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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 9月22日 の「アサザイ 今日の1社」はハウス食品グループ本社(2810・東証一部)を放送しました。

 今回は、広報・IR部長 仲川 宜秀 様にお越しいただき、事業内容、海外における事業の歩み、経営理念、強み、成長戦略等につきましてお話を伺いました。

 同社はハウス食品を中核子会社とする持株会社で、傘下には「ウコンの力」、「C1000」など、機能性飲料を提供するハウスウェルネスフーズ、カレーレストラン「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋、業務用スパイス専業メーカーのギャバンなどがあります。

 東日本大震災を契機に、調理の役割の外部化、いわゆる「食の外部化」が進展して以降、バリューチェーンの強化に取り組み、上述の壱番屋、ギャバンなどをグループに加え、川上から川下に至るバリューチェーン上の展開領域の拡大を進めました。
 そして、日本で培った知見を活かし、米国で豆腐、中国でカレー、タイで機能性飲料といった、現地の食ニーズにあった製品を提供し、グローバルでのプレゼンスを高める取り組みを進めております。

 井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記
ハウス食品グループ本社(2810)(東証1部)
ラジオNIKKEIにて収録
お相手は、広報・IR部長 の 仲川 宜秀(なかがわ のぶひで)様

「『4つのバリューチェーン』、『3つの責任』」

▼事業領域拡大の背景
 知名度抜群の同社の沿革は1913年に大阪で薬種化学原料店として創業したことに遡る。その後、1926年よりカレーの製造販売を開始し、1963年にバーモントカレーを世に送り出したことを機に大きく成長し、その後もシチューやデザート、日本初のミネラルウォーターの発売など、消費者のニーズをいち早く汲み取る食卓提案により、強固な事業基盤を構築された。また、同社はハウス食品を中核子会社とする持株会社であり、傘下には「ウコンの力」、「C1000」など、機能性飲料を提供するハウスウェルネスフーズ、カレーレストラン「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋、業務用スパイス専業メーカーのギャバンなどがある。

 同社がこのように事業領域を広げた背景には、東日本大震災後の消費者の生活習慣の変化があったと言う。具体的には調理の役割の外部化、いわゆる「食の外部化」が進展し、創業以来、「バーモントカレー」に代表されるB2Cのブランドメーカーとして家庭の味を提供してきた同社に大きなインパクトをもたらしたのだ。

 そこから、バリューチェーンの強化に取り組み、上記の壱番屋、ギャバンなどをグループに加え、川上から川下に至るバリューチェーン上の展開領域を広げていったとのこと。また、海外戦略も積極的に展開し、日本で培った知見を活かし、米国で豆腐、中国でカレー、タイで機能性飲料といった、現地の食ニーズにあった製品を提供することでグローバルでのプレゼンスを高めることも同時に行った。その結果、震災前の連結売上高においてハウス食品の比率は約75%を占めていたが、直近では約50%にまで低下しているとのこと。このことはすなわち事業ポートフォリオの拡大・分散が確実に進行したことを示している。また、海外売上高構成比も約15%にまで拡大している。

 同社の事業を語るのに、上に出てきた「バリューチェーン」という単語は必須のものであり、具体的には、「4つのバリューチェーン」が現在の事業である。順に紹介すると、屋台骨とも言える"スパイス、カレー"、ビタミン、乳酸菌などの"機能性素材"、TOFUを中心とした"大豆"、そして更にチャレンジ領域である"付加価値野菜"の4つだ。

▼4月から「第七次中期計画」を推進
 同社はこの4月から「第七次中期計画」を推進しているが、その具体的な取り組み、戦略も、この4つのバリューチェーンを基に描かれている。具体的には、「スパイス系バリューチェーン」は、スパイス・カレーを取扱うグループ各社が共創、シナジー創出を目指すというものであり、「機能性素材系バリューチェーン」においては、乳酸菌、ビタミン、スパイスをグループ素材として活用の場を広げるとのこと、「大豆系バリューチェーン」は、米国豆腐事業だけでなく、米国外での大豆活用を検討するとしており、「付加価値野菜系バリューチェーン」においては、涙の出ないタマネギが例に挙げられるが、付加価値野菜、アグリ領域で新たなバリューチェーン構築を目指すという。

 この取り組みによって、今回の中計の最終年度である2024年3月期に、その後、将来的に事業規模を倍増する礎を築くことが目標であるが、一連の戦略をまとめると、(例が適当かどうか分からないが)これまでは、国内、海外という串にそれぞれの事業が刺さっていたが、これからは4つのバリューチェーンそのものが串であり、そこに国内における展開、海外のいろいろな地域における展開が刺さり、クロスボーダーの横展開に結びつけていくということだと私は理解した。

 もう1つ、同社が以前より掲げている「3つの責任」(「お客様に対して」、「社員とその家族に対して」、「社会に対して」)についてもこの中期経営計画で、「お客様に対して」の部分では、グローバルに「食で健康」をお届けするということ、「社員とその家族に対して」の部分では、ダイバーシティの実現として事業活動の主体である社員のやりがいを高め、またそうした社員を会社が強力にバックアップすることで組織と人が共に成長していくこと、そして「社会に対して」の部分では人と地球の健康を目指して、循環型モデルの構築と健康長寿社会の実現というテーマを定めている。SDGS経営、ESG経営にまさしく沿ったものだ。

▼「4つのバリューチェーン」と「3つの責任」を推進、そしてその先へ高まる期待
 既に、カレーを中心に家庭用製品で多くのトップシェアに輝いている(ルウカレー62.7%、レトルトカレー26.9%、ルウシチュー70.3%、業務用カレー製品もトップシェア)同社ではあるが、このことに決して満足せず、「4つのバリューチェーン」と「3つの責任」を推進する決意である今回の中期経営計画を終えた際に、同社の視界が国内、海外においてどのように広がり、そしてさらにその先に何を見据えているかをお聞きするのが今から楽しみである。

 消費者から愛されるのには理由があり、愛され続けるのにはその理由を企業がおごらずに認識し、さらなる企業努力を継続することが必要である。グループ理念を「食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。」と明確に定めている同社は、このビジョナリーカンパニーとして最も大切部分を、正しく認識していると言える。
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 取材後記は以上です。いかがでしたか。

 本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください!

 それでは来週もお楽しみに!

(関連ウェブ)
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広報・IR部長 仲川 宜秀さまと