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朝イチマーケットスクエア「アサザイ」

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 2月4日の「アサザイ 今日の1社」は、帝国電機製作所(6333、東証1部)を放送しました。

 

 「アサザイ」でご紹介する企業には、度々驚かされることがありますが、同社にも驚かされました。

 1947年には、電気自動車を開発し、当時の国鉄などへの荷運びトラックやタクシー等として、公道を走っていたというのです。

 今回、スタジオにお越し頂いた代表取締役社長の宮地國雄様は、このことを会社の歴史の一部として、お話しされていました。76年の歴史の重さを感じますね。

 

 今回、井上哲男から取材後記が届いておりますので、お楽しみ下さい。

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取材後記

帝国電機製作所(6333)(東証1部)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の宮地國雄さま。

 

「最も地球に優しいポンプ」

 
▼"漏れない"ポンプ

 「ポンプは漏れる。」

 残念ながら、これが常識である。但し、"キャンドモータポンプを除いては"、である。

 創業は昭和14年(1939年)で今年76周年を迎える老舗企業であるが、出発は鉄道保安装置、及び一般電気機械の製造販売事業であった。キャンドモータポンプの初号機の開発に成功したのが1960年と55年前のこと。以来、この分野のトップランナーとして業界を牽引してきた。

 

 「キャンド」とは"cannned"、つまり、金属で覆われた缶詰状態のことであり、「キャンドモータポンプ」は、モーターとポンプが一体化して金属で覆われていることから、"漏れない"ポンプである。国内で6割、海外でも4割弱(同社推計)という高いシェアが物語るのは同社の製品の優秀さであるが、他方で「完全受注生産」という同社のスタイルがこれをもたらしたとも言える。

 キャンドモータポンプは、様々な危険な現場、または、過酷な自然環境で使用されることから、顧客ごとに必要する耐性レベルが違う。そのため、設計・開発・製造には高度な熟練技術を要するが、同社顧客の求めるニーズに的確かつ迅速に対応した完全受注生産体制を実現することで、強い信頼関係を築いてきたのである。

 

 この「ポンプ事業」の売上構成比は約85%で、残りはETC、キーレスエントリー、電動パワステなどの車載製品やシーケンサ用基板などを扱う「電子部品事業」が約13%、工場内にある天井クレーンに使用される昇降機やグルコサミン、キトサンライズといった健康食品事業も含めた「その他事業」が約2%となっている。

 
▼順調な海外展開
 
 「完全受注生産体制」とともに同社の強みとして挙げられるのが、「順調な海外展開」であろう。キャンドモータポンプ事業に着手してから海外進出を積極的にすすめた結果、現在は海外7カ国(アメリカ、中国、台湾、韓国、シンガポール、ドイツ、バーレーン)に拠点を設立し、世界中の市場を相手とした営業を進めている。海外売上については全体の65%を目指すという方針を立てているが、前期末段階でその数字は63.9%にまで上昇している。

 

 昨年11月に同社は今期の業績見込みを上方修正しているが、要因として挙げられたのが、海外、特に北米・欧州・中国での売上が予想以上に堅調に推移したことであった。海外でもバランスよく展開しているがゆえ、結果的に特定の地域での落ち込みをカバーできる状態になっているのである。

 
▼「環境に配慮した縁の下の力持ち」

 しかし、キャンドモータポンプの持つ本来の意義を忘れてはいけない。それは、"漏れない"ことが、効率性、現場の安全確保に優れているだけでなく、人、土壌、地球環境に、それが最も優しいということである。だから、日本で、そして世界で受容れられるのである。「環境に配慮した縁の下の力持ち」。

 「アサザイ」でご紹介したかった理由の全てがそこにある。(了)

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 取材後記は以上です。いかがでしたか?

 

 今後ますます期待される海外展開等については、ロングインタビューでお伺いしました。後日、オンデマンド配信されますので、こちらもお楽しみください。

 

 来週は建国記念日。「アサザイ」はお休みです。

 次回は2月18日となりますので、それまでお楽しみに!

 

(関連ウェブサイト)

帝国電機製作所 IRサイト

代表取締役社長の宮地國雄さまと
代表取締役社長の宮地國雄さまと