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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 10月16日の「アサザイ 今日の1社」はジェイテックコーポレーション(3446・東証マザーズ)を放送しました。

 今回は、代表取締役社長 津村 尚史 様にお越しいただき、同社の事業内容・成長戦略等について詳しくお話を伺いました。

 同社は放射光施設分野で用いられる世界トップレベルの形状精度を誇るX線ミラーを製造しています。ミラーの製造に用いる表面加工技術を応用して、半導体・宇宙・医療分野へグローバル展開をはかっています。

 事業セグメントは、売上高の約92%を占め、「X線ナノ集光ミラー」や「X線高精度形状ミラー」の製造に係る「①オプティカル事業」、そして将来の成長ドライバーとして期待されている「②ライフサイエンス・機器開発事業」の2つです。今期は、これらに加えては半導体関連が中心となる新事業開発を推進しております。

 井上哲男より取材後記が届いています。ぜひご覧ください。

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取材後記
ジェイテックコーポレーション(3446)(東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録
お相手は、代表取締役社長の津村 尚史 (つむら たかし)様

「次に高く跳ぶため」

▼世界中の放射光施設向けに用いられる「X線ナノ集光ミラー」
 「アサザイ」にお越し頂くのは珍しい、東証業種区分が「金属製品」の企業で、昨年2月に上場された。
 理念は「オンリーワンの技術で広く社会に貢献する」であり、特に「グローバル・ニッチ・トップのモノづくりで広く社会に貢献する」と謳われている。

 その"ニッチ"な部分の象徴が、主に放射光施設向けの「X線ナノ集光ミラー」。この形状精度は、世界で"ひと桁"違うものであり、世界中の同施設に用いられている。
 この放射光施設は、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの微粒子解析をしたことで有名になったが、最近では細胞のイメージングやたんぱく質の構造解析など、創薬部門や医療技術の基礎研究にも用いられており、その用途も化粧品、食料品、電池、タイヤなど幅広いものとなっている。

 同社のX線ナノ集光ミラーは、大阪大学などとの産学連携により実用化されたものだが、この「産学連携」は同社を表すキーワードの1つであり、現在も、大阪大学(医学部を含む)や横浜市立大学との連携も行っている。

▼ジェイテックコーポレーションの事業セグメント
 この「X線ナノ集光ミラー」や「X線高精度形状ミラー」の製造に係るセグメントが、(前期の)売上高の約92%を占める「オプティカル事業」であり、主要な事業であることに間違いはないが、残りの部分である「ライフサイエンス・機器開発事業」も、将来の成長ドライバーとして期待されているセグメントである。

 このセグメントにおいても上記の産学連携により、多くの大学や研究機関と共同研究を行っているが、具体的な技術としては、創業当時から培った独自の3次元浮遊細胞培養技術である「CELLFLOAT®」が、再生医療事業において高く評価されており、「自動細胞培養装置」、「バイオ関連を始めとする各種自動化装置」などの製品を生み出している。
 同社製品が関わる領域の周辺市場は、2050年には数兆円の規模になると言われており、同社はこれまでの大型のカスタムメイド装置に加えて、今後は汎用製品の開発に注力していきたいと考えている。

▼「半導体分野」でグローバルな展開を図る
 そして、成長戦略として次にターゲットに据えているのは「宇宙分野」、「半導体分野」、「医療分野」。

 特に「半導体分野」については、同社の原子レベルの表面創生技術を用いて、次世代半導体等成長分野において、グローバルな展開を図ることを考えている。次世代半導体において、表面形状はナノメートル精度が必要不可欠であり、そこで同社の表面ナノ計測技術、表面ナノ加工技術が活かされる。

 具体的には大阪大学の独自技術である「プラズマCVM」という、高密度プラズマを用いた化学エッチング技術が、高能率な無歪加工を実現し、半導体基板等の高精度化が実現され、また、同じく大阪大学の独自技術である、触媒表面基準エッチング法 「CARE」が、純化学的に様々な材料を原子スケールで平坦化することに活かされると言う。これは、半導体製造過程の前工程における「平坦化」の部分である。「第3の事業」への期待は大きい。

 今期の決算見込みは、「新規事業関連等に係る研究開発費の増加」、「新社屋の建設関連費用の増加」により、増収減益見込みとなっているが、これは" 次に高く跳ぶためのもの"と理解しなくてはならない。事実、上場してからこれまでの2期の決算は計画を上回る非常に好調なものであり、成長性に加えて、利益率の高さも注目されている。

 その利益率であるが、現在の中期経営計画最終年度である2023年6月期の計画は、売上高55億円、経常利益20億6900万円であることから、売上高経常利益率はなんと37.6%となる。決して今期のPERなどでこの会社を測ってはいけない。
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 取材後記は以上です。いかがでしたか。

 本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください。

 それでは来週もお楽しみに!

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代表取締役社長 津村 尚史さまと