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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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現代日本にあって、車に乗ったことがない、という方はいらっしゃらないと思います。日本の上場企業の売上高1位はトヨタ自動車で、日本人にとって車は主要な産業でもあり、生活に密着した存在でもあります。
 今回の「アサザイ 今日の1社」にご出演いただいたのは、そんな日本人のカーライフを情報サイト「carview!」等で支えるカービュー(2155・東証マザーズ) 代表取締役社長の兵頭裕様ですっ!

 同社がヤフーの連結子会社になるのに伴って新社長に就任された兵頭様。放送中では同社の事業ビジョンについて、井上哲男のインタビューに応えてお話いただきました。今回も井上哲男の視点が光る取材後記が届きましたので、どうぞお読みください♪

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取材後記

カービュー(2155)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の兵頭 裕さま。

 

「クルマ × ネット =カービュー」

 
▼新生「carview!」誕生

 昨年12月初旬にカービューの筆頭株主であったソフトバンクの保有株式をヤフーが取得することによって、同社がヤフーの連結子会社となるというニュースは市場に大きな驚きを与えた。

 同社の「carview.co.jp」と「Yahoo!自動車」という自動車関連の2大サイトが統合され、この6/6に「carview!」がスタートした。兵頭新体制になって4ヶ月。具体的な形で連携がスタートしたことになる。自動車総合ウェブサイトといえば真っ先に名前が浮かぶのは、このサイト以外無くなったということだ。

 
▼4事業の展望

 同社のセグメントは「国内事業」、「広告事業」、「SNS事業」、「海外事業」の4事業であるが、収益上の主業は「国内事業」のなかの中古車関連事業である。

 この3月に終わった前期が減収・減益となった理由は、この中古車関連事業の不振。社長に理由を訊ねたところ、「顧客である中古車関連事業者の広告宣伝費に関する意識が変化したことと、競争激化などビジネスモデルを巡る環境が変化しつつある」と冷静に分析した答えが返ってきた。「エコカー減税で消費者の眼が中古車ではなく、新車に向かった」という言葉が返ってくるかと思ったが、そのような言い訳は一切なかった。

 この事業の立ち直りが同社のこれからの鍵であるが、その為には自社サイトへの訪問者を増やすことが重要となる。その点で、これまでも高いコンテンツ能力を誇ってきたカービューと同じく集客力については圧倒的な力のあるヤフーの提携がマイナスに働く訳はない。

 

 また、残りの3事業については前期も堅調に推移している。

「海外事業」においては特に日本の中古車を輸入するニーズの高い業者の多い、東アフリカのケニアに海外子会社を設立した。無論、日本の中古車業者の海外輸出意欲は高い。代金の出納代行サービスなど、他社に先駆していることはこれらの業者に対して大きな安心感を与えている。

 「広告事業」はウェブサイトにおける広告媒体事業であるが、前述のように訪問者数の増加が望める以上、こちらについてもシナジー効果が見込める。

 そして「SNS事業」であるが、5/7に出されたプレスリリースによると、「みんカラ(みんなのカーライフ)」の登録ユーザー数は60万人を超えたという。

 因みに09年6月時点で18万人、11年6月時点で39万人であったことから、この2年間で1.5倍に増加した計算になる。インタビューの際にこの事業に売上げを立てる、つまり、「マネタイズ」も将来戦略の一つとして社長は掲げたが、意外とそのハードルは高くないかもしれない。また、もともと、ヤフーの得意な分野だ。

 
▼提携シナジーで、再度チャレンジ

 最後にカービューの利益率についての分析を書く。

 13年3月期の売上高営業利益率、経常利益率、最終利益率は4.5%、4.9%、2.2%であったが、不思議なことに、この数字は、12年4月~13年3月に決算を行った金融を除く29業種全企業の4.6%、4.7%、2.2%とほぼ一致する。つまり全社の平均点である。

 

 しかし、それまでの3期の同社の平均はそれぞれ、12.6%、12.9%、6.80%となっており、29業種の3期平均である、4.57%、4.39%、1.87%を大きく上回ってきた。この数字に向かってカービューは再度チャレンジすることになる。

 まずは、日本最大のクルマ情報サイトは立ち上がった。

 これからは"クルマのネット"といえば"カービュー"と誰もが認知するまでの時間をどれだけ短縮できるかが勝負である。シナジー効果が見え始めるのは今期の後半の予定。そこで明るさが見えれば、来期以降の数字も自ずと強いものが期待できる。(了)
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 今回の取材後記は、以上です。いかがでしたか?

 ウェブの世界では、グローバルではGoogleが強いですが、日本ではYahoo! JAPANが利用者の高い支持を受けています。シンプルにトラフィックの流入という点だけでもカービューにとっての好影響はたいへん大きなものがありますし、取材後記にもあるように、事業の収益力を高めていく経営面においても、ヤフーとのシナジーが期待されます。
 今後の兵頭社長の舵取りに、ますます注目ですね♪

 丁度6月17日に同社のIRサイトに「Business Report」(事業報告書)最新版がアップされています。兵頭社長インタビューも掲載されていますので、下記リンク集からどうぞご参照くださいね。

 また次回の「今日の1社」も、お楽しみに!

(関連リンク集)
■カービュー 株主・投資家情報
■カービュー Business Report VOL.6(事業報告書)(PDF)
■クルマ総合情報サイト「carview!」
■クルマ関連SNS「みんカラ」

代表取締役社長 兵頭裕さまと。
代表取締役社長 兵頭裕さまと。