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10月3日放送「アサザイ 今日の1社」は、皆さんもご存知のポーラ・オルビスホールディングス(4927・東証一部)でした。1929年創業の歴史ある化粧品大手企業なのですが、上場したのは2010年と新しいんですね~。

 個人投資家向けIRにも積極的で知名度が高い同社は、非常に堅調な業績をあげています。その強みはどこにあるのか? 広報・IR室 IR担当課長の齋藤明子様に井上哲男がインタビューしました!

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取材後記
「失敗しない会社」
ポーラ・オルビスホールディングス(4927)(東証一部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は齋藤明子IR担当課長


▼「トイレタリー」と個人株主向けIR
 外国人に説明する際に困る業種分類に「トイレタリー」がある。日本では化粧品の他に、入浴剤や洗剤、石鹸までも含んで使われ、「化学」のなかの日用品に関わるもの全部を意味する場合が多いが、外国では純粋に化粧品や体につけて身だしなみを整えるものを意味する。以前、「花王も日本ではトイレタリーだ」と言ったところ「お前は洗剤で顔を洗うのか?」と返されたことがある。

 しかし、銘柄のバリュエーションを測る場合は、やはり、「外国式のトイレタリー分類」がしっくりくる。しっくりくるのではあるが、一方で画一的な計測が難しいのがトイレタリーである。
 難しくさせている一つの理由が、株主優待制度の魅力が高く、好きなブランドの株主になってそれを享受したい人が多いということだ。そのため、個人株主の回転率が低い業種と言われている。このことは、ある面、「企業を応援したい人が株主になる」という原義そのままであり、個人株主向けのIRが重要であるということも意味している。

▼業界唯一の「パーフェクト上方修正」
 それでも業績面での分析を行うと、ここ数年で好調、横バイにはっきりと二分される。5期前と今期見込みの比較において、収益面で好調なのが、同社とドクター・シーラボ(4924)で、他社は横バイか苦戦している状況である。
 その勢いの差は今期も続いている。売上高と利益3項目のパーフェクト上方修正はポーラ・オルビスだけで、ノエビア(4928)が営業利益と経常利益を上方修正したものの、その他の銘柄で上方修正はなく、資生堂(4911)は売上高のみ下方修正している。

▼『侃々諤々(かんかんがくがく)』
 この強さはどこから来るのか?
事業は以前のポーラ・レディの訪問販売を7年前に店舗型に変えた「ポーラ ザ ビューティー」での直販、百貨店での販売、オルビスの通販、そして海外戦略。奇をてらったものは一つもない。この企業の真の強さは、この奇をてらっていないセグメント全てにおいて「失敗していない」ということなのである。

 ロング・インタビューのなかで齋藤課長が「社内で『 侃々諤々(かんかんがくがく) 』とことん話し合った」という言葉を使った。きっと、これが同社の強さの素なのである。
 「ポーラ ザ ビューティー」の新規出店についても、マーケティングから人材の登用まで綿密な計画を経て行われている。エステ併設型店舗もニーズを深耕し、結果的にポーラ(ブランド)の顧客層において20~30代が圧倒的に増加した。

 また、ネット販売部門のオルビスは3年連続で日経ビジネスの「アフターサービス満足度ランキング」で1位となり、昨年実施された経済産業省のJCSI(日本版顧客満足度指数)でも通信販売部門第1位という栄誉に輝いた。
ネットでの通信販売会社といえば、誰でも大手数社の名前は知っている。その会社を蹴散らして、化粧品を扱う通信販売会社が1位となったのであるから、これは“事件”である。通信販売会社としてあるべき姿をとことん話し合って、それを具現化した結果だ。
そのオルビスが関東3つの流通センターを統合し、東日本流通センターを稼動させた。これにより、関東・関西の主要都市で朝7時までに注文すると、その日のうちに商品が届けられるという。

▼「失敗しなかった会社」の存在感
 株式市場において同社のネーム・バリューは高く、存在感を充分に示しているが、実はまだ上場して2年も経っていない。経っていないが、今回分析にあたって頂いた資料の数々は、極めて優秀な内容、精度であった。聞くところによると、同社はIRの担当を個人投資家向けと機関投資家向けに分けているという。これも上場企業として求められる姿をとことん話し合った結果であろうか。

 業界全体での化粧品売上高が横バイで推移するなか、同社は長年培ってきたものを資源として、基本的にスキンケア商品に特化し、業績を伸ばしてきた。この領域を出たことはなく、今のところ、ここから出る意志もないであろう。しかし、ポーラがスキンケア以外の化粧品分野に進出したとしたら・・・。その時は他のトレタリーメーカーにとって真の意味での脅威であろう。何故ならば「失敗しなかった会社」の進出だからである。(了)
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 取材後記は、以上です。なるほどですね~。

 インタビューでも齋藤様が説明されていました通り、ポーラ・オルビスホールディングスが有している9つのブランドは完全に住み分けができていて、それぞれにお客様を取り合うことはないのだそうです。このあたりのブランド展開も、『侃々諤々』の議論の元に熟慮した結果なのでしょうね♪

 「バランスの取れたセグメント構成とそれぞれのフィールドでの成功」、これは経営の理想形ではありますが、なかなかできないことです。

 なお、同社は2012年10月18日、11月17日にいずれも女性限定の個人投資家説明会への参加を予定しています。女性の皆さんは要チェックですよ♪

○2012年10月18日 18:50~ 【女性限定】個人投資家説明会『株式投資がもっと楽しくなるスマート実践術』
○2012年11月17日 13:00~ 【女性限定】個人投資家説明会『目指せ知的美人! 女性限定IRセミナー』
 ▼説明会のご案内はこちら▼

 また2012年10月30日には第3四半期の決算発表を予定していますので、こちらも注目です!

<関連リンク集>
■ポーラ・オルビスホールディングス 株主・投資家情報
■ポーラ・オルビスホールディングス 説明会資料


広報・IR室 IR担当課長の齋藤明子様と。