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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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番組開始1周年となる7月3日放送分より、「アサザイ」は番組を5分拡張してお届けすることになりました。皆様、放送はお聴きいただけましたでしょうか? 今回の「今日の1社」では、アールシーコア(7837・JASDAQスタンダード) 常務取締役の谷秋子さまにお越しいただきました!
 同社は、自然派のログハウス「BESS」を中核事業とする、個性ある住宅メーカーです。「住む」より「楽しむ」ことをテーマに、全国の住宅展示場においてライフスタイル提案型の展開をされています♪
 
 昨年7月にも「今日の1社」に出演いただきまして、井上哲男も注目していた成長企業です。今回も井上哲男より渾身の取材後記が届きましたので、ぜひお読みくださいっ!

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取材後記

アールシーコア(7837)(ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は常務取締役の谷 秋子さま。

 

「"魔法の杖"を振らせない家」

 

▼"魔法の杖"があったとしても
 "魔法使い"がいたとする。

「この家も建ってから15年が経ちました。魔法の杖を振って新築の状態に戻してあげましょう」

 多くの人は大喜びするだろう。でも、アールシーコアの「BESSの家」の住民はきっと違う。

「なんてことを言うのですか、せっかくここまでしたのに」そう答えるに違いない。

 同業社の売る家とアールシーコアのBESSの家の違いを表すとしたら、この例え話だけで充分だと思う。

 
 その時はピンと来なくとも、随分と時間が経ってから理解できる言葉というものがある。

 私の好きなエッセイスト(本業は建築家)に宮脇檀(みやわき まゆみ)(男性)という人がいた。住宅が好きで、お金になる工業建築よりも家族と何度も面談を重ねる住宅を仕事として選ぶ人であった。曰く、「雑誌に出てくるような綺麗な家を作ったら、子供も夫もそれぞれの部屋に引きこもり、家族のふれあいや会話がなくなってしまったという実例がごまんとある。何のために家をつくるのかという基本的な思考が落ちていたからとしか言いようがない」死後に知ったのであるが、氏は男手一つでお嬢さんを育て上げたのだという。

 この言葉を受けて、同じく建築家の長谷川逸子女史が「とにかく光や風や自然がきちんと捉えられていて、内部は"積極的ながらんどう"がいい」と述べていた。

 高校生の頃は分からなかったこれらの言葉の意味が、歳を重ねて家族を持ち、アールシーコアを知って、きちんと自分の中での居場所を見つけたような気がする。

 
▼「暮らし」の場としての家

 "家を見に行くための場所"である通常の総合住宅展示場にBESSの家は無い。BESSの家は直営の、またはFCの展示場に何軒かまとめて建っており、さながら小さな街のようである。そして、その展示場はただ家を見に行く場所ではなく、「暮らしを体感する展示場」となっている。つまり、もしこの家に住んだらどのような暮らしになるかを体感して、子供たちが大きくなったらどうなるのかを想像しに行く場所なのである。

 

 他の絵を掛けたら釘の跡が目立ってしまうからという理由で、もう気に入らなくなった絵をずっと掛けている人がいる。BESSの家の住民の対極にいる人達である。

 木がふんだんに使われているBESSの家の室内は釘の打ち放題である。釘跡も風情。アールシーコアは言いたいのだ。「家は"心豊かな生活"をするための道具でしかない。家に気を遣ってどうするのか」と。

 そう、BESSの家は生活をするためのもの。別荘用と勘違いしている人がいるが、94%が自宅として使用されている。そして、この、エアコンが自分でフォルターの掃除をしてくれる時代に、BESSの家の5割以上では、メンテナンスも蒔割りも必要な蒔ストーブがオプションとして購入されている。そのBESSの家を購入する年代で一番多いのが30代のファミリー層。若い世代に、家族と心豊かな生活を送るために家を選ぶという感性があることを、嬉しく、そして頼もしく思う。

 
▼時が磨く、木造建築

 富士山の世界遺産登録に日本中が沸いているが、93年12月に初めて日本で世界遺産に登録された4ヶ所のうちの一つが法隆寺地域の仏像建造物。

 清家清(建築家。以前、乃村工藝社の取材後記に書いた旧本社ビルも同氏の作品。因みに息子は現慶応義塾長の清家篤氏)が法隆寺の管長から聞いた話を講演会でしているのを聴いたことがある。それによると、なぜ法隆寺が世界最古の木造建築でいられたかというと、それは貧乏寺で建て替える費用が無かったことと、愛情を持って修理修繕をどの寺よりもこまめにしたからだそうだ。世界遺産は、そのメンテナンスの努力に対するご褒美であった。

 BESSの家は「木」である。無論、定期的なメンテナンスが必要なことは言うまでもない。きちんとメンテナンスをした外壁、時間の経過とともに風合いが変わってきた内壁や床や階段の手摺り。それは、生活をした「証」である。それを魔法の杖の一振りで戻されてはたまったものではないのだ。

 

 同じ木造住宅であるのに、英国の平均使用年数が70年以上、米国でも60年以上なのに対して、日本は30年台であると聞いたことがある。法隆寺のある国としてはいささか悲しい数字だ。

また、壁紙の出荷用途も欧州では8割から9割が修繕用であるのに、日本では修繕用は1割にも満たなく、残りは新築用だという。これらは、中古住宅の査定の仕方も一因だ。米国では、不動産屋は中古住宅の鑑定数社に依頼して価格を出させるのであるが、そのチェック項目には、庭の手入れや外壁のメンテナンスなど街並みの景観を損なわない努力をしているか、美しくその住宅は年月を経ているか、などのポイントがあるという。

 "美しく経年できる"のは「木」の家だけである。「経年劣化」という、よく耳にする言葉ではなく、アールシーコアが語る「経年美化」という考えがそこにはある。

 
▼「住む」より「楽しむ」価値観

 街で、豪奢な家、とてもデザインが際立った家を見ると、「どんな人が住んでいるのだろう」と思うであろう。しかし、BESSの家を見た場合はそうではなく、「この中でどんな暮らしをしているのだろうか」と思うかもしれない。

 東京の代官山に続いて今年1月にオープンした神奈川県藤沢市の直営展示場である「BESS藤沢展示場」のコンセプトは"楽縁集落"であるが、私が想像するに、BESSの家の住民は、よそでBESSの家を見かけて庭に住民がいたら、声を掛けたくなるのではないかと思う。「うちもBESSの家なんです」と声を掛けたら、それだけで趣味の話へと広がっていくのではないかと。

 展示場だけではない。離れていてもBESSの家は同じ価値観を持つ人間が住んでいる"楽縁集落"なのだ。(了)
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 放送中、インタビューに加えて井上哲男からは定量分析に基づくさまざまなアールシーコアの「強み」が紹介されました。取材後記でお届けしたのは、それに加えてアールシーコアの定性的な部分、企業の根幹をなす「価値観」ですね。

 「今日の1社」担当のわたくし個人も、「BESS」の展示場に行きたくなってきました♪

 さて、放送中にもあったとおり、アールシーコアでは希望される方に株主向け冊子「アールシーコア通信」をお届けしています。6月に完成したばかりの最新号はたいへん充実したわかりやすい内容になっていますので、ご関心をお持ちのかたは以下からお気軽にお申し込みください!

■アールシーコア お問い合わせページ
お問い合わせ内容に「アサザイリスナー向け 株主通信郵送希望」とご記入ください。

 また6月10日付で、金融情報配信会社・フィスコよりアールシーコアの企業調査レポートも発行されています。こちらも同社に対してかなり詳細な分析を行っていますので、関連リンク集からどうぞご参照くださいませ。

 さらに今回はアールシーコアよりリスナープレゼントもいただいています。
 プレゼント応募については別途告知いたしますので、お待ちくださいね♪

(関連リンク集)
■アールシーコア IR情報
■アールシーコア 第28期アールシーコア通信(株主通信)(PDF)
■フィスコ 企業調査レポート アールシーコア(2013年6月10日)
■「アサザイ 今日の1社」 前回のアールシーコア取材後記

(常務取締役 谷秋子さまと。手元にはリスナープレゼントのデッキタオルと「アールシーコア通信」。)
常務取締役 谷秋子さまと。手元にはリスナープレゼントのデッキタオルと「アールシーコア通信」。