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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 12月30日 の「アサザイ 今日の1社」はイー・ギャランティ(8771・東証1部)を放送しました。

 今回は、代表取締役社長 江藤 公則 様にお越しいただき、企業理念、事業の内容、強み、業績と環境、成長戦略等についてお話を伺いました。

 当社は、売掛債権や請負債権、金融債権、返還請求権など企業間取引で発生する様々な信用リスクを「保証」という契約で引受け、倒産等による債務不履行の際の保証を行うことで、企業間取引における信用リスクをヘッジするサービスを提供しています。

 リスクを引き受けてほしい企業と、リスクを引き受けて収益を得たい企業をつなぐ「市場=マーケットメーカー」の役割を担っており、ストック型のビジネスモデルで増収増益を継続しております。

 井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記
イー・ギャランティ(8771)(東証1部)
ラジオNIKKEIにて収録
お相手は、代表取締役社長の 江藤 公則(えとう まさのり)様

「唯一無二の企業」

▼イー・ギャランティの役割
 2007年に上場した同社は、「リスク引き受けてほしい企業と、リスクを引き受けて収益を得たい企業をつなぐ、いわばマーケットメーカー(市場)の役割」を果たしている。
 企業理念に掲げている「信用リスクの引受による信用供与と適正な社会配分を通じて、企業の新たな挑戦と活力のある社会成長に貢献します」は、まさしく同社の社会的使命、存在価値をストレートに示しており、同じく掲げている「自社の経営資源に拘らず、信頼できるパートナーとの協力と自社の専門性に基づき、常に先進的かつ夢の広がる金融サービスを創造します」の部分は、リスク引き受けてほしい企業にとっては"大きなリスク"であっても、小口化、分散化が図られることによって、それを多くのリスクテイカーが引き受けることが可能となり、全体の力で大きなリスク引き受けることができるということを表している。無論、リスクとは、取引先が倒産した場合に企業が受けるダメージであるが、もしそうなった場合に保証金が支払われることによって解決されるのである。

 「市場の役割」と書いたが、この役割において、リスクを引き受けて欲しい企業、また、その取引、取引先などを審査する過程で、多くの企業の情報が集まる仕組みとなっている。実に、平均で月に2万5000社の企業審査を行い、リスクの取扱量としては残高ベースで4300億円超、年間取扱額で1兆円を超える規模になっている。この過程で得られる企業間取引に関する情報は国内最大規模(同社情報)だ。

 そして、保証を掛けたいという依頼に対して、その取引条件、取引金額、取扱商品、販売先、審査の集中度合い、支払延滞発生の有無などの情報を得たのちに、さらに、取引条件の変更、取引状況、支払延滞発生の有無、営業候補先などの情報が加わり、これまで蓄積した220万件にもおよぶ信用情報データベースを参照して倒産確率を推測し、「適正な価格設定」が行われる。これが「マーケットメーカー(市場)の役割」である。これらのプロセスを経て、保証先が設定された件数は累計で14万社を超えている。


▼好調な業績の要因
 業績も極めて堅調に推移しており、前期2020年3月期まで、18期連続で増収・増益を達成しているが、今年度の第2四半期決算の状況を見ると、売上高が前年同期比18.7%増加の3451百万円を記録し、利益面においても、経常利益が15.8%増益の1511百万円となり、事前予想を4.2%上回っている。

 コロナ禍でも好調な業績となった要因だが、まず、同社のサービスは原則1年契約であるものの、9割以上の顧客が毎年更新し、新規分がそれに加わる形で毎年積み上がっていくという極めてストック性の高いビジネスとなっていることが挙げられる。そして、今年度はこれに、来年以降その反動は不明という前提はつくものの、ここまでについては政府による経済・金融支援という財政サポートが奏功し、企業の倒産件数が2020年上期ベースで約4000件、負債総額が約6012億円と、過去2番目の低水準となっていることが加わっている。倒産件数が想定したほど出なかったことから、(これに連動する形で)同社がリスクの引き受け手に支払う支払保証料が想定ほど上昇しなかったことが、原価の上昇を抑制した形だ。

 利益率、ROEなど目を見張る数値の同社であるが、今後の成長戦略・重点施策としてまず掲げられたのが、「市場の参加者をより多く集められる施策」である。
 これまでの顧客層は、大企業や中堅企業が多かったが、これを中小企業にも広げるため、簡単に始められるオンラインのサービス導入を進めていると言う。取引の与信管理といったことにあまり馴染みのない方向けに" 敷居を低くするサービス "となる予定だ。また、このことは「リスクの市場参加者」の増加を意味し、さらにこの"次に生まれるリスク"が分散化され、パッケージ化されることによって、リスクの引き受け手にとっても大きなメリットが生まれる。


▼金融機関向けのサービスを強化を目指す
 また、金融機関向けのサービスを強化し、例えばベンチャー出資に対するリスク引受けについて、社会的意義があるベンチャー企業への出資に関するリスク引受などを積極的に行っていきたいと語った。極めて社会的意義の大きいことだ。そして、フィンテック企業が抱えるリスクの引き受けについても強化すると言う。新しいフィンテックのサービスは次々と生まれているが、これらのサービスは、利便性、迅速性、社内システムとの連動に優れているものの、他面使いやすさが重視されるがゆえ、大切なリスクに関する処理という点の議論があまりなされていないケースが多いと懸念している。決済事業や債権買取などの分野を行うフィンテック企業と、同社は協業を進めていきたいと考えている。

 「参入障壁」という言葉があるが、私はこれには2つの意味があると思っている。1つは法律的なことも含めて、その事業を開始する際に立ちはだかる"壁"である。しかし、この部分には大きな壁はないものの、実際にその事業を行おうという意志を持ったとき、既に、データ、ノウハウ、実績において圧倒的なものを構築している企業が存在する場合は、ここに到達するまでにはとてつもない時間とリソースが必要となるということから、事業を開始することをためらわせる"壁"が存在する。
 この壁は、「参入障壁」ではなく、「唯一無二の企業の存在」である。社長は、控えめにこの「唯一無二」という言葉を使われたが、私は同社にはまさしくこの言葉がふさわしいと考えている。
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 取材後記は以上です。いかがでしたか。
 本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください。

 これで、今年のアサザイの放送は終了になります、今年1年ありがとうございました。
   来年のアサザイは2021年1月6日(水)より、井上哲男氏による特別番組を放送します。

 また、2020年12月31日(木) 9:00-10:00にて、「ラジオNIKKEIリスナー感謝祭」にて、アサザイ特別番組「アサザイスペシャル」を放送します、ぜひお聴きください。

ラジオNIKKEIリスナー感謝祭

 それでは、来年もよろしくお願い致します!

(関連ウェブ)
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代表取締役社長 江藤 公則さまと