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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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企業の業績を右肩上がりにし続けていくことは、なかなか出来るものではありません。優良な企業であっても、毎期ごとに一定の「波」が存在するものです。その「波」をどう読み解くのかが、投資の醍醐味のひとつとも言えるでしょう♪

 11月28日放送の「アサザイ 今日の1社」は、ビリングシステム(3623・マザーズ)代表取締役社長兼CEOの江田敏彦様にお越しいただきました!
 同社の「波」を井上哲男はどう読み解いたのか? 是非取材後記にご注目いただきたいと思います。

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取材後記
ビリングシステム(3623)(東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の江田敏彦さま。

「最良のタイミング」

▼是非とも、出演して頂きたい
 今回の収録は11/20に決まっていたが、その前週にビリングシステムさんからプロネクサスに一本の電話があった。11/13に業績の下方修正を発表し、最終利益も赤字となることから、番組に出て迷惑をかけることになりはしないか、今回の出演は見合わせた方が良いのではないか、という内容であった。
 プロネクサスの担当が取材に向かい、下方修正の内容、来期以降の展望を社長より詳しく聞き、その詳細なレポートが私に届けられた。そして、私とプロネクサスが出した答えは、「是非とも出演して頂きたい」というものであった。

▼下方修正の要因と対策
 番組でも紹介したが、同社のセグメントは大分して「決済支援サービス」と「ファイナンス支援サービス」がある。「決済支援サービス」とはネット証券やFX証券で圧倒的なシェアを誇る「クイック入金サービス」、クレジットカードやコンビニ支払いの収納を代行する「収納代行サービス」、多数の振込み(大和ハウスが管理する全国2万棟以上の物件の水道料金など)を代行する「振込代行サービス」の3つからなり、この部分が前期の決算において、売上高で86%、営業利益で81%を占めている主業である。
 そして、「ファイナンス支援事業」というのは顧客のキャッシュフロー管理に基づき資金繰りを支援するサービスであるが、今回の下方修正はこの事業において回収不能が生じたことによるものである。この部分については、来期以降は自社資産による運営ではなく、このデータを資金提供先と調達先に提供するサービスへ移行することを決定しており、今後、このような突発的な事由により下方修正となるリスクは解消されることになる。

▼来期への期待
 私が非常に残念なのが、番組でも紹介したが、同社が前期まで非常に高い利益率を誇っていた会社であるということである。売上高営業利益率15%、売上高経常利益率15%、売上高税引き利益率13%。このとてつもない数字を直近5期クリアしてきた会社は全上場企業で28社しかない。そのピカピカの28社のうちの1社なのである。
 その高い利益率を誇る同社のPBRが1倍を割り込んだのが、今年の5/15。第1Qの決算発表を行い、「ファイナンス支援サービス」における1回目の回収不能懸念を明らかにした翌日である。丁度このときに株価が大台の10万円を割り込んでいる。今期でウミを出しきり、来期、「ファイナンス支援サービス」を大幅に見直してその部分でのリスクがなくなった場合、同社が意識する株価のレベルはまずは、このPBR1倍のレベルであろう。
 
 下方修正には、2種類ある。一過性のものと、構造的なものである。そして、同社の今回の下方修正は明らかに前者と判断される。
私は決めた。この会社をモニタリングし続けていく。そして、来年もどこかのタイミングで「アサザイ」に出て頂く。私は、最も良いタイミングでビリングシステムさんに出演して頂いたと鶴首している。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 個人的な感想で恐縮ですが、私も放送を聴いておりまして、江田社長が真摯に、率直に株主・投資家に対してのご説明をされていたのが非常に印象的でした。

 同社の下方修正につきましては、ウェブサイトの江田社長のご挨拶ページにも、要因と対策が非常に詳細に掲載されています。ここまでしっかりと説明をされているケースは、あまり見かけたことがありません。
 以下にリンクを掲載いたしますので、どうぞご参照ください。

 また次回の「今日の1社」も、魅力ある企業をご紹介してまいりますので、お楽しみに!

<関連リンク集>
■ビリングシステム IR情報
■ビリングシステム 会社情報:代表挨拶 ※下方修正の要因と対策について詳細に説明されています。


代表取締役社長兼CEO 江田様と。