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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 7月29日の「今日の1社」は、ランシステム(3326、JQ)を放送しました!

 

 アサザイ担当者は、就職活動の時に、その当時はまだスマートフォンは普及していなかったので、よくインターネットカフェのお世話になりました。

 その頃は、PCとマンガ、フリードリンクがあり、一人でも長時間を過ごせる場所、として利用していました。それが今では、ネット以外にもダーツや、ビリヤードがあり、大人数で遊ぶ施設といったイメージです。内装や設備もとても明るくきれいになっていて、リラックスして過ごすもよし、遊んですごすもよし、と過ごし方の選択肢が多彩になっています。ホームページを見ていたら、暑い夏を複合カフェで過ごすのも、快適かもと思えてきました。

 

 さて、井上哲男から取材後記が届いておりますので、ご覧下さい。

 

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取材後記

ランシステム (3326) (東証ジャスダック・スタンダード)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の日高 大輔様。

 

「 つながる 」

 
▼複合カフェへの進化

 複合カフェ「自遊空間」の運営会社である。複合カフェとはインターネット、カラオケ、ビリヤードなど様々な娯楽コンテンツを時間課金システムにより一律料金で楽しめるカフェであり、その歴史は1970年代の「マンガ喫茶」に始まり、90年代にPCを備えた「インターネット喫茶」が登場したのちに、さらにゲームやビリヤードなど多彩なコンテンツを取り込んで「複合カフェ」へと進化を遂げたのだという。

 

 同社は設立当初、埼玉県でゲームショップ「桃太郎」を経営していたが、その後、ビリヤード専門店を運営し、そのビリヤードの横にPCを置くことにより集客を高め、その後も色々なコンテンツを追加していき、今日の姿になったという。

 業界全体での市場規模は約年間1300億円程度で、全国に約1900の店舗があるという。同社の「自遊空間」の店舗数は181(およそ10店に1店が「自遊空間」という計算)で業界第2位の店舗数を誇り、年間約1200万人が来店するという。また、181店舗のうち114店舗がFC店であり、FC店舗数は日本一だという。複合カフェにはおよそ1000店舗が加盟する日本複合カフェ協会(JCCA)という団体があり、日高社長はその会長を務めている。

 
▼スマホとリアル店舗

 さて、「インターネット喫茶」のみならず、同社も「ビリヤードの横にPCを置いた」ということから、以前は「インターネットができるPC」が集客の鍵であったが、現在はそうではない。小売りやサービス業の一部にとっては、むしろ、"敵"に近い。インターネットを通じた販売金額の増大はリアル店舗にとって大きな脅威である。そのため、ここ数年でリアル店舗の小売がホームページにおける販売に力を入れている。前年度、消費増税前の駆け込み需要の反動で小売業は苦しんだが、ABCマートなど、売上を逆に伸ばした企業に共通するのはこの部分における成功である。同じことがサービス業においても起きている。手のひらのPCであるスマホは脅威である。そこで楽しまれてしまい、リアル店舗の客足が鈍ることは致命傷だ。

 

 こうなると、それを逆手にとった、スマホ(モバイル)を使った集客がテーマとなる。よく知られているのが、あるエリアに入ると勝手にその近くの店舗情報やクーポンが手に入るものだが、それによる集客効果は、飲食店よりも複合カフェの方が低いと思われる。「食べる、飲む」という漠然とした目的よりも、「ビリヤードをする、ダーツをする」というのははっきりとした目的だからである。

 

 同社の場合、この、「来店するお客さんは、"はっきりとした目的"を持っている」という部分をきちんと認識したうえでその囲い込みをしていると感じられる。

 
▼コミュニティの価値

 自宅のPCやモバイルではできないが、リアル店舗ではできること、それは、「客同士のコミュニケーション」、「客とお店のコミュニケーション」に他ならない。そのため、モバイルによる集客について、社長は「集客」ではなく「つながる」という言葉を使ったのだと思う。

 この「つながる」の根底にあるものは、一人で楽しむものではない"楽しみ"である「コミュニティの楽しさ」をリアル店舗で知って欲しいということである。ビリヤードやダーツの大会を開催することも、この7月に「アミューズメントカジノ ジクー」を新宿にオープンしたことも、全て、この「コミュニティがどのくらい楽しいかを知って欲しい、相手が人であることの楽しさを知って欲しい」ということがその目的なのではないかと、社長と話していて強く感じた。

 

 番組の中でも紹介があったが、同社は内製した入会システムや会員管理システムなどを外販しているほどであり、モバイルを用いた戦略にも強みを発揮することであろう。ただ、大切なことは、この「知って欲しいのはコミュニティの価値だ」という信念である。こうして考えると、「マンガ喫茶」や「インターネット喫茶」と現在の「複合カフェ」は似て非なるものであることが分かる。前者は一人で楽しむスペースであり、後者はコミュニティを楽しむものだ。変化を遂げて全く違う形となったものは、また変化を続ける。これからの変化の過程においても、同社にはコミュニティを提供するという、これまでの変遷のなかで得られた価値観はなくさないで欲しいと思う。(了)

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取材後記は以上です。いかがでしたか?

 

今後も変化していくだろう業界だと思いますので、今後の展開にも注目していきたいですね。

 

それでは、来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

ランシステム IRサイト

自遊空間 ウェブサイト


代表取締役社長の日高様と
代表取締役社長 日高さまと