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現在、地球は環境・エネルギー・食糧などさまざまな問題に直面しています。今後の人類社会を持続性のあるものにしていくためには、たいへんな努力が必要である...というのは、多くのマスメディアで報道されていますので、あえてここでご説明するまでもないでしょう。
 現実を知っていくごとになんとなく視線が下を向いてしまいますが、そんな中!上を向いて「世界を救う」ビジョンを持って事業を展開されている企業があります。ミドリムシ∞カンパニー、ユーグレナ(2931・マザーズ)です!2012年に新規上場した、たいへん注目を集めている企業です。

 今回は代表取締役社長の出雲充さまにお越しいただきまして、井上哲男がインタビューを行いました。またまた熱い取材後記が届きましたので、どうぞお読みください♪

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取材後記

ユーグレナ(2931)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の出雲 充さま。

 

「空も飛べるはず」

 
▼"ミドリムシ"が引き寄せる未来

 今年の1月にJASDAQ唯一の外国部上場銘柄であるメディシノバ(4875)さんにお越し頂いた際の取材後記で、バイオ・ベンチャーに投資する前に読んで欲しい本を2冊紹介した。一冊は「サイエンス・ビジネスの挑戦~バイオ産業の失敗の本質を検証する」(日経BP社)という米国の創薬ベンチャー・ビジネスのこれまでを書いたもので、もう一冊は今回お話し頂いた出雲充社長の「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」(ダイヤモンド社)であった。その際に私は同著を"快作"と紹介した。そして、今思う。やはり"快作"だと。

 

 まずは定量面について述べる。"優秀な2012年組"の名に相応しく(勝手に私が名づけたのであるが)、ROEの直近3期平均順位は弊社試算で全上場企業(3600社ほど)中、既に52位、ROAの平均は29位と立派な数字である。上場前から収益性、投資効率性では非常に高い水準にいたことがこの数字から分かる。

 

 ミドリムシを英語でユーグレナと言うと、数年前まで私も含む日本人の大半は知らなかったと思うが、今はかなりの人が知っている。このことからして、この会社は社会現象を起こしたのだと思う。それは、明るい未来へ向けた、"現実的なおとぎばなし"が確かに始まっているのだと皆が感じる社会現象である。

 生物で学んだミドリムシ。光合成をする植物とべん毛を使って動くという動物の両性を持ち合わせた微生物であるということは知っていたが、まさか、ちょうどこの時期に水田に浮いていたあのミドリムシに世界の未来を明るくするチカラがあったとは。やはり研究者の熱意には頭が下がる。

 
▼食料・燃料としてのミドリムシ

 世界の未来を明るくする第一弾が「食料」としてのミドリムシ。ミドリムシには59種類もの栄養素が含まれている。それは通常、野菜・魚・肉を食べることによって得られる栄養素である。「飢餓」と「栄養失調」は違う。「飢餓」はお腹一杯に食べることが困難なことであろうが、「栄養失調」にさえならなければ人間は死なない。そして、世界では多くの子供が栄養失調で苦しんでいる。例を挙げると、アジアだけで2億5000万人もの子供にベータカロチンが不足しており、世界単位で考えると、必要な栄養素を摂るためには、動物、植物の両方が10億人分ずつ足りないという。腐敗してしまう生の食料を輸送するのは困難であり、例え缶詰のように加工してもやはり輸送にはかさばる。その代わりに、輸送の楽な(ミドリムシと野菜の粉末である)緑汁を送ることができたら、子供の栄養失調という問題に確実に明るい光が射す。

 

 同社が研究開発を行っている、「5つのF」(Food:食料、Fiber:繊維、Feed:飼料、Fertilizer:肥料、Fuel:燃料)の話、またバイオマス燃料に関して、個人投資家向けの放送では分かりにくいといけないので遠慮しましょうかという申し出でがあったが、「これこそがユーグレナのユーグレナたる部分であり、絶対に放送したい」と私が主張したので、ここで責任を持って伝える。

 ユーグレナは現在、上記の5Fの研究・開発を多くの大学や企業とともに行っている。この日本の選りすぐった知能を集めたオープン・イノベーションが何よりのチカラであり、現在のところ最終的な目標は最後の「F」、つまり(ジェット)燃料である。

 
▼夢ではない、「マイナス・カーボン燃料」

 トウモロコシやサトウキビから燃料を抽出することが話題となって既に7~8年の月日が経つ。バイオマス燃料の根本にあるカーボン・ニュートラル(植物は成長過程で(日中に光合成を行うことによって)二酸化炭素を取り込んで酸素を出しているのであるから、これから作られた燃料が燃焼する際に二酸化炭素が排出されても、全体で考えれば二酸化炭素の量はニュートラルである)という考えが揺らいでいる。

 アマゾンなどで無許可で木々が伐採されてこれらの原料である植物が生産されていることが随分と前から問題になっているが、生育に時間がかかる植物から燃料を作ることの効率性、実際に収穫する際には植物はほぼ緑の部分が無くなっていることなどから、見込んでいたほどカーボン・ニュートラルではないのではないかという疑問など色々と問題が提議されている。

 

 ミドリムシの場合は、培養が早く、精製される寸前まで光合成を行って二酸化炭素を取り込んで分解しているという点でも効率性に優れている。ユーグレナがミドリムシの増殖速度を高めること、油脂含有量を高めることに成功すれば、革命的な燃料が出来るのである。カーボン・ニュートラルどころか、マイナス・カーボン燃料も全然夢ではない。同社についてのアナリスト・レポートで「5Fは順に収益率が低くなるので、Fuelの開発まで辿り着けなくても収益としては問題が無い」という内容を読んだ。全くもって幻滅した。「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」を読んでいないのかしらとさえ思った。

 
▼ミドリムシが、空を翔ける日

 私は出雲社長に大変失礼なことを言った。「社長、ご自身が書いた本の題名を裏切らないで下さいね」と。私が確かめたかったのは、ジェット燃料開発のための出雲社長の熱意であったのだ。

 それに対しての出雲社長の言葉は「ジェット燃料が出来て、初めて飛行する際に一緒に搭乗してくれますか?」であった。耳管の働きが悪く、国内であればどんなに遠くとも電車で行くほど飛行機が苦手な私であるが、頷くのに躊躇は無かった。

 今週号の週刊現代(講談社)の特集で「2020年、生き残る会社」というアンケートが行われている。私はその筆頭に期待を込めてユーグレナを挙げた。2020年。それはユーグレナがジェット燃料の実用化として掲げている時である。植物であり動物であるミドリムシ。ユーグレナはそれが空も飛べることを証明してくれると信じている。
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 取材後記は、以上です。いかがでしたか?
 「ミドリムシが世界を救う」という夢に、期待を寄せたくなってきましたね~。

(ユーグレナ オフィス受付のミドリムシ)

ユーグレナの受付
ユーグレナ受付のミドリムシ


ユーグレナのオフィス受付では、ご覧の通りフラスコの中のミドリムシがお客様を迎えてくれます。
ミドリムシは本当に小さい存在ですが、これが世界を救うかもしれないと思うと、顔を近づけてじっと眺めてしまいます。

またまた井上哲男の応援企業が増えましたね♪

なお、別途告知の通り、今回はユーグレナからリスナープレゼントに「緑汁」を5名様分いただきましたので、ふるってご応募ください! 以下にリンクを再掲しておきます。
緑汁のご紹介
プレゼント申込フォーム

(関連リンク集)
■ユーグレナ IR情報
■ユーグレナ 2013年個人投資家説明会(動画、資料)
■ユーグレナ・ファーム
 ※石垣産ミドリムシの公式通販。自由ヶ丘では人気店9店舗とのコラボレーション商品も販売しています。


代表取締役社長 出雲充さまと。緑色のネクタイが素敵です。手前はリスナープレゼントの「緑汁」。

代表取締役社長 出雲充さまと。緑のネクタイが素敵です。