お知らせ:

朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

番組へのお便りはこちら

 8月11日 の「アサザイ 今日の1社」はシード(7743・東証1部)を放送しました。

 今回は、代表取締役社長  浦壁 昌広 様にお越しいただき、事業内容・市場環境・成長戦略等につきましてお話を伺いました。

 同社は、「眼」の専門総合メーカーとして、お客様の「見える」をサポートする企業です。
 日本で初めてコンタクトレンズの研究に着手したパイオニアであり、今もなおトップランナーとして業界を牽引しています。

 同社が、コンタクトレンズの研究を開始したのは1951年です。以来半世紀以上にわたり、コンタクトレンズの開発で培った技術・信頼をもとに、コンタクトレンズ事業にとどまらず、眼に関するさまざまな商品を世に送り出してきました。
 現在はコンタクトレンズ事業を中心に、コンタクトレンズケア事業、眼鏡事業の他、多くの事業を展開しています。その事業のすべてが"「見える」をサポートする"ことにつながっております。 

 井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

--------------------------------------------------------------------------------
取材後記
シード(7743)(東証1部)
ラジオNIKKEIにて収録
お相手は、代表取締役社長の 浦壁 昌広(うらかべ まさひろ)様

「"変わらない"、そして、"変わっていく"シード」

▼日本のシードから世界のSEEDへ
 この7月で「アサザイ」も放送10年目に突入した。放送を始めた際に5社目にご出演頂いたのが同社であった。その年(2012年)、鴻巣工場の生産能力の拡大とともに同社の株価は大きく上昇し、同年の製造業におけるパフォーマンス第2位を記録し、PBRも16年ぶりに1倍を超えたのだが、それ以降、現在まで成長を続けた同社を引っ張ってきたのは浦壁社長である。今回は、2回目以降のご出演では非常に稀なことではあるが、後記を寄せる。

 同社の歴史は、1951年に創業者の厚澤弘陳が順天堂大学のコンタクトに関する研究に協力したことに始まり、会社として株式会社東京コンタクトレンズ研究所が設立されたのは1957年10月のことであった。その後、1972年に、我が国初のソフトコンタクトレンズ「マイコンソフト」を発売し、1987年に株式会社シードに商号を変更。2007年に鴻巣にシード鴻巣研究所を竣工し、現在は3つの生産棟がそれぞれ、多品種対応ライン、超大量生産ライン、そして大量生産ラインとして稼動し、現在の月間製造能力は約5,500万枚で、これを世界ベースに広げると、約7,000万枚の供給体制を敷いていることになる。

 事業のセグメントは「コンタクトレンズ事業」、「眼鏡事業」、「コンタクトレンズケア用品事業」の3つだが、この2021年3月期の連結売上高約286億円の96.3%を「コンタクトレンズ事業」が占めている。そして、この「コンタクトレンズ事業」において、1day・2weekからハードコンタクトレンズまで、幅広い商品展開で細分化するニーズにきめ細かく対応しており、近視・遠視向けレンズだけではなく、乱視・遠近両用等のラインナップも備えた国産の「ピュアシリーズ」で知られている。

 また、日本の子会社4社のほかに、アジア・オセアニアに8社、英国・欧州に4社あり、『 Made in Nippon』と『Japan Quality』を強みとして、中国、シンガポール、台湾などのアジア地域やヨーロッパ地域を中心に40以上の国と地域に海外展開しており、この3月期の連結売上高に占める海外売上高は約13%程度に拡大している。まさしく、謳っている『日本のシードから世界のSEEDへ』の展開が行われているのだ。

 

▼装用人口の増加に伴い、様々なニーズに沿った製品を送り出す
 日本のコンタクトレンズの市場規模は、同社資料(日本コンタクトレンズ協会の出荷額調査をベースに同社が推計しているメーカー出荷額)によると、1993年時点で年間452億円程度であったものが、26年経った2019年時点で2,500億円程度にまで拡大したという。市場が拡大した要因は、1990年代前半にディスポレンズ(使い捨てレンズ)が登場したこと、それにより装用人口が増加したことが挙げられる。これに伴い、同社も2004年に国産初の「2ウィーク ピュア」、2009年3月に「ワンデーピュア (うるおいプラス) 」を発売し、その後も「シード アイコフレワンデー UV」、「シード ワンデーピュア マルチステージ」、「ヒロインメイクワンデー UV」、「ワンデーピュア(うるおいプラス)乱視用」など、ニーズに沿った製品を世に送り出してきた。

 社会問題と向き合うシード。
 小学校、中学校、高校の学生(若年層)に占める裸眼視力1.0未満の比率は、2009年に比べて2019年には8.2%も増加し、高校生の67.6%、中学生の57.5%、小学生についてもなんと34.6%がその状態であり、コロナ禍(リモート学習など)でこの数値がさらに高まっている可能性があるという。
 この状況下、同社は、近くを見つづける瞳をサポートするレンズとして「シード 1dayPure View Support」という、デジタルデバイス使用時をはじめとする、"近くを見つづける瞳"のサポートとして「ピント調節の負担軽減」を目指した製品を開発した。

▼世界戦略でオルソケラトロジー市場を捉える
 また、「オルソケラトロジー」という言葉が近年注目され始めているが、このオルソケラトロジーとは、近視及び近視性乱視の方が寝る時にレンズを装用することで角膜形状を変化させ、脱着後の裸眼視力を改善させる治療法である。つまり、昼間つけるのではなく、寝る前に装着して、寝ている間に視力の矯正を行い、朝に外すというもの。近視に対する社会の意識が大きく高まり、コンタクトレンズが「視力補正のため」という用途で更なる広がりを見せる可能性があるということだ。

 この分野において、同社はこの5月に国内オルソケラトロジー市場においてトップシェアの「ブレスオーコレクト」のレンズデザインを行う(株)ユニバーサルビューを持ち株比率100%の連結子会社とした。また、既に発売している日本国内、東南アジア・インドに加えて、中国においては、中国の合弁会社の製造品を今後販売する予定であり、また、欧州についても、Wöhlk社製品を欧州にて別途販売しており、世界戦略でオルソケラトロジー市場を捉えていくことを打ち出している。

 初めて同社を紹介したときから語られていることは、「シードにしかできないこと」、「国産でしかできないこと」、「モノ作りへの回帰」、そして、「少量多品種(生産)」と変わっていない。但し、9年前と違い、1つひとつのその標語が意味していたことが何であったのかが、同社の歩みを見て、今はハッキリと認識できる。

 「変わらないシード(のスピリット)」、「社会的なニーズに応えるために)変わっていくシード」。これからも同社の事業展開を見守っていきたい。
-----------------------------------------------------------------------

 取材後記は以上です。いかがでしたか。

 本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください!

 それでは来週もお楽しみに!

(関連ウェブ)
いつも聴く!ポッドキャスト
シード IRサイト

代表取締役社長  浦壁 昌広さまと