1月15日放送「今日の1社」ワイヤレスゲート(9419)の取材後記です! [「今日の1社」取材後記]
2014/01/15(水) 13:40 今日の1社担当
 1990年代、2000年代、2010年代・・・と、「10年」というのはひとつの年代を刻む目安となるものです。
 この20年の間で、インターネット接続はダイヤルアップの時代からブロードバンド、そして無線LANへと大きく発展してきました。

 1月15日放送、「アサザイ 今日の1社」に出演したワイヤレスゲート(9419・東証マザーズ)は、その公衆無線LANサービス分野の先頭を走る成長企業。2004年1月26日設立から、まもなくちょうど10年を迎えるところです!

 ワイヤレスゲートが切り開く次の10年、日本の通信環境はどれくらい発展しているでしょうか? 10年前と今を比べると、たいへん夢が広がるところです。今回も代表取締役CEOの池田武弘様にお越しいただき、井上哲男インタビューに答えていただきました♪

 井上哲男が「2012年組」(同年新規上場した企業)の中でも「イチ押し」としていたのが同社です。
 渾身の取材後記をどうぞお読みくださいっ!


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取材後記

ワイヤレスゲート(9419)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役CEOの池田武弘様。

 

「ストック、そしてグロースへ」

 

▼"2012年組、イチ押し企業"
 2012年以降、新規公開する企業が再度増加し市場に活気を与えている。「アサザイ」でも多くの新規上場企業を紹介してきたが、私が"2012年組のイチ押し企業"として紹介したのが同社。上場から3カ月後、一昨年10月のことであった。私が同社を推した理由は、①他社にはない卓越した技術でオンリーワンのビジネスモデルを築いている。②安定的な収益をもたらすストックビジネスであり、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスの増加に伴い、この拡大が見込まれる。③ヨドバシカメラという強い提携販売チャネルがある。④大きな設備投資資金が必要となることがなく、固定費の比率も低い。(当時の社員数10名)などであった。

 そして、何よりも重きをおいたのが、同社が上場を視野に入れてからの数年で築いた、成長性、そして株主資本から求められる収益性の高さであった。具体的に挙げると株主資本最終利益率(ROE)と真の配当性向であるDOE(ROE×配当性向)の二つ。継続的に「アサザイ」をお聴き頂いているリスナー及び私のセミナーにご参加頂いた方にとってはもう"耳タコ"であると思われるが、この二つの指標が如何に投信をはじめとする機関投資家の投資尺度になっているかが、同社の株主構成を見ると分かる。

 

 昨年の特番を含めて「アサザイ」に3回目の出演(最多出演)となる。昨年末に同社を訪れてインタビューをした際に池田CEOとIR室長が一つの懸念を抱いていた。それは、昨年11月以降、大手機関投資家の保有比率が上昇したことが材料視されて株価が大きく再上昇したが、それでは、なぜ機関投資家が保有比率を高めたのか、その着目した材料の含蓄している意味について、プレスリリースだけでは個人投資家に伝わっていないのではないか、つまり、"情報の非対称性"が機関投資家と個人投資家の間に生じているのではないかという、極めて投資家に対して真摯であるからこそ生じる懸念であった。それゆえ、私が今回の出演を依頼したのである。

 
▼ストックビジネスに拡大余地あり

 初めて同社を知るリスナーのために簡単にこれまでの事業を説明すると、au、ソフトバンク、ドコモなど、皆さんはそれぞれキャリアと契約されていると思う。Wi-Fiが入っている喫茶店などの入口には、それぞれのキャリアのシ-ルが貼ってあり、その場所ではどのキャリアでインターネットがサクサク動くかが分かるようになっている。このサービスは契約後一定期間については無料で、その後は有料になるのが普通であるが、ワイヤレスゲートのWi-Fiサービスに加入すると、どのキャリアでも月間380円でWi-Fiの設置場所であればインターネットがサクサク動くのである。この場所が現在4万ヵ所ある。その他、通信速度制限のないWimax社サービスに付加するサービス、auの3Gサービスに付加するハイブリッドサービス、24時間電話でPCをサポートするサービスなども行っている。会社別の有料Wi-Fiサービスのシェアはおよそ11%で、ソフトバンクに次いでほぼドコモと同じレベルである。しかし、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスの出荷台数に占める有料の公衆無線サービスの利用状況は、増加はしてきているが、未だに全体では10%程度という数値も推定されている。つまり、この数字には拡大余地が大きいことから、シェアを維持していれば自然とストックビジネスは拡大することになる。

 

 12月決算の同社の前期第1四半期に伸びが鈍化したと市場で言われたが(JCU(4975)の紹介でも述べたとおり)、昨年1-3月の世界的な生産調整及び契約台数の停滞は予測されていたことであり、その後、同社の業績は順調に年度予想ベースに回帰し、業績見込みに反映させていなかった(ヨドバシカメラに加えて新たに同社サービスの販売会社として提携を始めた)住友商事系の携帯販売会社であるティーガイア(3738)の寄与もあって、発表されている第3四半期まで好調なまま業績は推移した。計画していた1:100の分割に加えて、その後1:2分割を2回行い、初めての配当も発表。その後、創業10周年の記念配までも加えて行うことを発表した。

 
▼B2Bへ、"第二創業期"

 本題に入る。昨年11月6日に同社は一つのプレスリリースを発表した。それは「無線LAN環境構築支援プロジェクトに参画」の一環として「中央区銀座でのG Free構築」を行うというものであった。銀座の銀座通連合会が目指している銀座エリア全域でのWi-Fi化ということは、どのキャリアに入っていてもWi-Fiサービスを受けることができるわけであり、ワイヤレスゲート社にとってメリットがあることではないように映る。しかし、Wi-Fiのためのアクセス・ポイント(AP)の設置によるアップフロント(入口)の収益は大きくはないものの、その後にその利用料金というストックビジネスに結びつくのである。これまで同社のビジネスは最終消費者とのB2Cモデルであったが、APを設置した団体とのB2Bのストックビジネスモデルが始まるのである。これが"第二創業期"と池田CEOが言う由縁である。

 

 このビジネスのターゲットは全国の自治体、商店街などである。全国の自治体は災害時ネットワーク、外国人観光客の誘致やそれに伴うサービスの施行に興味があり、また、この部分についてはこれまでもAPの設置に対する国交省の助成金制度があった。しかし、結果的に設置後の運営費用の負担が自治体の重荷となることが多かったのも確かである。

ここにワイヤレスゲート社の卓越した技術が生かされる。構築したクラウドを利用したソリューションを用いることにより自治体はコスト削減に成功するだけでなく、同社の提供するビッグデータにおける人間の動態に関する管理・解析能力が広告の効果測定に有効に働き、結果的に広告の誘導に結びつくのである。実際にクッキーの解析によってインターネットにおけるPRを提供している会社があるが、自治体に広告収入が入れば、自治体は運用コストを賄い、黒字となることも有り得る。そこにはWin-Winのビジネスが広がる。

 

▼着実な歩みを、見守りたい
 日経CNBC(及びNIKKEI Channel)の不定期番組に「Trader's BAR」というものがある。毎回数名の市場関係者が集まり、金融談議に花を咲かせるのであるが、私は"常連客"として毎回出演させて頂いている。昨年初秋、レオス・キャピタルワークスの藤野さんがゲストとして来た放送の中で、私は外国人がなぜPBRの高い企業を買うのかを「PBR = ROE × PER」の式を用いて説明したことがあった。その時に私は具体的に同社の名前を挙げた。この番組の中で企業名を出したのはこれまで同社だけである。

 

 今朝の放送の中でも触れたが、昨年12月の「アサザイセミナー」でお配りしたROEトップ300ランキングで同社は3年平均が49.2%で全上場企業中13位となっている。前期の配当性向見込みは増配前で42%、増配後では53%。この積であるDOEは26%。このことは、今後2期に亘ってこの配当性向を維持すると、DOEの3期平均も全上場企業中、第1位か2位になることを予感させる。

 現在、株価は高値追いを続け、今年に入ってからの上昇率も3割を超えた。正直過熱感も感じる。しかし、上場後も着実な歩みを続け、きちんと投資家に対する真摯な対応も続けている同社に対する機関投資家・個人投資家の評価はすこぶる高い。初めて同社を紹介した際に、私は"爽やか"という表現を使った。このことは変わらない。何度会っても同社のメンバーは爽やかである。しかし、思う。ひょっとしたら同社は2010年代の情報通信セクターにおける最もグロース性の高いセグメントに関わっているのではないかと。

 自治体APビジネスがすぐに大きな収益を四半期決算において示すことを私は期待してはいない。しかし、その緩やかな伸びを見守っていきたいと思う。同社の決算を見る楽しみがまた増えた。そして、同社がB2Bビジネスの「B」にまずは自治体や商店街などを選んだこと、Win-Winの関係を目指していることが何よりも嬉しい。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?

 自治体APビジネス、「街全体のWi-Fi化」というのは、各地で具体的に検討が進められつつある分野です。

 たとえば、人口145万人の政令指定都市・川崎市。昨年11月に新市長が誕生しまして、この福田市長が主要な公約としてあげていたのが「川崎Wi-Fi化計画」です。

 これは単に「つながると便利だよね」ということではなく、国際的な都市間競争の中で、新しいビジネス環境を創出し、防災、防犯、交通、教育などの各分野でも戦略的なまちづくりをしていこうというものです。

 取材後記中にもあるように時間をかけて取り組んでいく課題ではありますが、各地での取り組みが具体化してくるのが楽しみです♪
 ワイヤレスゲートについても、着実な成長を長期的な目線で見守っていきたいと思いました。

(関連リンク集)
■ワイヤレスゲート IR情報
■11月6日付プレスリリース 無線LAN環境構築支援プロジェクトに参画~第1弾として中央区銀座でのG Free構築~
■11月26日付プレスリリース 無線LAN環境構築支援プロジェクト進捗のお知らせ~G Free(銀座フリーWi-Fi)が晴海通りへ拡大~
■ワイヤレスゲート 2012年10月17日放送「今日の1社」の取材後記

代表取締役CEOの池田武弘様と。
代表取締役CEOの池田武弘様と。

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