2月10日の「アサザイ 今日の1社」は、パンチ工業株式会社(6165、東証1部)を放送しました。
同社は、2015年に創業40周年を迎えた、プラスチック用およびプレス用「金型用部品」の総合メーカーです。
今回は代表取締役社長 武田雅亮 様にお越し頂き、「金型用部品とは何か?」という所から、同社の強み、海外展開、今後の成長戦略等について詳しくお話しを伺いました。
自動車部品の工場で、製品のパーツが次々と機械で形づくられて、組み立てられて、製品が完成してゆく様子を見て驚いたことはありませんか? 工場で製品を効率よく組み立てるために欠かすことの出来ないのが「金型」であり、同社はその金型を構成するのに不可欠な「金型用部品」の総合メーカーとして、製品の大量生産を支えています。
まさにパンチ工業は「縁の下の力持ち」として日本のものづくりを支えているのですね。
さて、今回、井上哲男から取材後記が届いておりますので、お楽しみ下さい。
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取材後記
パンチ工業 (6165) (東証1部)
ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長、武田雅亮 ( たけだ まさあき )様。
「 極めて"割安" 」
▼金型部品の大手企業
一つの製品の完成形を「川下」と考えて、川上へと逆に辿ってみると、「製品」→「構成部品」→「金型」→「金型部品」という流れになる。「金型部品」は「金型を構成する、なくてはならない多種多様な精密部品」と言い換えることもできるが、この「金型部品」の国内シェアが第2位、中国では第1位という会社が、このパンチ工業である。
創業は1975年。昨年創業40周年を迎えたが、同社が大きな転機を迎えたのが1982年に、世界で初めてプラスチック金型用部品の標準化、量産化に成功したことであった。以来、金型用部品、プラスチック金型用部品といえば、同社の名前がすぐ挙げられることとなった。
▼パンチ工業を支える3つの強み
同社の強みは大別して3つ。
第1は、40年にわたりものづくりのスキルとノウハウを蓄積してきたことがもたらした「高度な技術力と営業力」である。「中国で第1位」と記したが、研究開発においても、研究開発本部を中心として日中連携でグループ技術力の強化に取組んでおり、1,700台を誇る圧倒的な工作機械や処理設備群を駆使した「一気通貫の生産体制」を築きあげ、また、それを、顧客の多様なニーズにきめ細かく対応する「お客様密着型の営業体制」が支えている。
第2は、「多様なポートフォリオを築いている」ということである。製造業は景気変動の波を受け易い。その緩和は特定業種に偏らないことであるが、同社の顧客数は国内で約6,000社、中国においては約8,000社にのぼり、自動車、電機などの基幹産業からハイテク産業に至るまで、幅広い分野の顧客から採用されている。また、近年は、(結果的に景気変動の影響をうけにくい)食品・飲料関連、医療関連といった新分野の拡販・深耕にも注力している。
第3は、「グローバル展開を支えるネットワーク」である。日本、中国、東南アジア、インド、欧州、米州、これら全てを連結で捉え、常に「グローバル」視点で考えており、日本と中国が中心の事業から、東南アジア、インドへの積極展開、欧州、米州への販路拡大を進めている。ここ6年間の展開を記すと、2010年:インドに販売拠点を設立、2012年:マレーシアの企業と資本・業務提携を行う、2013年:中国、重慶市に生産・物流拠点を設置し、また、インドネシアにもインドネシアパンチを設立、となる。今年度で現在の中計は終了するが、今後の成長戦略の重点イメージとして社長が語ったことは、やはり、この海外強化、日本と海外の連携強化であった。
世界で約7.3兆円程度とされる金型市場を支える同社。前期まで5期連続で最高売上高を更新し、前期に続き、今期も、利益3項目すべてで過去最高を塗り替える見込みを立てている同社。
その同社に対して、市場は極めて過小評価をしている印象を受ける。2月9日時点でのPERは6.4倍、PBRは0.59倍である。前年実績の配当利回りは3.31%。極めて"割安"である。
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取材後記は以上です、いかがでしたか?
今回は、ロングインタビューも後日オンデマンド配信されますので、こちらも合わせてお楽しみください。
それでは来週もお楽しみに!
(関連ウェブ)
■パンチ工業 IRサイト
▼代表取締役社長 武田雅亮さまと
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