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1月23日放送の「アサザイ 今日の1社」は、またまた元気な企業をご紹介します。今回は「SHO-BI」(7819・東証一部)の寺田専務に井上哲男がインタビューしました!
 同社は、雑貨専業メーカー。昨年ご紹介した「アクセル」(6730・東証一部)に続くファブレス企業です♪

 それでは早速、井上哲男の取材後記をどうぞっ!

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取材後記
SHO-BI(7819)(東証一部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は専務取締役の寺田正秀さま。

「アジアに咲く薔薇」

▼伸びゆく芽
 「SHO-BI」の企業ロゴ・マークは薔薇。古語で薔薇は「しょうび(そうび)」と読まれたことに因んでいる。

 「小売」、「卸売」の両業種の個別銘柄の選択において私が重要視していることは、まずは「利益率」である。そのため、企業にも利益率が業界平均を超えること、もし、それに時間的な早急度をつけるとしたら、「売上高最終利益率」、「売上高経常利益率」、「売上高営業利益率」の順番にクリアすること、そして、その段階から“売上高を伸ばすこと”を考えることをアドバイスしている。以前、ご紹介した、100円ショップのワッツ(2735)は好例で、これに沿った形で業績が着実に伸長していった。

 「SHO-BI」は番組でも紹介したように、通常のメーカー商品を小売業者に卸す「卸売業」と、自社開発商品を小売業者に卸す、メーカーとしての「その他製品」の2面を持つ。そのため、少し厳しく、「卸売業」、「その他製品業」、「(金融を除く)29業種全体」と比較すると、直近5期の利益率平均は「SHO-BI」が利益率3項目全てで圧倒している。「売上高最終利益率」の数字を紹介すると、「卸売業」:1.43%、「その他製品業」:1.61%、「(金融を除く)29業種全体」:1.61%であるのに対して、「SHO-BI」は4.41%である。これには、売上高に占める自社開発商品の比率を高めたことが寄与している。その比率は08年9月期に47.4%であったものが前期(12年9月期)には63.4%にまで上昇している。

▼海外に伸びる枝
 ここまできたら大切なことは、前述の“売上高を伸ばすこと”である。その売上げであるが、番組で紹介したように12期連続で増収となっているが、利益率の比較で用いた5期でも、丁度2割増加している。因みに、この期間で「卸売業」は19%、「その他製品業」も19%、「(金融を除く)29業種全体」は14%売上げを落としている。
 このことをきちんと「SHO-BI」は認識しており、前期より新たなステージとして、利益の“率”ではなく、“額”の拡大を目標として掲げている。利益率が業界平均よりも高い現状下、売上高を伸ばせれば、そのことは充分に可能である。

 そのため、「新しい商品」の提案により「新しい販路」の開拓を国内で進める一方で、海外戦略についても展開の強化を目指している。この強化とは、ファブレス・メーカーとして現在まで調達先(生産拠点)として大きな存在であった中国に加えて、リスク軽減も踏まえて、その先をインドネシア、ベトナム、ミャンマーに拡大させるとともに、販売先として中国、韓国、台湾、シンガポール、香港、ベトナム、ニュージーランド、そして米国と広げることである。そして、これが前期より驚くような急ピッチで進められている。ご出演頂いた寺田専務が世界中を飛び回っているのだ。

▼アジアで根を張るためのブランド戦略
 この「SHO-BI」であるが、昨年11/9に前期の決算発表を行ったところ、今期(13年9月期)の業績見込みは前期よりも増収・増益であったものの、減配見込み(1株あたり年間配当額22.5円→15.0円)が嫌気されて、2日間で7.6%も株価が下落(現在は発表前の水準まで株価は復調している)した。私はこの時、モニタリングしてきちんとレポートするアナリストのいないことを非常に残念に思った。
 発表の前日、「SHO-BI」の配当利回りは5.68%。これは全上場普通株3542社中、第27位、「その他製品」108社中、第2位、「その他製品+卸売」461社中、第4位の数字である。因みに、減配見込み後であるこの1/21の配当利回りでも、全上場普通株3549社中、第275位、「その他製品」108社中、第9位、「その他製品+卸売」460社中、第65位の堂々たる位置にいる。

 大切なのは、なぜ減配をするかである。それは、自社ブランドである、つけまつげの「PLAY GIRL」、アイシャドウ・アイライナー等の化粧品「BRIGITTE」の広告宣伝費を増加させたからである。卸売からファブレス・メーカーへと歩を進め、これから海外進出を加速させるうえで、最も必要なことが、「確固としたブランディングの確立」であると判断したからである。
 考えてもみて欲しい。年間3万アイテム、7000万個の商品を流通させている会社は商品一つあたりの利益の小ささや販売管理費の抑制の大切さは身に染みているはずである。それが、広告宣伝費を年間282百万円増加させたのである。それくらいブランディングということは、海外進出、特にこれから消費が拡大する国におけるファースト・アタックとして必要なことなのである。声を大にして言いたい。「『SHO-BI』」は今までも、そして、今期も、何も間違った戦略を採っていない」と。

▼「変化する種」が花咲く日
 番組の中で、専務が「変化する種」という言葉を使った。これはダーウィンの「種の起源」にある「生き残る種は、最も強いものでも、最も知的なものでもなく、最も変化に適応できる種である」という一節からきている同社のビジョンDNAである。
 戦後の大阪の化粧品道具大問屋であった「粧美堂」。化粧品卸で唯一生き残り、上場にこぎつけて2年で東証一部まで駆け上がった歴史は、まさに「変化する種」でなければ成し得なかった軌跡である。そのDNAは、先代の創業者から現社長へ、そして、お話しさせて頂いた35歳の若い専務にしっかりと引き継がれ、これから大きな花を咲かせる種となる予感がする。

 薔薇は最も種類が多く、花言葉も一番多いのは皆に愛されたからである。さまざまな色の薔薇を見たいという気持ちが、種を変化させた。世界中で「無理」と言われた青い薔薇を咲かせたのは、サントリーだ。
 「雑貨(ZACCA)専業企業として、アジアNo.1を目指す『SHO-BI』」。小さな可愛らしい薔薇がアジア各国で咲き誇るのは、そう遠い日のことではない。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 年間3万アイテム、7,000万個の商品とは凄いですね~。今回、SHO-BIのショールームを見学させていただいたのですが、膨大な商品に確かに圧倒されました!


つけまつげ「PLAY GIRL」



化粧品「BRIGITTE」

上記は、取材後記中でも触れられているブランディング強化中の商品、つけまつげ「PLAY GIRL」と化粧品「BRIGITTE」です。これらもショールームのごく一部でして、このほかにも膨大な商品群が展示されています! 女性がふらっと迷い込んだら当分戻ってこないかもしれません(笑)

 これらの商品群をアジアに展開していくSHO-BIの今後には、期待を寄せたくなりますね。丁度同社ウェブサイトで寺田専務がグローバル戦略について説明されていますので、末尾の関連リンク集もご参照くださいませ。
 また、2013年2月15日(金)、16日(土)に開催される「東証IRフェスタ2013」にも同社はブース出展を行い、15日15:35~16:20、16日10:20~11:05に会社説明会を実施しますので、こちらも要チェックです♪

 また、放送中にも告知いたしました通り、今回はSHO-BIからトートバッグをリスナープレゼントにご提供いただきました! このトートバッグは、今後さらに利益率を高めていくための自社企画商品です。下記リンクからどうぞ応募ください~。
 
<関連リンク集>
■SHO-BI リスナープレゼント
■東証IRフェスタ ウェブサイト ※同社がブース出展及び会社説明会を行います。
■SHO-BIウェブサイト IR情報
■SHO-BI グローバル戦略 ※寺田専務インタビューです。


専務取締役 寺田正秀様と。