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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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日々メンテナンスを欠かさない、熱いバイクファンの方、周囲にいらっしゃいませんか?実は「今日の1社担当」の私の兄がバイクファンでして、日々バイクをいじっている姿を見ておりました。
四輪も同じだと思いますが、まさに「愛車」なんですよね~。

9月19日放送の「アサザイ 今日の1社」は、そんなバイクファンを支える「バイクライフの総合プランナー」、バイク王&カンパニー(3377・東証二部) 代表取締役会長の石川秋彦様にお越しいただきました♪
「アイケイコーポレーション」から商号変更したばかりの同社を井上哲男はどう見たのか?
企業の本質に迫る井上哲男の取材後記をお読みください!

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取材後記
バイク王&カンパニー(3377)(東証二部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長の石川秋彦様

「変わらない社名」

▼シンプルなビジネスモデル
誰もが知っている「バイク王」のCM。企業名を並べて子供からお年寄りまでの認知度を測れば、きっとかなりの上位に入るであろう。その圧倒的な認知度をもって、同社は9/1に「アイケイコーポレーション」から「バイク王&カンパニー」に社名を変更した。しかし、この社名変更、実質的に何も変わっていない。

同社のビジネス・モデルは現在のところ非常にシンプルである。不要になったバイクを買い取り、専門のオークションに売却、または自社店舗で販売する。その他、駐車場事業も行っている。
ここ3年間、順調に業績は回復してきたが、今期は6月に実質的な下方修正を発表した。3月の過去最多の問い合わせがあった際に、機会損失(引き合いが多すぎて充分に対応しきれなかったことによる商売機会の損失)が発生したことも一因で、来年はこのようなことはないという。

実質的な下方修正後の数字による9/18時点でのバリュエーションはPER13.4倍、PBR0.68倍、配当利回りは5.0%となり、東証一部の加重平均である、PER12.7倍、PBR0.93倍、配当利回り2.5%と比べると、PBRが低く、配当利回りが高いことが分かる。

▼「人財」に寄せる思い
 同社は正社員比率が非常に高い。従業員の9割以上が正社員であり、他社の場合、外注比率が高くなるインフォメーション・センターも実に8割が正社員である。前期末の従業員数も911名と売上げ/収益規模からすると多く映るかもしれない。しかし、「FACT BOOK」を見ると、同社が如何に従業員を大切に考えているかが分かる。引用すると「『人材』を『人財』とみなし、財産であると考える以上、働く人に対して会社がきちんと責任を負うことで信頼関係や理解が深まる」。きちんとした接客を行えるサービス提供者になってもらうために、会社は正社員として迎えるということだ。

 ちょうど収録の二日前、大手のスーパーマーケットが正社員を半減するリストラ計画を発表した。20年以上前にはその採用人数の多さからマンモス入社式がニュースで流れていた会社だ。当時の社長は同じように「人財」という言葉を使っていた記憶がある。

 「バイク王&カンパニー」の「FACT BOOK」に、「むしろ、今いる社員は「創業メンバー」と言えるくらいとも考えている」という記述がある。私は、この一文に感動した。
アイケイコーポレーション設立から14年。その前身の会社設立から18年。それでも現在の社員を創業期メンバーと言えるということは、同社の夢が実現するまでには、まだまだ長い時間がかかるということである。
 その夢とは何か?それは、バイクに関連する全てが「バイク王&カンパニー」で完結できる「バイクライフの総合プランナー」になることだと言うが、私は、何よりも、バイクが持つ社会的なプレゼンスを向上させたいということが、その梁骨にあると感じた。

▼「どんなバイクでも買い取る」
 私は石川会長に無礼を百も承知でわざと言った。「御社の収益を上げるのはそれほど難しくないと思います。①従業員数、②125cc以下のバイクの取り扱い、③駐車場事業、④宣伝広告費、この見直しです。」
 会長は、私の期待とおりに、これらを否定してくれた。町にバイクが不法投棄されないために、バイク王は「どんなバイクでも買い取る」のだ。駐車場事業は決して高収益事業ではないが、この4年間でバイクの駐車違反件数は52万件から半減した。バイクを駐車する場所がなくて路上に停めたりすると、バイクに乗っていない人達も迷惑してイメージも悪くなる等。
やはり、梁骨にあると感じたものは間違っていなかった。熱い会社だ。

▼変わらない社名、共有する夢
 「アイケイコーポレーション」と「バイク王&カンパニー」。
アイケイは会長と加藤社長の頭文字。仲違いしてどちらかが会社を去るなどということは有り得ないという前提の社名。そして、バイク王&カンパニーはバイク王の従業員とお客様を始めとする関わる全ての仲間達。株主もこの「&カンパニー」に含まれるであろう。
 やはり、何も変わっていない。社名に書かれているのは同じ夢を持つ者の名前だ。(了)
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今回の取材後記は、以上です。いかがでしたか?
井上哲男氏、やはり「熱い」会社には共鳴するものがあるようですね~。

社会的に意義のある事業か? それが社員と共有されているか? という経営者の「思い」の部分は、企業の成長には欠かせないエネルギーそのものだと思います。そのエネルギーが、ビジネスモデルという名のエンジンを動かし、マーケットという名の道路を交通ルールの下で走っていくのです!

・・・思わず私も熱くなってしまいました♪
また次回の「今日の1社」もお楽しみに!


<関連リンク集>
■バイク王&カンパニー IR情報
■2012年11月期 第2四半期 決算説明会資料