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7月8日の「今日の1社」は一休(2450、東証一部)を放送しました!

 

もうすぐ夏休みです。さらに、9月にはシルバーウィークもありますから、旅行の計画を立てるのに、同社が運営するサイトをご覧になる方は多いのではないでしょうか。

 

もしも今まで、「一休.com」をご覧になったことがない方がいたら、こちらから一度アクセスしてみて下さい。サイトに掲載されているホテルを見るだけでも、贅沢な気持ちに浸れます。

 

今回、井上哲男から取材後記が届いておりますので、ご覧下さい。

 
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取材後記

一休 (2450) (東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の森 正文様。

 

「 支持される理由 」

 
▼高い参入障壁

 この8月で一休が上場して10年になる。IPOのときから人気が高かったが、この3月末時点での株主数は1万2000人弱となっており、ファンである個人投資家が多いことが窺える。

 上場して数年で個人投資家が激減する企業が多いなか、一休がここまで個人投資家の支持を得ている理由は幾つかあると思われる。

 一つはトップラインの確かな伸びである。番組の中でも紹介したが、2001年の有価証券報告書開示以来、14期に亘り、増収(売上高の前期比プラス)を続けている。この間、ITバブルの崩壊、長引くデフレによる賃金の伸びの停滞、リーマンショック、欧州財政危機と旅行業界を巡る環境は厳しく、中小旅行会社は淘汰され、また、大手でも戦略や組織の変更を余儀なくされたのにもかかわらず、である。

 この"強み"について、社長自身が語ったのは、ひと言で表すと、「"贅沢な上質"にこだわった姿勢への評価」ということである。確かに上場時に多くのアナリストが指摘したように、参入障壁は決して高くはない。それでも同社のサイトが支持される理由は、見ている人が、"たおやかな気持ち"になる、サイト自体が持つ「ゆったりとした作り」やホテルを検索した際に提示される多くの宿泊プランとその説明の丁寧さにある。実際に予約した際にさらに推薦されるレストランなどの評価もとても高い。このインターネットの持つ利便性や機能性といった部分を超えた「参入障壁」は高い。機能ではなく、培ったブランディングが持つ障壁の高さを超えるには、一休がこれまでかけた時間や実績、評価を超えなくてはならないということだ。それは、とても厳しい。上場した頃に会員数が100万人を突破したことが話題になったが、今年の6月にその数は400万人を突破した。この会員数の伸びが、"贅沢な上質"にこだわった姿勢への評価である。

 
▼株主への配慮

 経営指標ランキングは「総合」が3220社中、第20位という素晴らしい順位である。また、過去4年の順位も古い方から、140位、23位、23位、15位である。成長性や利益率、配当性など、直近3年間の数字を用いる項目が多いなか、このように安定した高い順位を保ってきたということは、常に成長を遂げてきたということである。「総合」を構成する4つの大項目の順位も記すと、「成長性」323位、「(ROE、ROAが反映される)資本利益率」58位、「売上高利益率」1位、「健全配当性向」53位と、全項目が素晴らしい順位である。

 全ての内容をご紹介したくなるが、「健全配当性向」についてのみ記すと、もうリスナーにはお馴染みのDOE(ROE × 配当性向・・・配当金 / 1株あたり株主資本)はこの5年間、全ての期において100位以内にいる。この5年間のDOEを合計すると43.8%、つまり、株主資本の44%近くをこの5年間で配当という形で株主に還元した、言い換えれば、回収させた、ということになる。

 

 「特に意識している経営指標上の計数はない」と社長は言ったが、ROEや配当性向についての言葉は、株主への配慮に満ち溢れたものであったことをリスナーはご理解頂けたと思う。これが冒頭の「株主数=同社の支持数」につながっているのである。

 

 最近、シンガポールと香港に在住する、多くのヘッジファンド・マネージャーを訪問する機会があったが、今後話を聴いてみたい企業として一休を挙げるマネ-ジャーが多かった。いつか、そのセッティングと同行をしたいと思う。無論、「一休.com 海外」を使って。(了)

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取材後記は以上です。いかがでしたか?

 

代表取締役社長の森さまには、ロングインタビューにもお付き合い頂きました。

森さまが起業されるまでのいきさつや社名の由来などについて、お話を伺いました。井上哲男との意外な接点についても聞けますので、オンデマンドよりお楽しみ下さい。

 

それでは、来週もどうぞお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

一休 IRサイト

宿泊予約サイト「一休.com」


代表取締役社長 森さまと
代表取締役社長 森様と