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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 東京で暮らしているアサザイ担当者の私にとって、東日本大震災発生後の計画停電は、まだ記憶に新しい出来事です。
 この時に、電気がない生活は、もはや成り立たないことを痛感しました。そして、単なる「節電」ではなく、社会全体で電力の使用をコントロールしていく必要性に、初めて気が付きました。

 電力不足を経験し、省エネや再生可能エネルギーなどが注目を集める中、本日放送「今日の1社」でご紹介した日東工業(6651、東証・名証1部)も、EMSに対しても取り組んでいらっしゃる企業です。

 

 井上哲男から取材後記が届いておりますので、どうぞお楽しみ下さい。

 

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取材後記

日東工業 (6651) (東証・名証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は取締役社長COOの 佐々木 拓郎 ( ささき たくろう )様。

 

「 "ふさわしい株価"へ 」

 
▼支持される理由

 PER:8.8倍、実績PBR:1.10倍。番組の冒頭で話したのは昨日9月8日時点でのバリュエーション。割安感が極めて強い。

 

 キャビネット、分電盤、配電盤のそれぞれでトップ、または、トップグループのシェアを持つ同社。

 特にキャビネット分野で同社の製品がトップシェア(弊社調べ)となっているのには理由がある。社長は「標準品」という言葉を使ったが、通常用いられる「汎用品」、「標準品」と、同社のそれでは意味が違う気がする。

 計画生産、短納期、低コストを実現したと述べたが、同社が支持される理由は、それらを"顧客ニーズに沿った形で"成し遂げたことにあると思う。

 例えば、顧客自身が簡易作図を行うことができる独自のITツールを提供しており、これを受けて、標準品をベースにサイズや色などのバリエーションをそろえ、オプション(色・穴加工)の幅を広げている。また、用途と使用する場所が多岐に亘るため、本社の研究開発センターに加えて、菊川ラボラトリを保有し、徹底的な設備試験を行い、その評価システムも確立している。そうして得られた製品群実績が顧客の信頼につながっているのである。

 

 また、他のセグメントである、業界最大手「サンテレホン」を子会社化したことによる情報通信関連製品の卸売事業や、南海電設が行う電気・ネットワークの設置、保守等の事業なども売上構成比で約25%を占め、補完事業としてのバランスが取れている。

 
▼フロント・ランナー

 これらの事業に加えて、同社はよくEMS(エネルギー・マネジメント・システム)関連として取り上げられることがある。

電気自動車(EV)向け充電器(スタンド)の普及は、自治体の補助金制度に依存する部分がまだまだ大きいのが実情であるが、自動車メーカー工場の従業員駐車場向けに1,100台以上を納入した実績もあり、この分野でのフロント・ランナーとしての地位を確保している。

 また、非常用電源切替盤は、産業向けに、停電時にいわゆる商用電源から蓄電池などの非常用電源に自動的に切り替わる分電盤を発売してきたが、昨年、住宅用に手動で切り替わる分電盤を発売し、今年の春からは自動で切り替わる分電盤の発売を開始した。この家庭用エネルギー・マネジメント・システムはHEMSと呼ばれているが、電気製品ごとの使用電力を"見える化"することを可能にした分電盤は、今年の「JECA FAIR 2015」において、環境大臣賞を受賞している。

 
▼IRとは

 実は、私は今年の4月に名古屋から地下鉄に乗り、長久手にある同社を訪問した。そして、「アサザイ」への出演を直接依頼した経緯がある。その理由は、後記の初めに記したバリュエーションである。

 番組でも紹介したが、弊社の経営指標ランキング総合における順位は、29業種3220社中、第278位。電気機器業内では255社中、21位という極めて高い順位にいる。また、このトップ300位内は2012年度から続いている。

 また、総合ランキングの構成項目である、成長性、資本利益率、売上高利益率、健全配当性向の何れも、29業種比較、電気機器業比較において、上位25%内という極めてバランスの取れた経営指標となっている。

 

 IRとは、「事業内容や実績をきちんと投資家に伝えること」であり、そして、「その経営実績にふさわしい株価にすること」である。どちらが欠けてもIRの目的を達成したことにはならない。同社の真摯な姿勢が、いずれ、同社に"ふさわしい株価"をもたらすことを期待したい。(了)

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 取材後記は以上です。いかがでしたか?

 

 今回ご出演頂いた取締役社長COOの佐々木拓郎さまは、「目立たないのが強み」とおっしゃっていましたが、とっても注目したい企業ですよね。

 

 放送に収まりきらない同社の魅力については、さらにロングインタビューでお伺いしております。こちらもオンデマンドからお楽しみ下さい!

 

(関連ウェブ)

日東工業 IRサイト

 

取締役社長COOの佐々木拓郎さまと
取締役社長COOの佐々木様と