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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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2月24日の「アサザイ 今日の1社」は、海帆(3133、マザーズ)を放送しました。
 
 今回は代表取締役社長 久田敏貴 様にお越し頂き、会社の沿革、同社のビジネスモデルの特徴から、今後の事業展開まで幅広くお話を伺いました。

 幹線道路沿いに駐車場を併設する「郊外ロードサイド型居酒屋」というお話を聞いた時、真っ先に思い浮かんだ事は「お酒を飲むお客様は車で来られない、なぜ郊外ロードサイド型が機能するのか?」という事でしたが、その背景も知ることが出来ました。
 
 「車」と「お酒」という課題を繋げた「無料送迎バス」というアイデアには本当に驚かされましたね、井上哲男の取材後記でも同社の優れたビジネスモデルについて大いに語っております、是非ご覧ください。

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取材後記

海帆 (3133) (東証マザーズ)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長、久田 敏貴  ( ひさだ としたか )様。

「 マグロ社長が"解体"するモノ 」

▼海帆の基盤
 昨年4月に上場した海帆(かいはん)。東京都にはまだ1店舗しかないため、東京でのお店の知名度は高くはないが、東海地区に79店舗、九州地区に12店舗、全国で95店舗を構えている。(何れも数字は2016年2月17日現在。東京エリアにはこの6月から新たに3店舗出店予定)

 「まぐろ社長」としてテレビ、マスコミへの出演も多い久田社長は、父親が営む、魚帆というマグロ、カジキ(マグロ)の卸しの店で、既に高校生の時には解体をしていたという。大学卒業後に伯母の経営する旅館で法人営業や送迎を行い、この経験をもって魚帆から魚を仕入れる外食産業である海帆を創った。

▼ロードサイド、ドミナント展開

 番組の中でも述べたが、東海地区というのは、ロードサイド、ドミナント展開というビジネスモデルが奏功しやすいと感じる。移動手段としての存在、また、クルマ社会という意識の根強さが関東に比べて色濃いような気がする。外食産業、葬儀業、スポーツジム、「アサザイ」で紹介した名古屋に本社のある企業さんに共通したものは、この、ロードサイド、ドミナント展開である。

 送迎バスを約50台保有し、平日は大学や工場、会社などに送迎を行い、8名以上であれば一般家庭にまでも出向くという。通常、大きく売上が落ちる土・日や2月、8月にも売上が落ちない理由はここにある。家族でいえば3世代、どのような年齢層の人も楽しめるお店作りにも注力しており、考えて見れば、「なつかし処昭和食堂」という最も多いブランドは、3世代のうち、主に店の選択をするであろう2代目が心惹かれるネーミングであり、クルマの運転を気にせずに飲めるとなれば、それはなおさらのことであろう。

 その他にも、自社で綺麗なチラシ作りを内製化しており、例えば、「ボーリングを2ゲームして、その後に宴会」などという、企業向けの企画が出来れば、すぐにチラシを作って法人に対して営業を掛ける。無論、送迎バスの強みもアピールして、である。この法人部門の売上が全体の2割程度を占めるという。やはり、久田社長はたいしたアイデアマンである。

▼エリア展開拡大への鍵
 ロードサイド、ドミナント展開、バス送迎、法人営業、そして、回収期間の短さ。同社のビジネスモデルにおける差別化はこのように列挙できるが、今後、東海、九州エリア以外で展開の輪を広げていくとしたら、やはり鍵は、"流通"と"規模をどこまで追い、どこからスケールメリットが出てくるか"の見極めであろう。ただ、私が思う久田社長の強さは、「これまでの経験から得られた、成功の確度が高いものを敷衍(ふえん)して展開することができる」という部分である。それは、創業の経緯、成功した差別化にしっかりと表れている。

 単元株で年間6000円の飲食チケットが株主優待で贈呈されるので、是非、お店で「刺身階段盛り」をご賞味頂きたい。実際にその盛り付けを見ると、久田社長のアイデアが詰まっていることが分かる。とても豪勢に映るが、実は、きちんと綺麗に切れさえすれば、ツマの盛り上げなどのプロの技は要らないものとなっているのだ。「魚屋から始めたお店だから、他店よりも2割以上は割安でおいしいと言わせたい」。社長のアイデアと想いが詰まった品である。"マグロ社長"が解体しているものは、実は、外食産業の常識なのかもしれない。
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 同社を初めて知ったという関東地区の方々の中には、「ぜひお店に行ってみたい!」と思った方も多いのではないでしょうか?
 6月には東京エリアに新たに3店舗出店される予定との事です、徐々に関東地区の方々もお店に行きやすくなると思います、楽しみですね。

 それでは、来週もお楽しみに!

(関連ウェブ)
海帆 IRサイト

代表取締役社長 久田敏貴さまと