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 6月21日の「アサザイ 今日の1社」はFFRI(3692、東証マザーズ)を放送しました。

 今回は、代表取締役社長 鵜飼 裕司 様にお越しいただき、設立の経緯、事業内容、契約ライセンス数、今後の取り組み等についてお話を伺いました。

 サイバー攻撃は年々高度化・巧妙化しており、昨今は新種のコンピュータウイルスによる攻撃が増加しています。そのような新種のコンピュータウイルスは、既に出回っているコンピュータウイルスを捕まえて指名手配写真モデルを作るような方式(パターン・マッチング方式)である従来型のアンチウイルスソフトではほぼ防御できません。

 現在は、未知のコンピュータウイルスにも対抗する、新しい対策技術(先読み技術)が必要とされております。同社は、「日本の安心安全(セキュリティ対策)は日本人の手で守る」という熱い思いを持ち、日本の情報セキュリティを担う存在として成長していこうというビジョンのもと、日々、サイバーセキュリティの研究開発に取り組んでいます。

 今回は、井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記
FFRI (3692) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は、代表取締役社長 鵜飼 裕司(うかい ゆうじ)様。

「前人未踏」

▼ヒューリスティック技術

 とても興味深い収録であった。

 この5月にも、世界150カ国以上で、ランサムウェア「WannaCry」の被害が報告されたが、このような猛威を奮うウィルスが出る度に、「従来型の対策の限界」が言われるが、この"従来型"とは「パターン・マッチング方式」のこと。これは、既に出回っているコンピュータウイルスの「指名手配写真」を使ってウィルスを隔離するシステムであり、過去に悪さをしていない、"初犯"にはあまり効果が無いのである。

 一方で同社が手掛ける新しい技術アプローチとは「ヒューリスティック技術」。これは、先読み技術によって、コンピュータ内で不審な動きをするウィルスを検知し、その攻撃を防御することを可能とするものである。

▼高い防御実績
 「検知率」を公開しているセキュリティソフトの会社がある。

 しかし、同社はそれと全然考え方の違う「防御実績」というものを2009年以降発表している。これは、(そのウィルス対策が施された後の)アップグレードしたものではなく、その時点での同社の製品「FFRI yarai」が、そのウィルスを防御できたのかどうかという結果である。これを公開しているのは、グローバルベンダーの中でも同社だけだという。

 この「防御実績」が評価され、ライセンスは順調に伸びている。2013年3月期に約15万ライセンスであったものが、毎年、10万から15万ライセンスの増加が続き、この3月期には67万ライセンスを突破した。

 また、その導入先であるが、「中央省庁」、「その他官公庁」、「公共」で約28万6000ライセンス程度、比率にして42%程度を占めており、それに「運輸」、「金融サービス」、「産業インフラ・サービス」、「情報通信」などが続いており、重要インフラ指定業種で、「FFRI yarai」が導入されていることが分かる。
 (尚、個人向けには、「FFRI プロアクティブ セキュリティ」が発売されている。)

 今期以降、これまでは首都圏中心であった国内販路を拡充するとともに、この4月に北米に創設した初の連結子会社(FFRI North America, Inc.)を通じて、 国内と同じくハイタッチセールスと販売パートナーセールスによる拡販を目指すという。

▼FFRI設立の経緯
 鵜飼社長は、このFFRIを設立する前に、北米のセキュリティベンチャーから招聘され、セキュリティエンジニアとして働いた経験がある。しかし、そこで体感したことは、北米から見ると、日本は売上の比率が10%程度の" 一(いち)販売拠点 "に過ぎず、決して重要視していないということ。

 当時の日本にはサイバーセキュリティの研究開発企業は存在しておらず、もし、日本独自のサイバー脅威が発生した場合に、日本は自国で問題解決できず、結局、米国の(ソフトを作った)ベンダーに頼らざるを得ないが、上記のように" 重要視していない "状態で、果たしてどこまで迅速で適切な対応がなされるかについて大きな不安を持ったという。

 このことこそが、日本に戻って基礎研究から手がけるサイバーセキュリティ研究開発企業を設立する動機となったものである。そのため、今回の北米進出は、社長にとって特別な思いがあり、また、感慨深いものであろう。

▼前人未到への挑戦
「FFRI」。

 設立当時、スノーボード・ハーフパイプ競技で誰もできなかった4回転(1440度)=「Fourteenforty Research Institute」を名前に持つ同社。

 「"前人未踏"だったのですが、もう今は出来る人がいるんです」と社長は照れたが、それは違う。
 「前人未踏」はその時点が全てである。日本にそれまで無かった、基礎研究から手がけるサイバーセキュリティ研究開発企業を設立したこと、そこで「ヒューリスティック技術」を開発したこと、そして、「防御実績」を公表したこと、それらが全て「Fourteenforty = 前人未踏」なのである。

 自動運転に向けた車載ソフトの拡充、IoT化の流れ。
 それらは全て新たなサイバー脅威との戦いを意味する。まだまだ、同社には「前人未踏」をしてもらわなくてはならないことが山積みだ。

 精神の深い部分から応援したいと思える企業に出会えたこと、そして、紹介できたことに深く感謝している。

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 取材後記は以上です、いかがでしたか?
 本日の放送はオンデマンド配信にて早速アップされております。是非お聞きください。

 それでは来週もお楽しみに!

(ウェブサイト)
FFRI IRサイト
アサザイ(2017.6.21放送分)


代表取締役社長 鵜飼 裕司さまと