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本日、8月8日は何の日でしょうか?

なんとなーく、「8」を横にすると「∞」・・・「目」に見えてきませんか?
「アサザイ 今日の1社」は、そんな日にふさわしく、コンタクトレンズに取り組んで半世紀以上の株式会社シード(7743)、代表取締役社長 浦壁昌広様に井上哲男がお話を伺いしました。

■株式会社シード ウェブサイト
■8月8日放送「アサザイ」オンデマンド配信
■「アサザイ」Podcast配信(iTunes)

それでは早速、懐かしい青春時代までかけめぐる井上哲男の取材後記をお読みください!

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井上哲男 株式会社シード(7743)取材後記
8/2ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の浦壁昌広様

▼「セイ!ヤング」と「マイコン」
浦壁社長は私よりも一つ年上。共に高校生の時に深夜放送を聴いていた世代だ。
取材を終えてスタジオに入ると社長が機材を見回して一言。
「『セイ!ヤング』もこういうところで録っていたのかと思うと不思議な感じですね」
ひとしきり当時の話で盛り上がった後、ディレクターの何度目かの“キュー出し”で収録を始めたが、ふと、「今、目の前に座っている人は、あの頃ラジオでたくさんCMが流れていた「マイコン」(SEEDブランドの前身)の社長なのだ」と、今度はこちらが不思議な感じがした。

■株式会社シードの沿革

▼「ピークアウト」にあらず
コンタクトレンズはこれだけ生活の身近にあるのに、その業界動向はあまり投資家に知られていない。なぜならば、上場会社がシードただ1社だからである。その為、直接話を聞く機会はとても貴重だ。
企業を見る際に、過去の売上げや利益を精査するのは当然であるが、同社の売上のピークは2002年3月期の233億円であるのに対して、今年の3月期は前期比7.3%増で127億円。これだけを見ると随分前にピークアウトした印象を受けてしまうが、そうではない。これが、その業界動向に起因するものなのである。ピークの頃の売上の4割程度がOEMと販売委託を受けていた2種類のコンタクト・ケア商品であったが、その後、どんどん使い捨て(ディスポーザブル)が主流となり、ケア商品のニーズの減少とともに両商品の取扱いをやめた結果、売上は一時期減少したのである。しかし、OEMと販売委託は利益率が良くない。現在は売上の伸びがそのまま利益の伸びに繋がる体質となっており、売上高/営業利益率も回復し、営業活動によるキャッシュフローはここ2年間、ピーク時を凌駕するまでになっている。

■平成24年3月期 決算説明会資料
■2012年7月12日 個人投資家向け説明会資料

▼設備投資と市場の評価
この7/11に日経新聞が、国内のコンタクトレンズ生産量が日本一である鴻巣工場に設備投資を行うことにより、さらに生産能力を引き上げ、昨年度比1.5倍の月1800万枚に増やすと報じたところ、ザラ場でストップ高となる場面があった。これは極端な反応ではあったが、生産能力の増強は売上増の自信の表れであり、利益率が向上した現在、それはそのまま利益の増加につながると市場が判断したと考えることが出来る。

■2012年7月30日付適時開示 設備投資による固定資産取得に関するお知らせ

▼日本産“多品種少量製品”と海外展開
同社は、研究所、素材の開発、生産のラインを全て国内(桶川・鴻巣研究所)で行っているが、日本人のニーズにあったものを日本人の手と眼で作り上げることに昭和26年以来こだわってきた誇りと使命感が話の端々から感じられた。
特に印象に残ったのが“多品種少量製品”を開発していくという言葉。多くの業種では有り得ない発想であるが、研究・開発費をかけて、日本人の細やかなニーズを“大切なもの”として企業として対峙するという姿勢の表れだ。そして、同社はそうして日本で培ったメイド・イン・ジャパンの技術による製品の海外出荷を昨年より急ピッチで進めている。ベトナム、上海、シンガポール。近々モンゴルにも進出する。ここ3年間で国内でのコンタクトレンズでのシェアを拡大し、1日使い捨てタイプでは4%台から7.2%までその数字を伸ばしているが、これからは海外売上動向にも注目したい。

(※前掲の個人投資家向け説明会資料21ページに、海外展開に関する説明が掲載されています)

▼IRフォーラム参加と、かけめぐる青春
IRに積極的な姿勢を見せている同社は8/25に外苑前の「TEPIA」で開催される「IRフォーラム2012」に参加される。「私がブースに座っていますよ」と社長。

■「IRフォーラム2012」イベントサイト

秩父宮ラグビー場と神宮球場の間にある「TEPIA」は代的な建物であるが、以前そこにはTBCという古いボーリング場があった。終戦後、学徒出陣が行われた絵画館広場のすぐ裏に、米兵がするからと建てられた日本初のボーリング場。私が通っていた都立高校は丁度道路を隔ててその真向かいにあった。やりたくもない柔道をやり、ギターをかきならし、神宮球場でコーラ売りのバイトをして、そのお金のほとんどはTBCでインベーダーに撃ち落とされ、パックマンに食べられた。そんな青臭い高校時代まで思い出したのは冒頭の浦壁社長の『セイ!ヤング』のひとことのせいに違いない。(了)
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なるほど、単純に売上高減少=ピークアウトということではないんですね~。半世紀以上にわたって、業界同行の変化に的確に対応してきたということなのでしょう。
設備投資により旺盛な需要に対応するとのことで、今後の決算も注目されるところです。

それにしても、「TEPIA」から井上氏の青春時代の話が聞けるとは思いませんでした♪
インベーダーゲームで「名古屋撃ち」とか、使いこなしていらっしゃったんでしょうか?

また次回もお楽しみに!