4月6日の「アサザイ 今日の1社」は、アウトソーシング(2427)を放送しました。 [「今日の1社」取材後記]
2016/04/06(水) 12:16 今日の1社担当

 4月6日の「アサザイ 今日の1社」は、アウトソーシング(2427、東証1部)を放送しました。
 
 今回は代表取締役会長兼社長 土井春彦様にお越しいただき、海外戦略をはじめとした今後の事業戦略等について詳しくお話を伺いました。

 同社では、2016年4月1日に豪州Beddison Group子会社化の発表、そして英国のJ.B.W. GROUP LIMITED及び CASE DYNAMICS LIMITEDの孫会社化の発表がありました。
 工場製造ラインへの人材派遣・請負などを主力としている同社ですが、豪州での空港運営や刑務所運営、そして英国での公的債権の回収など、各国で民間委託事業へと変化している領域へと参入します。

 井上哲男の取材後記でも、同社の海外事業戦略について詳しく語っております、ぜひご覧ください。

---------------------------------------------------------


取材後記
アウトソーシング (2427) (東証1部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役会長兼社長、土井 春彦( どい はるひこ )様。

「 グローバル単位での飛躍 」

■海外事業における新たな発表
 請負・人材派遣業の大手社で、2013年9月以来、2度目のご出演となるが、先週の金曜日(4/1)に同社の海外事業について大きなニュースが飛び込んできた。朝方に、オーストラリアのBeddison Group 5社の子会社化を発表されたのだが、夕方にも英国のJBW ( J.B.W. GROUP LIMITED )、CDL ( CASE DYNAMICS LIMITED )の孫会社化を続いて発表したのだ。

 両国ともに、昨年、同社は進出を果たしたが、加えて新会社を取得したその意図・目的という部分が、同社の方向性を明確に示していると考えられたことから、この部分にもスポットを当てるため、通常と違う番組の進め方を行った。番組の中で私が紹介した同社の事業状況は以下のとおり。

  ・ 業績は近年絶好調。前回お越し頂いたときから、売上高が約2倍、各利益項目は3倍となっており、今年12月の今年度の決算見込みは、売上高前期比36%増、営業利益73%増、最終利益33%増となっている。

  ・ 今、業界で最も勢いのある会社と言われているが、セグメントの中で、大きな3つの柱は、「 製造系アウトソーシング事業 」、「 技術系アウトソーシング事業 」、「 海外事業 」。
 ・ 前回お越し頂いた際に、「 注力したいのは、『 技術系アウトソーシング事業 』」と『 海外事業 』であり、『 製造系アウトソーシング事業 』についても売上高を落とす意図はないが、相対的に占める比率は落としたい 」という主旨をお話しになられた。
 ・ 昨年12月期の売上高をセグメント別に見ると、その付加価値の高い「 技術系アウトソーシング事業 」が「 製造系アウトソーシング事業 」を初めて上回り、「 海外事業 」の比率も20%にまで達した。

■製造系アウトソーシング事業の方向性
 同社が、「 メイド・イン・ジャパン 」、「 ニッポンのモノつくり 」を支えるため、メーカーの生産効率向上を目的とした「 製造系アウトソーシング事業 」をコア事業として成長してきたことは揺るぎも無い事実である。しかし、このセグメントは、同社にとって、メーカーのニーズ、製造の波に合わせて、正社員ではない「 期間社員 」を大量に採用するのであるが、いずれその後は、メーカーの都合により、その製造ラインの縮小によってその「 期間社員 」がリセットされてしまう。そのため、トップラインを伸ばすためには、常にリセットを視野に入れ、それ以上の人数の「 期間社員 」を採用し、全体での増員受注、また、大量配属を続けなければならないという宿命的なものがあった。
 この「 製造系アウトソーシング事業 」を取り巻く社会的な環境は、工場の海外移転、少子高齢化による需要減から生じるモノつくりの減少(例 : 白モノを中心とした電気機器産業の売上減少)、日本メーカーの交易条件も含めた海外メーカーとの比較における劣勢、などがあり、今後の展開見込みが必ずしも明るくはない。

 また、内的要因としても、有効求人倍率の上昇等により、採用コストが上昇している。業界各社の資料等を見ると、アベノミクスが始まってから約1.5倍超である。これに対して、同社が採った 「 PEOスキーム 」というものは秀逸である。

 前政権による施策の影響で、メーカーは労働派遣業社の人材派遣の活用の他に、メーカー自身が正社員ではない、期間(契約)社員を雇用していたが、この期間(契約)社員に対して、勤続5年を目途に正社員にする打診を行わなくてはならなくなったのである。メーカーにとって、この部分は製造に関わる調整弁のようなものであったはずが、「 人件費=固定コスト 」となるリスクが顕在化したのである。

 この「 PEOスキーム 」は、賛同したメーカーの期間(契約)社員を、アウトソーシング・グループである株式会社PEOの正社員として迎えるものである。PEOは、その社員を、規制により、今まで所属していた会社に1年間は出向させることはできないが、他のメーカーに出向させることはできる。この仕組み自体は他社もマネすることが可能であったのだが、実際はそうではなかった。名だたるメーカーがPEOスキームに賛同したからである。このスキームに賛同したメーカーの期間社員を正社員として受け入れ、そのメーカーには、他の、やはり、"名だたるメーカー"で期間社員として働いていた人材を出向させるという部分がひとつの鍵であるように思われる。
 これらの(メーカーで働いていた、かつての)期間社員はやはり優秀なのである。これは、PEOスキームに賛同しなくては受けることのできない出向である。このようにして、同社は採用コストをかけずに優秀な人材を抱えることができたのである。その数は現在5000名を超えたという。これからも「 メイド・イン・ジャパン 」、「 ニッポンのモノつくり 」を支えるという気概に変化はない。このセグメントの売上を落とす気もない。ただ、相対的な比率を下げることが、結果的に経営の安定化につながるのである。

■技術系アウトソーシング事業の成長
 事業の2本目の柱である、付加価値の高い「 技術系アウトソーシング事業 」は、前述のように、前年度、その年度ベースの売上高が、初めて「 製造系アウトソーシング事業 」を上回った。

 伸長しているのは、IT分野と建築現場における施工管理士等である。この「 技術系アウトソーシング事業 」の伸びを支える内的な要因は、KENスクールによるキャリアチェンジである。このスクールでは、顧客と共同開発したカリキュラムによる教育を施し、未経験・異分野従事者のキャリアチェンジを図っているが、前年度は370名がキャリアチェンジに成功し、今年度は500名を目標としている。

 

■海外事業、発展への
 3本目の「 海外事業 」は、何よりもそのスピード感がすごい。ざっと、直近との取組みを挙げると、
 ・ 現在、アジアでは、8カ国1地域 ( タイ、ベトナム、中国、インドネシア、インド、シンガポール、カンボジア、香港、マレーシア )に進出。
 ・ 昨年8月にオーストラリアの会社をM&Aで取得して、オーストラリア、ニュージーランドへ進出。
 ・ 同じく昨年8月に欧州に進出し、イギリス、ベルギーの企業を買収。
 ・ その後、12月に南米のチリの企業をM&Aで取得。
 ・ 現在、日本以外で、世界13カ国に関連会社を持ち海外社員数も1万5000人を超えて、国内の社員数を上回る規模となった。
 ・ そして、冒頭に書いたように、4/1にイギリス、オーストラリアの現地会社の買収、となる。

 今回の、イギリス、オーストラリアの現地会社の買収であるが、イギリスにおいて買収した企業( JBW ( J.B.W. GROUP LIMITED )、CDL ( CASE DYNAMICS LIMITED ) )は、中央政府ならびに地方公共団体の公的債権の回収代行サービスを展開し、同国で実質的に業界第3位のシェアを占めている。同業他社との違いは、回収に関わるシステムを構築しており、回収エージェントを効率的に動かすことで圧倒的な差別化を図っているとのこと。
 また、オーストラリアの企業( Beddison Group 5社 )は、ノーザンテリトリー州以外の6州で拠点展開しており、近年、民間委託が進み、さらに市場の拡大が期待される、空港運営や刑務所運営に関する人材サービスまでも手掛けている企業であるという。
 ここから、同社が目指す、「 国内製造業と違うサイクルの産業に、グローバル単位で参入する 」という方向性がはっきりと分かる。海外、G20クラスの先進国において、財政問題からその業務の民間への委託が急進展しつつある、今まで公務員が行ってきた業務の受託をタ-ゲットとして考えているということである。

 この方向性は、国内事業においても、昨年、受注したことにより話題となった、「 在日米軍基地におけるアウトソーシング事業 」と「 コンビニエンスストアの事業(管理)運営に関するアウトソーシング事業 」についても通底している。

 前回のご出演時よりも、海外投資家の保有比率が高まっている。業績の好調さに加えて、番組でも紹介した株主還元率の高さ、実直なガバナンスとIR姿勢、そして、業界として初めて経団連の会員になり、審議員、委員として活躍されている土井会長への信頼がそれに結びついているのであろう。業界で最も注目を浴びている同社の動向から今後も目が離せない。そして、それは楽しみでもある。
 "立ち止まらないアウトソーシング"。次はどんな展開を海外で行うのか、国内でもどんな事業を受託するのか、楽しみはまだまだ続く。

------------------------------------------------------------

 取材後記は以上です、いかがでしたか?

 事業展開が大きく変わる事による期待感が強く伝わってきました。
 「高い意識でグローバル戦略を進めてゆく」と語る、同社の今後の展開にこれからも注目してゆきたいと思います。


 それでは来週もお楽しみに!

(関連ウェブ)
アウトソーシング IRサイト
2013年9月18日 取材後記
2013年9月18日 オンデマンド配信

代表取締役会長兼社長 土井春彦さまと



コメント