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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 3月30日の「アサザイ 今日の1社」は、インフォテリア(3853、マザーズ)を放送しました。
 
 今回は代表取締役社長 平野 洋一郎 様にお越しいただき、主力ソフトウェア製品、テックビューロとの提携、そして海外成長戦略など、詳しくお話しをうかがいました。

 創業以来、インターネットを支える「つなぐ事業」にこだわりと想いを持ち続けてきたという同社。そのビジョンの通り、社内外の垣根を越えてシステムをつなぐ「ASTERIA」、企業内のさまざまなデータやファイルとデバイス利用者とをつなぐ「Handbook」など、さまざまな「つなぐ」ソフトウェアを世に送り出し、そして未来に向かってさらに進化を続けています。

 今回は、井上哲男の取材後記が届いております、ぜひご覧ください。

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取材後記
インフォテリア (3853) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の平野 洋一郎 (ひらの よういちろう)様。

「 つなぐ 」

▼テックビューロ社との提携を発表
 昨年12月4日、同社が、国内唯一のプライベート・ブロックチェーン実装技術を有するフィンテック企業であるテックビューロ社との提携を発表するや、フィンテック関連銘柄として大きく注目を集めたが、番組のなかで話したように、同社についてはこれまで行ってきた事業を正しく理解したうえで、同社のソフトウェアとプライベート・ブロックチェーン技術の組み合わせによるシナジーを考えるというプロセスが大切である。

▼事業の柱となる2つのブランド
 同社の設立は1988年。以来、「組織を超えたコンピューティングを実現するソフトウェアを開発し、世界規模で提供する」という理念は変わっていない。

 同社の知名度を飛躍的に高めたのが「 asteria 」ブランドであるが、これは、XML( 『多様な情報を「情報の意味」と「情報の内容」に分けてテキストで記述する方法(言語)』) の世界でエポックなソフトウェアとなった。これは、さまざまな言語、通信手順を持ち合わせている多様なシステム同士をつなげる『通訳』の働きをするものである。無論、複雑で膨大なプログラミングを施せばそれは可能であるが、同社の「 asteria 」を使うことにより、それは可能となる。
 番組のなかで紹介があったが、初めての導入企業がソニー、2番目が京セラという間違いの許されない"目利きの高い"企業であったことからも「 asteria 」の優秀さが分かる。その販売を支えているのが、マスターパートナーと呼ばれる20社程度の有名なシステムインテグレーター企業群である。このマスターパートナーが企業に販売し、設定の部分を行っている。現在の導入件数は5300以上であり、企業データ連携市場において9年連続で国内シェアNo.1を続けている。そして、オムニチャネル、クラウドサービス、ビッグデータの分析・活用と、今後も同ソフトウェアの活用領域は広がりを続けるであろう。

 もうひとつの柱となるソフトウェアが「 Handbook 」。これは、主に、スマホ、タブレットに"伝えるチカラ"を与えるソフトである。具体的には、企業内外のコンテンツを安全に配信し、携帯端末での閲覧を可能にしたクラウドサービスであり、まだ統計がとられて4年しか経っていないが、モバイルコンテンツ管理に関する市場シェアでその全ての期間で国内第1位となり、導入件数は現在970件を超えている。こちらも紹介のあった導入実例は、大手の証券会社と銀行。その営業マンが、このソフトウェアを用いて、顧客に対してプレゼンを含む営業を行っている。

▼提携で期待される展開
 
ここまでご理解頂いたうえで、今回のテックビューロ社との提携について述べる。
 プライベート・ブロックチェーンとはブロックチェーンの1種であり、今後の金融を大きく変える可能性のある革新的なテクノロジーであるが、まだ登場したばかりの新しいテクノロジーであり、アーリーアダプタ、すなわち、誰もが知っているようなテクノロジーではなく、一部の初期採用者にしか知られていないテクノロジーである。

 具体的には、データをブロックに分割し、そのブロックがチェーン(鎖)となってデータの変更履歴を管理するため、どこかでデータ変更があれば、その変更を瞬時に把握することができる。また、社長が「コンピュータが壊れてもよいという逆転の発想」と言われたが、もう一つのメリットは、このようにデータがブロックに分割、分散して各端末で管理しているために、ブロックチェーン上に記録されたデータは、すべての端末がダウンしないかぎり、システムがダウンし、データが消えることはないということである。この部分が、金融システムにおいては最も重要なことである。取引所、業社のシステムダウンにより過去にも大きな弊害が生まれたが、この信用と言う最も大切な部分を担保できるものが、このブロックチェーンなのである。加えて、トランザクション、処理能力が高い。

 テックビューロ社が提供するブロックチェーン技術を実現するフレームワーク「 mijin 」(微塵)には、「 mijin API 」としてブロックチェーン技術と既存のプログラムを接続する機能が提供されており、 一方でインフォテリア社の「 asteria 」は13年以上にわたってプログラミングすることなく、アイコンを操作するだけで、データとデータを接続することを行ってきた。この融合により、安全なプライベート・ブロックチェーンが容易に、汎用性を持った形で社会に提供される道すじが出来たのである。

 ミャンマー最大のマイクロファイナンス機関「 BC Finance 」の融資システムにおいて、ブロックチェーン技術の実証実験を行うことがこの3月4日に発表されたが、ここまで、ビットコインでシステム障害をただの一度も起こしていない高い信頼性がここでも発揮されることが期待される。
 フィンテックは、金融とITの連動である。しかし、今回の提携は、金融の世界だけでなく、医療、公共、を含むさまざまな産業領域への展開が可能である。

▼インフォテリアが意識していること
 今日の放送、そして、この後記を通じて、同社がいかに「つなぐ」ということを意識して社業を行ってきたかがお分かり頂けたと思う。ただ、同社は「つなぐ」の前に、「(データを)守る」という部分を何よりも意識してきたように思う。「守る」そして「つなぐ」。同社の一丁目一番地はこれである。そして、最後にもうひとつだけ加えたい。それは、多くの会社経営者にお会いしてきたが、平野社長は紛れも無く、優秀な経営者の1人だということである。1本筋が通った姿勢、ガバナンスに対する真摯な考え方、そして、進取の気性。是非、ホームページや会社資料でそれに触れて欲しい。

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 取材後記は以上です、いかがでしたか?

 今回は、CSR活動の内容をロングインタビューでオンデマンド配信します。
 社長の思い、同社の魅力がより一層感じられる内容になっています、ぜひこちらも合わせてお楽しみください。

 それでは来週もお楽しみに!

(関連ウェブ)
インフォテリア IRサイト

代表取締役社長 平野 洋一郎さまと、
当日は、持ち物をコーポレートカラーである緑で統一して臨みました!