日放送の「アサザイ 今日の1社」でご紹介したALSOK(2331・東証一部)は、綜合警備保障として1965年設立。東京都公安委員会の警備業認定取得第1号という、まさに業界のパイオニアです!

 日本と世界の安心・安全を守り続けてきた同社を井上哲男はどう見たのか?
 取材後記をお読みください♪

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取材後記

ALSOK(綜合警備保障)(2331)(東証一部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の青山幸恭様

 

「守るもの」


▼ALSOKの強さ 

 ALSOKさんというと、「ALSOK体操」をはじめとしてホ-ムセキュリティをイメージしたCMが浮かぶが、昔は「ザ・ガードマン」のような堅いイメージのCMを流していた。もともと金融機関の現金輸送をはじめとした警備やビルや現場の常駐警備に強く、「綜警護身術」という独自の術を取り入れていたことでも知られていた。この分野は現在も強く、常駐警備は日本一である。

 

 しかし、ALSOKの強さは、この「人による警備」にいち早く「機械」を結びつけたことである。その歴史は古く、実は創業して2年で進出している。そして機械警備、人による警備ともに電子化によるサポート体制を築きあげたことが現在の繁栄に結びついている。おもしろい形でこれらが融合したひとつの例が「ガードロボ」。カメラやセンサーのついたロボットが人とともに施設の巡回警備も行っている。このロボに消火機能を付加すれば初期の消火活動も行うことも可能であり、顔認証システムは活用の幅も大きい。

 

 また、現金に関する移送の危険をなくすために、ALSOKの入金機オンラインシステムはとても好評である。そのシステムに入金したらあとはリスク・フリーとなれる。入金額がいくらであったかも機械が判断してALSOKにオンラインで通知し、ALSOKが振り込み作業まで行ってくれるということもあり、全国にチェーン展開している飲食店やスーパーなどで広がり、現在は1万5千台が全国で設置されているという。

 

 無論、個人向けのホームセキュリティも充実しているが、この分野においては、それまでの業界の価格帯を大きく引き下げて、「ニーズはあるものの、経済的な負担から利用できなかった人々」にそのサービスを提供した功績はとても大きいと思われる。

 

 番組の中で、現在のM&Aの意図する部分についても紹介したが、警備、ビルメンテナンス、電気工事などを一括で請け負うところまでALSOKはきたのである。

 
▼好調な業績

 業績はすこぶる好調。番組で決算発表時の市場の反応について述べたが、今期は4期連続の最高売上高更新、2期連続での営業利益と経常利益の最高益更新を見込んでいる。その増率は、売上高が11%、経常利益が45%となっており、この3月期に経常利益で50億円以上となった879社における今期経常利益増率見込みで19位という素晴らしい数字である。

 
▼おもてなしの心で、守る

 リスクの分だけ警備がある。防犯、防災のため、「日本国民の安心・安全を"ありがとうの心で"守る」。それこそが、ALSOKが標榜し、また実際に行ってきたことであると私は考えている。

 東京オリンピックの開催が決定した。インフラ整備、建設の現場でもALSOKは必要である。そして、大会期間、何がなんでも「安心」と「安全」で守り抜くことは必須であろう。

 但し、もうひとつ警備会社・警備協会が守らなくてはならないものがあるように思う。それは、「おもてなしの心」を訴求して決まった以上、「日本らしい警備会社の気配り」を提供することだ。守らなくてはならないものは、日本のプライド、そして、海外からの日本に対する評価そのものである。「日本へ行ってよかった」と言われて、それは初めて結実する。そして、そのことをALSOKが認識していることを今回の収録で私は知った。(了)

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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 「守る」企業が支えてくれている「安全・安心」は、何事もなければ当たり前のように感じてしまうかもしれませんが、決して当たり前ではないんですよね~。
 2020年の東京オリンピック、ALSOKの縁の下での活躍にも注目したいと思いました。

 なお、放送中もご案内ありましたとおり、ALSOKからはリスナープレゼントをいただいています。
 別途本ページで告知されますので、ふるってご応募くださいね。

 また来週の「今日の1社」も、お楽しみにっ!

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代表取締役社長の青山様と。
代表取締役社長の青山様と。
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