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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 11月22日の「アサザイ 今日の1社」はテモナ(3985・マザーズ)を放送しました。

 今回は、代表取締役社長 佐川 隼人 様にお越しいただき、沿革、事業内容、強み、成長戦略等についてお話を伺いました。

 同社は、ECという成⾧業界において、ショッピングカート付き通販統合webシステム「たまごリピート」、ネット上においてリアルと同じ様に相手に合わせた個別接客を行うためのマーケティングツールである「ヒキアゲール」等、ネットショップ向けのシステムを提供。リピートEC企業として、高い知名度とNo.1の導入実績を獲得しています。
 
 そして現在は、日用品領域で培ったノウハウを活かして、食品領域へとターゲットを拡大、順調な成長を続けています。

 井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記
テモナ (3985) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は、代表取締役社長の佐川 隼人(さがわ はやと)様。

「リピート通販、サブスクリプション通販といれはテモナ」

▼ゼロからの出発
 会社創業がリーマンショックの翌月である2008年10月。番組の中で、「嵐の中の船出でしたね?」と水を向けると、「スタート・アップの時期だったのでよかった」という答えが返ってきた。

 そのとおりである。それまで100の売上がある会社が30に落ち込めば厳しいが、そもそもゼロからの出発なのだ。

 リーマンショック後、ソフトウェア業界、受託開発ソフト業界は非常に厳しい状況となったが、その2年後、(以前の「後記」にも記したが)ひとつの傾向が鮮明となった。それは、企業が選別して設備投資を復活させる際に、本当に必要で、付加価値の高いサービスにまず資金を振り向けたということである。そのため、ソフト業界における立ち直りは非常に跛行色の強いものとなり、その傾向がその後も続いている。つまり、その後の社会時流に必要とされたIT業界のみが伸びたということである。

▼テモナの主力サービス
 同社の立ち上げを支えたのが創業翌年に販売を開始した「たまごカート」。ECにおいて、現在、何の違和感も無く用いられている「カート」であるが、EC会社が、自社で開発を行うと非常にコストがかかるため、優れたカートシステムを利用したいというニーズが高く、それにいち早く応えたといえる。契約に基づきサービスを利用してもらうことを指して、ASP=「アプリ・サービス・プロバイダ」と呼ぶが、「リピートASPカート」として最多シェアを誇っている。

 無論、これは「たまごカート」を「たまごカートplus+」、そして、2014年3月からは「たまごリピート」と、名称を変更する度に新たな機能を進化させた結果なのであるが、このサービスを用いることにより、顧客は、定期コースの管理業務の自働化、お客様フォロー(メール、DM)の自動細分化、CRM、広告、売上、定期かどうかの判断、などのさまざまな領域における効率的な分析を行うことが出来、この"見える化"を基に、店頭販売、モール支店など、多店舗展開を行っている場合の管理も一元化して行うことができる。

 そして、もうひとつの主力サービスが「ヒキアゲール」。
 これは、ネット上においてリアル店舗と同じ様に相手に合わせた個別接客を行うためのマーケティングツールで、WEBサイトを訪れるお客様の行動履歴、購買履歴などのビッグデータを元に、最適な画面情報をパーソナライズして表示することができる。

 誰でも簡単にユーザーインターフェースを行うことが出来、追加広告費をかけることなく、引上げ率を向上させることが出来ることが、結果的に他の商品なども併せて購入して頂く、いわゆる「クロスセル」の訴求に効果を発揮し、客単価のアップ役立っている。

▼高まってゆくストックビジネスの需要
 事業の根幹にある理念は「世の中にある『フロービジネスのすべて』を『ストックビジネス』へ転換したい、また、転換するお手伝いをしたい」ということ。そして、「たまごリピート」、「ヒキアゲール」が世に受け入れられたことにより、自らも「労働集約型のビジネス」から「ストックビジネス」への転換に成功したといえる。

 そして、同社のストックビジネスは、"単なる足し算"ではなく"掛け算"であるということがモデルとしての強みだ。顧客の増加という足し算は、顧客の売上増加により追加される(サービスに係る)料金増により、掛け算となる。

 上場翌月の今年5月、同社は経済産業省の「IT導入支援事業者」に認定された。これにより、所定の条件に合致する中小企業・小規模事業者等の新規契約者は「IT導入補助金」の利用が可能となり、「たまごリピート」を新規で利用する場合、最大で100万円の補助金を受けることが可能となった。"掛け算"に更なる"追い風"が吹いたと言える。

▼今後の事業展開
 現在、同社はこれまでの日用品中心の顧客体系を「食料品」に拡げることを行っている。具体的には、「サブスクリプション」(*)というリピート通販を、日本のECにおいて拡げようとしているのだ。それに向け、同社が主催する形で、食品領域に向けたリピート通販(サブスクリプション)セミナーを行っており、8月の段階で延べ参加者が1,000名を突破した。
 
 海外においては、定着しつつあるこの方式へ対応するため、(新ASPである)「たまごリピートNext」の開発を進め、現在、「システム(の提供)」のみならず、「コンサルティング」も行える会社として新領域へと進出しつつある。

 「リピート通販といれはテモナ」に、いずれ、「サブスクリプション通販もテモナ」という称号が加わることであろう。

*リピート通販(サブスクリプション)

・毎月一定額の料金を支払うことで、ネットショップのオススメ商品が届く定期購入型の販売モデル。 「商品を選ぶ手間が省ける」、「予想外の出会いを楽しめる」といったメリットがあり、海外では米国を中心として人気を集めている。ネットショップが増え続けたことにより、消費者は多すぎる選択肢に悩み、事業者は顧客の獲得に悩んでいるという現状を解決する新たなビジネスモデルとして注目されている。

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取材後記は以上です、いかがでしたか?

本日の放送はオンデマンド配信にて早速アップされております。是非お聞きください。

それでは来週もお楽しみに!

(関連ウェブ)
テモナ IRサイト
アサザイ(2017.11.22放送分)

代表取締役社長 佐川 隼人さまと