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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 8月14日の「アサザイ 今日の1社」はイーソル(4420・東証マザーズ)を放送しました。

 今回は、代表取締役社長の長谷川 勝敏 様にお越し頂き、事業内容、強み、成長戦略等について詳しくお話を伺いました。

 同社は、40年にわたり"組込みソフトウェア開発"を専門に事業を展開してきました。現在は、自動車に搭載される制御システムを主力に、ロボット・FA機器・航空宇宙・コンシュマー製品など幅広い領域を手掛けています。

 皆様の身近なところではNintendo Switch、宇宙分野では金星探査機「あかつき」に、イーソルの技術が採用されました。創業から築き上げてきたビッグカンパニーとのパートナーシップや豊富な経験を強みに、IoT時代をリードしてゆくための取り組みを続けています。

 井上哲男より取材後記が届いています。ぜひご覧ください。

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取材後記
イーソル(4420)(東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録
お相手は、代表取締役社長の長谷川勝敏(はせがわ かつとし)様

『「CASE」で発揮されるOSを開発した高い技術力』

▼組込みソフトウエアでメーカーから幅広い支持をうける
 昨年10月に上場されたが、前身会社の創業は1975年。今年、創業から44年を迎える。
 現在の自動車業界を巡るキーワード『CASE』が市場で話題となる際に同社の名前が挙がるが、それは同社が自動車(輸送用機器)向けの「組込みソフトウエア」の開発で知られているからである。

 事業セグメントは、その「組込みソフトウエア事業」と「センシングソリューション事業」。

 「組込みソフトウエア」とは、パソコンやサーバー、スーパーコンピュータなどの"いわゆるコンピュータ"を除いた、自動車など身の回りのさまざまな機器に搭載され、その電子機器を制御するためのソフトウエアのこと。あらゆる機器の電子化が進む昨今、その市場規模は拡大しており、その範囲も、自動車のみならず、産業機器、航空宇宙、医療機器、音響機器、カメラなど、幅広い機器に用いられているが、同社の最大の特長は、「独自でOS(プラットフォーム)を開発していること」であり、国内だけでなく、海外を含めても非常に稀な存在であると言える。そのため、「OS+ソフトウエア」が、自動車、産業機器、コンシューマ機器など国内外を問わず多くのメーカーに支持されているのだ。

 具体的な「組込みソフトウエア事業」の内容を記すと、「RTOS(リアルタイム・オペレーティング・システム)の開発・販売」、「組込みソフトウエアの受託業務としてのエンジニアリングサービス」、「組込みソフトウエア開発にかかわるコンサルテーション」、「組込みソフトウエア開発のためのツールの販売」、「組込みソフトウエア開発エンジニアの教育」などである。

 また、もう1つの「センシングソリューション事業」は、主に物流関連ビジネス向けに、「指定伝票発行用車載プリンタ」や「常温ハンディターミナル」、「耐環境ハンディターミナル」など、同社のプログラミング力を応用したハードウエアの製品企画・製造指導・販売を行っている"メーカーとしての顔"であり、現在は、農場の管理システムなどの「センサネットワークシステム」の製品についても同様の事業を行っている。

▼各種の国際標準規格の認証を取得している高い技術力が強み
 話を「組込みソフトウエア事業」に戻すと、プラットフォーム(OS)を作成できる企業が稀有である理由は、当然、求められる技術レベルが非常に高いからなのだが、これは裏を返せば、参入障壁が高く、競合企業が極めて限定的だということ。これにより、同社は、多くの業種、製品に攻勢をかけることが出来る。

 この高い技術力こそが、まさに同社の「コア・コンピタンス」であると私は考えているが、その証として、各種の国際標準規格の認証を取得しており、一例を挙げると「SGS-TÜV Saar GmbH社」から、 「自動車向け機能安全規格」、「産業機器向け機能安全規格」、「リアルタイムOS製品の開発プロセス」として「医療機器向け安全規格」などを取得している。

 この高い評価により、業種別売上高では、「自動車(車載)」が45%から50%程度を占める状態となっているが、自動車はモデルチェンジを定期的に行うことから、その度に、新たな機能が加わり、プラットフォームについても、継続して買い替え需要が発生する。

 この買い替え需要が、ストック性の高い収益となり、同社の安定的な(収益)構造に結びついているのだ。

▼「AUTOSAR」の「プレミアムパートナー」として活動 
 冒頭書いたように、自動車業界は現在、「CASE」というキーワードの下、"100年に一度の変革期"を迎えている。このような事業環境において、同社は2016年より自動車業界のグローバル開発パートナーシップ「AUTOSAR」の「プレミアムパートナー」として活動している。

 この「AUTOSAR」の目的は、車載ソフトの基本的な仕様を標準化することで、ソフト開発の効率化やセキュリティ対策を強化することであり、欧州の量産車には既に採用されており、日本を含むその他の地域にもその採用が広がりつつある。

 同社は、一部の企業しか選ばれていない、この「プレミアムパートナー」というステータスを活かし、この領域でそのプレゼンスをさらに大きくしたいと考えている。まさしく、この部分が同社の「カタリスト」である。同社の名前が、『CASE』で浮上する図式がご理解頂けたであろう。
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放送後記は以上です、いかがでしたか?

本日の放送はPodcast配信にて早速アップされております、是非お聴きください。

それでは来週もお楽しみに!

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代表取締役社長 長谷川 勝敏さまと