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 3月25日の「今日の1社」はMRT(6034、東証マザーズ)を放送しました!

 

 病院を題材にしたドラマなどが増えているので、「医局」に関して、皆さまそれぞれイメージをお持ちなのではないでしょうか。

 

 アサザイ担当者は代表取締役社長の馬場稔正さまのお話を聞いて、「医局」とはチームなのだと感じました。全国に約2,000あるという医局をITを使って繋いでいくことが、チーム医療に繫がり、結果的に患者さまの利益に繫がってくるのだと思います。

 

 今回、井上哲男から取材後記が届いておりますので、どうぞご覧下さい!

 

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取材後記

MRT (6034)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の馬場 稔正(ばば としまさ)さま。

 

「波紋の広がり」

▼医局に入るということ

 昨年末に産声をあげたMRT。現在の事業内容は、外勤医(非常勤)の紹介サービスである「Gaikin」、常勤医、また、常勤医となるための転職サービスである「career」、医局向けの情報化サービスである「ネット医局」の3つである。

 

 医師不足は深刻な問題である。同社の資料に、人口1000人あたりの医師数の統計で日本はOECD加盟国34カ国中、第29位で2.3人という数字が示されている。また、都道府県別統計では、埼玉県、千葉県、茨城県の3県(ワースト3)においてこの数字が1.7人以下となっており、東京近郊のベッドタウンの医師不足がより深刻であることが鮮明である。

 

 医学部の学生となるということは、その(大学)病院の何れかの医局に入るということを実質的に意味している。そして、初期・後期研修もその大学で行い、医師として大学病院・市中病院へ勤務することが多い。これも、医局の人事異動である。また、開業医となっても、自分の出身母体である医局とのつながりは強い。この医局制度が頂点に立つピラミッドは、強固な医師同士の関係性という「功」の部分だけでなく、近年、医局ぐるみという「罪」の部分も度々指摘されていることはお分かりであろう。但し、それでも医局制度は現在でも絶対的な存在であることは確かだ。

 
▼MRTが必要とされる背景「臨床研修制度」

 同社の「Gaikin」は医局の求めに対して、外勤医を補充するサービスである。医師の補充にはスピードが求められる。そのつなぎを行う尊いサービスである。

 一方で「career」は医師の転職サービスである。このサービスを語る前に重要なことは、医師の臨床研修制度の変遷を説明することであろう。

 

 医師臨床研修制度は、昭和以降3回の規定改正がなされた。「インターン」という言葉は馴染み深いが、医学部を卒業した者が1年以上の診療及び公衆に関する実地訓練を行うという規定ができたのが、1946年(昭和21年)のこと。これが1968年(昭和43年)に医学部卒業直後に医師国家試験を受験し、医師免許取得後も2年以上の臨床研修を受けることが規定に盛り込まれたが、実はこの規定は努力規定でしかなかった。この臨床研修が必修となったのが2004年(平成16年)のこと。つい最近のことである。

 

 この臨床研修制度を定めた背景には、従来の臨床研修制度では、自分が卒業した医局で、その分野の単一診療科のみを研修する者が多く、しかも、薄給でアルバイトをせざるを得ない状況で研修に専念できないという事情があった。これは、私の憶測ではなく、きちんと厚生労働省が述べていることである。

 そして、臨床研修指定病院には、スーパーローテイト方式という臨床研修制度の採用が義務づけられた。これは、内科、外科、麻酔・救急科、小児科、産婦人科、精神科、そして地域医療(診療所等)など、多くの診療科で研修を受けることであり、その結果、医師となった際に、まずはいろいろな観点から病気を考えるというプライマリ・ケアの視座を持つことができるのである。医局も研修医を集めるための努力が必要となる。無論、この方式にも「功」と「罪」は指摘されている。「罪」の部分で言われていることは研修医の態度であったりもする。

 
▼医局、医師とともに

 しかし、この臨床研修制度により他の大学病院で研修を受けることが可能となったことが、医局制度に新しい風を吹きこんだことは確かである。同社の「career」というサービスもこの医師の流動化という"風"に沿ったものであることは確かだ。但し、同社は十分に認識しているが、これは製造系などの人材紹介と同じであってはならないと思われる。医師が動くということはそれまで診てもらっていた患者にも、新しく赴任した病院にも大きな影響を与える。適材を適所に紹介することによって、結果的に社会のためになるという大前提が必要である。同社の経営理念は「医療を想い、社会に貢献する。」である。そのため、カウンセリングに力を入れている。医者だから分かる、医者の視点でカウンセリングを行い、転職や常勤医になることが本当に「社会に貢献する」と判断された場合に同社の「career」というサービスは尊厳ある事業価値を持つのである。

 

 色々と書いたが、決して医局は同社にとって"敵"ではないことをリスナーに理解して欲しい。

 同社の医局の事務効率化に寄与する「ネット医局」は既に都内300の医局の2割以上に導入されている。この横展開は非常に楽しみである。また、「Gaikin」、「career」ともに医局との連絡のもとに成り立っている。医局とともに、そして、医師とともに、医療を考えるサービスが同社の骨梁である。

 

 現代の抱える、そして、これから益々深刻化する医師不足という問題の湖面に、同社は小石を投げた。無論、同社単独でこの問題が解決できるものでは決してない。しかし、石を投げた者には責任がある。医局、医師とともに同社が考える医療の世界、現状、問題をきちんと世に伝えていく責任である。投石の波紋は必ずや広がる。(了)

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 取材後記は以上です。いかがでしたか?

 

 至って元気な方でも、患者として凄腕の医師を求める日がないとは言えません。その際に、同社のサービスが、サポートしてくれる日が来るかも知れませんね。

 今後の展開に期待しております。

 

 また今回、リスナープレゼントをご用意頂きました!!

 同社の社名入り4色ボールペンです。とっても書きやすいと医学部生から好評だそうです。リスナープレゼントページをチェックしてみて下さい。

 

 それでは、来週もお楽しみに!

 

(関連ウェブ)

MRT IRサイト

代表取締役社長の馬場稔正さまと
代表取締役社長の馬場さまと