8月5日の「アサザイ 今日の1社」は前澤化成工業(7925・東証1部)を放送します。
今回は、代表取締役社長 窪田 政弘様にお越しいただき、事業内容、経営理念、強み、中期経営計画、環境への取り組み等について、詳しくお話を伺いました。
同社は、1954年の設立以来、生活に不可欠な水分野に特化した「水のマエザワ」として、"人々の生活に欠かすことのできない水"、"安全・安心な水"をお届けすることを念頭に、さまざまな上・下水道関連製品を世に送り続けております。
現在は、ビル設備分野や防災・減災関連製品を拡充の他、植物の栽培工程を効率化する製品を中心として植物工場市場への進出を図っています。
国内で長年にわたり培った技術・ノウハウを活用することにより、海外での上水道・下水道の発展に寄与し、海外市場を開拓すべく取り組みを続けております。
井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。
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取材後記
前澤化成工業(7925)(東証一部)
ラジオNIKKEIにて収録
お相手は、代表取締役社長の 窪田 政弘 (くぼた まさひろ)様
『1つのことを見続けてきたチカラ』
▼人々の生活に欠かすことのできない安全・安心な水を届ける
会社設立が1954年であり、今年、創業から66年を迎えられた歴史のある企業さんだ。上場されたのは1993年の9月。こちらも、もうじき27年となる。
同社は「水のマエザワ」と呼ばれているが、人々の生活に欠かすことのできない水、安全・安心な水を届けることをまっすぐに見つめ、さまざまな上・下水道関連製品を世に送り続けてきた。
事業セグメントは、「管工機材分野」、「水処理分野」、「各種プラスチック成形分野」の3つ。
「管工機材分野」には、主力製品である、戸建住宅向けの上下水道関連製品、また、雨水関連製品などが含まれる。具体的には上下水道の中の硬質塩化ビニル管や継手、パイプ、また、雨水マス、雨水貯留ユニットなどが代表的な製品であるが、近年、需要が好調なのが、ビル設備分野製品である単管式排水システムである「ビニコア」。都市型水害対策製品である「雨水貯留浸透槽」などとあわせ、戸建住宅以外の製品も世に送り出している。無論、この「管工機材分野」が同社の主力事業であり、前期、2020年3月期の連結売上高の約9割を占めている。
▼前澤化成工業の事業セグメント
「水処理分野」は企業等の多様な水処理システムに関する提案活動を行う事業であり、工事及びメンテナンス業務の受注を行っているが、現在の主な顧客は、水の安全が極めて重要な意味を持つ「食品関係」の事業者である。
また、「各種プラスチック成形分野」は、顧客のニーズに沿った各種プラスチック製品を、同社の工場において成形するメーカーとしての事業であり、前期の連結売上高において、約1割程度を占めている。
同社の強みは、やはり冒頭書いた"長い歴史"により培われたものである。長年にわたる製品づくりの経験と実績に基づいた確かな技術・開発力が十分に活かされ、提案開発型企業として多数のトップシェア製品を生み出している。
具体的には、宅地内排水に使用する汚水マスや雨水マス等においてトップシェア、更に上下水道関連製品に関しても、量水器ボックスなどは4割近いシェアを獲得している。皆、気づかないだけで、戸建て住宅の中、外には同社の製品がたくさん使われている。
そのため、住宅機器関連事業のカテゴリーに同社は区分され、その事業成績は当然、新設住宅着工戸数などの影響を受ける。前期は、消費増税の影響や金融機関の融資厳格化等により賃貸住宅の着工、ひいては、新設住宅着工戸数が減少した。
今後についても、同社は上下水道の新設需要は一時期よりは縮小することを見込んでいるが、一方で、鉄管やヒューム管などからの置き換え需要は堅調であり、更に集合住宅においては鋳鉄製の排水管を樹脂製品に置き換えられるようになったので、前述した「ビニコア」などが、新たな成長分野の製品として大いに期待される。
▼中期経営計画「TakeAction2020」における2本の柱
成長戦略であるが、同社は3ヵ年の中期経営計画「TakeAction2020」を発表しており、今年度がその最終年度であるが、掲げている柱は2つ、「経営基盤の強化」と「将来の柱となる事業の創造」である。
前者の、「経営基盤の強化」については、「自動化、標準化の推進」、「フレキシブルな体制の構築」、「赤字セグメントの収益改善」が重点施策であり、後者の「将来の柱となる事業の創造」については、「災害、ビル設備分野の拡大」、「海外展開」、「新規事業開拓」がそれである。
この施策に向け、具体的には、「事業領域拡大のための体制・人材教育」、「収益構造の改革 」、「コア事業の強化」、「新規事業分野への進出」などに取り組んでいる。
要は、より筋肉質な体質を作るとともに、将来の新たな事業柱を作るということ。そして、その鍵は" 提案開発型企業 "という部分にあるように思われる。
まっすぐに水だけを見つめてきた同社。同社だけができる技術力と経験に裏打ちされた提案で、水まわりの環境を、そしてこれから新たに見つけるであろう、新たな社会インフラにおいて同社の存在がキラリと光る場所の両方を、まっすぐに見続けていって欲しい。
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取材後記は以上です。いかがでしたか。
本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください。
それでは来週もお楽しみに!
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