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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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1月18日の「アサザイ 今日の1社」はエイトレッド(3969、マザーズ)を放送しました。

 今回は、代表取締役社長 稲瀬 敬一様にお越し頂きまして、事業内容・商品性、特徴・販売体制・成長戦略等についてお話を伺いました。

 同社は、自社様式の申請書類をそのまま Web上で再現・管理することができるワークフローシステムの販売を行っております。

 すでにワークフロー市場において既に国内トップシェアであり、導入企業数は1800社を越えました。特に、小規模企業向け「X-point Cloud」においてはシェア70%を超えており、圧倒的な強みを発揮しております。2016年の12月22日には東証マザーズ上場を果たし、今後の展開がますます注目されます。

 今回、井上哲男より取材後記が届いております。ぜひご覧ください。

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取材後記
エイトレッド (3969) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の稲瀬 敬一 ( いなせ けいいち )様。

「市場の高評価は当然」 

▼業務手続の電子化を進める
 
上場を果たしたのが昨年末の12月22日。初値が公開価格1800円の約2.3倍の4210円、その日は値幅制限の上限である4910円で取引を終えてGOOD―IPOとなったが、上場時点での業容を考えるとこの市場の評価は納得できる。

 行っている事業は、企業の課題である業務負担の軽減のため「業務手続の電子化」をすすめるワークフローシステムの販売であるが、これは、企業の従業員(システム利用者数=ユーザー数)によって、3つのタイプに分かれている。具体的には、500名から1万名の中規模・大規模企業向けシステムである「AgileWorks (アージャイルワークス)」、300名から1000名までの小規模・中規模企業向けシステムである「X-point (エクスポイント)」、10名から300名までの小規模企業向けのクラウドサービスである「X-point cloud (エクスポイント クラウド)」である。この最も大人数向けの「AgileWorks (アージャイルワークス)」は、日本語だけでなく、英語、中国語での対応も施されている。

 共通している特長は、「紙イメージで利用できる入力画面」を有していること。そのため、ITの知識が無くても、すぐに利用して紙レイアウトが簡単に作成でき、一般的なHTMLの入力画面などよりも圧倒的に使い勝手が良い。そして、従来は紙ベースで回っていた各種の資料・書類をブラウザ上で審査、承認することが可能となる。

 また、作成パターンが選べることも特長である。データベースが自動生成されるため、ノンプログラミングで使いやすく、背景画面などもスキャンデータ、PDF、エクセルなどを簡単に取り込むことが可能となっている。

 実際に利用した場合の利便性の向上であるが、まず、ワークフロー上で書類を確認後、次々に承認することが可能で、その承認状況も"見える化"しており、承認速度が飛躍的に上昇することが挙げられる。「稟議が役員室から戻ってこないと思ったら、まだ部長席に埋もれていた」などということは無くなる。

 また、過去の書類検索も、書類を選択する絞込検索に加えて、件名でのフォームを越えた検索や日時検索も行えることから非常にスピーディーになっている。

 そして、データをさまざまな条件・角度で集計する機能を備えており、一覧クエリ、サマリ集計、クロス集計だけでなく、集計データをグラフ表示することが可能であり、視覚的にデータを把握することが出来、部署や支店、店舗ごとなどの集計に非常に有益なものとなっている。また、それを再度エクセルなどに取り込むことも可能だ。

▼高い市場シェアを誇る
 上場したばかりではあるが、既にこのワークフローシステム市場におけるシェアは非常に高い。

 1800社を超える企業に導入されている結果、既に国内のトップシェアを誇り、金額ベースで全体の20%程度を占めている。これを、自社内にサーバーを置いて管理するという形態を採らないSaaS・ASP型のワークフローシステムに限定すると、その金額のシェアは全体の約56%を超える。また、クラウドを用いた「X-point cloud (エクスポイント クラウド)」を利用していると考えられるユーザー数100名未満向けのワークフローシステム市場でのシェアは70%を超えており、圧倒的な強みを企業数の多い中小企業向けに発揮していると言える。

 売上構成については、ソフトウェアの保守料、バージョンアップによる機能追加、クラウドサービスの継続使用料などである既に導入されたユーザーがもたらすストックの売上が50%強を占めており、新規の販売であるフロー売上も50%弱の水準で安定的に推移している。フローの売上は翌年にはストックに回るため、この比率が安定的に推移しているということは、即ち、新規の販売が好調ということである。それが窺えるのが前期(2016年3月期)の売上高の伸びであり、これは10%以上の増収となっている。

 ワークフロー市場は急成長を遂げているが、未導入企業は44万社程度あり、うち10万社程度には喫緊の導入ニーズが潜在的に存在するという。

▼広い潜在ニーズ
 この背景には、企業の課題として急浮上している「働き方対策」、つまり、ワークスタイルの多様化がある。ITテクノロジーの発展により在宅勤務も含めて、そのスタイルが場所・時間にとらわれないものになりつつあり、このことは人材確保という点で企業にとっても重要なテーマとなってきている。システムによる審査・承認のスピードアップを含めた利用価値はますます高まるということだ。同社のシステムは、モバイルデバイス環境への対応をオプションとして提供している。

 また、ガバナンスコードに謳う企業が多いことからも分かるように、「内部統制」が非常に重要な経営課題であるという認識が高まっており、不適切会計、サータの改ざん等の企業不祥事を未然に防ぐため、ワークフローの有効性が高く認識されるようになってきている。

 販売パートナーの拡充と、モバイルワークなどの環境変化を捉えて競合他社に先駆けた機能強化により一層の差別化を図ることを中期的な戦略として掲げている同社は、既に上場して数年を経過した企業が持つ、堅調なビジネスモデルさえ感じる。冒頭に紹介した初日の値動きをして「上場時点での業容を考えるとこの市場の評価が納得できる」と私が書いたのはこのような理由である。
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取材後記は以上です、いかがでしたか?
本日の放送はオンデマンド配信にて早速アップされております。是非お聞きください。

それでは来週もお楽しみに!

(関連ウェブ)
エイトレッド IRサイ
アサザイ(2017.1.18放送分) ゲスト企業:エイトレッド

代表取締役社長 稲瀬 敬一さまと