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 時間と場所を問わずに購読できる電子書籍は、手軽さと便利さが魅力的です。

 一方で、書店をブラブラしながら、平積みを眺めて流行知り、思いがけない書籍と出会う楽しみや、紙をめくる感じは捨て難く、結局「紙」の書籍から離れられずにいます。

 

 1月7日放送「今日の1社」にご出演頂いたアルファポリス(9467、マザーズ)はまずネット上で人気を集められたら、書籍化され書店に並ぶという新しいビジネスを展開されていらっしゃいます。

 代表取締役社長の梶本雄介様にお越し頂き、同社のビジネスモデルや強み等についてお話し頂きました。

 今回、井上哲男より取材後記が届いております。

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取材後記

アルファポリス(9467)(東証マザーズ)

ラジオNIKKEIスタジオで取材・収録。お相手は代表取締役社長の梶本雄介さま。

 

「これまでのやり方や常識にとらわれず」

 

▼インターネットが出版業界を変える

 "出版不況"と言われて久しいが、毎月、大手出版取次会社の文芸書週間ベストセラートップ10に数冊送り込んでいる同社の強みが十分に分かる収録となった。返本率は常に出版社の悩みであり、出版された2割の本の儲けが、残りの8割の本の赤字分を補うという、"ニッパチ"と言う言葉があるが、同社の場合、数字が逆転しているという。

 

 同社の成功は、インターネットが出版業界を変えることが出来るという命題の証明である。

 これまで出版社は、結局のところ、編集会議で出された案から本の出版に向けた作業が行われるという川上からの作業を行ってきたといえる。持ち込み作品の評価もその担当者の感性や嗅覚が全てである。

 しかし、同社には、毎月テーマを変えて行われる「Webコンテンツ大賞」と、同社のサイトに登録し、寄稿された小説・漫画などのコンテンツが24時間で1500人が閲覧した場合には、筆者が「出版申請」を行うことができ、同社の出版会議にかけられるという2つの仕組みがある。「~新人賞」といった敷居の高いものではなく、気軽に一歩踏み出した有望な才能、コンテンツに道が拓かれるものである。

 

▼本を創る

 そして、このことは、結果的に同社に一次的なマーケティング・リサーチをもたらすが、何よりも大切なのが次の段階である。社長の言葉にもあったが、ネットで配信する文章と実際に本となる文章では必要とされる精緻さが異なる。そのため、同社は優秀な編集者の人員拡大を行い、非常に地道で労働集約的な「編集」という作業に力を入れているのである。このことが、「有料化」=「商品」が売れるかどうかの大切な部分であり、膨大な手間と知恵が必要なのだということを認識している。

 

 「出版」と「インターネット」というと、すぐに「ネット配信」という言葉が浮かぶかもしれない。無論、同社もこの部分を完全に否定している訳ではないが、まずは「本を創る」という出版社の"まん真ん中の部分"でインターネットの持つ有効性を活かしたのである。ふと、数年前に持ち込みの自費出版で有名な出版社が、いろいろな問題が指摘されて倒産したことを思い出した。

 

▼来期への期待

 業績について述べる。番組の中で紹介したが、過去2期の売上高経常利益率は30%を超えており、今期も30%前後を見込んでいる。弊社の試算した、金融を除く全社ベースの今期の同値の見込みは5.7%であり、いかに同社が高利益体質の会社かが分かる。また、前期の全社ベースのROEは8.5%であるが、同社のそれは44.7%と極めて高い。2016年5月に同社は弊社の経営指標ランキングのユニバースに加わるが、きっと非常に高い順位で飛び込んでくると思われる。

 

 そして、その頃、同社では出版に続く新たなコア事業が展開され始めているかもしれない。同社は「インターネット時代の新エンターテインメント事業を創造すること」を標榜しているが、そのミッションの前段は、「これまでのやり方や常識にとらわれずに、良いもの、面白いもの、望まれるものを徹底的に追求していく」である。「キャラクタービジネス」、「ゲーム市場」、「映像市場」などへどのような切り口とビジョンで参入していくのか今から楽しみである。

 

 私事で恐縮だが、昨年末にオフィシャル・ブログが復活開設された。今年は文章を書くことにも力を入れようと思う。需給、テクニカル、ファンダメンタルズ、企業のランキングといった相場に関することだけでなく、かつてQUICKの配信でも人気のあった"相場を離れて"に似たエッセイを書こうと思う。その際には、私もこっそりとアルファポリスに登録するかもしれない。(了)

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 取材後記は以上です。如何でしたでしょうか?

 

 後日、ロングインタビューもオンデマンド配信されますので、こちらもお楽しみ下さい。

 

 さらに今回は、リスナープレゼントがございます!同社が刊行した話題の一般文芸書籍「居酒屋ぼったくり」(秋川滝美)を5名様分ご提供頂きました。

 以下関連リンク集のサイトから同著書を、いわゆる立ち読みができますので、宜しければご覧の上、応募ページよりふるってご応募下さい。

 

(関連リンク集)

アルファポリス IRサイト

「居酒屋 ぼったくり」ウェブサイト

代表取締役社長 梶本さまと
代表取締役 梶本さまと