9月20日の「アサザイ 今日の1社」は旅工房(6548)を放送しました。 [「今日の1社」取材後記] [朝イチマーケットスクエア 「アサザイ」]
2017/09/20(水) 15:29

 9月20日の「アサザイ 今日の1社」は旅工房(6548・東証マザーズ)を放送しました。

 今回は、代表取締役会長兼社長 高山 泰仁 様 にお越し頂き、沿革、事業内容、事業環境、強み等についてお話を伺いました。

 同社は「旅を、もっと、自由に。」をコンセプトに、主にインターネット上で旅行商品の販売を行う旅行会社です。他社と一線を画すサービスを目指し、トラベル・コンシェルジュによる電話やメールでの人的サービスとの組み合わせによる「ハイブリッド戦略」を採用しています。

 また、その特徴を活かすため、これは「ハワイセクション」、「バリ島セクション」、「アメリカセクション」など、渡航先の方面別に特化した、「方面別組織体制」という組織体制を敷いています。これにより、「専門性の高いサービスを提供」することが可能なりました。

 今回は、井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記
旅工房 (6548) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は、代表取締役会長兼社長の高山 泰仁 ( たかやま やすひと )様。

「人にこだわる」

▼社長就任から2年後に格安航空券インターネット販売を開始
 今年の4月、上場時に大いに話題となったが、設立は今から23年前の1994年と企業としての歴史は古い。現在のおしゃれな社名は設立時からのものであるが、高山氏が社長となったのが1996年。Windows 95を購入するため秋葉原に人が溢れているのを見て「インターネットの時代が来ること」を確信し、社長就任から2年後の1998年には格安航空券のインターネット販売を開始した。

 その後、2003年9月に登録旅行業第1種を取得してパッケージツアーの取扱いを開始し、一昨年にはハワイの老舗旅行代理店「ALOHA7 INC.」を取得、昨年2月からオンライン上で航空券と宿泊施設を自由に組み合わせて予約ができる「ダイナミック・パッケージサービス」を開始し、12月にはインバウンド旅行事業の強化もその目的として、ベトナムに連結子会社を設立している。

▼それぞれの事業内容
 セグメントを事業対象で考えると「個人旅行事業」、「法人旅行事業」、「インバウンド旅行事業」の3つに大別され、「個人旅行事業」の売上高がおよそ全社ベースの8割を占める。

 それぞれの事業を説明すると、「個人旅行事業」は、国内の個人のお客様に海外旅行を中心とするパッケージ旅行の企画・販売と、航空券、ホテル宿泊等の旅行商品を販売する事業であり、「法人旅行事業」は国内の企業、官公庁、学校法人などのお客様に、国内及び海外への出張などの業務渡航の手配や団体旅行の手配を行う事業、「インバウンド旅行事業」は海外の企業や団体のお客様を対象に、業務渡航や団体旅行の手配を行う事業である。

 規模感を書くと、全国に旅行業者はこの4月時点で9321社存在するが、大手と小規模に2極化しており、同社は海外旅行の取扱額で、およそ15位前後に位置している。

 興味深いデータがある。それは、旅行代理店を人はどのような基準で選んでいるかというアンケートであるが、それによると、選択理由のトップは「良いツアーがあったから」、2位は「信頼できる(会社だ)から」、3位が「価格が安かったから」と、2008年には45%程度であったインターネットによる旅行申込み比率が、一昨年に62%を超える状況となっても、やはり、トップは「企画力」であり、「価格」は3位でしかないのだ。

 今回、同社が上場することによって、個人営業、法人営業において重要な「信用力」、そして、アンケート2位の「信頼感」を得られたと仮定すると、やはり最も重要なことは、「企画力」ということになる。

▼「方面別組織体制」と「ハイブリッド戦略」
 そして、この「企画力」について言えば、同社にとってそれは一番の「強み」であると言える。

 通常の旅行代理店は、問い合わせ、発券など、その業務区分により組織体制を敷いているが、同社の場合、業務区分ではなく「方面別組織体制」を採用している。これは「ハワイセクション」、「バリ島セクション」、「アメリカセクション」など、渡航先の方面別に特化した組織体制を敷くことによって、専門性の高いサービスを提供し、また、商品企画や旅行手配も迅速に対応することが可能となっている。

 同社のもう一つの特長は、販売手段はインターネットに限定しつつも、専任のトラベル・コンシェルジュと電話やメールでコンタクトをとることにより、人によるサービス、サポートが受けられる「ハイブリッド戦略」を採用しているということ。

 これはお客様の利便性を高めるだけでなく、同社にとっても意義のあることだと私は考える。お客様の声、ニーズを汲みあげることにより、カスタムメイドに近い、新たなツアーが商品として企画される。店舗型でないため、パンフレットという紙面制約がなく、ツアーは幾らでも組成可能である。この3月に、5月出発のツアーを数えたところ、羽田→ハワイが8600件以上、羽田→北米が約4000件、羽田→欧州で同じく約4000件のツアーを掲載していたという。この中には、初めて当地を訪れる人、そして、当地に行き慣れた人も満足するものがきっとあるはずだ。

「方面別組織体制」と「ハイブリッド戦略」。

 この2つの特長が評価され、この4月時点での顧客満足度は「8.9点」と非常に高い数値を獲得している。この2つが紛れもなく「強み」であることの証左だ。そして、この「強み」は業績にも表れており、観光庁の資料から同社が作成したデータによると、主要旅行事業者の海外旅行取扱額が2011年度から2015年度にかけて約10%程度減少しているのに対して、同社の取扱額は1.9倍と、およそ2倍近くになっている。

▼旅工房の成長戦略は
 成長戦略として、まずは「人材の採用・教育・配置」という部分の強化を掲げる同社。
 「トラベル・コンシェルジュ」の教育を専門に行うセクションを立ち上げており、「プロフェッショナルな行動と言葉づかいでお客様が本当に求めている旅をご提案する」組織としての力をさらに高めようと努力している。一方で「方面別組織体制」を敷く以上、積極的に海外研修に派遣して現地を実際に体験することにより、知識・ノウハウを獲得してもらうという。

 また、「魅力的な商品企画の強化」として、根強い人気のハワイ商品の強化、ニーズのある欧州高級リゾートや北欧、東欧など、他社が手薄となっている地域の商品の強化、高単価クルーズなど日本人がこれから馴染んでいくであろう成長分野の商品の強化も謳っている。

 今回、放送の中で、「もうこの歳になると、旅行はなくて出張ばかり」と言った。オンラインで航空券やホテルの手配は出来る。店舗型代理店に行く手間、時間を考えれば非常に便利だ。しかし、それでも航空券を購入した後に、座席が指定できる場合とできない場合があり、未だにその違いが分からない。問い合わせ先もなく、この春先の出張時は決して安いとはいえないキャンセル料を払って店舗型代理店で購入し直すこととなった。

 「出張」はまだ良い。ただし、「旅」はそうはいかない気がする。「旅」という漢字は、進むべき旗(方向)を掲げて、二人以上の人間が行くという意味である。「旅」は人がするもの。その「人」に細やかなアドバイスをしてあげたり、相談にのってあげたりできるのも、やはり「人」以外にはいない。

 企業は社会の公器。そして、上場会社はその際たるものである。同社の上場会社としての旅の行程は始まったばかり。「人」にこだわるという大切な部分を忘れずに上場した同社をこれからも見守り続けたいと思う。

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取材後記は以上です、いかがでしたか?

本日の放送はオンデマンド配信にて早速アップされております。是非お聞きください。

それでは来週もお楽しみに!

(関連ウェブ)
旅工房 IRサイト
アサザイ(2017.9.20放送分)


代表取締役会長兼社長 高山 泰仁さまと