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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 10月9日の「アサザイ 今日の1社」はイーレックス(9517・東証1部)を放送しました。

 今回は、代表取締役社長 本名 均 様にお越しいただき、事業内容・強み・成長戦略等について詳しくお話を伺いました。

 同社は、1999年に設立後、2000年の電力自由化開始から電力事業を展開、発電から販売までを一貫して行っており、全国1400社以上のパートナー企業と営業展開しています。

 2018年5月には新たな中期経営計画がスタートしました。「低炭素化する社会ニーズに応えるため、日本を代表する再生可能エネルギーのリーディングカンパニーとなる」を目標に掲げて、小売事業、発電事業、燃料事業の一層の事業拡大と収益性確保を進めています。

 井上哲男より取材後記が届いています。ぜひご覧ください。

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取材後記
イーレックス(9517)(東証1部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録
お相手は、代表取締役社長の本名 均(ほんな ひとし)様

「脱炭素社会の実現に向けて」

▼国内で初めてバイオマス発電所の運転を開始した新電力会社
 1999年に設立後、2000年の電力自由化開始から電力事業を展開しており、特定規模電気事業者の登録順位としては3番目という老舗の電力会社で、世に言われる「新電力会社」の中でも最古参の1社であるが、同じく、国内で初めてバイオマス発電所の運転を開始したことでも知られている。

 同社がバイオマスの燃料としているのはPKSと呼ばれるパームヤシ殻。もう使い道の無いものである。よくバイオマスと言うと、まるで木をわざわざ伐採して燃料にしているのではないかと、初歩段階で誤解している人がいるが、その燃料は計画的に(森を育てるために)伐採された間伐材や木くず、同社のようにパームヤシ殻などである。

 その発電方法は大きく分けて3つ。1つ目は、バイオマス燃料を直接燃焼して蒸気タービンを回す直接燃焼方式であり、燃料を熱処理するによってガス化したうえでガスタービンを用いて燃焼させるのが2つ目、そして3つ目は、燃料を発酵させたりすることによって生物化学的にガスを発生させ、そのガスを2つ目と同じくガスタービンで燃焼させて発電する方式である。この程度まではバイオマスを理解する第一歩として覚えておいて欲しい。

▼「燃料調達、発電、トレーディング、小売」まで一気通貫で行う
 同社の強みは、何と言っても「燃料調達、発電、トレーディング、小売」という、"川上から川下まで"を一気通貫で行っている珍しい電力会社であるということ。
 その際後の"川下"の部分である小売事業については、既に全国1,400社以上の販売パートナーと営業展開をしているが、さらに新たなパートナーの開拓も進めており、、東京電力エナジーパートナーと共同出資会社『エバーグリーン・マーケティング(egm)』を設立した際には大きな話題となった。

 また、これら販売パートナーの拡充は、「低圧」と呼ばれる対象だけでなく、「高圧」向けに「CO2フリー電気」の販売や「RE100」対応等の高付加価値な商品の品揃えを拡充する意思の表れであり、これらの商品開発に取り組んでいる。

 現在の発電所は、高知県高知市と大分県佐伯市に2基あるが、2021年までに福岡県豊前市、岩手県大船渡市、そして、沖縄県うるま市の3つの発電所が稼働する予定であり、その後、香川県の坂出市でも発電所の建設、稼働を計画していることから、これら6発電所で出力総計約350MWとなる計画である。

 また、"川上"の部分であるバイオマス燃料の調達について、マレーシアにPKS集荷拠点を構え、原料選別力の強化を図っているが、この燃料の統括拠点はシンガポールの同社子会社であり、従来の商社取引に加えて、自ら調達するという姿勢を強めている。
 燃料の安定調達、量・価格・品質におけるバランスの良い(調達燃料)ポートフォリオは発電を支える重要な要素であり、この部分も同社の強みの1つである。

▼3ヵ年の中期経営計画がスタート
 同社は、今年度から3ヶ年の中期経営計画を立てているが、あくまでもそれは、「2030年度の在るべき姿」を描いたうえで、それまでのロードマップを引き直す形でフェーズ1から3までに分けた、その第一段階であるフェーズ1に過ぎない。長いビジョンがまずは在りき、なのである。

 今回の中計の中に出てくる2つの計数目標を語るキーワードは「DASH1000」と「ADVANCE100」。
 前者は売上高1,000億円を、後者は経常利益100億円を指すが、前者は2020年度、後者は翌2021年度に達成する見込みであり、着地の売上高として意識しているのは、1,000億円をはるかに上回る1,600億円であるという。

 この達成に向けた基本方針は、これまで成長してきた源泉である「上流から下流までの一気通貫の電力事業」の各事業において、その取組みを一層強化すること。
 具体的には、「燃料事業」においては、メガバイオ実現の最重要ファクターである「サプライチェーンの充実、強化」、「発電事業」においては、収益への貢献 、メガバイオのF/Sなどの「バイオマス発電ビジネスの強化」、「電力小売事業」においては、多様な新サービスの展開、多様な料金プランの提供、付加価値サービスの開発、Webチャネルなど直販ルートの開拓、積極的なM&Aの実施などによる「新たな販売アライアンスの発掘」を掲げている。

 番組の中でも紹介したが、スプリングキャピタル社の経営指標ランキングにおいて、同社はこの8月時点で3,408社中205位と極めて上位であり、電気・ガス業24社のなかではトップに輝いているが、同社は創業以来、「社会構造の変化に対応し、脱炭素社会の実現を先導する企業であり続けたい」という姿勢を変えていない。
 順位という「定量的」な部分だけでなく、というよりも、これをはるかに超える「定性的」な素晴らしさをこの企業は持ち続けている。
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 取材後記は以上です。いかがでしたか。

 本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください。

 それでは来週もお楽しみに!

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代表取締役社長 本名 均さまと