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ロードサイドで目を引く、赤いとんがり帽子の屋根。看板を見なくても、建物の形だけでそれとわかる店舗はそう多くありません。8月14日放送の「アサザイ 今日の1社」では、個人投資家の皆様にも知名度抜群のリンガーハット(8200・東証一部)をご紹介しました!
 同社店舗の、お野菜たっぷりのメニューを食べたことのある方も多いのではないでしょうか?

 今回は代表取締役会長兼社長の米濱和英さまにお越しいただきまして、井上哲男がインタビューしました♪ さっそく取材後記が届いていますので、どうぞお読みください~。

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取材後記

リンガーハット(8200)(東証一部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長兼社長の米濱和英さま。

 

「九州から海外」

 

▼支持される「野菜たっぷりちゃんぽん」
 誰もが知っている「リンガーハット」。しかし、私は2つの勘違いをしていた。1つは、リンガーハットは長崎ちゃんぽん・皿うどんを全国に広めるために九州から出発して全国展開をしている会社だと思っていたこと。無論全国展開ではあるものの、リンガーハット534店舗のうち48%もの店舗が現在も九州7県にあり、ドミナント展開で成功を収めた九州が今でも最も大きな商場であるのだ。また、もう1つは、「リンガーハット」が「とんかつ浜勝」もやっていると思っていたが、創業は「とんかつ浜勝」であり、その後にリンガーハットになったということである。

 

 テレビ朝日の番組『お願い!ランキングGOLD』の「1万人が選ぶ第1回麺チェーン店総選挙」で見事、リンガーハットの「野菜たっぷりちゃんぽん」が第1位に輝いた。また、第3位に「長崎ちゃんぽん」、第10位に「長崎皿うどん」がランクインしたが、3商品がベスト10入りしたのは同社だけであった。第1位と第3位の違いが野菜の量と考えると「ちゃんぽん」の圧勝だったことが分かる。ここでおもしろいなと思ったのが、"長崎"という冠をつけた同店のメイン・メニューを抑えて「野菜たっぷりちゃんぽん」が第1位となったことである。このことは、同社が掲げてきた「安心、安全な国内産野菜をたっぷり食べて欲しい」という思いが結実したとも考えられる。

 

 同社のHPをみると、主要メニューについて使われている食材の産地が出ており、また、契約している野菜農家の名前が出ている。そして西日本の店舗についてはできるだけ九州の野菜を使っていること、そして、これに地域別店舗数を考えると九州の地産地消に結びついていることが分かる。昨年の第1Qに九州で大雨が降り、天候不順で野菜が高騰した際も国内にこだわって他の地域からの輸送で賄い、輸入をすることはなかった。このことは、利益面にとっては無論マイナスとなったが、そこまでのこだわりが消費者に支持されて第1位を獲得したのであろう。

 
▼健闘の第1Q

 今年に入り"プチ贅沢"が消費のキーワードとされているが、実は外食産業の4~6月期は各社円安の影響もあって厳しい数字となっている。その中にあってリンガーハットは健闘している。月次の既存店売上げは2月~6月までの5ヶ月間前年同月比でプラスを記録したが、同社は2月決算であるため、このうち4ヶ月が今期寄与となる。7/11に発表した第1Qの決算は売上高が前年同期比+7.5%、営業利益(同)が+74.8%、経常利益(同)+85.1%、最終利益(同)+29.5%となっており、今期の上期(第2Q)見込みに対する進捗率が順調である。また、この第1Qの利益3項目は昨年の第2Q時点の数字を何れも上回っている。同社は最終Q(11~2月)に利益が上積みされる傾向にあることから、このまま第2Qを乗り切れば、今期見込みの達成の蓋然性(がいぜんせい)は一層高まると考えられる。

 

▼海外展開の試金石、香港出店
 同社のこれからの展開は、国内・海外の両方を見据えたものとなる。特に海外での動向は注目である。現在、同社はタイに3店舗、台湾に3店舗、米国(ハワイ・カリフォルニア州サンノゼ)に2店舗展開しており、今年香港にも出店することによって合計9店舗となるが、これを2016年2月期に30店舗まで拡大したいという。

 

 日本の外食産業の海外進出の成功と失敗を調べたことがある。また、実際に海外に行った際にはその店舗を覘いてみることにしているが、とても興味深い。香港と中国では同じ吉野家でもメニューが全然違う。上海の吉野家を訪れた際に看板メニューで一番大きく扱われていたのが「サバ味噌丼」であったが、同じ時期の香港の吉野家は日本のメニューに近かった。(注:2010年12月時点。また、吉野家は香港内でもうどんを提供する店としない店があるなどメニューのバラツキはある)また、サイゼリヤは中国に進出して初めは苦戦したものの、ある時に「これでダメなら撤退」の気持ちで価格を落としたところ、ほんの数日で長蛇の列ができる超人気店となったという話を聞いたことがある。失敗例で多いのが直営店とFC店の味とメニューのギャップだ。

 リンガーハットの強みの1つが、電磁調理器の新システムを導入したことにより全国どの店舗でも味にムラがなく提供できるということである。これは実は他の外食産業にとっては大きな課題である。味ムラのない看板メニューに加えて、現地ならではのメニュー、味付けを工夫していきたいという同社。まずは、香港の開店と評判が楽しみである。

 香港は世界中の外食チェーン店がアンテナショップを出して客の反応を見るところである。日本からも多くのラーメン・チェーンが進出して失敗した中、熊本らーめんの「味千」だけが高い評価を得て、そのことが同社の海外進出にさらに拍車をかけた。同社の現在の店舗数は、国内101店舗、海外714店舗である。

 現在は状況が変わり、リベンジで進出したラーメン屋や新規出店したとんこつラーメンもかなり人気があるという。いつか「麺チェーン店総選挙」の香港編が行われたらおもしろいかもしれない。その頃、リンガーハットが、そして「ちゃんぽん」が、海外でどのような評価を受けているか非常に楽しみである。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 麺類の海外展開での成功例といえば、やはり外せないのは香港での上場も果たした「味千」ですね~。私も自宅近くのリンガーハットにお世話になっていましたので、長崎ちゃんぽんが海外で支持されたら、個人的にもうれしく思います♪ 
 リンガーハットのウェブサイトには現在「ちゃんぽんを世界の日常食に」というコピーが表示されています。目新しさだけではなく、現地の生活に当たり前のように溶け込む存在になりたいという同社の願いがこめられています。

 ところで、リンガーハットの店舗には「株主優待のご案内」が入口付近に置かれているのをよく見かけます。店舗に来店される方に株主になってもらいたいという、個人投資家を重視する姿勢がわかりますね。

 今回、リンガーハットからはリスナープレゼントとして、株主優待でも提供されている同社お食事券をいただいていますので、別途ご案内いたします。ふるってご応募ください!

■リンガーハット IR情報
■3分でわかる!リンガーハット
 ※同社沿革がまとめられています。
■テレビ朝日「お願い!ランキングGOLD」第1回麺チェーン店総選挙
 ※リンガーハットの「野菜たっぷりちゃんぽん」が第1位を獲得しました。

(代表取締役会長兼社長の米濱和英さまと。)
代表取締役会長兼社長の米濱和英さまと。