「愛」と「美」...これは、人類が長きにわたって追い求めてきた普遍的な価値です。3月27日放送の「アサザイ 今日の1社」では、その2文字のメッセージを社名に込めた「アイビー化粧品」(4918・JASDAQスタンダード)をご紹介しました♪
同社は昨年10月に創業36年を迎えた化粧品メーカーであり、訪問販売に特化したビジネスモデルです。大手化粧品メーカーの販売戦略が多様化する中、どのような強みを持っているのか?井上哲夫が取材後記で考察しましたので、どうぞお読みくださいっ!
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取材後記
アイビー化粧品(4918)(JASDAQ・スタンダード)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は執行役員で経営管理室室長の中山聖仁さま。
「二つの理解」
▼「訪問販売」にこだわり苦境を突破
国内の化粧品市場の規模はこの10年近く2兆2000億円から2兆5000億円程度で横バイ推移であると言われている。そのため、多くの化粧品メーカーはそのシェア拡大にむけて、販売業態の変更や販売方法の多様化に取り組んできた。訪問販売からエステ型の店舗販売への移行、スーパーやコンビニ向けの特化商品の開発、そして、通信販売と海外戦略・・・。
そのような風潮のなか、アイビー化粧品はあくまでも訪問販売という形にこだわってきた。2005年度から4期ほど、業績が底バイの時期があり、販売形態を変更する必要があるのではというアナリストなど外野の声もあったが、同社はあくまでも訪問販売を貫く形で苦境を打破、ここ3期は以前の勢いを取り戻しつつある。
▼エンジンとなる「製品力」
訪問販売と店舗での販売について説明された際に、「店舗で化粧品を求めるということは、薬局で薬を求めるのと同じであるが、実際に医者にいって診察を受けたうえで、医者の処方箋に従って薬を求める人もいる。そのニーズに応えるのが訪問販売である」と言われた。同社の考え方が如実に表れている。そして、それは、実際の購入層である30代からのユーザーのニーズに応えたものでもある。
この世代のエイジングケアのために、11年11月には「アイビーコスモスWエマルションクリーム」という画期的な製品も開発している。これは薬剤を膜で包み、途中で吸収・分解されることなく患部に届けることが出来るという独自の技術を用いたものである。また、今期も第3Qから発売になった新製品が好調であるが、同社にはエンジンとなる商品がひとつある。それは発売以来27年間愛され、毎年9月から出荷される「リンクルローション」というスキンケア商品である。実に同社の売上げの約25%を占める。
▼顧客と距離が近い「販売組織」
また、訪問販売の組織フローは、アイビー化粧品が直接製品を卸す「販売会社」の下に「営業所」があり、その下に「ビューティー・マネージャー」がいて、顧客は「アイビーメイツ」と呼ばれるのであるが、この「アイビーメイツ」から「ビューティー・マネージャー」が生まれ、その後、「営業所」、「販売会社」と規模によってよりアイビー化粧品に近い位置に上がってくる。
この27年間愛され続けている商品と販売組織には密接な関係があるように思える。その製品の良さを「アイビーメイツ」として認識したうえで、販売組織に入っていくのだ。そこには、製品に対する理解と販売組織に対する理解という二つの理解が必要とされる。同社の財産である製品のクオリティと販売組織、これは、その二つの理解から成り立っている。
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取材後記は、以上です。いかがでしたか?
「製品力」と「販売力」の重要性は、どの企業であっても共通する部分です。ただ、中核となる製品分野がはっきりしていて、訪問販売に特化したアイビー化粧品の場合は、まさに企業価値の源泉ともいえるのではないでしょうか。
「多様化」によって成長戦略を描く企業だけでなく、「こだわり」によって壁を突破する企業も魅力がありますし、今後を見守っていきたいと思いました♪
なお、昨日ご案内の通り、アイビー化粧品からはリスナープレゼントをいただきましたので、ふるってご応募ください!
(関連リンク集)
経営管理室室長 中山聖仁様と。手前はリスナープレゼントにいただいた「グルコサミンゼリー」と「メンズ用フェースローション」。