8月7日放送の「アサザイ 今日の1社」では、ネクス(6634・JASDAQスタンダード)をご紹介します! 通信技術を核とし、ルーター・通信データカード等を開発・販売する同社は昨年よりフィスコ傘下に入り、業績回復途上にあります。今回は代表取締役副社長の石原直樹さまにお越しいただきまして、井上哲男がインタビューしました。
井上哲男から取材後記が届いていますので、どうぞお読みください♪
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取材後記
ネクス(6634)(東証ジャスダック・スタンダード)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役副社長の石原直樹さま。
「Reborn」
▼好転
技術力には昔から定評のあるネクス。2001年に発売されて一世を風靡したPHSデータ通信カード「AirH"(エアーエッジ)」を作った会社である。セグメントはこのデバイス事業とインターネット旅行事業。デバイス事業は、機械と機械を結ぶ製品を意味する「M2M」と「コンシューマー向け」に大別される。そのM2M部門の市場規模は現在1500億円程度であるが、5年後には8700億円規模と6倍程度に拡大するという試算がある。
番組でも話したが、親会社がインデックスからフィスコに変わり、同社を巡る環境は劇的に好転している。昨年6月に親会社変更後、決算期変更(7月→11月)により4ヶ月決算ながらも黒字を確保し、今期については、売上高5786百万円、営業利益361百万円、経常利益351百万円、最終利益346百万円の見込みをたてている。この利益率を計算してみると、営業利益率6.24%、経常利益率6.07%、最終利益率5.98%となる。
この数字を検証してみる。前期決算のほぼ出揃った今5月末で計測した今期期初見込みによると、同社が属する「電気機器」の利益率見込みは、営業利益率5.38%、経常利益率4.87%、最終利益率2.46%、また、金融4業種を除いた29業種の合計は営業利益率5.05%、経常利益率5.84%、最終利益率3.40%であり、ネクスの数字はこれらを上回る。つまり、全体で見ても、同業比で見ても、ネクスの利益率は平均以上にまで復活する見込みなのである。
▼四半期決算分析
実際に発表された同社の四半期決算を分析する。今期期初の年度見込みは上記の通りであるが、第2四半期(上期)の数字として見込んでいたのが、売上高2734百万円、営業利益164百万円、経常利益163百万円、最終利益161百万円であった。実際に7/12に発表された数字は、売上高2027百万円、営業利益116百万円、経常利益237百万円、最終利益213百万円となっており、これによる上期見込み達成率は、売上高:74.1%、営業利益:70.7%、経常利益:145.4%、最終利益:132.3%となる。
通期の進捗率を計測してみると、売上高:35.0%、営業利益:32.1%、経常利益:67.5%、最終利益:61.6%であり、売上高、営業利益は予想を下回っているものの、肝心の経常利益、最終利益は大きく計画を上回っていることが分かる。このことは、上記した利益率がさらにこのペースでいけば上昇することを意味している。「収益率改善後に売上高増」という、私が理想と考える企業成長サイクルの入り口に同社は立っていると考えられる。
▼11月決算で問われる「Reborn-Stage」
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取材後記は、以上です。いかがでしたか?
ロングインタビューでは、花巻工場の一部用地を活用した農業をスタートし、そこで「農業のICT化」の実験的な取り組みをしていることもお話いただきました。ネクスの通信技術を活用して、遠隔操作で肥料などの管理を最適化していくというものです。
現在TPPの交渉もスタートしていますが、日本の将来的な農業の発展のためにも実用化できれば良いな~と思いました♪
また次回の「今日の1社」もお楽しみに!
(関連リンク集)
■ネクス 投資家情報
■ネクス 平成25年11月期 第2四半期決算短信(PDF)
■ネクスファーム(同社による農業ICT化実験)
代表取締役副社長の石原直樹さまと。